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お念仏を申す生活法話

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安政の大地震~西郷どんと円光寺~

2018-03-26
 今年の大河ドラマは「西郷(せご)どん」で西郷隆盛が主役です。
 
 昨日のラストシーンは安政の大地震でした。安政2年10月2日とありました。
篤姫と隆盛の共演の場面で、篤姫が主役の大河ドラマにもこの大地震があったように思い出します。
 
 安政2年は1855年で、2年前の嘉永6年1853年に黒船の来襲がありペリーが浦賀にやって来て大変な騒ぎになっています。
そして翌年嘉永7年1854年には南海トラフを震源とする大地震が立て続けに起こります。
 
 豊予海峡地震もその一つで、円光寺の本堂庫裡鐘楼が転覆崩壊したと寺の記録にあります。
 第13代住職叩岩の頃です。記録では地震の前年1853年に庫裡を新築したとあります。
驚くべきは地震の翌年に本堂を修復、4年後に庫裡を再建設したとあることです。
どれほどの規模の建物かわかりませんが、住職を中心に門徒衆のあつい思いを感じます。
 
 幕末から明治維新にかけ、日本の国が大きく変わる時期にあって、南海トラフ地震が続発し、
円光寺も寺の存亡を揺るがしかねない大変な事態にあったことを思います。
 
 そうした歴史のなかで、先人がまさに命がけでお寺をお法りを護り伝えてくださったことを有難く思い
今お寺をあずかる私たちの世代の務めをあらためて思うことです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.26)

花あかり

2018-03-25
 今境内の桜が満開です。花もよくついて今までで最高ではないでしょうか。
 
 花灯りということばがあります。
夜に満開の桜を見ると、灯りがともっているような花が光を放つといいます。
 
 お浄土のお花を思います。お浄土には蓮の花が咲いていると、お内陣に蓮の花が描かれています。
御和讃に「一々のはなのなかよりは 三十六百千億の 光明てらしてほがらかに いたらぬところはさらになし」とあります。
 阿弥陀さまのお浄土には蓮華が咲き乱れ、その蓮華の一つ一つの花からは、
三十六百千億というたくさんの光を十方に放って、この光のいたり届いていないところはどこにもないと。
 そして「仏身もひかりもひとしくて 相好金山のごとくなり」と続き、
その花のなかから光の数と同じだけの仏さまが十方に赴かれ、
その仏さまのお姿はまるで黄金の山のように輝いているいると仏さまのお徳を讃えられています。
 
 一つ一つの花から三十六百千億という数多くの光が放たれ
仏さまとなって私たちのところに来てくださってあるというのです。
 
 私たちの仏さま、阿弥陀さまの摂取不捨のおはたらきです。
光のなかに誰一人漏らさずこの私を包み込んでくださってあるといただきます。
 その南無阿弥陀仏のお心おはたらきを聞いてほしいと願われています。
あなたのことをいつも思うているよ、あなたを必ず救うという仏さまになってくださいました。
 
 花あかりです。
花を愛でる時、ここにも仏さまがいらっしゃって私のことをいつも思うて
私をいつでもどこでも包み込んでくださってあるんだなと思わせていただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.25)

お念仏でつながるご縁

2018-03-24
 昨日満中陰四十九日のお参りをさせていただきました。
初めてお参りするお家です。
 
 お葬式のご縁があって七日七日のお勤めがあり四十九日のお勤めということになるわけですが、
お葬式を北九州のお寺さんでされてお家のご事情でこちらにお仏壇を移したいうことです。
 
 初めてお参りするお家で、初めてお会いする人です。
何もかも初めてのご縁にあって、いつものようにお正信偈さまのお勤めをさせていただきました。
「ご一緒にお勤めしましょう」と聖典を配って言いましたら、後ろから声が聞こえてまいりました。
 
 初めてのご縁ですが、懐かしい感じがしました。
というのはお仏壇です。お仏壇の中心に阿弥陀さま、そして阿弥陀さまを取り囲むように親鸞さま蓮如さまと
この本堂のお内陣のお荘厳の通りなのです。
 そしてご一緒に南無阿弥陀仏とお念仏を申せるということです。
 
 初めてのご縁ですが、つながってあるということです。
私たちは南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかに生かされて生きてあるということを
声に出てくださり相となって表れてくださってお互いに見ることができるというご法義なのです。
 
 このご縁で円光寺のご門徒になっていただきました。
深い深いご縁、遠い遠いはるか昔からこの私のためにスーッとお立ちになった仏さまが、
南無阿弥陀仏となって私のところに来てくださって、いのちといのちをつないでくださる。
 阿弥陀さまの大きな大きなおはたらきのなかに今日の一日もあることをまた有難く尊く思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.24)

大坂なおみさん

2018-03-23
 テニスの話です。
大坂なおみさんという女子選手がアメリカの大会でセリーナ・ウィルアムズという
元世界ランキング一位の選手にストレートで勝利したというニュースです。
 
 大坂選手は前の週の大会でツアー初優勝をしています。
あの有名なシャラポワや強豪選手を次々と破ってということで
まだ20歳で日本国籍ですが、日本人のお母さんとハイチ系アメリカ人のお父さんのハーフの方で、
3歳でアメリカのニューヨークに移住しテニスを始めたといいます。
 
