これからもよろしくお願いします
2022-11-22
お寺の法要行事は
ご門徒皆さんの御懇志で勤まります。
このたびの御正忌報恩講については
「御正忌米懇志」ということで
ご門徒皆さんにお願いしています。
三佐地区は各班のお世話人が
ご門徒さんにいただきにあがり
地区外については各ご門徒が
お寺に持ってきていただくか送っていただきます。
法要のご縁に遇っていただくことが一番ですが
前以てお寺に持って来られる方がいらっしゃいます。
昨日は私の同級生のご門徒さんが訪ねてみえました。
「ご院家さんいらっしゃいますか」ということで
玄関に出ましたら
「今度住職を退任されることで
御礼を申させていただこうと思って来ました」
と言われます。
話を聞いていますと
住職退任でお寺の法務を一切辞めるように思われて
「大変お世話になり有難うございました」
と丁寧に言われました。
今私と新院二人で勤めているお寺の法務を
住職退任で新院が新住職になって
役割はそれぞれ違いますが
二人で勤める法務全般は変わりません。
そういう説明まではしませんが
「私はこれからもお寺にいて
法務のお手伝いをさせていただきますので
これからもよろしくお願いします」と言って
別れました。
日頃からお寺によくご縁のある門徒さんには
お話をしているつもりですが
文書だけで住職退任と聞いただけでは
お寺を辞めてこれからは悠々自適に過ごすのかと
受けとめられているのかもしれません。
実情はそんなことではありません。
今度の御正忌が最後のご縁と強調するあまり
こうした受けとめになったのでしょうか。
住職としての最後のご縁です。
お寺を預かる住職として
ご門徒皆さんに御正忌のご縁に遇っていただくことが
何よりの願いであり喜びです。
どうぞこれからもよろしく
お願いいたします。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.11.22)
世界中にお念仏の発信です
2022-11-21
昨日は日曜日ということもあって
ご法事が二件午前中と午後にあり
その間にお葬式ができて
一日中慌ただしいなかにも
お念仏の有難いご縁をご門徒有縁の皆さんと
ご一緒させていただきました。
昨日は車いすマラソンが大分であって
スイスのマルセルフグ選手が圧倒的な走りで
10度目の優勝を遂げました。
昨年の東京パラリンピックの金メダリストで
出場レースは連勝続きの世界的な絶対王者です。
レースの終盤の模様をテレビで観ましたが
通称40メートル道路のいつもの近所の風景が見えて
三海橋を下り家島橋の手前で折り返し
というところでした。
今朝の合同新聞には多くの紙面をとって
写真入りの記事がたくさん載っていました。
フグ選手の記録が1時間21分台で
平均時速35㎞ぐらいと
自転車でも追いつけない速さです。
障がいの一番重いクラスで
2時間22分台の世界新記録が出たということです。
女子マラソンのトップ選手の記録です。
あらためて大分のすぐ近くで
世界的なレースが行われるということです。
出場選手はもとより大会関係者ボランティアの方々の
大きな支えがあって素晴らしい大会ができるということで
大分から世界に発信できる誇りを思います。
昨日はサッカーのワールドカップが
いよいよ中東のカタールで始まりました。
4年に一度のいつもの大会は6月7月の開催ですが
今回は暑さ対策ということで
この11月12月の一か月にかけての長丁場です。
昨日のニュースではっと思ったのは
カタールはイスラム教の国で
日常公共の場ではお酒は飲めないことになっているそうですが
今回の大会に限ってお酒を飲める場所が設定され
世界各国から集まった国際色豊かなサポーターが
ビールを片手に気勢をあげていました。
3年前ラグビーのワールドカップの試合が
大分でも開催され
外国のサポーターが町に繰り出して
ビールを浴びるように飲んでいた光景を思い出します。
ただカタールは平生お酒を飲まない国ですから
100%の関税でビール一杯が約2000円ということには
ちょっとびっくりしました。
ビールを飲まないということはないでしょうが
果たして何杯まで飲むのでしょうか。
そしてイスラム教の国では豚肉が御法度です。
