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お念仏を申す生活法話

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「元気ですか!」あるがままに生きる

2022-10-03
 昨日は祥月命日のご縁で
大分の町中のご門徒のお家にお参りしました。

 車で行きますが
お家の駐車場があって二台止められるようになっています。
 一台はそのお家の方の車ですが
昨日は車がありませんでした。

 お勤めの後でお茶をいただきながら
「車がありませんでしたが」と聞くと
「89歳の誕生日で運転免許証を返上しました」との返事です。

 実は10月3日が祥月命日なのですが
前の日に変更してのお参りでした。
 玄関周りをスロープにやり変える
工事をするということだったのです。

 高齢者には段は危なくてということで
車いすの生活も考えられているということです。

 車がないと「不便でしょう」と言いましたら
即答「不便です」と返ってきました。
 何が不便かというと
日常の買い物であり病院通いだそうです。

 町中で近くにお店があって買い物自体は困らないが
歩いて行かないといけません。
 運動にはなりますが
大きな買い物ができませんと言われます。

 買った物を家に持って帰るのです。
車は本当に便利だったなと
車は運転さえすればどこにでも行けるし
大きな買い物も車に積んで家に持って帰れます。

 本当に便利なことは
不便なことの裏返しなんだと思います。

 89歳と聞いてまたびっくりです。
私も同じ分歳をとっているのですが
えっと思いました。

 私が若かった30代の頃に
その人の仕事関係のお葬式で
県北のお寺で会ったことがあります。
 50代のバリバリの営業マンで
人生で一番といっていいほど輝いていた頃でした。

 皆さんも若くて健康な時がありました。
そして歳を重ねて今があります。

 アントニオ猪木さんが亡くなりました。
元プロレスラーで国会議員でもありました。
 非常に目立った存在で
ネットで各方面からコメントが
たくさん寄せられています。

 79歳です。
プロレスラーのあの勇姿です。
 燃える闘魂といわれ
どんな相手にも果敢に立ち向かい
モハメドアリとの試合は世界のニュースになりました。

 そしてあの「元気ですか!」と呼びかける
パフォーマンスです。
 多くの印象的な言葉を発し
勇気づけられた方がたくさんいます。

 ここ数年は難病との戦いで
頑丈だった体はやせ細って
電動ベットに横たわり車椅子の生活でしたすが
その姿をネットで日々発信していたといいます。

 最後の最期まであるがままに
生き切ったということです。

 中々できることではありません。
こんな姿を見せたくないと
入院見舞いを断る話をよく聞きます。

「元気ですか」といって
いつまでも若くて健康でということではありません。
 どんな人も老いていきます病むこともあります。
老いるなかに病むなかに
元気に生きるということだと思います。

「生きてますか」と
あるがままに生きることを見せてくれたのですね。

 あるがままでいいんです。
あるがまま以上のことはできません。
 出来なくなるんです。
出来ないけれども生きているんです。

「生きとるうちは生きとるぞ」です。
その有るがままに生きとる私を
そのまま支えてくださるお念仏です。

 老いていく中に南無阿弥陀仏
病んでいく中に南無阿弥陀仏
命終えていく中に南無阿弥陀仏と
お念仏を申してお浄土に生まれさせていただける
南無阿弥陀仏のいのちをいただいて
今日10月3日は私の誕生日です。
 今日から70歳の新たな旅立ちです。
お念仏申してあるがままに
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.10.3)


阿弥陀さまの手作りのお念仏(2010年アーカイブ)

2022-10-02
 今朝早く6時に花火があがりました。
今日は小学校の運動会ということです。

 昨日はお寺の敬老会でそして今日は運動会と
秋はいろいろと行事が多いですね。

 運動会の思い出です。
皆さんが子どもの頃
そしてお父さんお母さんだった頃
どんなことを思い出しますか。

 私は走るのがあまり得意じゃなかったので
運動会の日は朝から気持ちが少し重かったです。
 花火があがると「ああ運動会があるんだな」と
観念して思いました。
 走るのが得意な人は「さあー行くぞ」と
気合が一段と高く入ったのではないでしょうか。

