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お念仏を申す生活法話

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お寺のご縁に法名を名乗りましょう

2021-04-01
近くの川べりの菜の花と桜です(2021.4.1.12:30)
 4月1日です。
今日から令和3年の新年度です。
 学校や職場をはじめ日本の社会全体が新しく始まる
また再スタートするという大きな節目で
気持ちも新たに今日の朝を迎えたことです。

 朝一番に皆さんとご一緒にお朝事のお勤めをして
日々の生活を始めさせていただきます。
 一年365日毎日のおつとめです。
大変尊いこと有難いことです。

 常お朝事同行の皆さんには
毎日が円光寺から始まるということで
お朝事参りが生活のリズムとして
身についたものになっていると思います。

 毎日が同じことの繰り返しのようななかで
新年度に入って何か一つ新たに工夫して
お朝事参りの励みになるようなことがないかと
思いついたのが
皆さん毎日お参りされて記帳簿に名前を書かれることが
毎日のたしなみになり励みになっていると思いますが
鉛筆で一々書くのも大変かなと思ったりして
私の方で皆さんの法名をゴム印で作りました。
 それで明日からスタンプを置いておきますので
記帳簿に押印してお朝事参りの励みに
していただきたいと思います。

 常お朝事同行三人衆の皆さんです。

 田仲進さんは「釋一行」さんです。
30年前のご縁でいただいた法名で
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
お念仏一つの道を行く進むという意味です。

 三浦善孝さんは「釋善心」さんです。
この「ぜんしん」の呼び名は
親鸞聖人が法然門下で名乗った綽空、善信そして親鸞の
三つの法名のなかの善信の呼び名と同じです。

 七高僧さまのお名前から一字ずつとった
三つの法名ですが
2字×3の6字ですから
一人だけとっていない方がいらっしゃって
それが第一祖のインドの龍樹菩薩です。
龍の字も樹の字も入っていません。

 それで平松正樹さんです。
樹の字が入っています。

 親鸞さまが書かれた『教行信証』の最後の言葉に
「慶ばしいかな、心を弘誓(ぐぜい)の仏地に樹(た)
 念(おもい)を難思(なんじ)の法海に流す。
深く如来の矜哀(こうあい)を知りてまことに師教の恩厚を仰ぐ。
 慶喜(きょうき)いよいよ至り、至孝(しこう)いよいよ重し」
(まことによろこばしいことである。
 心を本願の大地にうちたて思いを不可思議の大海に流す。
 深く如来の慈悲のおこころを知り
 まことに師の厚いご恩を仰ぐ。
 よろこびの思いはいよいよ増し
 敬いの思いはますます深まっていく)とあります。

 心を弘誓の仏地に樹てると、樹の字です。
それで平松さんはまだ帰敬式を受けていませんが
私の方で「釋樹心」と法名をつけさせていただきます。

 毎日のお朝事参りの励みにしてください。
日々の社会生活のなかでは俗名を名乗りますが
お寺のご縁には法名を名乗ることをお勧めします。
 法名をいただいてもしっかり仕舞い込んで
忘れている人も多いようです。

 お寺のご縁に法名を名乗ることで
法名が身近なものとして身につくといいと思います。

 皆さんが法名を名乗ることで周りの方々で
法名をいただいている方には法名の名乗りをお勧めし
法名をいただいていない方にはご本山にお参りのご縁に
ご門主さまから法名をいただきましょうと
声かけをしていただくと有難いです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.4.1)


偏西風に乗って黄砂の飛来です

2021-03-31
平和公園の満開の桜です。黄砂の影響で日本製鉄の煙突が少し霞んでいます(2021.3.31.16:30)
 今日で3月が終わります。
今年は3月に大変気温が高く上がって
桜の開花も満開もそして散るのも早いということです。

 昨日からのニュースで黄砂ということをよく耳にします。
中国の大陸から偏西風に乗って日本中を覆い尽くすように
黄砂が飛んでくるというのです。
 対象物を見通せる視界が5㎞以内だと
車の運転など要注意の警報まで出るといいます。

 中国の大陸から飛来するということで
仏教の伝来を思います。

 日本は今は大陸と離れた島国ですが
元々は大陸とつながっていたという話です。
 お釈迦さまの仏教が
インドに起こって中央アジアを通って
中国そして朝鮮半島を経て日本に入ってくるコースは
まさに黄砂の偏西風の動きと同じです。

