お念仏を申す生活法話
降る日も照る日も
2018-10-05
朝から凄い雨になりました。
台風でも来て大きな雨が降るといろんな被害が心配ですが、雨が降らないと私たちの日暮し生活に支障をきたします。
親鸞聖人が比叡の山を下りられ京都の六角堂に百日間参籠された95日目の明方に
六角堂の御本尊観音菩薩さまの夢告を受け法然聖人のもとに百日間通われたと
恵信尼文書という奥様の恵信尼さまが娘の覚信尼さまに宛てたお手紙に書かれてあります。
そのなかに降る日も照る日もとあります。雨の日も晴れの日もどんな日も毎日百日間通われたということです。
雨の日は余程の用事がない限り外に出ることはありません。
生死いづべき道を求めて雨の中もということです。
生死の迷いを離れる道をひたすら求めて法然聖人を訪ね
阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を聞かれたということなのです。
私たちは日々の生活にあって自分の当面の用事を先にします。
そういうなかにあって生死いづべき道とはこの私の命をかけるほどの一大事であるとのお示しだといただきます。
私たちもまた降る日も照る日も生死いづべき道を求めて、仏さまのご縁ご縁に遇わせていただきたいと思うことです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.10.5)
断捨離宣言?
2018-10-04
昨日10月3日は私の誕生日で66歳になりました。
こういう人生の節目には一つ決心して何かしましょうと思い立つのですが
断捨離といいます、一つものごとを片付けていく始末していくということで
昨日今までためていた書類を引っ張り出して少し整理をやりかけたんですが
久しぶりに目にする物モノもの全てに思い出があって断捨離どころではなくなって整理もままならず
半分以上はまた元の袋に戻すようなことになりました。
断捨離というのはそのもの自体を思い切って捨てるということなんですね。
でも一回見だしたらそれこそ駄目ですね。
これは捨てられない取っておこう、これもこれもといった具合で本当に難しいですね。
何が難しくしているのか。私のはからいです。
究極の断捨離はこの私のはからいを一切捨てるということだと思います。
まさに仏道修行ということになりますが、自分の力で捨てよう捨てようとしてもどこまでも自分のはからいが残ります。
捨てきれないのです。
私のはからいに執着し苦悩する私を目当てにお念仏のご法義阿弥陀さまの本願他力がおはたらきです。
そのまままかせよ必ず救うの南無阿弥陀仏のお心おはたらきにただまかせるだけでいいんです。
そこに何の条件もありません。そのままのお救いなのです。
ただそのことを私がそのまま聞き入れません受け入れません。
私が私がとはからいが次から次と出てきます。
お聴聞しなさい信心いただけよと、信心一つお念仏一つでいいんだよと、何度も何度も聞かせていただきますが
まだまだ娑婆の縁が恋しいのが私たちのようであります。
とはいえこの命いつまでも長く続くということではありません。
断捨離といった思い切ったことは中々できないかもしれませんが、一つ一つこの人生の始末をつけながら
一歩一歩お浄土への道すがらを歩ませていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.10.4)
お仏飯をお供えして仏さまとご一緒にお食事しましょう
2018-11-03
何か朝方一気に秋が来たようにちょっと身震いするような寒ささえ感じます。
こうして朝起きて皆さんもそれぞれ朝の日課があると思います。
このお朝事のお勤めは私たちの日課の最たるものだといただきます。
朝起きて6時の鐘をつく前にお仏飯を仏さまにお供えさせていただきます。
仏さまにご飯を差し上げるのです。仏さまとご一緒に食事をさせていただくのです。
食事をするということは仏法聴聞、仏さまのみ教えを聞かせていただくことだと教えていただいたことです。
ご飯を毎日食べないとこの身体はやせ細ってずっと食べないと死んでしまいます。
仏法も同じように日々聞かせていただくことが肝要だよというのです。
聞くことをやめたらそれこそ死にますよ、それぐらい仏法聴聞は大切なことなのですよと教えてくださっているのが
日々お仏飯を仏さまにお供えすることではないかなといただきます。
食べるということは一方では欲です。
次から次とこの身にあふれる欲の心は仏さまからいうと煩悩の最たるもので私たちの苦しみ悩みの原因です。
お経さまに少欲知足という言葉があります。欲は少なく足ることを知るということです。
欲をはるのではなくほどほどにということですが、中々そうはいきません。
好きなものはそれこそ貪欲に目いっぱい欲しがる、いただく食べるということですが
嫌いなものは食べ残しぷっと捨ててしまうのも私たちのあり様です。
そういう私たちにいただけよいただけよ信心いただけよと仏法聴聞を勧めてくださる仏さまです。
阿弥陀さまの必ず救うまかせよの南無阿弥陀仏のお心をいっぱいいただいて
