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お念仏を申す生活法話

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お経のレンタル?(2012年アーカイブ)

2022-08-17
 
 先日のお盆参りのご縁で
若い人とお話をする機会がありました。

 友だちから聞いた話ですがということで
今はお経がレンタルになっているんですねという話です。

 「えっお経がレンタル?」と聞き返すと
お葬儀のご縁に
日頃お寺との付き合いがないお家で
そのまま送るのは忍びないと
お経の一巻でもあげてほしいということで
葬儀社が仲介に入り
お坊さんを紹介してもらうというのです。

 まず「お宅は何宗ですか?」と聞かれるそうですが
言われてみてはっとするといいます。

 仏教というのは分かるけれども
何宗というところまで知らないところが殆どで
どうしようかということですが
「どの宗派でも何宗でもいいですよ」と言われるそうです。
 例えば浄土真宗だったら浄土真宗のお経を
浄土宗、曹洞宗、臨済宗だったらこのお経をと
いろんな宗派によって
お坊さんが対応してくれるといいます。

 かくしてレンタルなのです。
ただそのお経のレンタルはお葬式だけのことで
お葬式が済んでその後の七日七日のご縁のお勤めは
一切ないそうです。

 送る方はお経をあげたからということでしょうが
送られる方は死んだらおしまい
ということになってしまいます。

 年回のご法事もありません。
ご縁ご縁に親族有縁の皆さんが集まることもないのです。

 死ということに二つあると言われます。
一つは人の命を終えるという死です。
もう一つはその人のことを忘れてしまうという死です。

 私たちのこの命は私一人でどうこうという
命ではありません。
 父母のご先祖から恵まれた命です。
この世に生まれて赤ん坊からすぐ
この私になったのではなく
いろんな人たちいろんなものの命に育まれて
今ここにこの私が生かされて生きているのです。

 お経には仏さまの教えが説かれてあり
私たちの仏教浄土真宗の教えを聞かせていただくと
この人生を生きるなかもまた人の命終えた後も
南無阿弥陀仏のおはたらきで阿弥陀さまのお浄土に生まれ
仏さまのいのちとなってこれからもつながっていくと
教えていただきます。

 お葬儀のご縁は
大切なお方とお別れする悲しみのご縁ですが
そのまま先に往かれた仏さまのご縁といただきます。
 仏法を聞いてお念仏申す身になっておくれと
後に遺った有縁の人に仏法聴聞のご縁を
開いてくださるお葬儀のご縁です。

 仏法聴聞のご縁に遇わせていただいて
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
先に往かれた仏さまと共々に
お念仏申して往生浄土の人生を
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2012.8.17)



お盆のお墓参り(2012年アーカイブ)

2022-08-16
 お盆の定番というと
お墓参りですね。

 この前13日の朝に
大村の円光寺墓地に盆法要のお勤めにお参りしましたが
皆さん殆どのお墓にホオズキのお供えをしていました。
 赤いホオズキが見事できれいでした。

 何かお墓というと暗いイメージがありますが
そんなことはありません。
 皆さんきれいにお掃除お飾りをされて
お盆を迎えるということです。

 こちらの納骨堂にも
本当に賑やかに色んなお供え物がしてあります。
 13日前にお供えを済ませ
昨日15日夕方頃から片付けにきています。

 そのお家お家の都合で自由に本堂から出入りされて
納骨堂にお参りしていただいていますが
昨日の夜テレビでサッカーの試合を観終わって
本堂の戸締りをしてお朝事の準備をしていると
境内に車が入ってきました。

 間もなく本堂の正面から5、6人の家族連れが
お参りに入ってみえました。
 子ども連れのまだ若いご家族で
時間をみたら9時半過ぎでした。

 本堂にまだ灯りが付いていたから
お参りにみえたのかなと思ったりしましたが
ご家族が一緒にお墓に手を合わすことができるのも
お盆でありお彼岸のご縁だなと思います。

 ただお寺にお参りに来られて
仏法に遇ってほしい
お念仏のみ教えを聞いてほしいと思います。

 昨日も納骨堂のお参りの方を見ましたが
本堂の正面から入ってご本尊の阿弥陀さまの前に座って
手を合わす人は殆どありません。
 すーっとそのまま納骨堂に直行です。
納骨堂も納骨壇のお仏壇になっていますから
南無阿弥陀仏のご本尊にお礼をするということですが
何かちょっと寂しい感じがします。