 インドのガンジス文明、中国の黄河文明という
東洋の文明文化の伝播広がりです。

 仏教を中心にした東洋思想と
キリスト教を中心にした西洋思想です。

 ここで東洋といい西洋というけれども
何をもって西とか東とかいうのでしょうか。
 世界の中心をどこにするかの見方であり
突き詰めて言えば自分がいるところが中心なのです。

 自分を中心にして西東北南を見ているのであり
地球は常に自転公転して回っているわけですから
東西南北が決まってあるわけではないのです。

 地球上に住む人人のものの見方が
自分を中心にしてそれぞれ違うということです。
 その違いを超えて真実まことの
仏さまのみ教えがあると聞かせていただきます。

 移り変わり行く私をそのまましっかりと
摂め取って捨てないという仏さまがいらっしゃって
自分の都合で善かったり悪かったりと
喜び悲しみ苦しみ悩み迷う私を
南無阿弥陀仏のおはたらきで救うというのです。

 南無阿弥陀仏とお念仏を申して来いよと喚ばれる
阿弥陀さまの西方浄土に生まれさせていただけるみ教えを
日々の営みの中に聞かせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.3.31)


「たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」

2021-03-30
別府公園の春の装いです(2021.3.29.14:00)
 作家の吉川英治さんをご存知でしょうか。
長編『宮本武蔵』を世に出した作家として有名ですが
浄土真宗にも深くご縁がある方で
宗祖親鸞聖人のご生涯を描かれた『親鸞』を著作し
中村錦之助主演で映画にもなっています。

 私が小学生のとき「親鸞聖人七百回大遠忌法要」が
お勤まりになった頃のことです。
 親鸞さまの90年の波乱万丈のご生涯のなかでも
青年親鸞に焦点をあてられたものでした。

 比叡山で9歳から29歳まで20年間
厳しい仏道修行をされます。
 血気盛んな青年期です。
いろいろと思い悩む時でもあります。
 そのなかで人間親鸞が「生死いずべき道」を
仏法に求めていくのです。

 その先はといいますと
比叡山を下りて法然聖人と出遇い
「念仏一つで救われる」専修念仏のみ教えに遇われて
往生浄土の本願念仏の道を歩まれていかれます。

 親鸞さまが私たちに説き開いてくだされた
浄土真宗のみ教えが八百年の時空を超えて
今この私のところに至り届けられているのです。

 宿縁といいます。
私がこの世に生まれて何年という話ではありません。
私が生まれるずっと前から
遠い過去からのご縁があったというのです。

 そして今ここ阿弥陀さまの御尊前に座らせていただき
お念仏を申す身にさせていただいたということです。

 南無阿弥陀仏のご縁です。
阿弥陀さまがこの私をこそ必ず救うと
ご本願をおたてになり兆載永劫のご修行をされて
南無阿弥陀仏の仏さまに成ってくださったのです。

 南無阿弥陀仏のご縁は
私がどうこうすることではありません。
 宿世のご縁としか言いようがないと
親鸞さまは「たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」と
本願を信じ念仏申す身をよろこばれたのです。

 南無阿弥陀仏のおはたらきがこの私に届けられて
南無阿弥陀仏とお念仏を申す身にさせていただくのです。
 お念仏の声がそのまま私の周りの方々
子や孫の世代に届けられていく
お手伝いをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.3.30)


大関照ノ富士復活

2021-03-29
3月29日朝6時すっかり明るくなりました

 朝がすっかり明るくなりました。
本堂の外灯も明日から切ろうと思います。
 いよいよ春めいてまいります。
昨日までの雨も上がり外にお出かけしたい気分ですが
まだまだコロナ禍です。
 十二分に注意しましょう。

 昨日は大相撲の千秋楽で関脇照ノ富士が優勝し
大関再昇進を決めました。
 照ノ富士は元大関で優勝経験もある実力者でしたが
膝の大けがと内臓疾患で番付最下位の序の口の一つ上
序二段まで落ちてそこからのカンバックです。