 お母さんの立場でいったら
お天気はどうかなと前日から心配して
朝早くから起きてお弁当を作ったことだと思います。

 今はお金を出せば何でもある時代になって
運動会用のお弁当も市販のものがあるようですが
逆に手作りということが見直されているそうです。

 昨日は敬老会で婦人会の皆さんが朝早くから支度して
手作りの昼食を作ってくださいました。
 それこそいつものメニューですが
手作りですから携わる人も年々変わりますし
そして頂く側も歳を重ねて味わい方も変わってきます。

 手作りということの心持ちです。
皆さんの思いがいっぱい入った手作りの味です。
 味付けが濃いとか薄いとかではなくて
作る方の思いをいっぱい頂けるのが手作りのお弁当です。

 私たちの阿弥陀さまのご本願も
そういえば手作りのご本願ですね。

 こうしてこうしてこうだよと
一朝一夕にできたご本願お念仏ではありません。
 長い長い間この私のことを思い取ってくださり
この私がすべてのものが救われる願いを建てて
遥か長い長い長い間修行を積まれて
このお立ち姿の阿弥陀仏さま
南無阿弥陀仏のお名号になってくださったのです。

 阿弥陀さまの手作りのご本願
南無阿弥陀仏のお心を
ご縁ご縁に聞かせていただいて
南無阿弥陀仏とお念仏をよろこび申す身に
させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.10.2)

仏教ブームですか?(2009アーカイブ)

2022-10-01
 今仏教仏像ブームということで
特に若い女性に人気らしいです。

 今働いている女性が多いことで
仕事でたまるストレスの一つの発散口が
仏教ということらしいです。

 仏教のお話を聞いたり
仏像を鑑賞したり写経をしたりと
そうした仏教ブームが
東京を中心に都会で流行っているといいます。

 この前まで大宰府の九州国立博物館で
阿修羅展が開かれていましたが
連日大変な入場者数だったそうです。

 何か追い立てられるような生活感の中で
現代人は心の安らぎ
癒しを仏教に求めているのでしょうか。

 でも仏教ブームといって遠くに出かけていかなくても
家にはお仏壇があり
近くのお寺には大きな仏像がご安置されています。

 お家やお寺の仏さまの前にまず座ることから
始めたらどうですかと言いたいですね。
 
 今日はお寺の敬老会で
70歳以上のご門徒有縁の方にご案内しています。
 以前はお寺参りは高齢者のお役のようでしたが
今はお寺のご縁にお参りするお年寄りが
ずっと少なくなりました。

 元気で長生きになって他の楽しみが
いっぱい増えてきたことで
お寺参りどころじゃないとでもいうのでしょうか。

 お寺に参ってもじっと座ってわからない話を聞かされて
何のご利益もないと公然と言う人がいますが
ご利益ってお参りして初めてわかることで
仏法聴聞してお念仏申す身にさせていただいて
今まで見えなかったものが見えてくる
聞こえなかったことが聞こえてくるという
仏さまの世界が広がるのです。

 その時だけのブームということではありません。
私たちの先人が日々の生活の中で
お念仏申してきたことです。

 お念仏の先人の後ろ姿を見習って
今ここに私たちはお念仏のご縁をいただけたのです。
 そして今度は皆さんのお寺参りの姿を見習って
お念仏の声が子や孫の世代につながっていくのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009.10.1)


仏さまにお供えします

2022-09-30
お仏飯を毎朝仏さまにお供えします(2022.9.30/5:50)
 今朝6時の鐘を撞くのに玄関を出て
冷っとしました。
 朝の気温が下がって
急に涼しくなりました。

 秋です。
日中はまだまだ暑いということですが
鐘楼前の彼岸花が今満開で
赤い花が鮮やかです。

 本堂の余間にお米があがっています。
毎年この時期のことですが
昨日野津原のお寺さんが
「仏さまにお供えしてください」と持って来られました。

 お寺さんのお家の田圃で収穫されたお米です。
ちょっと前までどこの地域でも
田圃がたくさんあってお家でお米を作るところが多く
田植えや稲刈りの時には皆さん総出で
お手伝いしたものです。