インドはヒンズー教で牛肉を食べません。
世界は広くてそれぞれの国によって
価値観が異なり生活習慣も様々違うことを思います。
色んな地域ものの見方考え方も違うなかで
世界中から選手やサポーターが一堂に集まり
大会が開かれるということです。
ここ大分の地で車いすマラソンがあるということで
それぞれの国や地域から世界に発信される文化です。
世界中の人びとに開かれた文化ですが
一方で戦争の歴史は続いています。
この時間も大きな不安の中に日暮らしする人がいて
戦争で家族や友人を亡くし家を失う人がいます。
同じ地球に共に生きている私たちの
これも現実の世界です。
こうしてお朝事のお勤めをさせていただきます。
また新しい一週間が今日一日が始まります。
私が住職としての
ラストウィークです。
私たちの生活ぶりはそれぞれ違いますが
南無阿弥陀仏のお念仏を依りどころに
今日も一日この一週間も
共々に生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.11.21)
報恩講の時節です(2010年アーカイブ)
2022-11-20
今町に出るとクリスマス一色で
これから12月後半にかけて
皆さん何かウキウキした感じなんでしょうね。
そうこうしているうちに
この一年が終わります。
報恩講の時節を迎えます。
11月末にお寺で御正忌報恩講をお勤めし
12月はご門徒さんのお家の報恩講です。
昨日は湯布院のお寺さんに
報恩講のご法話お取り次ぎのご縁をいただきました。
お寺お寺でお飾りも異なりますが
立派にあざやかなお内陣のお荘厳ができていました。
阿弥陀さまの浄土の荘厳です。
先日御正忌前の大掃除をしました。
お菓子作りをして昨日はお菓子の色付けをしました。
ご門徒皆さんにそれぞれお手伝いをいただき
お気持ちいっぱいご懇志をはこんでもらって
報恩講さまをお勤めさせていただきます。
親鸞さまからお寺をお預かりする住職にとって
ご門徒皆さんとご一緒に報恩講のご縁に遇うことは
最もうれしい喜びごとであり
ご門徒衆のたのもしさを一番感じることでもあります。
浄土真宗門徒の心意気と申します。
心意気といってそんなに力を入れることではありません。
先人が培い伝えてくださったことを
そのまま受け継いで
私にできる精一杯のことをさせていただける
まさに報恩講の報恩というお心です。
恩に報いるといいます。
親鸞さまのご恩です。
阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を
私たちに明らかにしてくださった親鸞さまです。
ご門徒衆が精一杯のご懇念をはこんでくださる
その結集がお内陣のお荘厳となって
お寺の御正忌報恩講さまをご一緒にお勤めさせていただき
続いてお家の門徒報恩講
そして年が明けてご本山の御正忌報恩講に連なっていきます。
報恩講の時節と共に私たち浄土真宗門徒の
年末年始の日々の日暮しです。
町はクリスマスかもしれませんが
里のお寺は報恩講でお念仏申して年を越し
お念仏申して新年を迎えさせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.11.20)
阿弥陀さまの大きく開かれた胸のお心(2009年アーカイブ)
2022-11-19
昨年の自殺者が
3万人を超えたといいます。
1日に100人近い方が
自ら命を絶つということです。
これは大変な数字で
交通事故死者が毎年1万人を超えることが
大変大きな問題になっていたことがありましたが
今はずっと減ってきています。
私たちの身の周りにも
自死された方がいらっしゃいます。
ただそのことを知るのは
亡くなってから後のことです。
自死に至るまでの悩み苦しみを
周りの人に言い出せなくて
自分で抱え込んでしまってということです。
顔と顔をあわせているなかで
そうした声が聞こえてこないのが
今の社会ということです。
私たちは同じ社会に互いに生きています。
生きていくなかには楽しいことばかりではありません。
それこそ辛くてその場から逃げ出してしまいたいことも
たくさんたくさん経験してきました。
そういうお互いだからこそ
互いの心を開いて話をし話を聞くことも
