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お念仏を申す生活法話

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喚鐘とともに父のお念仏の声が聞こえてきます

2022-11-01
 11月になりました。
今年も残すところ2か月です。

 今日11月1日は前住職の祥月命日で
2時からご法座のご縁をいただきます。

 23年前の平成11年11月1日の朝
ちょうどお朝事の喚鐘を撞こうとする時に
亡くなったという電話がありました。

 23年経ってもつい最近のことのように
喚鐘を撞きながらふっと思い起こします。

 あれから23年が経ました。
23年齢を重ね私も70歳を超えて
父の年齢に近づいてきました。

 このお朝事のご縁で
日々の生活を始めさせていただける有難さを
歳を重ねるなかで愈々思います。

 11月の新しい月です。
今日一日も新しい日です。
 お念仏を申すなかに
一日一日を大切に生き抜かせていただくことです。

 前住職から私に住職のバトンが渡され
今月28日の御正忌ご満座のご縁で
新院に住職を継職させていただきます。

 日々移り変わりする中で
思い通りにならないこともたくさんありますが
南無阿弥陀仏のいのちの帰依処をいただいて
お念仏の道を共々に歩ませていただく有難さです。

 「いつも私が一緒だよ。
どんなことがあってもあなたを決して見捨てないから
大丈夫安心して
あなたはあなたの命を精いっぱい輝かせて
一緒に生きて往こう」と
阿弥陀さまの南無阿弥陀仏のお喚び声が
前住職父のお念仏の声が
今日も喚鐘と共に聞こえてまいります。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.11.1)

仏さまのご縁の挨拶は南無阿弥陀仏のお念仏です

2022-10-31
 昨日日曜日はご法事がなく天気も良かったので
思い立って久しぶりに久住山に登山に行きました。

 牧ノ戸から上るいつもの登山ルートです。
絶好の登山日和そして紅葉の最中ということもあって
予想通り大変な多くの登山者がいっぱいで
現地に8時頃着いたものの駐車場はすでに満車で
ちょっと空いたスペースに路肩駐車させていただきました。

 若い頃から結構久住には登っていますが
老若男女の皆さん
小学生の子ども連れの家族や
若者たち80歳以上のお年寄りまで
山道は終始賑やかでした。

 山登りでは行き交う人たちが
「こんにちは」と言葉をかけ合います。
 今はまだコロナ禍で
最初付けていたマスクは皆さん外したものの
いつものように「こんにちは」と声を出すのが
ちょっと躊躇されます。

 目が合って「こんにちは」と言う程度で
目を見合わせるのではなく下を向いて
「こんにちは」といった感じです。

 「こんにちは」の声かけは
登山者のマナーのようなものですが
昨日びっくりしたのは
「おはようございます」と声かけがありました。

 私は上りで下る方が「おはようございます」です。
時間的には9時過ぎのことで
通常は「おはようございます」です。
 この下る方はというと
朝早く暗いうちから上り始めたのでしょうね。

 「おはようございます」は
芸能界の関係者の挨拶のように聞きます。
 舞台やテレビの収録映画の撮影など
出演者のスケジュールを調整して
朝からとは限らず昼でも夜でもどの時間でも
これから仕事が始まるということで
「おはようございます」ということだそうです。

 「おはようございます」で始まるということで
このお朝事も「おはようございます」で
今日一日を始めるということです。

 私たちの仏さまのご縁の挨拶は
南無阿弥陀仏のお念仏です。

 今朝も何度もお念仏を申しましたが
南無阿弥陀仏と私が申す念仏の声は
そのまま南無阿弥陀仏とこの耳に聞こえてくる
阿弥陀さまのお喚び声と聞かせていただきます。

 「いつも私阿弥陀が一緒だよ。
どんなことがあっても
あなたを決して見捨てることがないからね。
大丈夫安心して
あなたはあなたの命を精いっぱい輝かせて
一緒にお浄土に生きて往こう」と
聞かせていただきます。

 阿弥陀さまのみ名を称える南無阿弥陀仏は
私が称える称名念仏ですが
そのまま聞名のお念仏と聞かせていただきます。

 阿弥陀さまのみ名を称える念仏の声が
そのまま私を喚んでくださる
阿弥陀さまのおはたらきとなって
聞こえてくるのです。

 称名は聞名ということで
阿弥陀さまのお喚び声を聞かせていただく
私たちの称名念仏なのです。

 先に往かれた方のことを思うときは
南無阿弥陀仏とこの耳に聞こえるぐらいで結構ですから
声に出してお念仏を申しましょうとお勧めします。

 先に往かれたご先祖有縁の仏さま方が
阿弥陀さまの大きなお慈悲のおはたらきを
お手伝いしてくださって
南無阿弥陀仏と聞こえてきます。

 この目には見えないけれども
数えきれないほどの無量の仏さま方が
南無阿弥陀仏とこの私を喚んでくださり
お浄土へ「この道を往け」「この道を来い」と
力強いお念仏のおはたらきの中に
今日の一日をまた始めさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.10.31)


お念仏の声に励まされて生きて往ける(2009年アーカイブ)

2022-10-30
 東京八丈島沖で船が転覆して
3人の方が助かったというニュースです。

 90時間ぶりにひっくり返った船室の空間に
3人が重なり合うようになって
飲まず食わずの中を励まし合ったということです。

 よくぞ生きてこれたなということですが
取材に応じて3人が3人とも
「3人だから助かった、生きられた」と
言っていました。

 私たちの日々の生活は暗い船室ではありません。
明るい中を生きています。
 そして不自由なく食べて飲んで生きていますが
3人だから生きてこられたというのは
誰も私一人だけでは生きていかないという
私たちの真実です。

