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お念仏を申す生活法話

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お念仏は先人の一番の贈りもの

2022-09-23
 秋のお彼岸のお中日です。
朝が暗くなりました。
これからどんどん暗くなって寒くなってきます。

 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。
近年は猛暑の夏の延長で
お彼岸が過ぎても暑い日が続きますが
この前の台風で潮目が変わるというか
日中も大分涼しくなり過ごしやすくなりました。

 今日はこの後納骨堂でお彼岸のお勤めをして
大村の円光寺墓地にお参りをさせていただきます。

 今朝お仏飯をお供えするのに納骨堂にお参りしたら
お家の納骨壇にいろんなお供え物があがっていました。
 おはぎがあがっています。
秋彼岸はおはぎで春彼岸はぼたもちと
同じようなものですが
何かほっとして良いですね。

 私たちの日々の生活の中に
先人が色々なものを送ってくださっています。

 私たちにとって先人の第一の贈りものは
お念仏です。

 本堂に「念仏の声を世界に子や孫に」と
本願寺のスローガンをかけています。

 今日も皆さんとご一緒にお勤めをする中に
南無阿弥陀仏ナモアミダブツと
何度も何度もお念仏を申しましたね。
 南無阿弥陀仏のお念仏です。
お念仏の大本は阿弥陀如来のご本願のお心おはたらきです。
 「わが名を称えておくれ」と
南無阿弥陀仏のお喚び声となって
私たちにお念仏をお勧めです。

 お念仏申して
「いつも私が一緒だよ
どんなことがあっても私はあなたを見放したりしないから
大丈夫安心して一緒に生きて往こう」と
南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただき
そのまま阿弥陀仏の大悲の中に生きて往けるのです。

 長い長い時間をかけ広い広い空間を超えて
幾多の先人の声となってこの私に届けてくださった
お念仏の贈り物です。

 先人の声が私に届いて
私の口から南無阿弥陀仏が出てくださるのです。
 そのお念仏の声が子や孫に隣の人に
そのまま届けられるという
南無阿弥陀仏の大きな大きなおはたらきです。

 どうぞ今日のお彼岸のお中日の一日も
お念仏を申すなかに
先に往かれた先人を偲びゆっくりゆったり
如来の大悲に生かされて生きてまいりましょう。

 お昼の1時半からお寺の本堂で
お中日のお勤めをさせていただきます。
 どうぞお参りください。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.23)


山法師と台風と後生の一大事

2022-09-22
 昨日台風で倒れたヤマボウシの木を
立て直していただきました。

 台風という大事、大きな出来事です。
台風はあまり来てほしくありませんが
そうした目に見える大事がないと
いつもの事とそのままにして次の行動に移れないのが
私たちのようです。

 ヤマボウシの木ということでいうと
横に枝葉がいっぱい延びて剪定しないといけないと
日頃その都度思っていましたが
この台風で倒れて専門の業者さんに来ていただき
直していただいたことです。

 枝葉を殆ど切ってもらって
今日皆さんが見る通りすっきりしました。

 桜の木も枝葉がちょうど参道にかかって
気になっていましたが
剪定してもらってよかったです。

 素人の私たちは切ることはできますが
いつどの時期に切るとか
どこをどのくらい切るとか
そこまでのことはやはり専門の方にお願いするのが無難で
どうしても先送りになってしまいがちです。

 大事といいますと
私たちのご法義は後生の一大事の解決が肝要と言われます。
 お念仏のみ教えに生死の帰依処を
たずねていくことの大事です。

 私は何のために人間に生まれて来たのか
生きる依りどころは何か
命終えてどこに行くのか聞かせていただきます。

 私がどうこう考えるどうこうすることではありません。
南無阿弥陀仏のお心一つ聞かせていただくことですが
私の思いはからいが入ると
これが間違いの元だと仏さまの仰せです。

 自己中心の思いはからいで生きて
苦悩し迷う私を見抜かれた上で
阿弥陀仏は「我にまかせよそのまま救う」と
ご本願をおこして私が救われる全ての手だてを
南無阿弥陀仏と成就してくださったのです。

 「まかせよ救う」のお喚び声に
「はい」とおまかせするままのお救いです。

 私の後生の一大事は
お念仏申してこの人生を生き抜き
命終わってそのまま阿弥陀仏のお浄土に生まれて
さとりの仏さまに成らせていただく
南無阿弥陀仏のおはたらき一つの大事と
聞かせていただきます。

 今日明日とお彼岸のお勤めをさせていただきます。
お念仏のご縁です。
 南無阿弥陀仏のお救いの法をお聴聞させていただき
お念仏申す身にお育ていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.22)


自分の葬儀を考えてみませんか?

