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お念仏を申す生活法話

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愚者になりて往生するお念仏の仏道です

 今日のご和讃は高僧和讃の第七祖源空(法然)聖人を讃えるご和讃です。
親鸞聖人が在世で実際にお会いになった方は法然聖人ただ一人です。
 この法然聖人のことを親鸞さまは勢至菩薩とも阿弥陀如来の化身とも慕われておられたということです。
勢至菩薩というお方は阿弥陀如来さまの脇侍でもう一方が観音菩薩です。
勢至菩薩は智慧のおはたらき観音菩薩は慈悲のおはたらきの菩薩さまです。
 
 智慧第一といわれた法然さまです。
その名は比叡山はもとより広く知られたところでしたが
法然さまは比叡山を下りられ京都東山吉水という庵で「念仏ひとつで救われる」専修念仏の仏道を説かれました。
 智慧第一といれるほどですから仏典の隅から隅までお勉強し尽くしたお方ですが
法然さまの常の仰せは「浄土宗の人は愚者になりて往生す」とのことだったと
親鸞さまは関東の門弟へのお手紙に書かれています。
 
 愚者になりて往生すと念仏ひとつで救われる専修念仏の仏道を説かれていたのです。
知恵才覚があって善行を修めて救われる仏道ならば
日々の生活に明け暮れる凡夫は到底救われることはないが
すべてのものが分け隔てなく救われる仏道を求めて
法然さまは聖典の中に阿弥陀さまの本願念仏のお救いこそ
賢愚の別なく愚者も救われる仏道があると見抜かれたのでした。
 
 法然さまが説かれる専修念仏の仏道の教えに遇われて
親鸞さまは「ただ念仏して弥陀に助けられまいらすべしとよきひとの仰せをかぶりて信ずるほかに別の子細なきなり」と
念仏ひとつで救われる仏道に帰入されたのです。
 
 親鸞さまが愚者の私こそめあての南無阿弥陀仏のお救いだと法然さまから聞かせていただいた喜びを
ご和讃の一首一首に味わわせていただき明日が高僧和讃の最後六首になります。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.2.21)

どんな人も見捨てない阿弥陀さまのお救いです

 新型コロナウイルス感染でダイヤモンドプリンセス号に乗っていた方が
検査の結果もう心配ないということで順次下船して懐かしいお家に帰られるということです。
 
 喜ばしいことですが半面不安や心配がつきません。
一つは果たして本当に感染していないのだろうかという心配
もう一つは周りの人からどのように見られるのかという不安です。
 
 フランスパリ郊外の日本料理店で「ウイルスは出ていけ」と落書きされたという事件です。
中国から発生して日本東南アジアを中心に感染が世界各国に広がっています。
 落書きに人種差別といったことも危惧されます。
 
 私たちの立ち位置を思います。
私が感染を疑われる立場だったら本当に怖いということですが
逆な立場でしたら今回の事態をどう見るのでしょうか。
 
 感染を防ぐということで隔離ということがいわれます。
隔離される方にとって不自由なことを強いられることはとてもつらいことですが
隔離の事実がその後の偏見や差別につながるという怖さです。
 私たちの歴史が物語ります。
そして今もなお差別や偏見に苦しんでらっしゃる方がいることを私たちは忘れてはいけません。
 
 他の人のことではなく私のことです。
どこまでも自分を中心に物事を見てとらわれはからう私たちです。
 そのことを仏法に聞かせていただきます。
阿弥陀さまのお救いは感染をした人もしていない人もどんな人も等しく必ず救うとおはたらきです。
 南無阿弥陀仏の大きなおはたらきのなかに私たちは共々に平等に自由自在に
この命を生かされて生きていると聞かせていただきます。
 
 ただ難しいです。
私たちはこの身を抱えて生きていく限りは私を中心に生きていますからね。
 だからこそどうかお念仏のみ教えを聞いてほしいと願われているんでしょうね。
大きな大きな世界に生まれて来いよとおはたらきなんでしょうね。
 
 私たちの小さな小さなはからいの中に大きな大きな苦しみ悩みがあると見抜かれたうえで
阿弥陀さまは今日も私のところに南無阿弥陀仏とはたらいてくださっているのです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.2.20)

無量のいのちに生かされて

 今朝梵鐘をつきに玄関から鐘楼に向かいましたら山門の上空に三日月が輝いていました。
まだ暗い冬の寒中に三日月が冴えわたり今朝は大変冷えます。
今年一番の寒さという予報です。
 寒い中に自然の営みがあります。
大自然のなかに生かされて何かホッとします。
 
 昨日ずっと本を読む時間があって寿命ということを教えていただきました。
寿命の寿はことぶき命はいのちです。どちらもいのちと読めます。
 私たちの阿弥陀さまは「帰命無量寿如来」とお正信偈さまにあるように無量のいのちの仏さまになってくださいました。
 
