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お念仏を申す生活法話

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南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかにお念仏の生活です(2010年アーカイブ)

2022-08-07
 東京で111歳の方が
実は32年前に亡くなっていたことが
わかったことに端を発して
高齢者の行方不明者の身元確認が
日本各地で行われています。

 30年40年も前に家を出て
消息がわからないというのです。
 生きていれば111歳だとかいう方が
戸籍上は生きているということです。

 ちょっと考えられない話ですが
今の社会世相を象徴しているようで
とてももの悲しい寂しい事件です。

 あの人はもう何年も見ないけれども
一体どこにいるのかなあなどということが
皆さんの身近でもありませんか。

 そう言われてもすぐには思い出せない
私には関係ない社会に
なってしまっているのかもしれません。

 一方で身元不明の遺体が
一年に何百人もあるといいます。

 行方不明になっている人がいて
身元不明の亡くなった人がいるということで
それなりに資料が合っているわけですが
何かやりきれない悲しさを覚えます。

 どんな人も
両親がいてこの人間界に生を享け
周りの方々にお世話になり育てられ
一所懸命に生きてきて
最後は命を終えていくこの人生の道のりですが
誰からも看取られることなく
命を終えていくことを思うと悲しいものがあります。

 行方不明のままで亡くなって
荼毘に付された後もお遺骨は
どこに行くのでしょうか。

 今はお葬式や納骨のことも
子や孫に負担や迷惑をかけたくないと
自分のところで何もかも考え済ませる例が多くなりましたが
それは親の本心かなと思ったりします。

 私たちはどんな人も縁あってこの世に生まれ
人と人とのいのちのご縁つながりのなかに
共々に生かされて生きているのです。

 私が善いとか悪いとか肯定否定できるものではなく
いのちのつながりのなかにあるからこそ
生きてこれたしこれからも生きていけるのです。

 このいのちのつながりの根っこを
南無阿弥陀仏のお念仏と聞かせていただくのが
浄土真宗の仏教のみ教えです。

 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
私たちは共々に生かされて生きているのです。

 人と人とのつながりが希薄になり
切れてしまっているようにさえ思う今の社会にあって
南無阿弥陀仏につながってお互いに支え支えられ
共に助け合って生きてきた
お念仏の先人の生活に学ばせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.8.7)


広島原爆の日(2009年アーカイブ)

2022-08-06
 今日8月6日は
広島に原爆が落とされた原爆記念日です。

 今年で64回目ですが
今回の記念日はこれまでとはちょっと様子が違うと
報道されています。

 アメリカでオバマ新大統領が誕生し
今年4月にチェコのプラハで演説を行ったことが
波紋をよんでいるといわれます。

 核保有国で唯一核兵器を使った国の道義的責任として
核兵器の廃絶を目指していきたいと演説したことでした。
アメリカの大統領で初めて演説したことでした。
 これは極めて画期的な演説で
アメリカの大統領がこれまで
核廃絶に言明することはありませんでした。

 今地球上には2万発以上の核兵器があるといわれます。
その殆どをアメリカとロシアが保有し
フランス、イギリス、中国、インド、パキスタンも保有して
イスラエルそしてイランや北朝鮮にも
核兵器があるのではないかといわれます。

 ボタン一つで地球を破滅してしまう威力をもった核兵器は
私たち人類にとって大きな脅威です。
 地球を何百回も何千回も破壊し尽くしてしまう
恐ろしいものを私たちがもっているということです。

 誰が考えても本当に怖いことですが
だったら廃棄すればということにはなりません。

 逆に今の世界情勢から国と国との力関係のなかで
核兵器があるから平和が維持されているという
核抑止力の論理がまかり通っています。

 『大無量寿経』には
「仏の教化のおよぶところ、国も郡も町も村も
その教えのめぐみを被らぬところはない。
そのため、世の中はなごやかに治まり
日月は清らかに照り、風雨はほどよく時を得
もろもろの災さらにおこらず
国は富み、民は安らかに
軍隊や兵器もまったく用がなくなる。
また、人びとは徳をあがめ、いつくしみをおこし
つとめて礼儀を重んじ、たがいに譲りあうのである」と
仏さまが歩み行かれるところには
軍隊や兵器は全く必要がなくなるとあります。

