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お念仏を申す生活法話

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手を合わせお礼ができるところ

2018-04-10
 墓じまいということが最近テレビの特集などで話題になっています。
遠方に先祖代々のお墓があって高齢になり中々お参りできないとか、子どもがいなくて今後お墓を守る人がいないとか、
それぞれの家庭の事情でお墓を始末するという方が増えているといいます。
 
 墓じまいをしてお遺骨はというと、永代供養墓とか合同墓、合葬墓に移すといいます。
お墓が無くなるということは、これまでご先祖を偲び手を合わせてきたところが無くなるということです。
 
 昨日ご法事がありました。同じ年に亡くなられたご両親のご法事で子どもさん三人がお勤めされました。
三人ともそれぞれの家庭があり家族をもってらっしゃるということです。
 
 ご一緒にお勤めをして次のようなお話をさせていただきました。
 
 今こうしてお仏壇の前に座ることができたということです。ご一緒にお勤めができました。
日頃なかなか合わない手が合いました。ナンマンダブツとお念仏を申して仏さまにお礼ができました。
 どのこと一つとっても私がということではありません。仏さまがこういう私にしてくださったということです。
その仏さまの大本はご本尊の阿弥陀さまですが、今日のご縁でいいますとお父さんお母さんの仏さまです。
仏さまとなっていつでもどこでも皆さんのところに還って来て共々に生きてくださってある仏さまです。
 
 死んだらお終いじゃないという仏さまの教えです。
人の命は終えますが、南無阿弥陀仏のおはたらき一つで阿弥陀さまのお浄土に生まれて仏さまに成らせていただきます。
 
 だから子どもにとってはいつまでもどこまでもお父さんお母さんの仏さまなのです。
南無阿弥陀仏の大きな大きないのちのつながりのなかに私たちは生かされてあるということです。
 
 ここで大事なことはお仏壇です。お仏壇という手を合わせるところがあるということです。
仏さまがこの私たちのために用意をしてくださったところといただきます。
 お浄土を重ねて思います。お浄土には先に往かれた方々がいってらっしゃいます。
お仏壇に阿弥陀さまに手を合わせることがそのまんまお浄土のお父さんお母さんに手を合わしていることなのです。
 
 私たちの日々の生活をちょっと振り返ってみても本当に忙しい毎日です。
私のことで精いっぱいです。生きることで精いっぱいです。
 そういうなかにあってもいつでもどこでも一刻も私を忘れることなく仏さまがご一緒してくださっています。
お父さんお母さんを思う時、お念仏を申しましょう。
 ナンマンダブツナンマンダブツとお念仏を申すところに、この目には見えないけれども仏さまがいらっしゃいます。
何か自分一人で頑張って生きてるようだけれども、仏さまが大きな支えとなって私と共に生きてくださってあるのです。
 
 これからもお念仏申して日々生かされて生きてまいりましょう、とお取り次ぎさせていただきました。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.4.10)

ご門徒皆さんの思いを寄せて

2018-04-09
 昨日は花まつりの会をしました。
お寺の周辺を白象パレードをし、花御堂のお釈迦さまのご尊像に甘茶を灌いで、お釈迦さまのお誕生をお祝いしました。
そして今回初めてコンサートをしました。
 
 コンサートを思い立ったのは一か月ほど前のことですが、スムーズに準備もでき
たくさんの方にも集まっていただいて、本当に素敵なコンサートになりました。
 
 演奏してくださる方がいてのコンサートですが、ご門徒さんに相談してすぐ紹介してくれました。
フルートとクラシックギターの「カプチーノ」のお二人です。
 舞台設置もご門徒さんがさっさとつくってくれました。
どのくらい人が集まるのか心配でしたが、チラシを作って新聞に折込み、ご門徒さんが声かけをしてくれました。
 本堂の空間的にちょうどいい人数で、鉄筋の本堂は音響もよく春風がさわやかに吹き抜けるようで
気持ち良く演奏ができたのではないかなと思います。
 
 日頃からご門徒さんと思いがつながっているように力強く感じます。
住職の私がああしなさいこうしなさいということではありません。
 ご門徒皆さんが思いをもってそれぞれの場所でそれぞれのお役目を次から次へと進んでやってくださいます。
本当に有難いことです。
 
 おかげで昨日は私もクラシックの世界にゆっくり浸ってコンサートを楽しむことができました。
 
 このお寺のご門徒さんの力って本当にすごいなと改めて思います。
お念仏のおはたらきです。人から人へと確かに確かに伝えられ伝わっていきます。
 
 昨日初めてお寺にお参りされた子どもさんが多かったです。
子どもさんがお参りするとお父さんお母さん家族の方も一緒にお参りされます。
 コンサートを聴きにみえたという方もいらっしゃいます。
思いはそれぞれ様々ですが、お寺にお参りすることでお寺に親しんでほしいと思います。
 お寺に親しむなかで仏法聴聞です。仏さまのみ教えを聞いていただきたいと思います。
 