 インタビューでセリーナ選手は大阪選手の小さい頃からのあこがれの選手で
始めて対戦できたこと、そして勝つことができたことが大変うれしいと無邪気に語っていました。
 
 今年は冬のオリンピックもあってスポーツの話題が多いですが、
選手のコメントのなかにリスペクトという言葉をよく聞きます。
 尊敬するという意味です。競技をするうえで相手を敬うことが大事だといいます。
 
 勝負の世界ですから皆が勝者にはなれません。勝つ選手もいれば負ける選手もいます。
勝ち負けをこえて互いに敬い合うということです。
 
 そうですよね。一人では勝負になりません。そこに相手がいます。相手がいての勝負です。
相手をまず尊敬する。憧れることも尊敬ですね、この選手を目標に切磋琢磨して成長していくのです。
 
 これはスポーツの世界に限ったことではありません。
私たちの日々の生活のなかにもそれは言えることです。
 人と人との関係、つながりのなかで私たちは生きています。
お互いにリスペクト、敬い合うなかに私たちの社会が成り立っているということです・
 
 身近な親子であっても夫婦であっても兄弟であっても友だちであっても、リスペクト、
お互いを認め合い敬うということがなかったら、
それこそ頭ごなしに親だから、何だからというかたちで一方的にやられたらたまりません。
 
 大坂選手はアメリカに育てられたと思います。
アメリカという国は色んな言い方をされますが、多民族国家で
一つの価値観に固執しない自由な雰囲気があります。
 その点日本という社会は生きにくい世界かなと思ったりもします。
 
 阿弥陀さまのお念仏の世界は様々な違いを超えて全てのいのちが光輝き合う世界です。
阿弥陀さまはどんな人も条件なしにリスペクト、必ず救うぞ寄り添っていくぞとおはたらきです。
 南無阿弥陀仏の力強いおはたらきは、どうしていいか途方に暮れ迷い、その場に立ちすくみ、
生きることから逃げ出してしまいそうな人に生きる力を与えてくれます。
 
 仏さまのみ教えに出遇ってほしいと思います。
お念仏のみ教えを聞かせていただき、ナンマンダブツとお念仏を申すなかに
みんな生活ぶりは違うけれどもこの人生を生き抜かせていただけます。
 そして阿弥陀さまのお浄土に共々に生まれて仏さまとならせていただく、
大きな大きないのちのつながりのなかにリスペクト、お互い敬い合って生き抜かせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.23)

「じいちゃん、またねー」

2018-03-22
 夜中の雨はやみましたが、今は風が吹いています。
境内の桜が今満開ですけれども、雨が降って風が吹くと心配です。
 ゆっくり花見もしないうちに散ってしまうのではないかと思って見ましたが、まだ散ってはいません。
 
 案外というか、桜の花は結構しぶといですね。
でも一週間、10日の命といいますか、ひらひらとまたぽつんとまた舞い上がって散っていきます。
 
 一昨日の彼岸会のご縁にご法話お聴聞させていただき南無阿弥陀仏のお心おはたらきを味わわせていただきました。
 お父さんにお別れしていよいよ火葬するとき、小さな子どもに「最後にじいちゃんに声をかけよ」といったら
その子が「じいちゃん、またねー」と結構明るい声で言ったというお話です。
 
 「またねー」また会いましょうということです。
お寺の子どもさんですから、日頃から仏さまのお話を聞いているのではないかと思いますが、
私たちの仏法には「さよなら」はないといいます。お念仏にさよならはないと。
 さよならというと何か永遠の別れというようなことですが、
確かに人と人との別れですけれども、お浄土に生まれて仏さまとなってこの世に還ってみえると聞かせていただきます。
 私もこの命終えていきますが、同じお浄土に生まれて再会です。
なつかしい方々と再び会うことができるというお約束ですから、別れてもまた会いましょうと「またねー」です。
 
 案外明るい声でということです。
お釈迦さまが涅槃に入られた、そのご様子を描いた涅槃絵というものがあります。
 お釈迦さまのそばに有縁の方たち、お弟子さんたち、そして動物も皆な悲しみのなかにあったといいます。
その人たちを取り囲むようにたくさんの菩薩さま方が微笑んでおられたというんです。
 
 菩薩さまは仏さまの国から来られて私たちを導いてくださる方々です。
それらの菩薩さまがみんな微笑んでいたというのです。
 
 死んだらお終いではなくていよいよ涅槃に入って衆生済度のおはたらきが始まるということなのです。
そしてお釈迦さまの80年のご生涯、仏さまのみ教えに導いてくださってありがとうございましたという思いなのでしょう。
 
 「じいちゃん、またねー」と声をかける、声をかけられる。
その声こそが南無阿弥陀仏なのです。
 ナンマンダブツとお念仏を申すなかの今日の日々であり、また人生の節目に節目に別れもありますが、
ただ悲しみのなかに放っておかず春の陽ざしのように私たちを明るく照らしてくださる阿弥陀さまのおはたらきを思います。 
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.3.22)
 
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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