 今は私たちの三佐にも田圃は無くなり
住宅地や店舗や小さな工場になって
すっかり風景が変わりました。

 お寺の上がりもの仏さまのお供えも
お米や野菜といったものから
お金になりました。
 仏さまにお供えするお仏飯のお米も
今は市場で買うことが当たり前になりました。

 時代社会の変遷とともに
私たちの生活ぶりが変わったのです。

 ただ仏さまにお供えして上げた
お仏飯のお下がりをいただくことに変わりありません。
 お仏飯でお育ていただくということで
お仏飯はこの身を育ててくださる糧なのです。

 こうして秋の装いになりました。
暑い夏を乗り越えて秋になって
しばらくすると冬になって寒くなるという
四季日々の移ろいのなかで
私たちの生活の営みも変わってまいります。

 今日で9月も終わりです。
明日から10月ということで
また気持ちも新たにということですが
お念仏を申して今日の一日も
始めさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.30)


日中国交正常化50周年

2022-09-29
鐘楼前の彼岸花が今満開です(2022.9.29/6:00)
近くのお家の彼岸花です(2022.9.29/10:00)

 今日は日中国交正常化50周年の記念の日ですが
日中間の現状でいろんな懸案事項があって
盛り上がっていません。

 私が大学2年の二十歳の頃で
当時田中角栄首相が飛行機で北京空港に降り立って
周恩来首相と日中共同宣言に署名し
がっちりと握手を交わした光景を思い起こします。

 あれから50年中国は目覚ましい発展を遂げて
今やアメリカに並ぶ勢いの
世界有数の経済大国軍事大国となり
中国の存在抜きに世界情勢を語ることはできません。

 日本から見た中国の印象です
皆さんは中国について
どんなイメージを持っていますか。

 50歳代以上の私たちの世代は
あまりいい印象を持っていないといわれます。

 日本にとって中国は
世界で一番近くて一番遠い国とも表現されます。

 50年前の中国は国土は広く人口も多い国でしたが
経済的には貧しく人々の生活は困窮していました。

 それ以前に中国共産党の毛沢東主席が
主導した文化大革命が起こりました。

 日本の江戸時代のような鎖国政策で
外国からのものは一切受け入れず
中国国内では中国共産党の原理原則に則って
これまでの歴史文化を大胆に見直し
文化人や政治家を次々と粛清していった
暗黒の時代です。

 そうした文化大革命の時代を経て
いよいよ世界に門戸を開いて行こうとする時代で
同年2月にはアメリカのニクソン大統領が電撃的に訪中し
米中関係改善の第一歩をしるしていました。

 外国からの資本や新しい技術文化が入ってくる過程で
中国古来の文化や国のあり方政治信条の違いから
様々な軋轢が生まれ
天安門事件がおこりました。

 若い世代は生まれた時から
中国は経済文化の先進国でしたが
古い世代は
ありのままの姿を見せない不安もあって
中国は信用できないという偏見で
スーパーでも中国製品は偽物が横行すると
敬遠される始末です。

 仏教の歴史でいうと
インドから中国そして日本へと
仏教が伝えられてきました。

 仏教はお釈迦さまのインドの国で始まりましたが
中国という国で熟成したのです。
 お念仏のみ教えについては
七高僧の第五祖中国の善導大師の功績が
非常に大きいのです。

 善導大師の教えを法然聖人がいただき
親鸞聖人に伝わって
浄土真宗が私たちに開かれたのです。

 今の中国に仏教があるか寺院があるか
お坊さんがいるかというと
皆無に等しい状況です。

 時代は変わるといいますが
変わり過ぎるぐらいに変わってきました。
 そして日本に入ってきた仏教も
時代の変遷とともに変わってきています。

 仏教の教えそのもの基本根本は変わりませんが
その時代に生きる人人が変わって行くのです。
 真実変わらないお念仏のみ教えも
今の時代今を生きる私たち
人によってその基本根本がぐらついているのが
今の日本の状況ではないかと思います。

 あれから50年中国も日本も
社会環境生活のあり方が随分変わりました。
その時代時代を生きる人人が変わっているのです。

 私たちも個々にそれぞれ歳を重ねるなかに
ものの見方が随分変わってきました。
 仏教本来の基本
私たちでいうとお念仏のみ教えを訪ねて行くことが
いよいよ大事になってきたと思います

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.9.29)


円光寺
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