 一人で本当に自由にのびのびと
生きられそうですけれども
独りぼっちじゃ生きられないということです。

 逆にあの人がおるから生きにくい
あの人がいなかったらということさえ思うのが
私たちですが
あの人がいるから私がいるということです。

 夫婦であれば妻がいて夫がいる
夫がいて妻がいるということです。
 親子であれば子どもがいて親があり
親がいて子どもがいるということです。

 私たちはあなたと私のつながりのなかに
生かされて生きているという真実です。

 共にといいます。
一緒にといいます。
 三人の方が互いに声を掛け合ったといいます。
「がんばろう」「生きよう」と声を掛け合い
その声が互いを励まし力となって
生きられたということです。

 私たちの阿弥陀仏さまは
声の仏さまといいます。
 南無阿弥陀仏の仏さまです。
「いつも私が一緒だよ。
どんなことがあっても
あなたを見捨てることは決してないから
大丈夫安心して
あなたはあなたの命を精いっぱい輝かせて
一緒に生きて往こう」と喚んでくださる仏さまです。

 お念仏の声に励まされ支えられて
今日一日も共々に
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2009.10.30)


先人からの贈りもの(2012年アーカイブ)

2022-10-29
 この時期大分の町中に行くと
店頭でかぼちゃのお化けのキャラクターに
たくさん出くわします。

 ハロウィンというヨーロッパを発祥とするお祭りで
いつの間にか日本の恒例行事になったようです。

 テレビもここ数日はこの話題で持ちきりで
東京では仮装した若者が街に繰り出して
集団で大騒ぎしている様子が報じられています。

 欧米ではこの10月31日に子どもが仮装して
近所の家々を回って
「トリック・オア・トリート」
(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)と言って
キャンディやチョコをねだって歩くそうです。

 大分前になりますが
アメリカで留学中の日本人高校生が
ハロウィンで仮装して家を間違って訪れ
不審者と思われて射殺された
悲しい事件がありました。

 見知らぬ人が突然家に来て
「何かよこせ、さもなければ何かするぞ」と
脅されるようなことに思われたのでしょうか。
 銃社会のアメリカならればの出来事と
片づけてしまうには重い課題です。

 私たちの社会には
それぞれの国や地域で
日常生活のなかに人と人とをつなぐ
先人から伝えられた習慣伝統行事が
今もたくさん残っています。

 近くの地域でこの時期
仲秋の名月の日に
子どもたちが近所の家々を
「名月おくれ」と言って
お菓子をもらって回る行事があるということです。

 大在ではずっと以前からの伝統行事で
この時期スーパーにはそれ用のお菓子が
山積みされているという話も聞きます。

 この辺の行事では
3月のお彼岸のお中日の
弘法さんのおせったいですね。
 子どもたちそして大人も一緒に朝早くから
お菓子をもらいに家々を駆け巡っています。

 これも仏さまのご縁です。
お菓子を仏さまからいただくことで
仏さまにお礼をしましょうと
弘法太師の尊像に手を合わせるのです。

 日常生活のなかに手を合わすことが
少なくなった今だからこそ
そうした先人からの贈りものを
大事にしていかねばならないと思うことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2012.10.29)


お念仏の相続です

2022-10-28
 毎月大分市のコンパルホールで
法話会を開いています。

 これまでに『歎異抄』『正信偈』『御文章』を
皆さんとご一緒に拝読して
ご法話お取り次ぎさせていただいていますが
今月で一応修了して来月からどう進めて行くかについて
昨日メンバー二人と話し合いをもちました。

 大分の町中のメンバーの方からお電話があり
お寺に来られてのご相談です。

 私たちの法話会という思いがあって
参加者の皆さんから声が上がることが
有難く嬉しかったです。

 お話をする中でお一人の方から
「ご院家さん、ここまで長く続くって思われました」と
言われてハッとしました。

 ほぼ同じメンバーでコロナ禍の中も
いつものように続けてきましたが
「いつから始めたんですか」と聞かれて
ちょうど大分駅の駅ビルが開業したその日に
第一回目の法話会を立ち上げたことを思い出しました。

 2015年のことです。
あれから7年が経ちました。
 7年です。
小学校に入学して6年で卒業
そして中学1年になったという時間の経過です。
 7年歳を重ねてきたことです。
7年間毎月1回ずっと続けてきました。

 「継続は力なり」という言葉です。
わずかなことでも続けて行えば成果となってあらわれる
小さな努力も続けてやれば成功するという意味で
続けることが大きな力になるということです。

 私たちのお念仏のご法義でいうと
念仏相続と言われます。
 お念仏を相続するということですが
お念仏の力おはたらきが相続させてくださると
味わわせていただきます。

 お念仏は南無阿弥陀仏です。
阿弥陀さまの大きなおはたらきです。
 阿弥陀さまがこの私を
お念仏を申す身にさせてくださって
念仏相続させてくださると
「継続は力なり」の言葉をいただきます。

 ものごとを続けるというと
どうしても続けなければならないと
私に力が入ります。
 力が入ると順調な時はいいのですが
ちょっとしんどい思いになることもあります。

 このお朝事のご縁です。
毎朝続けるなかに
皆さんにお会いできてご一緒に
御仏前に座ってお勤めをさせていただき
今日一日を始めさせていただける有難さです。

 これ以上有難いお念仏のご縁はないといっていいほど
一朝一夕にできることではありません。
 長い長い間私たちのお念仏の先人が
伝え届け相続してくださったお念仏のご縁に
今日もこうして皆さんとご一緒に
遇わせていただいたことです。

 このお朝事のご縁も
コンパルホールの法話会のご縁も
みんな仏さまの大きなおはたらきをいただいて
続けさせていただいていることを
またあらためて尊く有難く思うことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.10.28)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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