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お念仏を申す生活法話

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敗者復活戦

2024-08-09
 パリ五輪もいよいよ後半に入り
日本期待のレスリング競技が始まりました。

 女子50キロ級では
東京五輪の覇者で金メダル確実とまでいわれた選手が
一回戦で敗れました。
 敗戦後の呆然自失した姿が
大きな落胆ぶりを物語っていましたが
敗者復活戦に進むことになりました。
 
 一夜明けて敗者復活戦そして三位決定戦を勝ち上がり
銅メダルを獲得したということです。

 張りつめた緊張感が途切れたなかで
いかに気持ちを切り替え
集中力を高めることができたのか
インタビューで
周りの方々が背中を押してくれたと答えています。

 これまでも幾度となくそうした周囲のサポートに
感謝してきたと思いますが
今回は海外のレスリング仲間から
応援メッセージが届くなど
これまで以上に周囲の力強い支援を感じて
心から感謝していたように思われました。

 そして「五輪王者の私じゃなければ
価値がないと思っていたけど
一人の人間として応援してもらえていることに
気づけて幸せだと思った」と述べています。

 人間がすることに絶対はありません。
私の思い通りになることって
一体どれくらいあるのでしょうか。
 勝負の世界は如実にそのことを教えてくれます。
みんなが勝者にはなれません。
勝つ者があって負ける者があるのです。

 金メダルを獲った選手も
異口同音に言っているのは
自分一人の力で成し遂げたことでは
決してないということです。
 コーチスタッフの支えがあり
家族や応援してくれる人たちの
支えがあってのことだと言います。

 勝っても負けても
私一人の力ではない
多くの人のおかげで生かされて
生きていることに気づかせていただき
一人の人間として成長していくのではないでしょうか。
 
 敗者復活戦です。
勝者は一人でそれ以外は敗者です。
 オリンピックで人生が終わるのではありません。
勝った人も負けた人も
一般の私たちには経験できない
オリンピックという舞台を経験して
これからの人生に活かせることが
たくさんあると思います。

 この人生に勝者も敗者もありません。
私たちはみんなそれぞれの人生を生きる
チャンスをいただいているのです。

 南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
誰もが救われる往生浄土の人生が開かれているのです。
 お念仏申して周囲の方々と共々に
生かされて生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.9)

ご返信ありがとうございます

2024-08-08
 お盆を迎えて
久しぶりに有縁の方々にお便りをしました。

 これまでも年賀状や
寺報『ようこそ』を送信していた方ですが
今年は年賀状も出さずじまいで母の往生も重なって
ずっとご無沙汰していた懐かしい面々です。

 有難いことに早速ご返信をいただきました。
私には中々できないことですが
大変嬉しく懐かしく何度も読み返しました。

 つながっているということです。
今は手紙ではなくネットで即座につながる関係ですが
ふっといただく便りの有難さです。

 その人との関係思い出がよみがえります。
あの時何々で大変お世話になった
迷惑をかけたなどと思い出しては
その人となりに触れさせていただきます。

 遠い過去のことではなく今の私につながります。
色々と皆さんに支えられ生かされてあることを
有難く思います。

 お念仏のご縁つながりです。
南無阿弥陀仏のおはたらき一つに
あなたと私がつながって
共々に往生浄土の道を歩ませていただく
有難さ尊さです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.8)

何とも情けない歯がゆい思い

2024-08-07
 今はお寺も殆ど椅子席になりました。
座布団に正座する生活習慣が昔のことのようです。
 そしてお勤めをするお坊さんも椅子席のお寺が
多くなりました。

 足膝腰が不自由で正座がかなわない方が
多くなったということ
これも僧俗共に高齢化の現実を物語っているものです。

 私はまだまだ大丈夫と思っていましたが
法要時の立ったり座ったりするお勤めの所作で
すっと立ち上がることがままならなくなり
スムーズな所作が難しくなりました。

 内陣出勤されるお坊さんが一斉にすっと立ったら
格好いいのでしょうが
一人だけ手間取ったり
転ぶようなことがあったら大変です。

 今は普段の本堂のお参りも
私は外陣で椅子席でお勤めをさせていただきます。
 若い時分だったら足腰を鍛え直してということですが
もう無理は禁物です。

 このたび組内の大法要に
内陣出勤のお役を仰せつかりましたが
作法所作がおぼつかなく
お断りした次第です。

 何とも情けない歯がゆい思いですが
何がなんでも私がということではなく
ここはどなたかに代わってお手伝いいただく心境です。

 いい歳になりました。
これからも思うようなことができなくなりますが
今私にできることを精いっぱいさせていただくことで
僧侶のつとめを果たしていきたいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.7)

