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お念仏を申す生活法話

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月参りで見守り

2018-03-19
 ある一人暮らしのご門徒さんがいます。
そのお家に私もずっと月参りをしていましたが、いよいよご高齢になって先日新院がお参りしたときに、
「もう何もできんから月参りはお断りしたい」という連絡がありました。
 
 近くに弟さんがいて、昨日ほかの用事で弟さんに会うことがありお話をしました。
弟さんはこう言いました。
 お寺の務めごとは私の方でしますから月参りはできたらこれからもお願いしますということでした。
姉も足が悪くて立ったり座ったりもやっとでご迷惑をかけることもありますが、
月参りをしていただくと有難いんですと。
 
 月参りが見守りになっているとのことです。
今は地域ぐるみで子どもの見守り隊とか、高齢者一人暮らしの方の見守りをしていることを聞きます。
新聞受けに新聞がたまっていないかなどチェックし、旗を立てるとか、いろんな工夫をされています。
 
 その点、お寺の見守りはすごいですよ。家の中に入っていきますからね。
鍵が締まっていたらこれは変だということになりますし、
鍵が開いていたらそのまますーっと仏間に直行です。
いつもだったら声がするのに、いつもだったら後ろに座っているのに、
えっと思って声かけをして探します。
 
 特別に見守りるためにお参りしているのではありませんが、結果ものすごく直接的な見守り隊です。
核家族で一人暮らしの高齢者のお家が多くなった今の時代の私たちお寺のお役目かなとも思います。
 
 今の社会はお家に鍵をかけないと物騒です。
私の小さい頃はどの家も鍵がかかっていませんでした。どこも開いていましたが、誰もいませんでした。
 誰もいない仏間にお参りすると、お仏壇の前にお布施がおいてありました。
 
 みんな生業に忙しかった。日々生活することで精いっぱいでした。
そんななかでも仏さまのことは忘れない。大切な方のお命日にはお坊さんにお参りしていただきたいと。
 
 仏さまのご縁をいただいて人と人とのつながりがありました。
 
 皆さんと今日こうして顔を合わせて、お元気ですねということです。
皆さんの年齢からいったらそんなに心配することではないかもしれませんが、
今日はやえ子さんが見えてませんけれども、どうしたんかなと少し心配して思うのが、
お念仏のご縁をいただいた私たちお互いだと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.19)

あなたのために

2018-03-18
ピョンチャンパラリンピックがあっていますが、メダリストの色んな人生模様を見せてもらいます。
 クロスカントリースキーで金メダルをとった37歳の新田選手です。
8年前のバンクーバーオリンピックでは金メダルを二つ取りましたが、次のソチではメダルなしに終わりました。
 
 バンクーバーで金メダルをとった時の写真が報道されていました。
おじいちゃんに二つの金メダルをかけてあげている写真です。
 新田選手が小さい頃おじいちゃんが作業していた雑穀の機械に誤って腕が挟み込まれ左腕を失ったということです。
おじいちゃんはずっとずっと悔やみ続けていたといいます。
そのおじいちゃんの喜ぶ顔がみたい一心で競技を続けたということです。
 
 そして今度はまだメダルをとる姿を見せていない息子のために頑張ったといいます。
すごいですね。何のためにといって、すごい力を発揮できる、頑張れるんですね。
 
 ただこの何のためにということが実は曲者なのです。
あなたのために頑張ってしてあげたのに御礼の一言もないとかかんとか。
 こういう見方になってくると、人間関係が壊れて双方が傷つくことにもなります。
あなたのためにといいながら自分を中心としたものの見方に私たちの苦悩の原因があると見抜かれたのが阿弥陀さまです。
 
 私たちの救いを成就された南無阿弥陀仏のお心を聞いてくれよと呼び詰めに呼んでくださる仏さまになってくれました。
阿弥陀さまは私たちのために南無阿弥陀仏に成ってくださいました。
私たちを全て残らず救うためにご苦労いただきました。
 
 ただそのことをちっとも私たちに言いません、告げません。自分の手柄は言いません。
ただそのまま救うまかせよ救うというんだから、ナンマンダブツ、おまかせします阿弥陀さまと、
今日もお念仏を申して生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.18)

「なぜ咲いた花は散るの?」

2018-03-17
 お朝事のご法話でお寺の境内のしだれ桜の開花にふれて
「花びらは散っても花は散らない」という歌を紹介してご法話させていただきました。
 
 いつものお同行がそのご法話について、こんなお話をしてくれました。
 全国子ども電話相談室というラジオの人気番組のずっと以前の放送で
「なぜ咲いた花は散るの?」という質問に
「それは次の花が咲くために散るんだよ」と答えられたことが、今も心に残っているということでした。
 