 相撲界は番付がものを言う厳しい世界です。
大関から序二段まで8場所で落ちて
序二段から大関まで13場所かかっての復活劇です。
 相撲界の人間関係も番付で大きく違うということで
精神的にもめげずにここまでやってこれたのは
周囲の誰もが認める力量もさることながら
「元の場所(大関)に戻りたい」と一心に堪えて
日々精進努力したことに尽きると言われます。

 私たちの日々の生活にも通じることです。
私たちはこうありたいと思いをもって生きていますが
思いをもつだけでは願いを成就することはできません。
 目標に向かって精進努力することが肝要です。

 仏道修行も同じ道理ですが
理屈はわかっても
家に在って家庭をもち社会生活する私たちは
形ばかりの出家もできそうにありません。

 自らの力をたよりに仏道を励むことが難しい私たちを
阿弥陀さまはもうすでに見抜かれて
法蔵菩薩という菩薩の位に下りて
仏に成るために52段位の菩薩の修行を始められたのです。

 法蔵菩薩の願いは
十方衆生すべてのものを救いたいということで
この私を救うことができなかったら自らも仏に成らないと
私の成仏をかけた誓願でした。

 浄土真宗のご法義は
法蔵菩薩が十方衆生を必ず救うと大きな願いを建てられ
はるか永い時間をかけて精進努力を重ね
阿弥陀仏になってくださった
南無阿弥陀仏のお救いの法なのです。

 南無阿弥陀仏のお心を聞いてくれよといわれます。
この私を救うために
法蔵菩薩のご苦労があったということです。
 南無阿弥陀仏のお念仏の声となって
凡夫のこの身にもうすでに至り届いてくださってある
有難さ尊さです。

 今日一日もお念仏申して
阿弥陀さまのお慈悲に生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.3.29)


円谷幸吉さんとサルビアの花と君原健二さんのいのちつながる

2021-03-28
朝からの雨と風で桜の花が散っていきます(2021.3.28.12:00)
 オリンピックの聖火リレーは
昨日が三日目で福島県での最終日でした。

 新聞にマラソンの君原健二さんが
聖火ランナーで走っている記事が載っていました。
 君原さんって八幡製鉄北九州福岡の人じゃないのと
思いましたが記事を読んで納得しました。

 赤いサルビアの鉢植えの花が
沿道にずっと並んでいるなかでの聖火リレーです。

 57年前の前回の東京オリンピックのことです。
円谷幸吉さんというマラソンの選手がいて
あの時は円谷と寺沢そして君原が代表選手で走り
自国開催の五輪でメダルを当然のように期待されて
円谷選手が国立競技場の最終コーナーで
イギリスの選手に抜かれたものの
三位になり銅メダルを獲得したのです。

 その円谷選手の出身地が福島ということで
前回福島の聖火リレーで高校生がサルビアの花をもって
声援を送ったことに因んで
今回のリレーになったといいます。

 円谷選手は次のメキシコ大会の前に亡くなります。
その遺志をお兄さんが継いで
サルビアの花を家で育て墓前に供え続けたといいます。
 そのことを地元の方はよく知っていて
今回福島での聖火リレーにサルビアの花を沿道に飾ろうと
会を立ち上げ行ったのが昨日の聖火リレーでした。

 57年です。
人人の思いがつながるということです。

 先日お念仏の花を咲かせて伝えていきましょうと
お念仏の聖火リレーのお話をしました。
 声に出してお念仏申させていただきます。
心の中で思っていても中々お念仏申せません。
 私たちの日常は自分のことで精いっぱい
生きることで精いっぱいですからね。

 仏さまのご縁に遇うことの難しさです。
今じゃなくても歳をとって暇になったらと
先送りする思いも出てきます。

 御仏前です。
今この身を御仏前に座らせていただく有難さです。
 御仏前に座って手が合わさり
この口から南無阿弥陀仏のお念仏の声がでてくださいます。

 南無阿弥陀仏ははるか遠い昔から
この私を必ず救うとおはたらきくださっている
阿弥陀さまのお喚び声です。
 そのお念仏の声を私たちのご先祖有縁の方々が
届け伝えてくださって今ここにお念仏申す私があるのです。

 57年どころではありません。
大きな大きな南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかに
先に往かれた方も後に遺った方々も共に
阿弥陀さまのお慈悲の中に生かされてあることを思います。

 聖火リレーに一人一人の人生がありドラマがあると
また深く味わわせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.3.28)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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