 これからもいろんな行事がありますが、お寺の行事は花まつりにしてもコンサートにしてもすべて仏事です。
仏さまの行事です。仏さまのお心をいただいて、どうぞ私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.4.9)

若葉のいのち輝く朝です

2018-04-08
 今朝はちょっと冷えました。
梵鐘をついて境内の桜を見たら、ほんの少し花がついてますが、若葉がいっぱいです。
朝の光のなかに若葉が青々と輝いていいですね。
 
 「花びらは散っても花は散らない」です。
桜というと私たちは花びらばかりを見ていますが、花のいのちは次から次へとつながっていくんですね。
若い葉にもいのちがあるということです。
 
 今日は花まつりの会をします。
境内にプランターのお花を皆さんのお気持ちをいっぱい寄せていただきました。本当に有難いことです。
 
 今日はいろんな催しをしますが、小学新一年生を祝う会をします。
小学校に入学する新一年生です。私たちもそんな時がありました。
 
 親に手をひかれて初めて小学校に登校します。
これから六年間の学校生活が始まります。人生の大きな第一歩です。
 門出を見送る親は喜びいっぱい不安いっぱいということでしょう。
子どもにとっては初めてのことばかりで、見るもの聞くものすべてが新鮮なことばかりでしょう。
 まさにこの若葉かなと思います。
 
 若葉も日に日に色濃くなって大きく成長していきます。
私のいのちの有様を重ねて思います。
 大きないのちのつながりのなかに生かされて生きている私のいのちです。
すべてのいのちがつながって私たちの日々の日暮しがあるということを教えてくださるのが仏教です。
 
 死んだら終いのいのちではない、いよいよいのち輝かせて生きていける世界があるよと聞かせていただきます。
私たちのいのちの古里、阿弥陀さまのお浄土に生まれ往くいのちを今ここに生きているよと教えてくださいます。
 
 この仏教を開いてくださったお釈迦さまのお誕生日のお祝いです。
どうぞ皆さんの周りの方にも声かけをして今日のご縁にご一緒にお参りしてください。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.4.8)

それぞれの思いを一つに寄せる

2018-04-07
 昨日は坂ノ市里の光国寺さんで布教大会のご縁があってお参りしました。
本堂が満堂の百人を超す多くのご門徒有縁の皆さんがお参りでした。
 
 布教使という浄土真宗阿弥陀さまのお救いのご法義をお話してくださるお坊さんが、
若い方から中堅どころ、超ベテランの方がご法話お取り次ぎしてくださいました。
 ご法話お聴聞されるお同行からナマンダブナマンダブとお念仏がこぼれる有難いご縁になりました。
 
 こういう光景を目の当たりにしますと、昨今ご門徒のお寺離れが言われる中で、
まだまだお寺は浄土真宗は捨てたものではないなと思いました。
 ただ超ベテランのこれまで何十年も全国各地のいろんなお寺で布教されてきた方からみると、
これからが心配だと言われます。
 
 30年前はといいます。私たちの親の世代ですが、30年前だったら今日のような布教大会のお寺のご縁にお参りして
家に帰ると「今日はどんなお話だった」と聞く人がいたと、聞かれるから話すことができたといわれます。
今は核家族になって、帰っても誰もいない、聞く人もいない、話すこともないと。
 
 お寺の大きなご縁はあるけれども、そのご縁が生活という場につながってこない、
つながっていないというのが今これからの時代ではないかなと思いました。
 
 ただ全く切れてしまったわけではありません。つながっていると思います。
昨日多くの人が集まったということの意味です。人数の問題ではありません。
お参りされた一人一人の思いが一つ阿弥陀さまのご尊前に寄せられたことの有難さ尊さです。
 
 この布教大会は「布教大会をしましょう」という思いの方がいて始まったことです。
その思いを隣の方に皆さんに伝えたんですね。
 その方がお坊さんだからということかもしれません。しかしお坊さんだけではこうした会はできません。
ご門徒有縁の皆さんという言い方をしますが、その一人一人の方が思いをもって
自分だけがお参りするのではなく、周りの方々に「いっしょにいこうえ~」と声かけをし誘い合って
昨日の布教大会ができたと思います。
 
 昨日お参りされた方が家に帰っても誰もいないかもしれません。
しかし皆さんの隣にはまだまだ仏法に遇っていない方がたくさんいらっしゃるということです。
そういう方々一人一人に何度も何度も声かけをすることが大事です。
 
