年忌法要の時の「衣替え」って何ですか?
年忌法要というご法事のお勤めで「衣替え」をお供えする言い伝えがあります。
さらしが一反、お二方のご法事には二反、お三方では三反でしょうか、衣替えがあがります。
今はお金でお包みをするところが多くなりました。
衣を替えるといいますが、二つの意味で言い伝えられているようです。
一つは年忌を迎えた方の衣を新しく替えるというもので、昔は土葬されていたことに由来するものでしょうか。
もう一つはご法事のお勤めをしてくださるお寺のお坊さんの衣を替えるというのです。
新しい白衣でお勤めをしていただくということでしょうか。
大切なお方のご法事のご縁ですから丁寧にお勤めをしましょうという
施主の方をはじめご家族ご親族有縁の皆さんのお気持ちいっぱいの布施行といただきます。
ご法事をお勤めすることは準備からして大変です。
お寺からの通知を受けて主な親族で相談しお寺に連絡してまず日程を決めます。
ご法事の案内をどこまでするのか、お斎は引き出物はどうするのかなどなど
これまでの記録も参考にして相談決定します。
いよいよご法事を迎えるにあたりお家を掃除しお仏壇をきれいにお飾りします。
そして当日お参りの有縁の皆さんそしてお寺さんを迎えてご法事のお勤めが始まるのです。
御仏前に皆さんが集まりご一緒にお勤めをさせていただきます。
何から何まで施主をはじめ皆さんが準備用意したことですが
皆さんご一緒に御仏前に座って手が合わさったナンマンダブツとお念仏申せた御礼ができたと
先に往かれた仏さまの御恩を思わせていただくご縁が年忌のお勤めなのです。
衣替えという先人の言い伝えを有難く思います。
年忌のご法事はいろんな意味で大変ですが、毎年のことではありません。
精いっぱいできることを一つ一つ丁寧にさせていただくなかに
先人を偲びこれからも日々お念仏申す生活をさせていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.2.14)

池江璃花子さんが白血病を公表されました
競泳選手の池江璃花子さんが白血病であることを公表されました。
白血病は血液のがんです。がんと聞くと死ということをすぐイメージしますが
今はがんの治療も格段に進歩して早期発見と適切な治療で完治される方がたくさんいらっしゃいます。
ただ去年のアジア大会で六つの金メダルをとるなど大活躍する姿を目の当たりにしているだけに
関係者ばかりでなく多くの私たち一般市民も言葉を失いびっくりしています。
仏教で生老病死の四苦を説きます。
生きるということは老いる病む死ぬということと聞かせていただき
老があって病があり死があると何か順番のように思い込み自分には関係ないことのように思っていたことが
実はいくら若くても病気と隣り合わせ死と隣り合わせで生きている私のことだったとあらためて教えていただきます。
池江選手は2020年の東京オリンピックの水泳のまさにエースです。
周囲の期待が非常に大きな選手だけに、そうしたことが一番の負担にならないか大変心配です。
ここは周りの方々も私たちもあたたかく見守ってサポートしていただきたいと思います。
このたびの報道でスポーツ選手だから早期発見できたというコメントがありました。
いつも見ているコーチが肩で呼吸するとか今までになかったことを見て分かったというのです。
逆に私たちは日々の生活のなかでちょっと体調が悪くても少し休んだらどうにかなるだろうと自己診断して
すぐ病院に行くことをためらうようなことがあります。
老いということを含めて病に向き合う死と向き合うことは自分自身に向き合うことで大事なことなのですが
何か遠ざけてしまっているような気がします。
私たちが仏法に遇うということはこの生老病死の四苦に向き合わせていただけるということなのです。
私が一人向き合うということならば、これほどしんどいことはありません。
そうしたしんどさ苦しさ悩みということもひっくるめて
阿弥陀仏さまは私のいのちそのものをそのまま引き受けて必ず救うとおはたらきくださるのです。
池江さんご自身が一番つらい思いをされていることだと思います。
今の現実、病に向き合うなかで、勇気をもって白血病を公表された池江さんに心から敬意を表します。
「今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずにしっかり治療に専念してください」と
自ら白血病の闘病経験のある俳優の渡辺謙さんやたくさんの方々がエールを送っています。
南無阿弥陀仏はすべての人私たち一人一人に向けられた阿弥陀仏さまのエールです。
「我にまかせよ必ず救う」のお呼び声おはたらきを聞かせていただき
今日一日も生き抜かせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.2.13)

