お斎の復活です
2023-11-18
コロナ禍でしばらく中断していたお斎(とき)が
4年ぶりに復活しました。
仏事の時にいただく食事のことです。
お寺参りは昔は一日がかりの事でした。
今日一日の家の仕事の段取りをつけて
早い時間に家を立ち午前の御座にお参りし
午後の御座との間にお斎の時間がありました。
時代は移り変わり
今は車でお参りする方が殆どで
御座の時間に合わせてお参りし
お勤めが済んだらすぐ帰るということで
お斎になおる方が少なくなりました。
自分時間を中心にした
効率的なお寺参りです。
その点昔のお寺参りは
お寺時間を中心にした
ゆっくりゆったり
お寺で過ごすことが当たり前でした。
御仏前で皆さん一緒に食事をいただくことで
仏さまのご縁に遇わせていただきます。
食べることを仏法聴聞に重ねていただきます。
食べたものを覚えなくても忘れても
そのまま血となり肉となり私の命を保ってくれます。
仏法聴聞も覚えなくてもいいのです。
聞くこと聞いておくことで
南無阿弥陀仏のおはたらきで
お念仏申す身にお育ていただくのです。
昔の食べるものに不自由していた時代に
お寺のお斎は本当に楽しみだったと思います。
御仏前にお念仏のお仲間と一緒に食事をすることで
なごやかに安心していろんな話に
花が咲いたのではないでしょうか。
そしてお斎のお下がりを家に持ち帰って
家族におすそ分けする楽しみです。
あるお寺でお斎に同座させていただいたときに
お参りの方が高く盛られたご飯を
まず持参した袋に詰めてから食事をしていた光景を
印象的に思い出します。
仏法を聞くことは食べることと味わいましょう
ということで最後に
食べることを欠かしたら死んでしまうと
欠かさず仏法聴聞させていただきましょうと
お聞きします。
本願念仏のおはたらきです。
阿弥陀さまが南無阿弥陀仏のお名号となって
いつでもどこでも私のところに来てくださり
「まかせよ救う」とご一緒です。
お念仏を申して
南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただき
共々に往生浄土の日暮らしをさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.18)
お念仏の御法座
2023-11-17
今日から三日間<親鸞聖人御正忌報恩講法要>を
お勤めさせていただきます。
浄土真宗のお寺では
一年間に降誕会(ごうたんえ)、春秋の彼岸会、盆会など
お勤めをするご縁の中でも
御正忌報恩講は最も大事な法要です。
ご門徒衆にお手伝いいただき
お内陣も一年一度の華やいだお荘厳に
お飾りさせていただきます。
親鸞さまのご法事です。
浄土真宗門徒の毎年のおつとめです。
浄土真宗を開かれた親鸞さまのお心に立ち返り
ご報謝のまことをはこばせていただきます。
阿弥陀如来の本願を信じお念仏申す身にさせていただき
往生浄土の人生を共々に歩みましょう
との親鸞さまのお心を聞かせていただき
今私にできる精いっぱいのご報謝を
させていただくことです。
お念仏の御法座です。
浄土真宗門徒の日々のおつとめたしなみです。
お念仏の先人は忙しい生活の中にも
時間を差し繰ってお寺に足をはこばれたとお聞きます。
お寺のご縁にお参りして
お念仏お聴聞させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.17)
浄土の荘厳が整いました
2023-11-16
朝から御正忌報恩講法要の
お飾り申しをしました。
総代世話人会、仏教婦人会・壮年会の
ご門徒皆さんにお手伝いいただき
大掃除から仏具のおみがき
お菓子作りにお菓子の色付け
そしてお飾りつきをしてきれいに盛り付け彩色した
手作りのお供えをお内陣にお飾りします。
先人から受け伝えられてきた
私たちのお寺の御正忌の伝統です。
コロナ禍で4年ぶりの復活です。
三年のブランクでお寺の役員さんが入れ替わり
経験者も少なくなって
以前のようにできるか心配でしたが
皆さんで思い出し思い出しお荘厳が整いました。
お浄土の荘厳です。
御仏前に座り「ほんとにきれいやな」と
ほれぼれと見入って
手が合いお念仏が出てくださいます。
お浄土の荘厳は阿弥陀さまの南無阿弥陀仏
「まかせよ救う」のおはたらきです。
私たちの手が入ってのお飾りですが
お供えしてみれば阿弥陀さまがこの私を
御仏前に座らせていただき
お念仏申す身にさせていただくのです。
明日から三日間の御正忌報恩講法要のお勤めです。
ご門徒皆さんお誘いあわせお参りいただき
