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お念仏を申す生活法話

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「久しぶりやね。元気にしてた!」

2018-02-24
 昨日夕方6時の鐘をうっていましたら 鐘楼の前で自転車が止まり一人の女の子が私の方を見ています。
すぐ気づきましたが、名前がでてきません。水曜学校の子ども会に通っていたお友だちです。
 
 鐘つきが終わって「久しぶりやね。元気にしてた!」と声をかけました。
今は短大の一年生、19歳ということで、ふっとお寺の成人式のことを思い出して声かけをしました。
 
 皆さんに呼びかけるということではありませんが、水曜学校の修了生を中心に声かけをして、
大晦日の除夜の鐘つきの後に成人の集いをしています。
 
 ずっとずっと先の話ですが、「お友だちも誘って、また来てね」といって別れました。
 
 声をかけてくれる有難さを思います。
声をかけるにも、どこに行けば会えるのかわからなかったら声をかけることはできません。
 夕方6時と朝6時に鐘をついています。そこにお寺の人がいます。
水曜学校でいえば、毎週水曜日の4時に円光寺でお友だちに会うことができます。
そして今日のご縁でいったら、毎朝6時半にここでお念仏のお友だちに会えるということです。
 何か当たり前のようですが、本当にすごいこと有難いことなのです。
 
 仏さまのご縁です。私たちの生活の中心に阿弥陀さまがいらっしゃるという有難さです。
自分一人で頑張っても人に会うということは難しいことです。
 
 今日もこうして、皆さんご一緒に阿弥陀さまにお礼ができて、一日を始めさせていただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.2.24)

お金の流れ

2018-02-23
私たちが所属する色んな会がありますが、会の運営活動にはお金がかかります。
何か行事をする時も予算を組みます。行事が終わって決算を出します。
 こうしたお金の流れをみると、どういうことをしようとしているのか、してきたのかといった
その会の活動状況を知ることとなり、その会が健全に運営されているかどうかをみる大きな指標になります。
 
 会議ばかりしている会があります。会議に係る交通費や宿泊費等の経費が膨らんで
支出の全体合計としては何か活動しているようですが、実際は会議ばかりで主な活動ができていないことが見えてきます。
 
 お家のことも家計簿をつけることでその家の運営が健全にうまくいっているかどうか見ることができます。
衣食住という生活の基本的なものを極端に辛抱したら家族の生き死ににかかわってきます。
いかにうまく経費を節約していくかが大事です。
 
 ただ衣食住ばかりに係っていたら、本当に充実した生活を享受できるのかということです。
人間に生まれて、本当に生きてよかったいえる生活、人生でありたいと思います。
 そしてこれはお金の大小で決まる、決められるものではありません。
 
 仏さまのご法義もお金の多少をいいません。
でもこのご法義を伝えていくということについてはお金と相談することもでてきます。
 
 お寺の護持運営ということです。本堂庫裡などの建物の維持管理、そしてお念仏の活動を促す施策です。
それはお寺に住まいする住職寺族だけでなく、私たちご門徒皆さんが関係することなのです。
 私たちの生活の中心としてお寺を盛り立てていこうという心意気です。
私たち一人ひとりができる精いっぱいのことをさせていただくことが肝要と、昨日の会議でまた思ったことです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.2.23)

忘れる

2018-02-22
毎朝いつものことで、お朝事の準備でお仏飯をお供えし外陣のストーブをつけるのですが、今日は忘れていました。
先日は本堂のかぎを閉めたままで失礼しました。
 
 何か一ついつもと違うことをしたり思ったりすると、いつものことをすっかり忘れてしまうことがあります。
私の思いが入ります。すると通常いつものことができないことがあるのが私たちのようです。
 
 私が生きている生活、人生ですから、私の思いが入らないことはありません。
ただいつものことと身についていることもあります。
 身についているとあたり前のようにできるんですね。
 
 私たちの阿弥陀さまのおはたらきです。
南無阿弥陀仏の「まかせよ救う」のおはからい、おはたらきにまかせるということです。
 逆に言うと、まかせられない私がいるということです。
 
 私たちはそれぞれ私の思いをもって生きています。
思い通りにいけば本当にいいことですが、中々思い通りにはいきません。
 
 私の思い欲の心をいっぱいふくらまし、少しでも思い通りにいかないと怒りの心をあらわす愚かな心の私たちを、
わが子のようにいつもしっかり見てとってくださっている仏さまがいらっしゃるということです。
 阿弥陀さまです。南無阿弥陀仏の仏さまです。
そしてその阿弥陀さまと共々に私たちのご先祖有縁の仏さま方がご一緒だと聞かせていただきます。
 
 ナンマンダブツとお念仏を申すなかに今日一日も精いっぱい私のいのちを輝かせて生かされて生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.2.22)