 仏さまのご縁です。
ご縁に遇ってお念仏申す身になっておくれと
先に往かれたご先祖有縁の仏さまの思し召しです。

 お盆やお彼岸人生の節目節目に
お念仏のご縁に遇ってほしいと
私たちの生活の中心に南無阿弥陀仏のご本尊をいただいて
今日一日もお念仏申して
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2012.8.16)

8月15日のご縁です

2022-08-15
 今日は8月15日です。
先ほど6時の梵鐘をつきに鐘楼に上がると
心地よい風がすっと吹いてきました。

 暦の上では今はもう秋です。
ただ今日も日中は猛烈に暑いでしょうね。

 鐘楼から下りて掲揚台に目をやり
ふっと仏旗を見上げました。
 仏旗が風にそよぐように旗めいて
いいなあと思いました。

 私たち仏教徒は仏旗を仏さまのみ教えの象徴として
各宗派を問わず掲げます。

 旗は国や団体組織の象徴として
その構成員の意識を高揚させる意味合いがあります。

 今日は終戦の日です。
11時から本堂で<全戦没者追悼法要>をお勤めします。

 戦争における国旗の役割は大きく
恐いものです。
 国旗のもとに国民の意識を統制し
祖国を守れと戦争遂行の意識を高揚させるものです。

 ロシアによるウクライナ侵攻の戦争は
停戦の筋道が一向に見えず泥沼化しつつありますが
今の戦況を語るときに
ウクライナやロシアの国旗が必ず映像に出てきます。

 今日は盆の三が日の最終日で
昨日一昨日で初盆会のお家のお勤めが済みました。
 こうして今日15日を迎えることについては
特に今年は感慨深いものがあります。
 声が段々と出にくくなりましたが
最後まで持ちそうです。
 コロナ感染も今日一日も大丈夫ということです。

 一日一日色んな状況の中を生きている
私たちお互いですが
自分の思い通りにならないことが
たくさん起こってまいります。
 そうした中にもこうしてお朝事のご縁をいただき
ご一緒にお念仏を申して今日一日を始めさせていただける
有難さをまた思います。

 どうぞ今日一日もお体をお大事に
ご縁ありましたら<全戦没者追悼法要>にお参りください。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.15)


初盆参り今昔

2022-08-14
 どなたもおはようございます。
今日は仏教壮年会の例会ということで
朝早くから境内のお掃除をしていただきまして
ありがとうございます。

 お盆の三日間の今日14日は中日ですが
ご門徒のお家のお盆参りは5日から始まり
今日が10日目であと2日を残すだけになりました。

 今年のお盆参りの特徴はコロナ感染で
去年一昨年と比べてもお休みするお家が多いことです。
 7月に入って感染者が急増し高止まりで
前以てお休みの連絡をいただいたお家もあり
家族に感染者が出て濃厚接触者になって
急遽お断りの連絡もありました。

 コロナには勝てません。
今回一番心配だったのは私や新院が感染者濃厚接触者に
なったときのお盆参りの対処です。

 今日も朝起きてすぐ体温を測り大丈夫でした。
お盆参りの期間中毎日検温しては大丈夫と一日を始め
明日までは何とか行けそうだというのが
今の私の心境です。

 昨日今日と初盆のお参りを
させていただきます。
 初盆のお参りに行きますと
いつものお盆よりずっと人が多く
お仏壇のお荘厳やお仏壇周りのお飾りが
本当に賑やかです。

 「静かなお盆になりました」
「寂しいお盆になりました」というのが
初盆参りのご挨拶ですが
初盆のご縁ほど賑やかなお盆はありません。

 何が一番賑やかというと
御仏前に人が集まるということです。
 今はコロナ禍で家族ばかりのお家が多いのですが
それでも家族といっても
子や孫のお家が違うところから
世代を超えてみんなが一処に集まるのです。

 集まるというより
御仏前に座ってみたら集められたのですね。

 今日の皆さんもそうです。
今日は仏教壮年会の月例会ということで
皆さん心して14日の6時半にお参りされたと思います。
 皆さんが思いをもって
今日この時間にお寺の本堂に集まったのです。

 でもここに座って皆さんご一緒に
お正信偈さまのお勤めをし
手が合わさってお念仏を申させていただく
そのすべてが仏さまのお手回しといただける有難さです。

 仏さまの南無阿弥陀仏のおはたらきが
私のところに届いてくださって
手が合わさったお念仏を申せたということ
それも一人じゃないということです。

 周囲を見ると有縁の方がご一緒です。
これほど心強い力強いことはありませんよね。

 何か私たちは私が私がと
一人で頑張って生きているようなところがあります。
 生きることで精いっぱいです。
私のことで精いっぱいです。
 そうした私たちお互いが
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
共々に生かされてあることを有難く思います。