ナンマンダブツとお念仏を申す今日の一日でありたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.10.3)
お通夜のご縁でご法話をさせていただきます
2018-10-02
お通夜のご縁でご法話をさせていただきます。
短いお取り次ぎですが、皆さんよく聞いてらっしゃるなということをいつも感じます。
お通夜にお参りする方は必ずしも浄土真宗の門徒ということではありません。
それこそ初めて仏さまのお話を聞くという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
ただよく聞かれるというのは、先に往かれた大切なお方と最後に過ごすお通夜のご縁ということなのだと思います。
大切なお方が亡くなって今は棺の中に懐かしいお姿を見ることができますが、明日は火葬され白骨となるということです。
日常当たり前のように会って話をしていた方が生活のなかからいなくなるということです。
これほど悲しいことはない、本当にさびしい限りです。
お通夜のご縁で仏さまのお話を聞かせていただくのです。
どこかで皆さんも思い知っていることですが、私たちはどんな人も命終えていかねばなりません。
死ぬということです。死は避けて通れぬことですが、自分のことと思いたくない考えたくない私がいます。
お聴聞といいますが、お法話を我が事として聞くということは、これほど難しいことはありません。
ただこの難しいことができる場そのご縁がお通夜のご縁なのです。
どなたがこのお通夜のご縁この私をここに座らせてくれたのでしょうか。
先に往かれた大切なお方です。今はもうすでに仏さまとなって私を仏さまのご縁に遇わせてくださっているのです。
お通夜のご縁を仏さまのご縁として、仏さまのご縁にこれからも遇っていただきたいと思います。
お通夜のご縁はその人人一度きりのご縁です。
悲しみのご縁ですがそのまま仏さまのご縁に遇わせていただいて
いよいよナンマンダブツナンマンダブツとお念仏を申す生活をさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.10.2)
仏さまのご縁をそのままいただきましょう
2018-10-01
10月に入りました。あっという間に10月ということで今年も残すところ三か月です。
昨日は台風24号で日中雨風が凄かったですね。
皆さんのお家は何か被害はありませんでしたか。お寺は今回少なからず被害に遭いました。
今朝6時の鐘をつくとき鐘楼前の彼岸花が倒れているのに気づきました。
毎年お彼岸を過ぎて遅く満開になりますが、今年も満開になって写真を撮っておこうと思って
今日見ましたら根元からぷつっと切れるように何本か周りに飛び散っていました。
自然の大きな力の恐さともののあわれ無常ということを思います。
仏教で諸行無常といいます。この世の中に常なるものは一つもないと仏さまはお示しです。
すべてのものは日々刻々と変わっていくといいますが、私たちは誰しも無常の身を生きているということです。
大切な人との別れはそのことを私たちに身をもって教えてくださいます。
昨日夕刻になって二件続けてご門徒の方がお亡くなりになったという連絡が入りました。
さっそく臨終勤行にお参りしました。二件ともご自宅ではなく葬儀社でのお勤めでした。
お勤めの後お通夜お葬式のご相談をさせていただきます。
二件とも何度も「家族葬ですから」と言われます。
最近は家族だけでお勤めをするという家族葬というかたちの葬儀が増えてきました。
常日頃から葬儀のことについてご門徒皆さんにお話ししていることです。
家族葬といってお葬式のお勤めに変わりはありません。ていねいに精いっぱいお勤めさせていただきます。
大切な人とお別れする悲しみのご縁ですが、そのまま仏さまのご縁といただきましょうとお取り次ぎします。
ただいざその時になって、そのことが皆さんに届いていないことをもどかしくまたさびしく思います。
口々に「家族葬だから」こうしてください、こうしてくださいとご遺族の思いを話されます。
この場におよんで私の方からこうですよこうですよと言うことははばかれます。
日頃のご縁平生のお聴聞が本当に大事だなと思い知らされます。
仏さまのご縁です。先に往かれた大切なお方が身をもって私たちに仏さまのご縁をつくってくださいました。
私たち人間の思いを超えた仏さまのご縁です。
仏さまのご縁をそのままいただきましょう。そのままいただけばいいんです。
そこにああやこうやと私の思いはからいが入ってくると迷うことにもなります。
分からないことは何でもお寺に相談してください。
お坊さんだったら誰でもいい、お経をあげてもらえば何でもいいということではありません。
日頃からのご縁です。お寺とご門徒さんとのご縁です。ご院家さん新院さん坊守さんとのご縁です。
人生の最後の最期ご院家さんにお勤めをしていただきたいと思っていただけるお寺になっていきたいと
ご縁ご縁にお念仏のご法義、南無阿弥陀仏のお救いの法をご門徒皆さんにお伝えしていきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.10.1)