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お念仏を申す生活法話

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「安心してジタバタできる」※転載

2024-11-04
 「死ぬこと以外かすり傷」
この言葉は人生における挑戦を後押しする
自己啓発の言葉として世間で流行しました。

 皆さまはどう感じられますか?

 社会の荒波の中で、失敗を恐れるあまり
新たな挑戦をためらっている人にとって
この言葉は大きな活力となったかもしれません。

 しかし、この言葉の裏を返せば
「人生で唯一の問題は〈死〉である」
ともいえるでしょう。

 お釈迦さまは
かつてインドのシャカ族の王子としてお生まれになり
29歳の時に地位や財産を捨てて出家されました。
 それは誰も逃れられない〈死〉の苦しみの
解決のためです。
そしてその答えとは
欲望を捨て去る(さとりを開き、仏となる)
ということでした。

 しかし、欲望が絶えない私は
この苦しみから逃れることができません。

 親鸞聖人はこのような私のために
お釈迦さまや浄土を願われた高僧方の導きを通して
阿弥陀さまのはたらきによってさとりの世界に生まれ
〈死〉の苦しみを超えていく道を
示してくださいました。

 私は、この〈死〉の苦しみを超える道に
出遇えたからこそ
日々の暮らしの中で
「安心してジタバタできる」のです。

※『本願寺インスタ倶楽部』
   (本願寺派総合研究所 林龍樹研究員)より転載
    ー本願寺新報2024年11月1日号ー

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.4)

心田を耕す

2024-11-03
 今日は文化の日の祝日です。
文化は英語でカルチャー
耕すという意味です。

 私たちの生活の基本は
田畑を耕すことから始まります。
 お米や野菜の種をまき収穫して
食することで私たちは生きています。
 まさに大自然の恵みをいただいて
生かされて生きている
私たちの生活そのものが文化です。

 この大自然はある時
私たちの生活に脅威災害をもたらします。
 私たち人間の歴史は
大自然の営みと共生するなかで
科学技術が進歩し
私たちの生活は便利で豊かになりました。

 ただより便利で豊かな物質主義を追い求める社会は
こころの荒廃を生み出しました。
「物で栄えて心で滅ぶ」といわれることです。

 お釈迦さまは
「こころの田を耕しなさい」と示されます。
 こころの田を耕すことで
心豊かに生きていきましょうと
仏法を説いてくださったのです。

 こころは耕さずに放っておくと荒れて
頑なな心にとらわれるようになります。
 仏法を聞いて心を耕し
柔軟な心で社会生活をおくりたいものです。

 仏教文化生活です。
仏教文化がもたらす心豊かな生活実践です。

 お念仏申す生活は
「すべてのものを分け隔てなくそのまま救う」
南無阿弥陀仏のお心おはたらきのなかに
あなたも私も皆共につながって
自他共に心豊かに生きることのできる
社会をめざします。

 お念仏にすべてをゆだねまかせて
お念仏申されるように生きる文化生活です。
 お念仏の仏教文化花咲く社会の実現のために
お念仏申して私にできるお手伝いを
させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.3)

「月参りの値打ち」※転載

2024-11-02
 この夏から秋にかけて
何度も突然のゲリラ豪雨に見舞われ難儀しました。

 大雨の中、月参りに出かけると
一軒のお宅で、こんなことを言われました。
「こんなによく降るときは、遠慮なくお休みください。
うちのお父ちゃんは、もうとっくに
ええとこにいってますから」

 この言葉の前半は、言うまでもなく
雨のときに来てもらうのは申し訳ないということですが
面白いのは後半です。

 お父ちゃんというのはご主人のことですが
亡くなられたのはもう二十年も前で
それ以来毎月のご命日に、お参りに来ているのです。

 そんなに長い間、毎月お勤めをしているのだから
お父ちゃんは「ええとこ」にいっているだろうから
無理をしてまでお参りしてもらわなくてもいいですよと
きっとそんな意味だろうなと思います。