テレビの中のお仏壇

2018-02-21
NHKの朝ドラ、今は「わろてんか」という大阪で笑いをビジネスとして創業する女性の一代記ですが、
ご主人に先立たれてお仏壇に向き合う場面が度々出てきます。
 
 気をつけて観ますと、浄土真宗のお仏壇です。はっとしました。
浄土真宗のお仏壇にお写真をご安置するのはお荘厳としてふさわしくありませんが、
目に見える形で先に往かれた方に語りかけるという設定です。
 
 数週間前の回でしたが、そのお仏壇にお参りされた方が線香を香炉に横に寝せてお供えしたのです。
えっと思いました。立てるのが一般的だからです。
 これは浄土真宗の作法として正解です。何か嬉しかったですね。
どうしてこんなことができたのでしょうか。
 
 一つは番組プロジューサーが浄土真宗の関係者かなと思ったりします。
最近のNHK大阪放送局制作の朝ドラのお仏壇は浄土真宗のものが多いように思います。
 
 もう一つはあのお家は元は船場の米問屋だったということです。
船場の商人です。その多くは近江の国、今の滋賀県出身の近江商人です。
 この近江の地は蓮如上人ゆかりの地でお念仏のご法義のあついところなんです。
その船場が今の御堂筋辺りです。
 
 御堂筋に二つの大きなお寺があります。
一つは北御堂といわれる本願寺津村別院で、もう一つが南御堂の東本願寺難波別院です。
 船場の商人は本願寺の鐘をきいて一日を始め、一日を終えたといいます。
 
 近江商人の商いの考え方に「三方よし」があります。
ただ自分だけが儲かったらいいというのではなく、商いの相手にも喜んでもらえ、
広く地域社会にも貢献することを心がけたといいます。
 仏さまの慈悲の心、布施の心に通じるものです。
 
 お念仏の土徳を思います。皆さんも気をつけてテレビを観てください。
 
 ご一緒にお念仏申しましょう。(2018.2.21)

ライバル以上の友人

2018-02-20
 オリンピックでメダルをとった選手の人生にスポットライトが当たります。
その人の人生、いのちの物語です。
 
 スピードスケートの小平選手です。千mで銀メダルそして五百mで金メダルをとりました。
皆さんはどんな思いでテレビを観ていましたか。
 日本の選手は頑張ってほしい、メダルを取ってほしいと応援します。
一方他の国のライバル選手には転んでほしい、失敗してほしいと観ている私がいます。
 
 競技自体を何も知らない者が色々言って、日本のメダルはいくつだとか、
結局はメダルを取ったか取らなかったかでその後の扱い方が全然違ってきます。
 本当に身勝手な私たちだと思います。
 
 では当事者はどうなのか。ライバル同士でいつもいがみ合っているのでしょうか。
全選手の出走を終えて金メダルが確定した小平選手が韓国のイサンファ選手と健闘をたたえ合う場面が感動的でした。
 
 お互いにベストを尽くした結果が金メダル、銀メダルということです。
確かに選手は高みをめざしますが、それは全ての選手に言えることで、お互いの実力も知りつつ競技しているのですね。
 
 イ選手は母国開催の期待を一身に背負ってこの競技に集中してきたことを小平選手はよく知っていただからこそ、
五輪新記録で走ってメダルをほぼ手中に入れたと歓喜に沸くスタンドに静寂をよびかけ、
次のレースのイ選手の走りに注目するように促したのです。
 
 競技を終えて泣き崩れるイ選手を抱きかかえるようにして小平選手がかけた言葉が「あなたを今も尊敬してます」でした。
そして後の記者会見で「ライバル以上の友人です」と言われました。本当に素晴らしいと思いました。
 お互いに尊敬しあい、相手のことをよく知っているからこその言葉です。
 
 小平選手のいのちの物語です。
長野の大学を卒業しどうしても師事する先生のいる長野で競技を続けたいと就職活動をするなかで、
病院の先生が声をかけてくれて今があるということです。
 
 小平選手は自らを求道者といっていました。
固い信念を貫いて自分の人生を切り開くといいますが、
決して自分一人の力ではない、そこに家族をはじめたくさんの方々のサポートがあったからこそです。
 感謝の言葉が何度もでてきました。
 
 ただこの物語はオリンピック選手だけではなく、私たちも一人一人いのちの物語をつぐんでいるんですよね。
今もいのちの物語を生きているのです。
そういうなかに一人じゃない、いろんな人にたくさんのいのちに支えられてあるということです。
 お互いに本当に尊敬しあえる友人に会うということ、人生の大きな宝ものです。
 
 私たちは阿弥陀さまのお仲間です。
阿弥陀さまを中心に南無阿弥陀仏の大きないのちの物語を今日も一日ナンマンダブツとお念仏申して
お互いに尊敬し合いたたえ合い励まし合い支え合って生かされて生きていきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.2.20)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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