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お念仏を申す生活法話

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「ただ念仏のみぞまこと」

2022-12-12
 日曜日の夜NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を
楽しみに観ています。
 あっという間に一年が経って
来週が最終回という大詰めの展開です。

 昨日は承久の乱の起こりです。
朝廷と幕府の最初で最後の戦いで
結果鎌倉幕府が勝って
幕府優位の武家政権が江戸時代まで続くことになります。

 1221年朝廷は鎌倉幕府の執権北条義時討伐の
勅命を全国に出します。

 混乱する鎌倉幕府の御家人衆を前に
尼将軍北条政子が有名な演説をします。

 鎌倉幕府を樹立した源頼朝の功績を讃え
今こそ「山よりも高く海よりも深い」
鎌倉殿の御恩に報いる時ぞと鼓舞し
御家人衆の心をまとめて
後鳥羽上皇の朝廷との一戦に踏み切るのです。

 親鸞聖人のご一生と重なるドラマの展開です。
承久の乱は親鸞さまが49歳の時のことで
関東の常陸の国茨城県にあって
お念仏のみ教えを方々に説いてまわっていた頃です。

 不安定な世情にあって
「ただ念仏のみぞまこと」と
一層深く心に入れての思いだったのではないでしょうか。

 親鸞さまの当時のご事績は定かではありませんが
民衆と共にお念仏の日暮らしをされていたことでしょう。

 その後52歳の時に『教行信証』を撰述されます。
この時をもって浄土真宗立教開宗の時とされる
大きな出来事でしたが
教行信証の後序には「承元の法難」念仏禁制のことが
詳細に書かれています。

 この念仏禁制の勅命を出されたのが後鳥羽上皇です。
振り返って承久の乱と教行信証撰述の関係を思います。

 現代に重ねればロシアのウクライナ侵攻による戦争が続き
コロナ禍も未だに収束しない中で
自然災害も後を絶ちません。

 まさにカオス混沌の社会を私たちは生きています。
鎌倉時代と違って事実を伝える情報網は発達し
今起こっていることを知ってはいるが
何もできないなかに
真実が見えない時代です。

 今だからこそただ「念仏のみぞまこと」の
浄土真宗のみ教えに聞かせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.12)

同じ中心をいただく(2010年アーカイブ)

2022-12-11
 今は門徒報恩講ということで
夜は地域法座をお勤めさせていただいています。

 夜の時間です。
殆どの方は早い食事を済ませて
お参りされるということですが
お家お家で生活時間が異なり
本当に大変だと思います。

 暗くて寒い中でのご縁ですが
それぞれ地域法座の雰囲気が違って
それが楽しみでもあります。

 皆さんとご一緒にお正信偈のお勤めをし
ご法話お取り次ぎをさせていただきます。
 その後にお茶をいただきますが
いろんなものを用意してくださっているのです。

 当番のお家の負担にならないように
お茶だけでいいですよと言っているのですが
座元の方が朝から作ってくださったものや
近所の方が持ち寄ったものです。

 食事を済ませてこの時間は食べないという方もいますが
殆どの方は「せっかくだからいただこうか」と
別腹などといったりして
私も一口二口いただきます。

 実はこの時間が皆さんの一番の楽しみなのです。
黙って食べるのではありません。
 食べたら食べたで出されたお料理のこととか
次々に話が弾みます。

 今は同じ屋根の下で暮らす家族も
食事の時間がそれぞれ違うと聞きますが
共食といって
家族や友人で同じものを一緒に食べる
食事の楽しみです。

 食べると胃が満足し身体が温まって
和やかな雰囲気が自然と醸し出されるなかに
地域法座のご縁をいただきます。

 阿弥陀さまを中心に御仏前に
それぞれ生活ぶりが違う皆さんが一堂に会して
南無阿弥陀仏とお念仏を申すご縁です。

 同じ中心をいただいていることを
また有難く思うことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.12.11)


夜の御座(2009年アーカイブ)