 仏さまの大きな願いを聞かせていただきます。
一方で私たちが生きる国々には
核兵器をはじめ多種多様な武器や軍隊があります。

 この現実に向き合うとき
私たちの世界には仏さまはいらっしゃらないのかと
思ったりもします。

 こうして仏さまのご縁をいただく私たちです。
仏さまのみ教えを聞くということは
仏さまの教えと私たちの現実生活とは違うものである
という聞き方ではありません。

 私たちが生きているこの現実生活において
仏さまのみ教えを聞かせていただくなかに
いかに仏法が現実にそぐわない理想だといわれようとも
私ができることを行い
言うべきことは言っていくことが
いよいよ大事になってくると思います。

 核兵器の廃絶なんで理想じゃないかと一笑されようとも
仏さまのみ教えは真実真理の法です。
 真実ほど強いものはありません。
日常生活の中で仏さまの大きな願いを聞かせていただき
小さな声でも言うべきことは言い続けていきたいと
また思います。

 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009・8・6)


ご門徒衆の思いを寄せてお寺の大掃除です

2022-08-05
 今朝6時の鐘を撞きに鐘楼に上がって
周囲を見たら見違えるようにきれいになっていました。

 日頃は皆さんから見えない所で掃除も行き届きませんが
昨日の大掃除でご門徒皆さんにお寺の隅々まで
手分けしてご奉仕いただいたことです。
 おかげさまできれいになりました。
ありがとうございました。

 早朝7時半から約30分の作業で
50人ほどの方がお手伝いくださいました。

 こんなことを思いました。
50人で30分の作業を一人でしたら
丸一日25時間かかる計算です。
 この猛暑の時期に一日中というわけにはいきません。
一日に2時間といって12日
30分だったら50日かかります。

 もう到底一人じゃできないとあきらめて
身の周りの見えるところだけしましょうと思うのが
この私です。

 その大変なことがご門徒皆さんでできるのが
お寺の大掃除だと思ったりします。
 お寺へのあたたかい思いをもったご門徒衆の心意気が
形となって表れて頼もしい限りです。

 私も桜の木の下の落ち葉拾いをしましたが
近くから女性の声が聞こえてきした。
 マスク越しにお話しながら
作業をしているのです。

 独りじゃないということです。
皆さんと一緒にできる大掃除です。
 家の近くの皆さんでも
日頃は中々会うことがない者同士が
久しぶりにお寺で会えるご縁というのが
またいいですね。

 お寺の活動は
ご門徒皆さんの思いを寄せていただくかたちで
私にできることをさせていただくことです。

 お寺を自分のお家のように思ってくださって
お盆を迎えるにあたって
お寺参りの人が気持ちよくお参りできるように
きれいにさせていただくのです。

 お寺の活動といって信仰の証のように
ボランティアとか奉仕活動と
声高に言われるものではありません。

 今の時代何でもお金に換算して
言われる方もいらっしゃいますが
どうでしょうか。

 またお役ということもあります。
お役だから出るお役でなくなったらもう関係ないという
見方もあります。

 お寺の活動はそうした世間のものの見方
私の思いはからいを超えたものです。
 こんなことを言うと
住職の都合の良い話のように聞く人もいると思いますが
お寺にご縁をいただいた私たちが
私にできることをさせていただくことです。
 浄土真宗円光寺門徒の心意気です。

 今日からお盆参りが始まります。
一年で一番暑い猛暑のなかに
お坊さんにとって
まさに坊主地獄灼熱地獄の行です。

 8月盆月のお坊さんのつとめです。
何でもしないといけないと私に力が入ると
何でいつもこの暑い時にこの私がと
不平不満にもなりますが
お盆参りをさせていただける身をもって
私にできる精いっぱいのことをさせていただきます。
 
