私の伯父さん(2016年アーカイブ)
2023-02-19
今日2月19日は私の伯父さん
昭円さんの祥月のお命日です。
円光寺の長男に生まれ
昭和23年に28歳で往生されました。
5人姉弟の二番目で
長女二男と既にお寺のご縁をいただいて寺を出ており
三男の私の父が次期住職を継ぐべく
円光寺に帰り結婚して私が生まれたので
私は伯父さんに会ったことがありません。
写真をみますと
丸い眼鏡をかけた何とも温厚な感じの伯父さんです。
戦後の混乱期で医療も充実していませんから
今だったら助かる病気も
当時は死に至るということだったのでしょう。
私が今ここに生きているということは
昭円伯父さんのご縁なくしてはないことで
私たちのいのちの不思議を思います。
いのちのご縁つながりです。
こうしてこうしたらこうなるということではなくて
南無阿弥陀仏の大きないのちの物語です。
私の思いはからいで私がつくる物語ではなく
南無阿弥陀仏の大きないのちのおはたらきで
仏さまがつくってくださる仏さまのご縁の物語です。
私たちは人間としてこの世に生まれて
どんな人も命終えていきます。
生まれて生きてという人生のいのちの物語ですが
仏法を聞かせていただきますと
死んだら終いのいのちではなく
この人間界に生れてくる前から
ずっとつながっているいのちの物語です。
先に往かれた昭円伯父さんは
お浄土で仏さまに成ってくださって
これまでもそしてこれからもずっと
南無阿弥陀仏のおはたらきで私たちを見守り
必ずすくうと阿弥陀さまのお手伝いをしてくださっていると
聞かせていただきます。
私たちはみんな南無阿弥陀仏の
大きないのちのつながりのなかに共々に生かされて
生きているのです。
お念仏申して人の命を生き抜いて
命終えてそのまま無量寿のいのちとなって
無量光のおはたらきをさせていただきます。
永遠に南無阿弥陀仏の
いのちの物語は続くのです。
今ここに生きている私も
南無阿弥陀仏のいのちの物語の中にあって
これからも生かされて生きて往きます。
私が私がと自分を中心に
自分の思い通りに生きよう生きている私です。
思い通りに行けばいいのでしょうが
思い通りにならないときに苦悩し
周りに腹を立て他人をまた自らを傷つける私がいます。
このいのちは自分だけのいのちではありません。
南無阿弥陀仏の大きないのちに生かされて
周りの方々多くのいのちに育まれて
あらゆるいのちとつながっていることを
仏教は縁起の法で教えてくださいます。
昭和23年2月19日28歳でご往生された伯父さんのご縁で
今ここに私が生きています。
何とも不思議ないのちのご縁をいただいて
今日も皆さんとご一緒にお朝事のお勤めができて
お念仏申させていただくことの有難さを思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2016.2.19)
御文章さまのお心(2011年アーカイブ)
2023-02-18
かかりつけ医の看護師さんとお話するなかで
「御文章さまっていいですねえ」と言われました。
昔からお念仏の土德豊かなご法義地といわれる
福岡の豊前のご出身だそうです。
浄土真宗のお家に生まれて
小さい頃からおばあちゃんに
お念仏のお話を聞かされて育ったといいます。
おばあちゃんからいつも
「お仏壇に阿弥陀さまにお参りしなさい」と
言われてきたそうです。
おばあちゃんが口癖のように
何度も何度もお参りしなさい
お参りしなさいと言われることが
若い頃は素直に受けとめられず
反発することもありましたが
今になって有難く思えるというのです。
おばあちゃんが御仏前で毎日読んでいた
御文章さまが耳の奥底に残っているといいます。
あらためて「御文章さまってどういうものですか」と
尋ねられました。
御文章さまは本願寺第八代目宗主の蓮如上人が
親鸞聖人が開かれた浄土真宗お念仏のみ教えを
わかりやすくお手紙にして全国各地のご門徒有縁の方々に
何通も送られたものをまとめたものです。
お朝事のご縁に
こうして御文章さまを毎朝一通ずつ繰り読みで
拝読させていただきます。
日々拝読する御文章さまを決めていますので
毎日聞かれる皆さんも自然と耳に
入ってくるのではないでしょうか。
これまで何百回何千回と
拝読させていただいたことです。
その都度そのお心をたずねていけばいいのですが
有り難いことに毎朝拝読することで自然と耳に入って
蓮如さまのお心を思うことです。
同じ御文章であっても
その日その日でお味わいが違います。
日々変わり行く無常の命を
どこまでも自分を中心に生きている
この私がいただくことです。
お正信偈さま御文章さまと
拝読させていただくとき
そのまま南無阿弥陀仏のお念仏のお心を
親鸞さま蓮如さまがおすすめくださる
尊い御声だと聞かせていただき
今日一日を大切に生き抜かせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2011.2.18)
お寺は私の家のお気持ちで
2023-02-17
昨日16日は親鸞聖人の御命日で
