お家の中心に仏さまをお迎えします
2018-03-30
昨日は入仏法要のご縁がありました。
新しくご門徒になられたお家で、昨日が六七日でしたから、つい最近大切なお方とお別れをされたということです。
悲しみのご縁ですが、お仏壇をご安置し仏さまをお迎えするという尊いご縁になりました。
仏さまが入ると書いて入仏といいます。仏さまをお迎えいたします。
その仏さまは浄土真宗のご本尊の阿弥陀如来さまです。
ご本尊をご安置するお仏壇を申します。今は家具調のお仏壇が人気だといいます。
入仏法要にお参りして初めてお仏壇をみることが殆どですが、お仏壇の体をなしていないものに遭遇することもあります。
私たちの浄土真宗のお仏壇は伝統的に金仏壇といいます。
金仏壇というとキラキラしていて現代風の家屋にそぐわない何か落ち着かないと感じる人もいらっしゃって
紫檀黒檀というお仏壇を求める方も多くなりました。
これが良いとか悪いとかいうのではなく、ただ金仏壇には意味があるということです。
本堂のお内陣も金仕様です。これは光を表します。無量光明土とお経さまに説かれる阿弥陀さまのお浄土の世界です。
摂取不捨のおはたらき、光のなかに私たちをすべて摂め取って捨てないという阿弥陀さまのおはたらきそのものなのです。
そんなお話を前もってしていましたから、昨日は金仏壇でした。
お家はマンションで六畳一間のお部屋です。
その広さに見合うお仏壇で、昔のような大きなお仏壇ではありません。
これからはお家の造りに合わせてお仏壇は段々小さくなってまいります。
小さくてもいいんです。大きい小さいは関係ありません。
要は、お浄土を表すお仏壇の中心に阿弥陀さまの仏さまをお迎えするということです。
家族がそろうお家の中心に阿弥陀さまをお迎えすることで、家族が一堂にお礼ができる生活をさせていただくことです。
悲しいご縁ですが、そのまま仏さまのご縁といただけるのは、先に往かれた仏さまのおかげです。
お仏壇の中心は阿弥陀さまですが、お仏壇に手を合わせるとき、阿弥陀さま、親鸞さま、蓮如さま
そしてご先祖有縁の仏さまにありがとうございますとお礼ができる、お礼をさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.30)
お花の心おはたらき
2018-03-29
お天気で晴れ癖という言い方があるそうです。
このところ天気予報がずっと晴れマークが続いています。
境内の桜もすでに満開ですが、まだ散る気配もなくきれいです。
昨日一昨日と京都に行き、昨日はゆっくりと京都東山の方を散策しました。
行くところ行くところ桜がいっぱい満開でした。
こんなに桜の木がたくさんあったのかとも思いましたし、京都の古い神社仏閣の佇まいによく合うんですね。
外国の方がたくさんでした。日本の方もたくさんですが、みんなにこにこしていました。
いいですね。どこまでも抜けるような青空でしょ、桜でしょ、満開ですよね。
お花は本当に私たちを優しい心にしてくれるんだなと思いました。
お内陣に仏さまのお花があがっています。
仏さまのお花はこっち私たちの方を向いています。
このお花は仏さまの慈悲というお心を表します。
慈悲の心は「あなたと共に」というお心です。私にスーッと寄り添ってくださいます。
むしゃくしゃする心をそーっと和やかに優しくしてくださる、仏さまのおはたらきです。
桜今満開で、いいですね。これが雨が降って風が吹いたらそれこそすぐにでも散ってしまいます。
「明日ありと 思うこころの あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」と親鸞聖人がお得度の時に詠まれたといわれています。
明日がある明日があると思って生きている私たちですが、無常のいのちですから、明日のいのちも分かりません。
ただこのいのちは仏さまに成らせていただくいのちだよと聞かせていただくなかに
私たちは今日の一日をまた和やかに朗らかに、雨の日であっても優しい気持ちで生きぬかせていただける
仏さまの大きな大きなお慈悲のお心おはたらきをまた有難く思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.29)
安政の大地震~西郷どんと円光寺~
2018-03-26
今年の大河ドラマは「西郷(せご)どん」で西郷隆盛が主役です。
昨日のラストシーンは安政の大地震でした。安政2年10月2日とありました。
篤姫と隆盛の共演の場面で、篤姫が主役の大河ドラマにもこの大地震があったように思い出します。
