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お念仏を申す生活法話

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お念仏が心を豊かにしてくれる

2023-11-04
 「『この味がいいね』と君が言ったから
七月六日はサラダ記念日」
 1987年に24歳の俵万智さんが出版した
歌集『サラダ記念日』の最初の短歌です。

 何か高貴でとっつきにくい31文字の短歌の世界を
日々の生活の出来事のなかに詠んだことで
ベストセラーになり
多くの人を短歌の世界に誘ってくれました。

 その俵万智さんがこのたびの秋の叙勲で
<紫綬褒章>をいただき
喜びの心境をテレビで語っていました。

 そのなかで「短歌を作ることで人生が豊かになった
短歌が心を豊かにしてくれた
短歌にあえて本当によかった」と感謝されていました。

 文化は「心田を耕す」と
昨日聞かせていただきました。
 お念仏のご法義でいえば
「お念仏が心を豊かにしてくれる
お念仏に遇って本当によかった」です。

 その人人で持って生まれた個性が違い
生活ぶりも違うなかで
永年精進していく道に遇うことですが
一度っきりの人生で
そうしたものに遇えることは
有ること難いご縁だと思います。

 誰もが特異稀な才能をもっているわけではありません。
人それぞれ生きる道は違います。
 叙勲に値するような社会的な功績貢献は
ごくごく一部の人にしか成しえません。

 しかし生きとし生けるものすべてに
お念仏の救いの法は届けられているのです。

 人それぞれに生活ぶりは違っても
南無阿弥陀仏の大悲の中に共々に生かされて
「お念仏に遇えて本当によかった」と
心豊かな人生を生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.4)


心田を耕す

2023-11-03
 今日11月3日は文化の日の祝日です。

 文化とは、人間が自然とふれあい社会生活をする中で
創造し獲得してきたものの総称ですが
哲学・芸術・科学などのほか
宗教もまた主たる文化ということです。

 文化は英語で「カルチャー」といい
「耕す」という意味があります。

 あるお経(雑阿含経)に次のようなお話があります。
【以下、『朗読法話集(第一集)』より転載(42~44頁)】

 お釈迦さまが、托鉢を行っておられたときのことです。
お釈迦さまに向かってある男がこう言いました。
「修行者よ、私は田を耕し、種をまいて食を得ている。
あなたも自分で耕し、食を得てはどうか」

 すると、お釈迦さまは
「私も耕し、種をまいている」と答えられました。

 それを聞いて男は驚き、またお釈迦さまにたずねました。
「しかし、私たちは誰も、あなたが田を耕したり
種をまいたりしているのを見たものがいません。
あなたの鋤(すき)はどこにあるのですか。
牛はどこにいるのですか。どんな種をまくのですか」

 すると、お釈迦さまは
「私は、私のこころの田を耕しているのです」と
答えたといいます。

 生きてゆくためには、食べ物がなければなりません。
道具もお金も必要です。
道具やお金を得るために、私たちは田を耕し働いています。
 しかし、私たちにはそのほかにも
耕さなければならないものがあるはずです。

 それは「こころ」です。
こころを耕すことは、形がなく目に見えないので
とかくおろそかにされがちですが
私たちにとって何よりも大切なことではないでしょうか。

 最近の科学や技術の進歩は、すばらしいものです。
おかげで、私たちの生活は便利になりました。
 では、幸せになったかというと、
必ずしもそうではありません。
 多くの新しい機械にかこまれ、余計にあくせく
しなければならなくなったのも事実です。

 今日の日本は、物質的にも経済的にも、
本当に豊かになりました。
 しかし、反面、こころの荒廃をもたらしたのでは
ないでしょうか。
 財産があるがゆえに
争いが生ずることもしばしばです。

 それは、「こころの田」を耕すことを
忘れているからでしょう。
 物の値打ちをつくりだすのは、こころであること
こころは耕さずに放っておくと、荒れるものであることに
気づかなければなりません。

 仏法を聞いて、こころを耕したいものです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.3)

お掃除のご縁もお念仏のご縁です

2023-11-02
 昨日は朝早くからご門徒衆総出で
お寺の大掃除をしていただきました。
 お盆前と報恩講前の一年2回のことです。

 毎月2回は仏教婦人会と仏教壮年会の皆さんに
それぞれ清掃活動をしていただいています。

 おかげさまでお寺がいつもきれいです。
きれいなお寺に気持ちよく皆さんお参りできます。

 ご門徒皆さんのお寺です。
皆さんが気持ちよくお参りされることで
お念仏の声が聞こえるお寺になります。

 お掃除のご縁もお念仏のご縁です。
お寺参りする人が多く元気なお寺になって
お念仏の声が周囲の皆さんに至り届き
いよいよお念仏のご縁が広がればと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.2)

「命日は 人の命終えて 仏のいのちに生まれる 誕生日です」(11月のことば)

2023-11-01
 11月になりました。

 私たちのお寺では
11月12月を「報恩講月(ほうおんこうづき)」ということで
親鸞聖人の御命日をご縁に宗祖の御遺徳をしのんで
報恩講のお勤めをさせていただきます。

 誰もが平等に救われるお念仏のみ教えを開いて下さった
親鸞様の御恩に報いるということで
私たち浄土真宗門徒の一番大事なおつとめです。

 ご先祖有縁のお念仏の先人の御恩でもあります。
私をお念仏を申す身にお育てくださった尊い御恩です。

 11月1日は
私の父昭然前々住職の25年回の祥月命日です。
 この日は毎年ご法座を開いて
ご門徒有縁の皆様と共々に御仏前に座らせていただき
お念仏聴聞させていただきます。

 命日は人の命終えた日ですが
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
そのまま阿弥陀さまのお浄土に往生して
仏のいのちに生まれる誕生日です。

 先に往かれた方は
お浄土から南無阿弥陀仏のおはたらきで
いつでもどこでも私たちを見護り導いてくださる
仏さまになってくださったのです。

 日々の生活の中で南無阿弥陀仏と共々にお念仏を申して
愈々お浄土への人生をご一緒させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.1)

「早いもので」が口癖になりました

2023-10-31
 早いもので10月31日
今日で10月が終わります。
 歳を重ねる中で「早いもので」と話を切り出すことが
多くなりました。

 時間はこんなに早く過ぎ行くのに
時間に見合うだけのことができたのかと
自問自答する私がいます。

 最近「タイパ」という言葉を知りました。
タイムパフォーマンスといって時間対効果といいます。
 かかった時間に対する満足度をあらわす言葉で
時間を効果的に使おうとする考え方です。

 Z世代と呼ばれる若い人や共働きの人が
動画を倍速視聴したり動画を見ながら家事をするなど
同じ時間で2つのことをする行為です。

 時間に見合うだけの効果があるのかあったのか
無駄に時間を費やす生活をしていないかという
問い返しでもあります。

 一方で「コスパ」という言葉があります。
コストパフォーマンスといって費用対効果といいます。
 かけたお金に対してどのくらいの価値
効果があったかということです。

 タイパといいコスパといい
私たちの生活で意識することってないようで
ふとこれまでの人生を振り返って
対効果的なものの見方で価値判断をしているところって
あるのではないでしょうか。

 この人生に無駄なものは一つもない
自分の都合で良くも悪くもと思うことも
すべてがみんな意味のあることで
私たちはいつでもどこでも共々に
南無阿弥陀仏の大きなお慈悲の中に
生かされて生きていることを
お念仏のみ教えに聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.10.31)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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