 初盆のお参りは今は三佐地区外のご門徒が多くなって
今日も午前中からお家にお参りしたり
お寺でお勤めをさせていただきますが
三佐地区内は今も昔も夕方にかけてお参りしています。

 私が住職になりたての頃の初盆です。
すごい賑やかな初盆のご縁でした。
 最後のお参りは7時のお家もあって
お参りするともう皆さん出来上っているのです。
 食事を囲んで家族親戚ばかりでなく近所の縁者も一緒に
お酒も入って出来上がっている中にお参りするのです。

 いつものお正信偈のお勤めです。
お勤めが始まると皆さん思い思いに仏さまに向き合って
高い声低い声で音程も様々にお勤めをするのです。
 御仏前の一処で皆さんが一緒に
お勤めできるのです。

 父が住職だった頃の話です。
初盆参りで一杯よばれて
夜遅く自転車フラフラしながら帰ってきていました。
 何とも懐かしい昔の話です。
今は今で初盆参りの様子も変わりました。

 人と人とのつながりも薄くなる中で
お盆のご縁です。
 要はこの私が御仏前にこの身をはこぶということです。
人数の問題ではありません。
 この私のために先に往かれた仏さまが
つくってくださったご縁といただけるのです。

 御仏前に身をはこんで南無阿弥陀仏とお念仏を申して
有縁の方々と「元気やったかえ」「また会おうね」と
声をかけ合えるのが私たちの仏さまのご縁であります。

 お盆の三が日です。
先に往かれたご先祖有縁の方々を思うて
南無阿弥陀仏とお念仏を申す日々でありたいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.14)

お盆の三が日に入ります

2022-08-13
 どなたもおはようございます。
お盆に入ります。

 8月の13日14日15日の三日間
ご先祖が帰ってみえて又帰って行かれるという
昔からの習俗習慣が全国各地に残っています。

 私たちの仏教浄土真宗のみ教えを
聞かせていただきますと
三日間限定ではなくいつでもどこでも
ご先祖有縁の仏さまは私たちのところに
帰ってみえているといいます。

 今日も皆さんの口から皆さんの声となって
出てくださったお念仏となって
還って来ているというのです。

 お念仏を申すというと
私がとどうしても私に力が入りますが
阿弥陀さまの本願念仏のお心おはたらきで
お浄土に生まれて仏に成られたご先祖有縁の仏さまが
お念仏申すご縁をつくってくださって
この私をお念仏申す身に
お育てくださったといただけるのが
私たちのお念仏のご法義なのです。

 いつでもどこでものお念仏のご法義ですが
いつでもと聞くと
今日は忙しいから明日にしようとか
まだ若いからもう少し歳になってと思うのがこの私です。

 そういう私をもうすでに見抜かれた上で
「必ず救まかせよ」と南無阿弥陀仏のご縁おはたらきです。
 いつでもどこでものお念仏のご縁をいただいて
このお盆の三日間を迎えることができるのです。

 昨日は本堂で<門徒初盆会法要>をお勤めしました。
多くのご門徒有縁の方がお参りされ
久しぶりに本堂が満堂になって
皆さんで声高らかにお正信偈のお勤めができました。

 ご家族ご夫婦で子どもさんも一緒に
六人七人のご家族のお参りもありました。
 老若男女皆共々にということで
本当によかったです。

 子どもさんはお寺の広い本堂に
人がたくさん集まった賑やかな所に行って
はしゃぎまわるようなことかもしれませんが
御仏前に皆さん一緒に座ることの有難さ
本当に大事なことだと思います。

 御仏前に座らせていただけるということです。
お参りするところがあってよかったですね。
手を合わすところがあってよかったですね。
お念仏を申せましたね。

 その御仏前はお寺の本堂であり
皆さんのお家のお仏壇であり
そしてお墓であります。

 この後円光寺墓地にお参りして
<円光寺墓地盆法要>をお勤めします。
 多くの方々がお参りになって
お待ちになっていると思います。

 この三日間限定がある意味有難いのです。
いつでもではなくてこの三日間です。
 せめてこの三日間は先に往かれた方を思うて
お念仏申して日暮らしさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.8.13)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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