 今もお勤めをしながら衣の中から
汗が噴き出るようなことですが
お盆のご縁にお坊さんのお勤めを待ってくださる
ご門徒の皆さんがいらっしゃるということです。

 お盆のご縁にご門徒さんに久しぶりにお会いして
少しの時間ですがお話ができる楽しみもあります。

 すべてが南無阿弥陀仏のご縁なのです。
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
共々に生かされて生きてあることを
また深く味わわさせていただける
昨日の大掃除のご縁であり
今日からのお盆参りのご縁であります。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.5)


すぐ近くにスタバが新しくオープンです!

2022-08-04
 朝から猛烈に暑いです。
命が危ない危険な暑さと表現される猛暑です。

 特に用事のないときは外出せずに
しっかり水分補給をして
冷房の効いたお家で過ごしましょうと
テレビやラジオで呼びかけられますが
外でお仕事をされる方もいて
コロナの感染対策とともに
猛暑対策も怠りなくということです。

 人それぞれの猛暑対策ですが
中には暑い家から飛び出して
冷房の効いた涼しい公共施設やショッピングセンターに
行かれる方も多いと聞きます。

 今日4日にすぐ近くの高城にスターバックスコーヒー店が
オープンするといいます。
 スタバと言って若者だけでなく
今や老若男女に人気のお店で
この秋には別保にも出店するということです。

 世間の流行に疎い私です。
これまで数を数えるほどしか
スタバに行ったことがありません。
 面倒なのはメニューが多過ぎて
何をどのサイズで注文していいのか
戸惑うことを想像するだけで
不安を感じ腰が引けるのです。

 人気のスタバはドライブスルーが一つの売りですが
お店の周辺にたくさんの車が列をつくって
交通渋滞を引き起こすこともあるようです。

 とにかく流行っています。
この暑い時期にゆっくり涼しい所でコーヒーを飲みながら
一人の楽しみもいいし
友だちと一緒にコロナ下でままならないながらも
おしゃべりをしてということでしょうね。

 コロナ禍で業種によっては右方上がりの店舗もあれば
業績が落ち込んで閉店するところも出てきたようです。

 猛暑とコロナ下にあってのお寺です。
お寺の業績といって経済的な見地からではなく
お寺に人が集まるにはどうしたらいいものかなと考えます。

 現代に生きるお坊さんの発想で
お寺という広い空間を活かして
お寺でカフェをしたりコンサートや落語など
人集めのイベントを企画するお寺が増えてきました。

 私もそうした企画を思考し
自分なりに実践してきた一人ですが
近年のコロナ禍でそうした取り組みが
停滞してしまっています。

 各種イベントがお寺の行事として定着する中で
段々と行事消化になってきて
本来の目的が主催する者同士の間でも
共有できなくなってきたことが
あるのではないでしょうか。

 私自身の大きな反省でもありますが
コロナ禍はお寺の行事を見直す
大きな機会になったと思います。

 お寺に人を集める集まってもらう
お寺参りの肝心要は何はさておき
人人が仏法に遇わせていただくことです。

 昨日からの御和讃です。
「本願力にあひぬれば むなしくすぐる人ぞなき」
(本願のはたらきに出会ったものは
 むなしく迷いの世界にとどまることがない)と
南無阿弥陀仏のおはたらき一つに遇ってほしいというのが
阿弥陀仏さま親鸞さま蓮如さま
そしてお寺を預かる住職の願いであります。

 ご本願のおはたらきに遇って
「如来浄華の聖衆は 正覚のはなより化生して」
(阿弥陀仏の浄土の聖者がたは
 さとりの花からおのずと生れ)と
阿弥陀さまのお浄土に生まれ
さとりの仏さまに成らせていただけると
お念仏のみ教えを聞かせていただきます。