 声かけをするということは寄り添っていくということです。
阿弥陀さまのご法義です。阿弥陀さまのお慈悲のお救いのご法義はいつでもどこでも
阿弥陀さまが南無阿弥陀仏となって私のところに来てくださり寄り添ってくださってあるという安心です。
 
 声かけはお坊さん一人のお役目ではありません。皆さんなのです。
皆さんが思いをもって隣の方に「いっしょにいこうえ~」と声かけをしていきましょう。
 
 仏さまのご縁に声かけをしてご一緒することは今この私にできることです。
今私にできることを精いっぱいさせていただきましょう。
 
 明日は花まつりの会をします。布教大会ではありませんが、同じ仏事、阿弥陀さまのご縁です。
お寺は自分には関係ないところ、お話を聞くばかりで退屈な所と勝手に思い込んでいる方もいるかもしれませんが、
明日は花まつりということで皆さんに白像を引っ張ってもらいお寺の周辺をパレードします。
お釈迦さまの誕生仏に甘茶をかけてお釈迦さまのご誕生をお祝いします。
そして初めての試みですが、フルートとクラシックギターのコンサートをします。
 
 今まで全くお寺にご縁のない方、ご門徒でない方にも、どうぞ皆さんの隣の方に「いっしょにいこうえ~」と
声をかけられてご一緒にお参りください。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.4.7)

見るに見かねて、居ても立ってもおられません!

2018-04-06
 昨日は一日中大相撲の京都舞鶴巡業での話題でもちきりでした。
土俵の上で挨拶をしていた主催の市長さんが突然倒れ、女性が土俵に上がって緊急処置をしていたところ
「女性の方は土俵から下りてください」と何度もアナウンスがあったことが波紋を広げています。
 
 このニュースの映像を観た時皆さんはどう思いましたか。
私は何かとても嫌な感じがしました。
 
 女人禁制という大相撲の伝統があるということですが、土俵の上に人が一人ばたっと仰向けに倒れているんです。
男性が5,6人土俵に上がりました。でも何もできなくて、どうしていいかうろたえるような状況が見て取れました。
 その時、すーっと女性が土俵に上がってきて、何もできない男性を押しのけ心臓マッサージを始めました。
そしてもう1人女性も加わって見事な緊急対応でした。すごいなと思いました。
 
 女人禁制とか、誰が上がって良いとか悪いとかいうのではなく、人の命に係わる緊急事態なのです。
その女性は看護師さんだったということですから、事の重大性、一刻を争うということが誰よりも分かっていたんですね。
アナウンスがあった後も緊急処置を続けていました。
 
 その身についた思いがそのまんま行動になって表れたということです。
何も技量をもっていない者が土俵に上がっても意味がありません。みんなポカーンとしているだけです。
 
 阿弥陀さまのご本願のお救いを聞かせていただきます。
 迷いのなかにあって迷いを迷いと気づかず朝から晩まで私が私がと
自分中心の煩悩の火を燃やして生きる私たちを苦悩の重病人と見るに見かねて見抜かれて、
一切の衆生を分け隔てなく必ず救うとご本願を建てられ成就されて阿弥陀さまに成ってくださいました。 
 
 阿弥陀さまは私たちを救うすべての手立てをすでに成就完成されているから、すっ飛んで来られるのです。
手立てがなかったら向こうから眺めているだけでどうしようもありません。
 
 この私を必ず救うという手立てを十劫というはるか遠い昔につくって
今まさに私のところに南無阿弥陀仏と来てくださっているという阿弥陀さまのお救いなのです。
 
 すぐそこに倒れている人がいる、困ってらっしゃる方がいる。
そのことを見た時、座っちゃおれんで立ち上がってそのまま私のところに来てくださるのです。
 
 私たちが生きる社会にはその社会の構成員である私たちが共に生きるためのルールがあります。
条文化された法律であり、道徳や昔からの言い伝えまで
社会の常識というルールがあってこの人間社会は成り立っているともいえますが、
今回のように伝統というルールを守ることだけに固執してしまうと、おかしなことにもなってしまいます。
 
 何を守るかです。一番守るべきものは何かということでもあります。
 
 人一人の命にかかわる緊急事態です。
私が不意に倒れて何もできない状態になった時、
すぐそばに人がいるのにただ見つめるだけということが現実に起こったら、絶望的ですね。
 
 阿弥陀さまのお救いはこの私一人のお救いです。 
すぐさま私のところに駆けつけてくれて「大丈夫。私がいるから大丈夫」とそのまま抱き取り救うてくださる。
南無阿弥陀仏のおはたらきに安心して今こここの私を生きていけます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.4.6)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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