できるはずなのですが
家族といった身内にも
日頃は仲の良い友だちにも語ることができない
苦しみ悩みです。
阿弥陀如来の本願念仏のお救いです。
南無阿弥陀仏の大きなおはたらきで
すべてのものを分け隔てなくそのまま救うといわれます。
すべてのものと聞いて私のことです。
私のすべてありのままをご存知の上で
そのまま救うというのです。
分け隔てなくとは条件なしにということです。
善いことをしたら救うとか悪いことをしたら救わないとか
善悪賢愚老若男女といった私のあり方を超えて
そのままというのです。
私のすべてをそのまま抱き取って
何でもおっしゃい
辛いことがあったら何でもおっしゃい
言うだけでも心が落ち着くんであるならば
何でもおっしゃいと
阿弥陀さまは胸を大きく広く開かれています。
あなたの苦しみ悩み涙をここにいっぱい受け止めるから
どうぞ私の胸で思う存分泣いておくれというんですね。
そこまで私の悲しみ苦しみ悩みを思い取って
お立ち姿の阿弥陀さまです。
いつでもどこでも阿弥陀さまがご一緒です。
南無阿弥陀仏の大悲のお心を聞かせていただき
あなたも私も共々に
お念仏を申す生活をさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009.11.19)
まだあるか、もうないか
2022-11-18
昨日は月に一度通う病院で
インフルエンザの予防接種を受けました。
家に帰り思い立って
まだ受診していない市の基本健診について
早速問い合わせて年内の健診の日を決めました。
コロナワクチン第5回目の接種券が来ていました。
接種券には前の4回目から5カ月おいて1月1日以降と
書いていましたのでちょっと安心していたのですが
センターに問い合わせると
今は3か月で受けられるようになったということで
今月中のワクチン接種の日を決めました。
どれもこれも早くから分かっていることで
早くしておけばいいのにということです。
逆にいいますと
期限があるから安心するんですね。
来週いっぱいといったら今日するかというと
まだ一週間あるじゃないかと思うのがこの私です。
今日が11月18日で今度の28日で住職を退任いたします。
あと10日です。
まだ10日あると思うか、もう10日しかないと思うか
そうしたものの見方の違いです。
住職継職で私が住職を退任したところで
私がいなくなるわけではありません。
こうしてお朝事のお勤めをさせていただいております。
いつものこといつものたしなみです。
蓮如上人のお言葉
「わかきとき、仏法はたしなめと候」をいただきます。
この若き時とは年齢的なことを言っていますが
人生を生きるなかで今が一番若いということで
一時も早く今仏法に遇うことが大切とのお勧めなのです。
私たちが生きる世間のことは
期限が切られていることですが
仏法のことについては今しかないのです。
ところが私たちは仏法のことも世間のことのように
まだまだずっとずっと先の話のように横着に構えて
今は忙しいからまだ若いからといって
仏法に遇うことを先送りにしていませんか。
こんなことで仏法に遇わずじまいに
仏教を聞かずじまいに人生を終えていくのでは
もったいないことだとのお示しです。
「仏法には明日はない」と
この命いつどういう形で終えていくか
誰にも分からないというなかで
仏法に遇わせていただく有難さです。
お寺参りの皆さんにこういうことをいうのは
見当違いの的外れなことですが
よかったですね。
仏法に遇えてよかったですね。
お念仏を申す身にさせていただいてよかったですね。
11月28日に私が生きているかどうかも分かりません。
生死の命は分からないけれども「大丈夫だ」と
阿弥陀さまの仰せです。
いつどんな形でこの命終わろうとも
予約したワクチン接種や検診ができなくても
世間のことは世間のことで
生死のことは阿弥陀如来の「まかせよ必ず救う」
南無阿弥陀仏のおはたらきにまかせて
今日も目が覚めて命をいただいて
生きることができる有難さです。
今日も皆さんそれぞれの生活ぶりですが
お念仏申して阿弥陀如来のお慈悲の中に
生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.11.18)