 阿弥陀さまのいのちと私のいのちはどう違うのでしょうか、同じなのでしょうか。
私たちの命はどんな人もおぎゃあと生まれてそして命終えるという限りある命です。
 この限りある命を支えてくださってあるのが無量の寿限りないいのちなのです。
仏さまの無量のいのちはこの私の目には見えません。
 
 ではこの私のいのちはどうでしょうか。
見えますか見えませんか。
 私たちは見えると思っています。
だからもっともっとこうなりたいこうしたいああしたいという思いが出てくるのです。
 今の私に満足しないのです。
私の目に見える理想のいのちを求めてどこまでも満足しません。
 
 ただこのいのちの見方でずっと行くと最後は私のいのちは追い求める理想とは逆の結果に終わります。
若くありたいと思っても老いていきます。健康でありたいと思っても病気になります。
そしてこの命いつか必ず終えていかねばなりません。
 
 老病死にとらわれはからいのなかに私たちはずっとずっと迷ってきたのです。
この迷いのいのちをそのまんま引き受けたというのが無量寿の仏さまの南無阿弥陀仏のおはたらきなのです。
 そのおはたらきはこの私の命は限りがありますが命終えた後もずっと無量に引き受けてくださるのです。
私たちがこの人間界に生まれて来る前から引き受けてくださっていた無量のいのちなのです。
 
 ただこの目には見えません。
だから聞いてくれよというのです。
 私の目には見えないけれども南無阿弥陀仏の無量のいのちのおはたらきに支えられて
今日の一日もナンマンダブツとお念仏を申して生かされて生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.2.19)

百か日のご縁です

 昨日百か日のご縁にお参りしました。
ご主人とお別れして100日が経ったということです。
 その前のご縁が四十九日です。
四十九日から百か日までほぼ同じ時間が経ったのですが
大切な人が生活の中からいなくなったという喪失感です。
 日々の生活のなかで事あるごとに生前のことを思い出し寂しさや悲しみを感じられることではないでしょうか。
朝起きて「おはよう」と声を交わす、一緒に食事をする
「いってきます」「いってらっしゃい」と職場に見送り見送られるという
当たり前にできていたことができなくなったということです。
 喪失感に悲しみ嘆く私たちがいます。
 
 悲惨にくれるこの私をほっとけないとおはたらきの阿弥陀さまのご法義です。
悲しみのご縁をそのまんま仏さまのご縁といただけるのが百か日のご縁であり
初の盆一周忌というご縁につながっていくのです。
 
 そこのお家にはお仏壇がありませんでした。
この度のご縁でお仏壇を申されました。
 昨日もご本尊の阿弥陀さまに向かい私そして奥さん息子さんの3人でお勤めができました。
ご一緒に同じ方向を向くことができるのですね。
 その向く先は阿弥陀さまのお浄土です。
阿弥陀さまのお浄土に大切なお方が往ってらっしゃるとお聞きします。
そして往き放しではなくって今こここの私のところに南無阿弥陀仏と還って来てくださり
ナンマンダブツと私の口からお念仏となってご一緒してくださるのです。
 四十九日からもずっとご一緒でしたしこれからもずっとご一緒です。
 
 愛する人と必ず別れ離れなければならない苦しみです。
悲嘆にくれる私たちにいつでもどこでも南無阿弥陀仏のおはたらきで寄り添ってくださる
お念仏のご法義を有り難く頼もしく思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.2.18)

お寺のご縁お念仏のご縁です

 昨日は仏教壮年会の総会懇親会のご縁をいただきました。
お寺の集いです。
 阿弥陀さまを中心に皆さんが気持ちをもって集まりご一緒にお勤めをし総会でいろんな相談事をしました。
懇親会でお酒を酌み交わし日頃のいろんな思いをお互いに語り合うというご縁でもありました。
 
 皆さんにお酒をついで回っていろんな話になりました。
一対一の対面で顔と顔をあわせてお話をしいろんなお話を聞きました。
言葉だけではなくてその表情にも皆さんの思いが伝わってああそうやなそうやなと相づちをつきます。
 
 私たちのご法義です。
南無阿弥陀仏のお念仏のお救いの法につながったなかでのお話です。
 ただ愚痴を言ったり意見をしたりとかで終わりません。
南無阿弥陀仏のおはたらきにお互いが救い取られていくご縁がこのお寺のご縁だといただきます。
 
 歳をとってきますと色々と思い通りにならないことも段々と増えてまいります。
そういうなかにあってこうして今日もお朝事から今日の一日を始めさせていただけます。
 一日一日を本当に大切に生き抜かさせていただけるご縁こそが
お念仏のご縁とまた仏教壮年会の総会懇親会で思ったことです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.2.17)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
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