広島原爆忌79年

2024-08-06
 今日8月6日は
小学校は夏休み中の登校日です。
 毎年広島に原爆が投下されたこの日に
平和授業が行われています。

 昭和20年8月6日に人類史上初めて広島に
続いて8月9日に長崎に
原子爆弾が投下され
幾多の尊い命が一瞬のうちに奪われました。

 79年が経ちます。
被爆者は年々亡くなっていき
直接被爆体験を語る人は少なくなっていますが
被爆2世3世と呼ばれる
子や孫の世代が被爆者の思いを語り継いでいます。

 核のない世界、核兵器廃絶を訴える
被爆地からの声とは裏腹に
核兵器はその後も世界の主要国で増え続け
ロシアのウクライナ侵攻や
イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの攻撃で
核兵器の使用が取りざたされている現実があります。

 アメリカの世論は今も
「原爆投下は戦争の早期終結を促すものでよかった」と
原爆投下を支持評価する声が多くありますが
核兵器がもたらした広島長崎の惨状を見れば
原爆投下は全く理不尽不条理な歴史の事実であり
人間の手によって起こされた人類の重い罪です。

 もう終わったこと
何を言っても思ってもしても
元に戻ることはできないのだから
前を向いてといわれても
私たち人類が引き起こした過去の重い事実に
私たちは目をつぶることは許されず
真摯に向き合わねばなりません。

 日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国ドイツの
ヴァイツぜッカー元大統領の
「過去に目を閉ざす者は、
現在にも盲目になる」の言葉です。

 過去を忘れることは
未来への不安を大きく揺るがすものです。
 過去に真摯に向き合うことで
未来へ大切なメッセージを伝えることができるのです。

 「過去のことを変えることはできないが
見直すことができる」と
仏法に聞かせていただきます。
 過去の事実にしっかり向き合うことで
今私たちができることをさせていただくことです。

 核をめぐる論議は
核保有国と非保有国があるという現実の中で
核の傘をもとに核の拡大抑止論が
為政者の中心になっていますが
結局は新たな分断と差別を促すことだけです。

 仏法は縁起の法です。
すべてのいのちが網の目のようにつながっており
そのつながりは自分の都合で切っても切れない
良くも悪くも関係ないことは何一つない
という教えです。

 自分の都合、国の都合でいえば
みんながこれでよいということはありません。
 私の思いはからいでは
どこまでも問題は解決しませんし
新たな分断や差別を生みだすものともなるのです。

 仏さまの思いはからいにまかせることが
真の平和につながることです。
 「ただ念仏のみぞまことにておはします」と
仏法聴聞させていただいて
私にできることをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.6)

「浄土真宗でよかった」

2024-08-05
 今日からお盆参りが始まります。

 私たちの地域には
浄土真宗の円光寺の他に浄土宗と臨済宗2か寺の
計4か寺のお寺があって
以前はお盆の参り合いの習慣がありました。

 お盆参りの手伝いを始めた頃
ご門徒のお家だけではなく
他宗派のお家にもお参りして
お仏壇の造りが違いお飾りもそれぞれ異なって
大変興味がありました。

 他宗派ではお盆に
ナスやキュウリを牛馬に見立ててお飾りします。
 ご先祖がお家に帰って来るときの
乗り物を表すということです。
 また<おりょうぐ膳>という精進料理を
毎日お仏壇にお供えします。

 実家が他宗派だったご門徒の方が
「浄土真宗でよかった」と
しみじみと言われたことを思い出します。
 葬儀や法事、盆彼岸の仏事で
お仏壇のお飾りが大変だったというのです。

 お仏壇のお飾りにはすべて大事な意味があり
そのお心をたずね伝えていくことが
私たちの勤めなのですが
浄土真宗は殊更そうしたお飾りが無くて
よかったと言われるのです。

 確かに宗派によってお飾りの仕方は異なりますが
浄土真宗のお飾りもまた仏さまのお徳
智慧と慈悲のおはたらきを表すもので
決まったお飾りをすることで
そのお心をたずね聞かせていただくことが肝要です。

 阿弥陀さまの「まかせよ救う」
南無阿弥陀仏のお心おはたらきです。
 浄土真宗のご法義です。
諸善万行を積んで仏のさとりを開く自力の仏道ではなく
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
生きとし生けるすべてのものが分け隔てなく救われる
他力の仏道です。

 念仏一つで救われるご法義もシンプルですが
浄土真宗のお飾りもいたってシンプルです。
 きれいにお飾りされた御仏前に座り
お念仏お聴聞申させていただきましょう。

 南無阿弥陀仏のご法義に遇わせていただくことで
「浄土真宗でよかった」と
日々お念仏申して
往生浄土の仏道を歩ませていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.5)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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