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お念仏を申す生活法話

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「まあこういうこともあるってことよ」

2022-12-09
 今日は住職が京都のご本山の会議に出張で
私がお朝事のお勤めをさせていただきます。

 お寺の住職の大きなおつとめが
ご門徒さんの葬儀の導師のお勤めです。

 一昨日の夜に連絡がありすぐ臨終勤行にお参りして
通夜葬儀の段取りを決めて
昨日午前中に京都に発ちました。

 明日大分に帰ってくる予定でしたが
今晩深夜に帰り明日の葬儀の導師を勤めます。
 それで今夕のお通夜は
私がお勤めすることになりました。

 私が住職の時もこういうことが何度かあって
日程調整に困ったことがありました。

 「まあこういうこともあるってことよ」と
新住職に声をかけたことです。

 こうしてこうしてこうなってと
自分の思い通りにならないことで
周りの方々に相談し助けてもらって
何ごともできるということです。

 できることしかできないし
できることを精いっぱいさせていただくことで
お念仏のご縁をいただけるということです。

 「お念仏の心で させていただく ありがとう」と
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながり
おはたらきに共々に生かされて生きていることの
有難さ尊さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.9)

誰か居ないぞ!

2022-12-08
 門徒報恩講のご縁で
ご門徒のお家にお参りしています。

 毎月の月参りを12月は報恩講ということで
私が住職を継職した時から始めました。

 一年納めのご縁ということでもあり
阿弥陀さま親鸞さま蓮如さまご先祖有縁の仏さま方に
この一年の奉告と御礼を申し上げましょうと
月参りのご縁をいただいていないお家も
申込みでお参りさせていただいています。

 お家のご法事のように
きれいにお荘厳されたお仏壇で
お家の皆さんと一緒にお勤めさせていただきます。

 先日お参りしたお家のことです。
「ごめんください」と何度言っても返事がなく
玄関が開いていたのでお仏間に上がりますと
お仏飯があがっておりお灯りの電球も点いていて
そのままお勤めを始めました。

 結局お勤めが済むまで
お家の人のお参りはありませんでした。
 後ろの机に「御布施」が置いてあって
「お預かりします」と頂いて帰りました。

 30年40年前ですと
開けっ放しで留守の家が多く
そのままお家にあがってお勤めしたものですが
今は普段は施錠しているお家が殆どで
偶々その時間に用事ができたということでしょうか。

 何ともむなしく思います。
もったいないことです。

 これも日頃のご縁でしょうね。
お念仏のご縁をみすみす逃して
仏さまに背を向けるようなことです。

 「誰か居ないぞ!」と仏さまの思し召しです。
阿弥陀さまは世間のことに忙しく振り回されて生きる
この私をこそ目当てに「必ず救うまかせよ」と
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 仏法に遇ってお念仏を申す身になっておくれと
先に往かれたご先祖有縁の仏さまが
お家の中心にお仏壇をご安置してくださって
御仏前に座っておくれとお勧めです。

 お坊さんがお経をあげてくれれば
それでいいとでもいうのでしょうか。
 そのお家から未だに
何の連絡もありません。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.8)


干し柿でつながるお念仏のご縁です

2022-12-07
 門徒報恩講のご縁で
ご門徒皆さんのお家にお参りしています。

 仏さまのお供えのお下がりを
いただきます。

 あるお家で干し柿を
たくさんいただきました。
 お家のおばあちゃんがこの日のために作って
用意してくれたものです。

 もう十数年前になります
そのお家で門徒報恩講の地域法座を
お勤めした時のことです。

 近所のご門徒衆がお参りされるご縁で
お正信偈のお勤めをしご法話お取り次ぎをして
皆さんでお茶をいただきます。

 夜のご縁で地域によってそれぞれ違いますが
お参りの皆さんが囲む机の上に
煮豆やきんぴらサラダ漬物
そしてお菓子やみかんなどが並びます。

 そのお家では干し柿が
お盆にたくさん盛られてありました。
 私はその後帰宅して夕食をいただきますが
小腹が空いていることもあって
干し柿をいただきました。

 程よい甘さの柔らかい食感で
「こりゃあ美味しい!」と声に出て
勧められるままに2個いただきました。

 おばあちゃんの手作りの干し柿でした。
喜んで食べてもらって嬉しかったのでしょう
それから毎年地域法座のお家は変わりますが
決まって干し柿を持って来られて
たくさん家に持たせてくださるのです。

 コロナ禍でこの三年地域法座はお休みしていますが
お供えの干し柿のお下がりは休みなく
今年も大きなパックごといただいて帰りました。

 干し柿でつながるお念仏のご縁です。
今年も美味しくいただきました。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.7) 

前住職の呼び名

2022-12-06
 住職を継職退任して
さっそく門徒報恩講のご縁で
ご門徒さんのお家にお参りしています。

 お勤めをした後に
お茶をいただきながらの話題は
呼び名のことです。

 新住職は「ご院家(いんげ)さん」ですが
前の「ごいんげさん」の私のよび名です。

 前の住職ということで
「前住(ぜんじゅう)さん」というのが一般的ですが
何か面白くないというか
もっと他にすてきな呼び名がないものかと思います。

 「老院(ろういん)さん」とも呼ばれますが
まだ早過ぎる感じがします。
 御前(ごぜん)ということで「ごぜんさん?」
「ごぜんさま」というと
映画『男はつらいよ』の笠智衆さんを思い浮かべますし
夜遅くまで深酒して帰宅する「午前様」につながります。

 等々とお話をしていましたら
今日のところは「ぜんじゅうさん」ということで
よろしくお願いしますということになりました。

 「ついつい<ごいんげさん>と呼んでしまいそうです」
と言われて
「いいですよ」とこたえました。

 長い間「ごいんげさん」と呼ばれてきて
呼ぶ方も呼ばれる方もお互いに
何かほっと落ち着いて安心できます。

 呼び名一つですが
人と人とのつながりお念仏のご縁です。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.6)


先に往かれた大切な方のお遺骨

2022-12-05
 満中陰の法要で納骨にご一緒しました。
大分の町中の小高い丘に以前からある
地域の小さな墓地です。

 同じ姓のお家のお墓が目立ちます。
地域の親族縁者のつながりを思います。

 昔は今のように火葬ではなく
遺体をそのまま土葬することで
その地域の墓所が決まっていました。

 火葬してお遺骨を納めるということで
地域の墓所にお家のお墓を建てて
今のような墓地に区画整理されてきたのです。

 先日納骨にお参りした墓地は
高台にある大きな広い墓苑でした。
 高崎山や由布鶴見の山々そして別府湾も望む
大分市を一望できる所にありました。

 地域の小さな墓地とは違い
何百何千といった
すぐ数を数え切れないたくさんのお墓が
すり鉢状に整然と区画配置されていて圧巻でした。

 お墓の形態も様々で
これからお墓を建立する人もいますが
最近は墓じまいの話題をよく聞きます。

 お墓の継承者がいないこともありますが
継承者がいても遠方のお墓を維持することの不安です。

 人が亡くなっても遺骨は遺ります。
死んだら全てが無くなってお終いではありません。

 この目に見えるお遺骨です。
安置すべき墓所に納めることで
葬儀の大きな節目となって
遺族は安心したものです。

 仏さまのご縁が続くといった意味で
遺ったお遺骨そして納めるお墓の存在は
遺った者が仏さまのご縁に
これからも遇っていくということです。

 仏法を聞いてお念仏申す身になっておくれと
先に往かれた仏さまの大きな願いの中に
これからも共々に生かされて生きて往くご縁です。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.12.5)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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