親鸞さまのご遺徳を偲んで
お念仏お聴聞させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.16)
一年一度のこと
2023-11-15
一年間を通じて必ず一度ある
一年一度のことには大変思い入れがあります。
その一つが健康診断です。
いつどこで受診するか
自ら手を挙げて進めていくことで
一年一度のことですから
早め早めにしておいたらいいようなものですが
中々気乗りがしなくて前に進めません。
そして毎回年末押し迫った
この時期になってしまうということです。
楽しみに待ちわびることでしたら
すっと早くから決めて進めていくことでしょうが
健康診断です。
現在の健康状態を診てもらうことで
大変大事なことですが
健診で悪いところが見つかったらどうしようなどと思うと
気が進みません。
健康診断の前に生活を節制する人がいます。
暴飲暴食など平生健康にあまり良いことをしていないと
心当たりのある人です。
なるべく良い結果であってほしいとの思いですが
良くも悪くも今のありのままの健康状態を診るのが
健診なのです。
悪ければ悪いで専門医に相談治療するなどの対応処置が
健診でできるということなのですが
健康状態が数字化されて出てくることについて
できるだけ良い数字をと思う魂胆です。
本当に私たちは目先のことにとらわれがちです。
節制していた生活も健診が終われば
その日のうちに元の生活に逆戻りです。
日頃から早寝早起き睡眠は十分に
三食決まった時間に食事をしてと
規則正しい生活が大事です。
頭ではわかっていても
これが中々というか
若い頃は自分中心の生活時間に合わせて
飲食し寝て起きてと
体に悪いことをたくさんしてきました。
そして今です。
健診の結果が良くても悪くても
今を生きることについて
健康のためにできることを精いっぱい
させていただくことが肝要です。
私たちのご法義に重ねて思います。
平生にお念仏のご法義に遇って
お念仏申す身にさせていただくことが肝心要です。
いよいよ命終わるときになって
仏法を聞こうと思っても
心安らかに聞ける状況ではないでしょう。
浄土真宗は平生業成の教えといって
平生今念仏往生成仏のみ教えを
聞かせていただくのです。
聞かせていただきましょう。
聞いておきましょう。
お念仏のご縁は明日のことではありません。
今こここの私のところに
阿弥陀さまは南無阿弥陀仏と来てくださり
「まかせよ救う」と喚んでくださっているのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.15)
お墓と仏さまのご縁
2023-11-14
<墓じまい>についてお話をするなかで
お同行が「墓じまいするとお寺さんとのご縁がなくなって
仏法聴聞の機会がなくなる」と言われました。
お墓とお寺のご縁が
つながっているという受け止めです。
「おたくのお寺には納骨堂がありますか?」
という問い合わせがこれまでに数件ありました。
「はい」と答えると
「門徒にならないといけないのですか」と聞かれ
「はい、そうです。どうぞお寺にご相談にきてください」
と言うと「わかりました」と電話が切れます。
名前も連絡先も聞きませんが
その後お寺を訪ねて来られる方はいらっしゃいません。
納骨堂に入りたいが
お寺の門徒にはなりたくないということで
お墓がお寺のご縁につながっていないのです。
大切な方のお遺骨をお寺で預かってもらうことと
門徒になることについてご理解いただけないのでしょう。
お寺は葬儀や法事など
人が死んでから後に用事のあるところであって
お寺は死んでから後のことで
生きている私には関係ないということなのでしょう。
大切な方が亡くなってお遺骨が残ります。
そのお遺骨をお墓に納めます。
私たちはお墓にお参りして手を合わせ
先にお浄土に往かれた方を偲び
お念仏を申しお礼をします。
南無阿弥陀仏のお念仏の声です。
お浄土の仏さまが後に遺った私たちをいつも見守り
「まかせよ救う」と喚んでくださるおはたらきです。
ご先祖のお遺骨が仏さまのご縁を促してくださるのです。
先に往かれた仏さまが
この私にお寺参りのご縁をつくってくださり
仏法を聞いてお念仏を申す身になっておくれと
願われているのです。
「お寺に納骨堂を求めることで
仏さまのご縁をいただくことができました」と言われる
お念仏のお同行になっていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.14)