ネット動画の波紋
NHKのファミリーヒストリーという番組で昨日は歌舞伎の中村勘九郎さんのファミリーヒストリーでした。
中村勘三郎という代々続く名門の名跡にもいろんな変遷があり人の思いも加わってまさにヒストリー歴史です。
あの番組を観ながらちょっと思うことです。
テレビを通して我が家の歴史家族のことが皆さんに広く公表されるということです。
自分のことについて人に知ってほしいという思いと逆に知られたくないということもあると思うのです。
そこは番組制作ということでうまく調整していることだと思います。
最近のニュースでSNSでのネット動画が問題になっています。
誰もが瞬時に話題を発信できますが、劇的な周囲の反応を期待して軽い気持ちで発信した動画が大きな反響をよんでいます。
有名寿司チェーンやコンビニの店員のネット動画です。
ただ結果としてお店に大打撃を与えることになり
そうした被害に対して会社は刑事責任や民事の損害賠償を請求するといった問題になっています。
当の店員はこれほど大変な騒ぎになるとは思っていなかったでしょう。
それこそ奇抜なことを発信して多くの人に注目されたいということだったのでしょうが
今やネットの世界は日本だけにとどまらず世界中に瞬時に発信され取り返しのつかないことになるということです。
今円光寺でもホームページを発信しています。
毎日のカウント数はそれほどでもありませんが、世界中の不特定多数の人に発信されていることをあらためて思います。
お念仏のみ教えを一人でも多くの人にお伝えしたいという思い一つですが
発信したことが大きな波紋になるということも考えあわせて慎重に取り扱っていきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.2.12)

ご縁つながり広がって
昨日は仏教壮年会の総会で懇親会がありました。お酒も入って話が盛り上がります。
一昨日は大海組の連続研修会の懇親会と二日続けてメンバーは違いますが
昨日一昨日の話でご縁が一つつながって広がりました。
人と人とのご縁つながりです。仏さまの御前に集まった私たち皆さんです。
仏さまの御前に座り手を合わせナンマンダブツとお念仏申すご縁つながりです。
私がつなぐご縁ではありません。ご縁をいただくということを有難く思いました。
これまでにご縁をいただいていることを思います。
ただご縁をいただくばかりではもったいない申し訳ないと思います。
ご縁を広げていくお手伝いをさせていただきたいと思います。
私たちの人生です。
過去の思い出に浸ることもいいでしょう。ただ思い出に生きるのではありません。今を生きるのです。
そして未来を生きるということでもありません。今を生きるのです。
過去があっての現在今です。ご縁をいただいていたというなかで今の私があります。
そしていただいたご縁が広がっていくなかに明日未来があるということです。
南無阿弥陀仏お念仏のおはたらきです。
阿弥陀さまから開かれたご縁だったといただくなかに私もあなたもです。
家族ばかりではなく隣にいらっしゃる方々もみんなお念仏のお仲間お友だちと
親鸞聖人は御同朋御同行とお互いを敬い尊んで往かれました。
お念仏のご縁をいただきあなたに遇えてよかったと共々にお念仏の道を歩ませていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.2.11)

祥月命日という大切な方の誕生日です
今日2月10日は私の祖母、先々代16世円光寺住職照哲さんの奥さん先々代坊守のツネさんの祥月のお命日です。
昭和35年の往生ですから今年で60回忌になります。
祥月のお命日は一年一度やってまいります。祥月命日は誕生日といいます。
誕生日って皆さんありますよね。私たちの誕生日は人に生まれた誕生日です。
一方祥月命日の誕生日は阿弥陀さまのお浄土に往生、生まれた誕生日なのです。
お浄土に生まれて今は仏さまとなって生きていると聞かせていただきます。
今日こうしてお朝事のご縁に私の思いのなかで祥月命日のお勤めをさせていただきました。
昨日は大海組の連続研修会があってテーマが「お経」でした。
一般的にお経というと亡き人のための追善供養と受けとめられている方が多いと思います。
お経を読誦し私が積んだ功徳善根を振り向けて供養するというのです。
果たしてお経は追善供養のための手段、道具なのでしょうか。
お経はお釈迦さまが説かれた仏さまの教えです。
親鸞さまがいただかれたお経には阿弥陀仏の本願念仏の救いの法が説かれてあります。
私のところで善根功徳を一つもつくることができない凡夫のために説かれた教えといわれます。
お経をあげて追善供養するのではありません。
お経を声にだして阿弥陀さまのご本願のみ教えを聞かせていただくのです。
祥月命日をご縁で仏さまのみ教えに遇わせていただけるのです。
先に往かれた大切なお方が仏さまとなってこの私を救いまもるという
阿弥陀さまのお手伝いをしてくださってあるといただきます。
聞けよ聞けよ本願聞けよ、称えよ称えよ念仏称えよ、念仏称えるそのまんま我にまかせよ必ず救う
連れてゆくぞの南無阿弥陀仏のおよび声を皆さんの声とともに聞かせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.2.10)