2022-12-10
 門徒報恩講のご縁で
日中はご門徒のお家にお参りし
夜は地域法座のご縁をいただきます。

 12月の夜は暗くて寒いです。
よほど思いをもってご縁をいただかないと
夜は家でゆっくりしたいのが私たちの素直な気持ちです。

 以前はお寺の夜のご法座も度々あって
お参りする方も段々といましたが
今は夜の法座自体が減ってきました。

 お参りする人が少なくなって
布教使さんにご出講いただいても
少ない人数では失礼だし
経費も係るという理由です。

 今国の政治の現場では
事業仕分けといって
こうした事業は止めましょう見直しましょうという
議論が盛んに行われています。

 効率の悪いこと無駄なことは
極力なくしていこうという
合理的なものの見方考え方です。

 お寺の御座も効率といった見方では
どう見られるのでしょうか。

 対価効率が悪く採算が合わないことで
特に夜の御座は止めるべきだという
見方になるのでしょうか。

 確かにこういうことは止めた方がいい
見直すべきだということは
私たちの身近な生活のなかにもありますが
仏さまのものの見方は違います。

 すべてのものを分け隔てなく必ず救うという
阿弥陀さまの南無阿弥陀仏のお心おはたらきを
聞かせていただきます。

 夜の御座にお参りする方が少なくなったといって
一人もいなくなったということではありません。
 日中はお仕事とかの都合でお参りできなくても
夜だったらお参りできるという思いをもった方です。

 お寺のご法座が少なくなる現状で
「お参りが少なくなった」と
ため息ばかりついて嘆くのではなく
思いをもった人に一人でもお参りしてもらえるように
ご門徒の方も一緒に考え工夫して
できることから実践していきたいものです。

 阿弥陀さまはその人人のありのままを見抜かれて
そのまま救うとおはたらきです。

 南無阿弥陀仏の大きなお慈悲の中に
お念仏申す身にお育ていただいて
人それぞれの人生を豊かに生かされて生きるのです。

 効率ばかりで見られると
お寺の将来は悲観的なものばかりになってしまいます。

 効率が悪い無駄なことであっても
お念仏のご縁を相続していくことの大事です。

 少人数の地域法座のご縁ですが
生活ぶりの違う者同士が阿弥陀仏の御仏前にご一緒し
お念仏のみ教えに遇わせていただく有難さ尊さです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009.12.10)


「まあこういうこともあるってことよ」

2022-12-09
 今日は住職が京都のご本山の会議に出張で
私がお朝事のお勤めをさせていただきます。

 お寺の住職の大きなおつとめが
ご門徒さんの葬儀の導師のお勤めです。

 一昨日の夜に連絡がありすぐ臨終勤行にお参りして
通夜葬儀の段取りを決めて
昨日午前中に京都に発ちました。

 明日大分に帰ってくる予定でしたが
今晩深夜に帰り明日の葬儀の導師を勤めます。
 それで今夕のお通夜は
私がお勤めすることになりました。

 私が住職の時もこういうことが何度かあって
日程調整に困ったことがありました。

 「まあこういうこともあるってことよ」と
新住職に声をかけたことです。

 こうしてこうしてこうなってと
自分の思い通りにならないことで
周りの方々に相談し助けてもらって
何ごともできるということです。

 できることしかできないし
できることを精いっぱいさせていただくことで
お念仏のご縁をいただけるということです。

 「お念仏の心で させていただく ありがとう」と
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながり
おはたらきに共々に生かされて生きていることの
有難さ尊さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.9)

誰か居ないぞ!

2022-12-08
 門徒報恩講のご縁で
ご門徒のお家にお参りしています。

 毎月の月参りを12月は報恩講ということで
私が住職を継職した時から始めました。

 一年納めのご縁ということでもあり
阿弥陀さま親鸞さま蓮如さまご先祖有縁の仏さま方に
この一年の奉告と御礼を申し上げましょうと
月参りのご縁をいただいていないお家も
申込みでお参りさせていただいています。

 お家のご法事のように
きれいにお荘厳されたお仏壇で
お家の皆さんと一緒にお勤めさせていただきます。

 先日お参りしたお家のことです。
「ごめんください」と何度言っても返事がなく
玄関が開いていたのでお仏間に上がりますと
お仏飯があがっておりお灯りの電球も点いていて
そのままお勤めを始めました。

 結局お勤めが済むまで
お家の人のお参りはありませんでした。
 後ろの机に「御布施」が置いてあって
「お預かりします」と頂いて帰りました。

 30年40年前ですと
開けっ放しで留守の家が多く
そのままお家にあがってお勤めしたものですが
今は普段は施錠しているお家が殆どで
偶々その時間に用事ができたということでしょうか。

 何ともむなしく思います。
もったいないことです。

 これも日頃のご縁でしょうね。
お念仏のご縁をみすみす逃して
仏さまに背を向けるようなことです。

 「誰か居ないぞ!」と仏さまの思し召しです。
阿弥陀さまは世間のことに忙しく振り回されて生きる
この私をこそ目当てに「必ず救うまかせよ」と
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 仏法に遇ってお念仏を申す身になっておくれと
先に往かれたご先祖有縁の仏さまが
お家の中心にお仏壇をご安置してくださって
御仏前に座っておくれとお勧めです。

 お坊さんがお経をあげてくれれば
それでいいとでもいうのでしょうか。
 そのお家から未だに
何の連絡もありません。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.8)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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