恵みの雨
2025-03-07
山林火災の延焼が続く岩手県大船渡市に
久しぶりに大きな雨が降ったということです。
先月26日の発生からずっと燃え広がり
ホースによる消火活動は限定的なものに止まり
空からヘリコプターでの放水も
思うようにならないものでした。
地元の人は久しぶりの降雨に
「もっと降れもっと降れ」と叫んだといいます。
大自然の営みです。
強風に煽られ広がった火の勢いも自然のことなら
火をくい止める雨も自然のはたらきです。
人間の思い通りになるものではなく
大自然の営みいのちのはたらきのなかに
私たち人間も生きているということです。
どんなに人間がえらくなっても
大自然の営みを自分たちの思い通りに
変えることはできないのです。
大自然の脅威と恵みの中に
良くも悪くも生かされて生きているということです。
お念仏のご法義を
親鸞さまは「自然法爾(じねんほうに)」とご教示です。
阿弥陀さまの他力本願のお心
「生きとし生けるものすべてを分け隔てなく救う」
南無阿弥陀仏のおはたらきです。
私がどうこうして救われるのではありません。
自然のありのままのおはたらきそのままに
阿弥陀さまのお慈悲の中に
救われていると聞かせていただきます。
お念仏申して今日一日も
阿弥陀さまのお心おはたらきにまかせて
生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.7)

お念仏申す間をいただく
2025-03-06
先日のアメリカホワイトハウスでの
米ウクライナ会談決裂の余波は
世界中を先行きの見えない
重い空気につつんでいます。
前代未聞の首脳会談での
互いにホンネの言い分をぶつけ合う外交の大失態に
通訳を入れなかったことが
一因であるとの指摘です。
本来は母国語で会談することが通例のようですが
通訳を入れないことで間がとれず
直接意見の応酬非難になってしまったというのです。
私たちの日常でも言い争いになるときは
冷静にと思いつつ感情的になって
互いに自分の意見主張ばかりして
相手の意見を聞こうともしません。
間をおくことの大切さですが
お念仏申すことを心がけていたらと思います。
つぶやくように「ナマンダブナマンダブ……」と
お念仏申しましょう。
間ができて
お念仏の声が聞こえてきます。
今回はアメリカのホームグランドで
世界の超大国でウクライナの最大の支援国である
アメリカの正副大統領が二人で
ウクライナの大統領に
最後は「感謝しろ」「失礼だ」「謝れ」の大合唱です。
早速ウクライナ支援をする欧州各国から
「大統領あなたは決して独りじゃない」
「私たちはあなたたちと共にある」と
次々にメッセージが届けられたといいます。
お念仏は南無阿弥陀仏
「われにまかせよ必ず救う」
「どんなことがあっても決してあなたを独りにしない
いつも私が一緒だから安心して生きて往こう」の
阿弥陀さまのお心おはたらきです。
お念仏申して
阿弥陀さまのお喚び声を聞かせていただきましょう。
あなたも私も自他皆共に
阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされて
生きているのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.6)

ふと申すお念仏
2025-03-05
日々色んなことが起こる現実社会にあって
自分事と考えさせられるのが
新聞のコラムであったリ読者の声です。
新聞を読んでいて
「なるほど!」と、ふっと微笑む私がいます。
日常生活の中でよくある出来事を通して
その人なりの思いを文章にするものですが
自分の体験に重ねて
「ああそうそう」と相づちをうったり
「こんな見方考え方もあるんだ」と
気付かされたりすることがあります。
日々の日暮らしのなかで
どんなときにどんなところで
お念仏申されますか?
御仏前に座り手が合わさって
お念仏が出てくださいます。
お念仏申す身にお育ていただいたことですが
日常生活の中でふと申すお念仏があります。
声高らかにお念仏申すということではありませんが
ご法話お聴聞させていただくときとか
お聖教やお念仏の先人の言葉にふれるときなど
お念仏が出てくださいます。
お念仏は阿弥陀如来の
「いつでもどこでも誰でも必ず救う」との
おはたらきですから
お念仏申す私はそのまま阿弥陀さまのお慈悲の中に
今ここに救われてあるということで
お念仏申す生活をさせていただいているのです。
南無阿弥陀仏のおはたらきが
いつでも私のところに来てくださって
「お念仏申せよ。あなたを救う
阿弥陀がすぐそばにいるから、安心しなさい」と
喚んでくださっているのです。
ふと申すお念仏の源に
阿弥陀さまの大きなお慈悲のおはたらきがあると
有難く力強く聞かせていただき
往生浄土のお念仏申す人生を
今日一日も生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.4)