 今日はこの後ご門徒皆さんで
お盆前の大掃除をさせていただきます。
 コロナ下で猛暑の中です。
くれぐれも体調に気をつけて無理をしないように
お手伝いしていただきたいと思います。

 私にできるお手伝いをさせていただく先に
お念仏の仏法繁昌です。
 一人でも多くの方に仏法に遇っていただき
お念仏を申す身になってほしいとの思いをもって
仏法聴聞の道場のお寺をきれいにしましょうという
ご門徒皆さんの心意気です。

 お寺を皆さんのお家のお仏壇をきれいにお荘厳し
お念仏申して共々に今年もお盆をお迎えしましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.4)


村上選手5打席連続本塁打!

2022-08-03
 今朝の新聞一面をみてびっくりしました。
プロ野球ヤクルトの村上宗隆選手が
5打席連続本塁打の日本新記録を達成したということです。

 前試合の阪神戦で3打席連続本塁打のことは
知っていましたが
昨夜のスポーツニュースを観ないままでした。

 プロ野球の本塁打記録というと
何といっても巨人の王貞治選手です。
 868本の通算本塁打記録をはじめ
連続本塁打も王選手は4打席記録をもち
他の名だたるスラッカー13人が挑戦して
成し得なかったことを
22歳の初挑戦者がひょこっと為し遂げたという感じです。

 今年のプロ野球は大記録づくめで
投手部門では完全試合ノーヒットノーランが4試合もあって
まだまだ楽しみな状況です。

 去年のセリーグ本塁打王の村上選手ですから
この記録達成もできておかしくありませんが
長いプロ野球史上初めての快挙は
甚だ難しいことの証明でもあります。

 私たちの世代を含めて
プロ野球のホームラン王は王選手です。
 1964年に一本足打法で55本の本塁打新記録を樹立して
2013年ヤクルトのバレンティン選手が60本を打つまで
ずーっと破られなかった大記録です。

 半世紀という長い間ですが
55本に迫る選手がいました。
 外国人選手です。
バースは54本でカブレラとローズは
王選手に並ぶ55本でした。

 十分新記録達成の期待はありましたが
対戦投手が勝負を避けて敬遠気味の投球で
物議を醸しだすこともありました。

 最初の国民栄誉賞にも輝いた王選手を差し置いて
外国人選手がということがどこかにあったのでしょうか。

 それをひょこっとやってのけたのが村上選手です。
これで今シーズン39本の本塁打で
今の調子でいけば日本記録の60本越えも
決して夢ではありません。
 どこかにプレッシャーがあって不思議ではありませんが
本当にすごいなと思います。

 私たちのあこがれの王選手です。
野球少年ばかりでなく
高度経済成長の真っ只中を生きてきたなかで
大きな夢と勇気をもらった人も多いと思います。

 時代は変わりました。
プロ野球界だけではなく
この社会も人もこれからも変わって行きますが
私たちはどこかに過去にこだわり未来を思いはからって
今を生きることの大事を
見失っているところがないでしょうか。

 村上選手の背番号は55です。
巨人の松井秀喜選手が55番でした。
 55は王選手の本塁打記録数です。
王選手を目標に松井選手がいて村上選手がいて
これからも私たち野球ファンを
魅了する選手がでてくるのが
本当に楽しみです。

 私たちのいのちの歴史です。
私たちがこれまで生きてきた中でいろんな出来事に遭遇し
たくさんの人に会い喜怒哀楽の人生を生きて
この命終えた後もいのちの歴史は続きます。

 お念仏のみ教えを聞かせていただくときに
私がこの世に生まれる前からも
命終わった後もずっと
南無阿弥陀仏の仏さまが私のことを見て取って
「必ず救うまかせよ」と南無阿弥陀仏のおはたらきを
してくださってあることを重ねて有難く思います。

 今日一日も南無阿弥陀仏の
大きないのちのつながりの中に
共々に生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.3)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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