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お念仏を申す生活法話

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心田を耕す

2023-11-03
 今日11月3日は文化の日の祝日です。

 文化とは、人間が自然とふれあい社会生活をする中で
創造し獲得してきたものの総称ですが
哲学・芸術・科学などのほか
宗教もまた主たる文化ということです。

 文化は英語で「カルチャー」といい
「耕す」という意味があります。

 あるお経(雑阿含経)に次のようなお話があります。
【以下、『朗読法話集(第一集)』より転載(42~44頁)】

 お釈迦さまが、托鉢を行っておられたときのことです。
お釈迦さまに向かってある男がこう言いました。
「修行者よ、私は田を耕し、種をまいて食を得ている。
あなたも自分で耕し、食を得てはどうか」

 すると、お釈迦さまは
「私も耕し、種をまいている」と答えられました。

 それを聞いて男は驚き、またお釈迦さまにたずねました。
「しかし、私たちは誰も、あなたが田を耕したり
種をまいたりしているのを見たものがいません。
あなたの鋤(すき)はどこにあるのですか。
牛はどこにいるのですか。どんな種をまくのですか」

 すると、お釈迦さまは
「私は、私のこころの田を耕しているのです」と
答えたといいます。

 生きてゆくためには、食べ物がなければなりません。
道具もお金も必要です。
道具やお金を得るために、私たちは田を耕し働いています。
 しかし、私たちにはそのほかにも
耕さなければならないものがあるはずです。

 それは「こころ」です。
こころを耕すことは、形がなく目に見えないので
とかくおろそかにされがちですが
私たちにとって何よりも大切なことではないでしょうか。

 最近の科学や技術の進歩は、すばらしいものです。
おかげで、私たちの生活は便利になりました。
 では、幸せになったかというと、
必ずしもそうではありません。
 多くの新しい機械にかこまれ、余計にあくせく
しなければならなくなったのも事実です。

 今日の日本は、物質的にも経済的にも、
本当に豊かになりました。
 しかし、反面、こころの荒廃をもたらしたのでは
ないでしょうか。
 財産があるがゆえに
争いが生ずることもしばしばです。

 それは、「こころの田」を耕すことを
忘れているからでしょう。
 物の値打ちをつくりだすのは、こころであること
こころは耕さずに放っておくと、荒れるものであることに
気づかなければなりません。

 仏法を聞いて、こころを耕したいものです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.3)

お掃除のご縁もお念仏のご縁です

2023-11-02
 昨日は朝早くからご門徒衆総出で
お寺の大掃除をしていただきました。
 お盆前と報恩講前の一年2回のことです。

 毎月2回は仏教婦人会と仏教壮年会の皆さんに
それぞれ清掃活動をしていただいています。

 おかげさまでお寺がいつもきれいです。
きれいなお寺に気持ちよく皆さんお参りできます。

 ご門徒皆さんのお寺です。
皆さんが気持ちよくお参りされることで
お念仏の声が聞こえるお寺になります。

 お掃除のご縁もお念仏のご縁です。
お寺参りする人が多く元気なお寺になって
お念仏の声が周囲の皆さんに至り届き
いよいよお念仏のご縁が広がればと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.2)

「命日は 人の命終えて 仏のいのちに生まれる 誕生日です」(11月のことば)

2023-11-01
 11月になりました。

 私たちのお寺では
11月12月を「報恩講月(ほうおんこうづき)」ということで
親鸞聖人の御命日をご縁に宗祖の御遺徳をしのんで
報恩講のお勤めをさせていただきます。

 誰もが平等に救われるお念仏のみ教えを開いて下さった
親鸞様の御恩に報いるということで
私たち浄土真宗門徒の一番大事なおつとめです。

 ご先祖有縁のお念仏の先人の御恩でもあります。
私をお念仏を申す身にお育てくださった尊い御恩です。

 11月1日は
私の父昭然前々住職の25年回の祥月命日です。
 この日は毎年ご法座を開いて
ご門徒有縁の皆様と共々に御仏前に座らせていただき
お念仏聴聞させていただきます。

 命日は人の命終えた日ですが
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
そのまま阿弥陀さまのお浄土に往生して
仏のいのちに生まれる誕生日です。

 先に往かれた方は
お浄土から南無阿弥陀仏のおはたらきで
いつでもどこでも私たちを見護り導いてくださる
仏さまになってくださったのです。

 日々の生活の中で南無阿弥陀仏と共々にお念仏を申して
愈々お浄土への人生をご一緒させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.1)