2022-09-21
 台風の影響でしょうか
昨日から急に涼しくなりました。

 昨日から彼岸の入りです。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが
最近は残暑厳しい秋彼岸にあって
少し秋の気配を感じます。

 一昨日はエリザベス女王の国葬が
テレビで全世界に生中継されました。
 女王陛下のお葬式です。
何か前もって制作された映画を観ているようで
荘厳で華麗な映像に見入ってしまいました。

 イギリスはキリスト教国ですが
イギリス国教会という独自のものです。

 今回の国葬はエリザベス女王が戴冠式を行った
同じウェストミンスター寺院で行われました。

 司祭が葬儀を取り仕切ります。
仏教の葬儀でいうとお導師の僧侶です。

 今回は国王の葬儀ですから
イギリス国教会のカンタベリー大主教が
説教をされました。
 首相に任命されたばかりのトラス新首相が
聖書を朗読するなど
興味深い内容でした。

 キリスト教の一般の葬儀でもそうだと思いますが
仏式の僧侶のお経のお勤めが聖歌です。
 天使の歌声といわれるように
子どもたちのきれいな声の合唱がとても印象的でした。
 そして参列者皆さんで歌う讃美歌です。
私たちでいったらお正信偈のお勤めでしょうか。

 最初から最後まで基本的な式次第はあるものの
女王陛下の葬儀にふさわしい
女王自身の希望がかなり入った演出のようにも
言われています。

 私たちも一人一人自分の葬儀を経験します。
どういう葬儀になるのか
最終的には後に遺った喪主が決めることですが
こんな葬儀にしたいと思われませんか。

 葬儀のことは死んでから後のことであり
自分の葬儀など考えたくもないということでしょうが
考えてもいいのです
考えられるのです。

 仏式の葬儀は仏教徒として勤める葬儀ということで
ご縁のあるお寺との関係が大事な意味をもちます。

 生前からご縁のあるお寺ということで
浄土真宗の門徒のお葬儀です。
 導師のお寺お坊さんが決まっているのです。
円光寺の場合は住職の私が導師を勤めます。
 
 浄土真宗のお葬儀ということで
ご本尊の阿弥陀如来を中心としたお葬儀です。

 エリザベス女王の葬儀は教会で行われましたが
仏式のお葬儀は基本的にはお寺のご本尊の前で
執り行われるのが本来です。
 今は葬儀社で行うことが一般的になっていますが
必ず中心にご本尊をご安置します。

 その時だけの葬儀会場で
その時だけご安置するご本尊のおすがたです。

 お寺は平生日頃からご門徒皆さんが
お参りされる決まったお寺で
これまでもそしてこれからもずーっと
皆さんとお寺のご縁はつながっています。

 お寺参りはお浄土参りの習いです。
お寺にお参りするそのままが
阿弥陀仏のお浄土にお参りすることでいうと
ご縁のあるお寺でお葬儀をお勤めすることが
日々の延長上にある自然なことなのです。

 命終わって葬儀をどうするか
どこのお寺にお願いするかなど心配しなくていいのです。
 私のお寺は決まっているのであり
私の生まれ往くお浄土は
阿弥陀仏が決めてくださっているのです。

 だから安心です。
今の安心です。
 そして死んだらお終いではなく
そのままお浄土にお参りして
南無阿弥陀仏の仏さまに成らせていただけるのです。

 お葬式の後火葬されてお遺骨になりますが
還骨勤行といってお遺骨をお寺の本堂お内陣の
阿弥陀さまの側にお供えしてお勤めをします。

 人の命は限りがありいつか必ず終わりますが
お浄土の仏さま南無阿弥陀仏のいのちとなって
これからもずーっとつながっていくのです。

 南無阿弥陀仏の大きないのちの物語のなかに
人と生まれる以前もずっと長く
生まれては死に生まれては死にと
生死の迷いの境涯を繰り返し経巡ってきて
今ここに人間に生まれてお念仏の仏法に遇えて
阿弥陀仏のご本願を信じまかせて
お念仏申す身にお育ていただいたということです。

 そしてこれからも南無阿弥陀仏のお慈悲の中に
お念仏申して生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.21)


根こそぎひっくり返る!

2022-09-20
 大型で強力な台風14号は九州を直撃し
私方も一昨日の夜は突き上げるような強風が吹き荒れて
ガラスが割れたり瓦が飛んだりなどの心配をするほどに
久しぶりに恐い思いをして過ごしました。

 明けて昨日の朝少し風雨がおさまって境内に出たら
本堂の前の親鸞聖人の御尊像の横の
ヤマボウシの木が根こそぎ倒れていました。

 枝葉が大きくなった木に対して
根が十分張っていなかったということですが
びっくりしました。

 親鸞聖人の前に横たわる山法師の木を見て
親鸞さまと山伏弁円の逸話を思い出しました。

 親鸞さまが50歳頃のことです。
関東でお念仏のみ教えを各地の人々に
布教してまわっていた時のお話です。

 常陸の国今の茨城県に板敷山があり
この地は修験道が盛んだったといいます。
 弁円は病気や災難不幸を除き欲望を満たそうと
加持祈祷を行う修験道の山伏たちを束ねていました。