 花は根や茎から栄養分を吸って咲いています。
そのままだと枯れていくまでずっと養分を吸い続け、終いには根や茎もろともに枯れてしまいます。
 散っていくことで次のいのちを育むのです。
 
 いのちのバトンです。
私のいのちはいずれいつか終わります。
でも死んだら終いのいのちではなくて、お浄土に生まれ仏になって次のいのちを護り救うというはたらきを始めるのです。
 
 いのちはみんなつながっています。
南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかで、今私にできるお手伝い、私のいのちの役割がそれぞれあるのです。
 どんないのちもです。阿弥陀さまの大きな願いを聞かせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.17)

円光寺のしだれ桜、開花宣言です!

2018-03-17
 さっき喚鐘をうっていましたらお陽さまがパーッとあがってまいりました。今はもう高くあがっています。
春になりました。境内のしだれ桜がもう10輪ほど咲いています。
 開花宣言いたしたいと思います。
 
 それにしても今年の桜は早いですね。
冬はあんなに寒かったのに、その分エネルギーを蓄えていたんでしょうね。
 今日はまた晴天の予報です。各地で開花宣言が出されるのではないでしょうか。
 
 花咲き開く。いいですね。
花を見ます。花のいのちを思います。
 
 つぼみの時がありました。そして花が開いて満開になり、それで終わりじゃありません。
花はしぼんでいきます。そして最後は散ってゆきます。
 
 私たちの生老病死のいのちに重ねて思います。
「花びらは散っても花は散らない」という歌があります。
花びらとは私のいのちです。満開の花びらもいつか必ず散ってゆきます。私のいのちも限りがあり、命終えていきます。
 
 花びらは散っても花は散らないとは、花のいのちはこれから来年も再来年も続くということです。
散りゆく花びらをしっかり受け止めてくれる大地で栄養分となって次のいのちを育むのです。
 
 命終えていく私をしっかり受け止めてくださるいのちの大地です。阿弥陀さまのお浄土です。
南無阿弥陀仏のおはたらきで私のいのちをそのまんま抱きとってくださり、お浄土に生まれさせ仏にさせてくださいます。
 
 南無阿弥陀仏のいのちをいただいて老病死の身を生きていけると聞かせていただきます。
ナンマンダブツとお念仏申して老いていきます。ナンマンダブツとお念仏申して病気になることもあります。
そしてナンマンダブツとお念仏申してこの命終えていきます。
 お浄土で仏となって南無阿弥陀仏のおはたらきで、この世に還って来て衆生を護り救うといいます。
 
 いい歳になりました。花びらでいったら満開は過ぎましたが、
これからもお念仏申していのち輝かせて生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.17)

信心獲得すというは

2018-03-16
 今日16日の御文章さまは「信心獲得の章」です。
信心は私たちの浄土真宗の仏教の要です。
「信心獲得すというは第十八の願をこころうるなり、
この願をこころうるというは南無阿弥陀仏のすがたをこころうるなり」とあります。
 
 お聴聞とは阿弥陀さまのご本願のお心、南無阿弥陀仏のおいわれを聞かせていただくことです。
聞いてそのまま信心いただくといいます。
 
 ただ聞くといって言葉を通して聞くことですが、そのまま聞くと言われても難しい。
そこでお仏壇です。阿弥陀さまのお浄土を表し、私たちはお飾りをさせていただきます。
 
 お仏壇のお荘厳に私たちが救われていく仏さまの功徳が示されているといわれます。
私たちはこの目を通して、また行為を通して聞かせていただけるというのです。
 
 日々のお荘厳、お飾りです。毎日お仏飯をお給仕、お供えします。
あげるというのは私の行為ですが、お仏飯はあげっぱなしにしておくのではなく下げます。
下げてどうするか、いただきます。
 
 ここに信心は聞かせていただくものだということが思われます。
上げるという行為も聞くという行為も私がです。但しその心はというのと、いただくんですね。
 いただいてみれば、上げるという行為も聞くという行為もすべて
すでにそこに阿弥陀さまのおはたらき、お手回しがあったと聞こえてくるのです。
 
 信心しなさい、聞きなさいといわれると何か力が入りますが、
そうしたご縁をいただいて信心いただく身にさせていただきます。
 そこに私たちの救いがあります。
 
 こうしなさいああしなさいと、いろんな条件を与える仏さまではありませんが、
そのことに甘えてしまうと、それこそ聞かずじまいにこの人生を終わってしまう私ということもご存知で
ナンマンダブツナンマンダブツと阿弥陀さまの方から呼び通しに声かけをしてくださってあるのです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.16)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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