「早いもので」が口癖になりました

2023-10-31
 早いもので10月31日
今日で10月が終わります。
 歳を重ねる中で「早いもので」と話を切り出すことが
多くなりました。

 時間はこんなに早く過ぎ行くのに
時間に見合うだけのことができたのかと
自問自答する私がいます。

 最近「タイパ」という言葉を知りました。
タイムパフォーマンスといって時間対効果といいます。
 かかった時間に対する満足度をあらわす言葉で
時間を効果的に使おうとする考え方です。

 Z世代と呼ばれる若い人や共働きの人が
動画を倍速視聴したり動画を見ながら家事をするなど
同じ時間で2つのことをする行為です。

 時間に見合うだけの効果があるのかあったのか
無駄に時間を費やす生活をしていないかという
問い返しでもあります。

 一方で「コスパ」という言葉があります。
コストパフォーマンスといって費用対効果といいます。
 かけたお金に対してどのくらいの価値
効果があったかということです。

 タイパといいコスパといい
私たちの生活で意識することってないようで
ふとこれまでの人生を振り返って
対効果的なものの見方で価値判断をしているところって
あるのではないでしょうか。

 この人生に無駄なものは一つもない
自分の都合で良くも悪くもと思うことも
すべてがみんな意味のあることで
私たちはいつでもどこでも共々に
南無阿弥陀仏の大きなお慈悲の中に
生かされて生きていることを
お念仏のみ教えに聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.10.31)

人が集まるハロウィーンとお寺参り

2023-10-30
 ここ数日の各テレビ局のニュースに
決まって東京の渋谷からの中継があります。

 渋谷駅近くのスクランブル交差点です。
渋谷といえば今も昔も
<忠犬ハチ公>像の前が待ち合わせ場所で有名ですが
まさに人が集まる象徴という場所が渋谷のようです。

 その像がある駅前広場が今この時期
すっかりシートで覆われ異様な状態になっています。

 大きな横断幕が張られて
「渋谷はハロウィーンのイベント会場ではありません」
「路上飲酒はおやめください」とか書いてあります。

 渋谷の区長名で
「ハロウィーン期間中は渋谷には来ないでください」と
声明文まで出される始末です。

 何かあると「渋谷に行こう!」ということでしょうか
若者を中心に大勢の人が繰り出しては
大騒ぎする光景が思い浮かびます。

 サッカーやラグビー、野球の
ワールドカップの日本の勝利に
スクランブル交差点を行き交う群衆が
ハイタッチを交わすなど
微笑ましい印象もありますが
一方で酒に酔ったグループが路上に座り込み
5年前のハロウィーンでは群衆が暴徒化して
駐車していた車をひっくり返す事件もおこりました。

 地元商店街の人にとって
たくさんの人が来てくれることは有難いことですが
空き缶やごみをそのまま放置したり
酔った勢いで何をするかわからないなど
迷惑を通り越して治安に不安を抱くような事態です。

 何で渋谷なのでしょうか?
人が多く集まって何か楽しいことがありそうだからと
いうことでしょうか。

 人が集まるということについては
お寺にも人が多く集まってほしいと思います。
 お寺を預かる住職の楽しみは
一人でも多くの方がお寺にお参りしてくださることです。

 しかし現状はお寺は門徒(檀家)の方が
お寺の法要行事など特別な時にお参りする所になって
一般の人には一つの風景のように見られているようです。

 最近はお寺も若いお坊さんの発想で
カフェやバザーをしたり音楽会や落語会をしたりと
お寺を広く開放して
皆さんに集まって楽しんでもらうような工夫をしています。

 ただそうしたことが目的化して
お寺が単なるイベント会場になってしまうと
ちょっと話が違ってきます。

 イベントを通じてお寺に親しみをもってもらい
お寺参りのご縁につながってほしいと思います。

 浄土真宗のお寺はお念仏聴聞の道場です。
私たちがこの人間界に生まれた目的は
仏法に遇うことだよといわれるのです。

 お念仏のみ教えを聞いて
「本当に人間に生まれてよかった!」といえる
人生を歩ませていただきたいものです。

 どうぞいつでもお寺に来てください。
ご一緒にお念仏聴聞させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.10。30)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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