円光寺では常例法座をお勤めします。
ご法座の前に仏教婦人会の皆さんが
地区別交代で清掃奉仕をしてくださいます。
お家のお掃除です。
日頃からもそうですが
特別お客事があるとき
お家のご法事のお勤めがあるときなどは
いつもより丁寧にお掃除されませんか。
仏さまのご縁です。
お寺のご院家さんがお参りされます。
親戚有縁の方もです。
きれいにお掃除されたお家の仏間で
清々しい気持ちでお勤めをさせていただきます。
昨日は当番の地区の会員さんが
お掃除をしてきれいになったお寺の本堂で
お参りの皆さんを迎えました。
「こんにちは」
「ようこそのお参りです」と
互いに声をかけ合って
月に一度の尊いご縁をご一緒させていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.2.17)
御仏前で仏事の相談
2023-02-16
昨日ご門徒の方が
仏壇終いの相談にみえました。
市内のお家から県外の遠方に引っ越されるということで
今あるお仏壇が大きくて新居に置くスペースがなく
どうすればよいかというご相談です。
お家のお仏壇に御礼のお勤めをして
仏壇店に引き取ってもらうお話をしました。
次に新しいお仏壇やお墓をどうするか
仏事のことは知らないことが多く
心配になるところですが
これからの段取りなど
アドバイスさせていただいたことです。
本堂の御仏前でお話を聞きました。
お家お家それぞれの事情が異なり
具体的に個人的なお話にもなりますが
御仏前でのご相談です。
「困ったときにはお念仏に相談しなさい」と
お念仏の先人のことばです。
お念仏申して安心して
阿弥陀さまに相談させていただきます。
お寺のお坊さんはアドバイスはしますが
最終的に決めるのは施主の皆さんです。
先方に引っ越しされて
お手次ぎのお寺さんが決まったら
またお寺の阿弥陀さまに相談されるということです。
阿弥陀さまもお念仏も同じですから
何も心配いりません。
「あなたを決して見捨てないよ
われにまかせよ必ず救う」と
南無阿弥陀仏のおはたらきにまかせて
私が生きる現在地は変わっても
同じ阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされて
これからもずっと安心して生きて往ける有難さです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.2.16)
戦争を知らない子どもたち
2023-02-15
先日の仏教壮年会懇親会のことです。
4、5人のグループに分かれたある席での話です。
出席者の中で一番高齢者は誰か?
という話になりました。
大体が三佐で生まれた方で
小中学校の同級生や先輩後輩という関係で
お互いよく知っていますが
少し歳が離れたり結婚や仕事で三佐に移り住んだ方もいて
ということです。
最高齢者は昭和20年12月生まれの方でした。
「みんな戦争を知らない子どもたちですね」と
ふと声に出ました。
というのはその前の席の話で
何故かロシアのウクライナ侵攻の戦争の話になって
今もずっとウクライナはロシアの攻撃を受けて
空襲警報の止まない日がないという話からです。
市民はどこに逃げるのかということです。
ウクライナには大規模な地下壕や地下鉄構内があって
そこが防空壕になっているという報道です。
日本も78年前は太平洋戦争の戦時下にあって
全国の主要都市をはじめ各地で米軍の空襲に遭った歴史です。
ドラマでは地下に掘った防空壕に
近所の人が押し寄せるように逃げ込む映像を観ます。
私たちの三佐もまた空襲に遭って
親の世代の先人が防空壕に身を隠したことでしょうが
どこの防空壕かという話になって
前の席の人も後の人もみんな口を揃えるように
「地蔵山」と答えたのです。
皆さんもよく知っている横穴が掘られた小さな山ですが
三佐から2㎞以上の遠い所にあり
そんな遠くまで行けないという話になって
どうしたんだろうということです。
みんな戦争を知らない子どもたちで
実際に体験していないし知らないのです。
みんな自分が生きた時代のことでない
戦争を知らない子どもたちばかりです。
本当に身近な出来事で
私たちがこの世に生まれて今こうして生きているのも
戦時中を生き抜いてきた親がいて
そして先皆さんのご苦労があってのことです。
戦争の話を一つも聞いていない
知らないことばかりの私たちではないでしょうか。
今さら過去のことを聞いて何になる
それより今の脅威に対応できるような防衛力を配備して
核攻撃にも対処できる最新鋭のシェルターをつくろうなどと
戦争に備える声が聞こえてきそうです。
空襲におびえ早く戦争が終わってと思っても
決して口に出すことなく辛い生活に耐えてきた
先人たちの戦時下の生活を検証することで
戦争のない平和な世界であってほしいと
私にできることをさせていただくことこそ
「戦争を知らない子どもたち」のつとめだと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.2.15)