安政2年は1855年で、2年前の嘉永6年1853年に黒船の来襲がありペリーが浦賀にやって来て大変な騒ぎになっています。
そして翌年嘉永7年1854年には南海トラフを震源とする大地震が立て続けに起こります。
豊予海峡地震もその一つで、円光寺の本堂庫裡鐘楼が転覆崩壊したと寺の記録にあります。
第13代住職叩岩の頃です。記録では地震の前年1853年に庫裡を新築したとあります。
驚くべきは地震の翌年に本堂を修復、4年後に庫裡を再建設したとあることです。
どれほどの規模の建物かわかりませんが、住職を中心に門徒衆のあつい思いを感じます。
幕末から明治維新にかけ、日本の国が大きく変わる時期にあって、南海トラフ地震が続発し、
円光寺も寺の存亡を揺るがしかねない大変な事態にあったことを思います。
そうした歴史のなかで、先人がまさに命がけでお寺をお法りを護り伝えてくださったことを有難く思い
今お寺をあずかる私たちの世代の務めをあらためて思うことです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.26)
花あかり
2018-03-25
今境内の桜が満開です。花もよくついて今までで最高ではないでしょうか。
花灯りということばがあります。
夜に満開の桜を見ると、灯りがともっているような花が光を放つといいます。
お浄土のお花を思います。お浄土には蓮の花が咲いていると、お内陣に蓮の花が描かれています。
御和讃に「一々のはなのなかよりは 三十六百千億の 光明てらしてほがらかに いたらぬところはさらになし」とあります。
阿弥陀さまのお浄土には蓮華が咲き乱れ、その蓮華の一つ一つの花からは、
三十六百千億というたくさんの光を十方に放って、この光のいたり届いていないところはどこにもないと。
そして「仏身もひかりもひとしくて 相好金山のごとくなり」と続き、
その花のなかから光の数と同じだけの仏さまが十方に赴かれ、
その仏さまのお姿はまるで黄金の山のように輝いているいると仏さまのお徳を讃えられています。
一つ一つの花から三十六百千億という数多くの光が放たれ
仏さまとなって私たちのところに来てくださってあるというのです。
私たちの仏さま、阿弥陀さまの摂取不捨のおはたらきです。
光のなかに誰一人漏らさずこの私を包み込んでくださってあるといただきます。
その南無阿弥陀仏のお心おはたらきを聞いてほしいと願われています。
あなたのことをいつも思うているよ、あなたを必ず救うという仏さまになってくださいました。
花あかりです。
花を愛でる時、ここにも仏さまがいらっしゃって私のことをいつも思うて
私をいつでもどこでも包み込んでくださってあるんだなと思わせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.25)
お念仏でつながるご縁
2018-03-24
昨日満中陰四十九日のお参りをさせていただきました。
初めてお参りするお家です。
お葬式のご縁があって七日七日のお勤めがあり四十九日のお勤めということになるわけですが、
お葬式を北九州のお寺さんでされてお家のご事情でこちらにお仏壇を移したいうことです。
初めてお参りするお家で、初めてお会いする人です。
何もかも初めてのご縁にあって、いつものようにお正信偈さまのお勤めをさせていただきました。
「ご一緒にお勤めしましょう」と聖典を配って言いましたら、後ろから声が聞こえてまいりました。
初めてのご縁ですが、懐かしい感じがしました。
というのはお仏壇です。お仏壇の中心に阿弥陀さま、そして阿弥陀さまを取り囲むように親鸞さま蓮如さまと
この本堂のお内陣のお荘厳の通りなのです。
そしてご一緒に南無阿弥陀仏とお念仏を申せるということです。
初めてのご縁ですが、つながってあるということです。
私たちは南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかに生かされて生きてあるということを
声に出てくださり相となって表れてくださってお互いに見ることができるというご法義なのです。
このご縁で円光寺のご門徒になっていただきました。
深い深いご縁、遠い遠いはるか昔からこの私のためにスーッとお立ちになった仏さまが、
南無阿弥陀仏となって私のところに来てくださって、いのちといのちをつないでくださる。
阿弥陀さまの大きな大きなおはたらきのなかに今日の一日もあることをまた有難く尊く思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.24)