 「ええとこ」というのは
阿弥陀さまの世界、極楽浄土のことでしょう。

 でも、言うまでもなく
月参りは、亡き人を、「ええとこ」に導くために
しているのではありません。

 お仏壇に、お仏飯やお花を供え
きちんと手を合わせ、お念仏を称えることは
毎日欠かしてはいけないことです。

 でも、日常の中で
それがつい疎かになってしまうので
せめて月に一度、大切な人のご命日に
仏さまと向き合おうとするのが
月命日であり、月参りです。

 月参りの本当の値打ちは
住職とご門徒が
そんなことをざっくばらんに語り合える
その距離の近さだと思います。

  ※菅純和氏著「仏事の小箱」
        ー『御堂さん』2024年11月号より ―

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.2)

大谷さんロス

2024-11-01
 大リーグワールドシリーズは
ロサンゼルスドジャースがニューヨークヤンキースを
4勝1敗で破ってワールドチャンピオンに輝き
大谷翔平選手の2024年シーズンが終わりました。

 「最後まで野球ができて
最高の結果で終わってよかった」と大谷さんです。

 これまでエンゼルス在籍中の6年間は
10月のポストシーズンに出ることができず
ドジャースに移籍して待ち望んだ10月決戦でした。

 大谷さんのおかげで
今年は10月も大リーグ中継を楽しめました。
 3月の開幕からほぼ毎朝
大谷さんの活躍で一日が始まったようなものです。

 日本国内では政治とカネの問題や闇バイトの事件など
暗いニュースが続きますが
大谷さんのニュースは
日本国中みんなを笑顔にしてくれました。

 日常生活の中で誰彼の別なく
これまで野球を知らなかった興味がなかった人までも
大谷さんの話題でみんながつながったような現象です。

 お念仏のご縁つながりです。
生きとし生けるものすべてを分け隔てなく救う
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
あなたも私も皆共に生かされて生きていると
聞かせていただきます。

 今日から大谷さんロスですが
お念仏申して今日一日も
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(202411.1)

朝から数字とにらめっこ

2024-10-31
 毎朝体重・血圧を時々血糖値を測ります。
私の朝のルーティンです。

 数字とにらめっこです。 
いつもの数字でほぼおさまりますが
極端に数字が上下すると気になります。

 食事に関係することで
昨日の食事をチェックしますが
詳しい分析までできるわけでもなく
気持ちがちょっと塞いで
一日のスタートになる日もあります。

 50代半ばで体調を崩すまでは
一年一度の健康診断の時のことが
毎日の日課になりました。

 健康に留意することは
自分自身のためであり
自分でできることはつとめてしていますが
数字一つで安心したり不安になったりする私です。

 親鸞さまの御和讃(正像末和讃)に
「如来の作願をたづぬれば 苦悩の有情をすてずして
   回向を首としたまひて 大悲心をば成就せり]
(阿弥陀仏が願いをおこされたお心を尋ねてみると
 苦しみ悩むあらゆるものを見捨てることができず
 何よりも回向を第一として
 大いなる慈悲の心を成就されたのである)
とあります。

 阿弥陀さまは私たちを苦悩の有情と見抜かれて
必ず救うとご本願をたてられ成就されたといいます。

 有情とは感情を持つ生きとし生けるものをいい
自らの感情思いに左右され
良かった悪かったとはからっては
苦悩を繰り返す私たちのことです。

 自分中心の思いはからいに振り回され
苦悩し迷うこの私を
阿弥陀さまは煩悩具足の凡夫と見抜かれたうえで
「われにまかせよそのまま救う」と
南無阿弥陀仏のおはたらきでいつでもどこでも
私にご一緒してくださっているのです。

 歳を重ねて老病死の不安を抱えていくなかで
この身に不具合なことが多くなりますが
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
お念仏申して老病死のわが身の事実に向き合い
苦悩の有情をそのまま大悲のお心で抱きとり
お救いくださる阿弥陀さまに安心して
今日一日も生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(20241031)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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