「いのちあるもの みなきょうだい」※転載
2025-03-04
今年は戦後80年の節目の年です。
日本は戦後の焼け野原から
先人の努力によって復興をとげ
現在の繁栄と平和を築きました。
しかし世界に目を向けると
今なお戦争や紛争で多くの子どもや市民が
恐怖と命の危険にさらされています。
釈尊は、世界のあらゆるものは
互いに支え合って存在していると説いています。
私たちも世界のすべてと
密接に関係し合っていますが
現実生活では自己の利益を
最優先に考え行動しますから
他者との間に対立や衝突が生じます。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない」。
作家の宮沢賢治の言葉です。
世界と個人は不可分な関係にあり
利己的なあり方の延長線上に
真の幸福は実現しないというメッセージです。
世界の恒久平和を実現するためには
自己(自国)と他者(他国)とが
不可分な関係にあるという真実をふまえ
お互いの違いを認め合い
共に歩みを進めることが必要です。
あらためて「いのちあるものみなきょうだい」と
心に刻み、お互いが思いやり、支え合い
さまざまな困難を乗り越えていくよう
努めてまいりましょう。
※『本願寺インスタ倶楽部』
(香川真二 本願寺派総合研究所研究員)より転載
ー本願寺新報2025年2月20日号ー
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.1)

はだかの王様
2025-03-03
アメリカトランプ大統領の勢いが止まりません。
自国中心の政策を常に前面に押し出し
都合のいい大統領令を乱発しては
世界中を大きな不安と混乱に陥れている様相です。
アメリカ大統領という権威です。
本来民主主義の国ですから
立法機関の議会や司法機関の裁判所といった
相互に歯止めとなる行政の仕組みに
なっているはずですが
今のところそうしたものはお構いなしに
自分の是とするところを突き進む
独裁者のような様相です。
先日は王冠をかぶり
得意満面の写真が報道されましたが
まさに王様のような気分なのでしょうか。
強弁で先制口撃をかけては
相手の譲歩を勝ち取るといった
トランプ流経営者の有り様が垣間見えるようです。
トランプさんを第三者的に見ていると
仏さまから見える私の真実ありのままのすがたを
見せつけられているようにも思います。
どこまでも自己中心で
自分の思いはからいのままに生きて
自分の思い通りになれば
自分の手柄とばかりに有頂天になり
思い通りにならないと
自分の立場や権威を振りかざして
徹底的に他者を批判排除し思い通りにさせるといった
いのちまでも損得勘定で見て
いのちの尊厳を否定するような
身勝手な有り様です。
トランプさんにこそ
仏さまのみ教えを聞いてほしいと思います。
縁起の理法による私のいのちのあり方です。
私は自分独りで生きているのではなく
あらゆるいのちのご縁つながりのなかに
互いに生かされて生きているのであり
今の私があるということです。
世界の中のアメリカのリーダーとして
これまでの国の歴史
人々が培ってきた文化生活の営みに
謙虚に耳を傾け
これから次代の人々の暮らしに思いを馳せて
今何をすべきか広い見地に立って
政治を推し進めてほしいと思います。
私の中にもトランプさんが住んでいることです。
御仏前に座り
お念仏の仏法に聞かせていただきましょう。
阿弥陀仏の「あらゆるいのちを
分け隔てなくそのまま救う」ご本願を信じ
お念仏申す身にお育ていただき
あなたも私も皆共に
阿弥陀さまのお慈悲の中に生かされて
往生浄土のお念仏の道行きを生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.3)