 親鸞さまがこの地に来て念仏の教えを広めるようになって
段々と修験道の門をたたく人が少なくなったといいます。

 修験道とお念仏の教えは相容れないものがあり
親鸞さまのことを苦々しく妬み怨んでいた弁円は
布教の途中に通る板敷山で待ち伏せして
殺そうと何度も企みますが機を得ず
ついに親鸞さまの住まいに押し掛けたといいます。

 「親鸞出て来い」と殺気立つ弁円に
周りの者は恐れおののくばかりですが
親鸞さまは穏やかに
「あなたが弁円さんですか、待ってましたよ」と
招き入れたといいます。

 弁円にとっては拍子抜けですよ。
温和な表情で話しかける親鸞さまに接して
弁円は立ちどころに親鸞さまのお弟子になったといいます。

 お念仏の教えに帰依し明法坊と法名をいただいた
弁円は親鸞さまのもとで日暮らしする中で
あるとき親鸞さまの布教のお供をして
道中板敷山に行かれた時のこと
弁円は急に立ち止まり感極まって
「山は山 道も昔に 変わらねど 変わり果てたる 我が心かな」
と歌を詠んだといいます。

 修験道からお念仏の道に回心する
自力から他力へ心を翻すということです。

 教えを聞いても中々信心いただけないしぶとい私です。
そのしぶとい私をめがけて
まさに根こそぎひっくり返してくださる
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 山法師の木を根こそぎひっくり返して
親鸞さまの御尊像がお立ちです。
 お念仏の有難さ尊さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.20)


お寺参りの楽しみ(2009年アーカイブ)

2022-09-19
 昨日一昨日と行橋のお寺さんの彼岸会法要に
ご法話お取り次ぎのご縁をいただきました。

 いろんなお寺さんにお参りさせていただく
楽しみがあります。
 お寺お寺で佇まい雰囲気というか
お寺の様子がそれぞれ違って興味深いです。

 違いもあるが同じところも多くあって
自坊の再発見にもなります。

 皆さんが初めてお参りされる浄土真宗のお寺でも
お参りされる前は何か不安もあるでしょうが
お寺の本堂に入ると
真正面にご本尊の阿弥陀如来がご安置され
左右に親鸞さま蓮如さまがいらっしゃいます。

 浄土真宗のお寺の基本的な佇まいです。
そしてお勤めが同じことも大変安心させられます。
 ご一緒にお勤めされる初めて会うお同行も
何か旧知の友のように懐かしく感じられます。

 浄土真宗のお寺には
ご院家さん坊守さんがいてそしてご門徒衆がいます。
 そのご門徒衆に会える楽しみがあります。
直接に膝を交えて話すということはありませんが
ご一緒に同じお勤めができお念仏申すなかに
伝わってくるものお互いに感じ合うものがあります。
 お念仏の香りです。

 昨日は朝早くそのお寺に行き時間があったので
お寺の周辺を散策しました。
 田圃が広がり稲が実って稲刈りも間近です。
のどかなお寺の風景です。

 私たちの三佐もちょっと前までは
そうした風景が広がっていましたが
今は大分変わりました。

 お寺も建物は変わりご門徒衆の顔ぶれは変わりましたが
ご門徒衆の佇まい有り様はそのままです。
 朝早くから婦人会の方がお寺にみえて
賑やかにお昼のお斎の準備をしていました。
 私たちのお寺と同じです。
ああいいなあと思います。

 忙しい日々の生活のなかで
何とか時間をつくってお寺にお参りされて
私にできる精いっぱいのおつとめをさせていただくのです。
 こうしなさいああしなさいと
誰から命令されてするのではなく
この私がさせていただける精いっぱいのお手伝いです。

 昨日夕方自坊に戻って境内を見たら
境内の様子がちょっと変わっていました。
 桜の木の落ち葉が片付けられて
ソテツの葉もきれいに
剪定されていました。

 ご門徒衆がしてくださったのです。
住職がどうこうではなくて
ご門徒皆さんが
お寺をきれいにして
一人でも多くの方が気持ちよく
お寺参りのご縁を頂けるようにと
思いをもってお手伝いしてくださったのです。

 住職の私もご門徒皆さんも
その願いは同じです。
 その大本が阿弥陀仏のご本願です。
本願を信じお念仏申す身になってくれよと
願われているのです。

 今日もご一緒にお念仏を申すことができました。
自分一人のお念仏申す喜びではなく
一人でも多くの方にお念仏喜び申す身になってほしいと
共々にお念仏のご縁をいただく浄土真宗のお寺です。

 お寺にお参りしますと
元気を頂きます。
 今日も皆さんお寺参りされてどうですか。
元気をいただきますね。
私も元気をいただきます。
 そしてまた今日一日の生活を始めさせていただきます。
お念仏を申す生活です。

 先人からおくっていただいたお念仏のご縁を
本当に有難く思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009.9.19)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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