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お念仏を申す生活法話

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人それぞれに人間に生まれたお役目があります。

2018-08-09
 昨日俳優の津川雅彦さんが亡くなったという報道がありました。
津川さんといえば朝丘雪路さんとおしどり夫婦ということで
朝丘さんが5月に亡くなってちょうど百日目のことだったそうです。
 その時に津川さんは本当に感謝していますとお話されていました。
そのなかの一つが私より早く死んでくれて感謝しているということでした。
重い認知症を患い、そこは夫婦だけが知ることですが、最期を看取ることができたという思いいっぱいなのでしょう。
 
 この津川さん朝丘さんには一人娘がいますが、生後5か月のとき誘拐事件にあいます。
そのことがあって津川さんはずっと北朝鮮の拉致問題に積極的に関わってきたということです。
国家による誘拐です。国と国の関係の中で然るべき対処ができないもどかしさを憤慨して語っていました。
 
 そして昨日の夜沖縄県の翁長知事が亡くなりました。
すい臓がんということで67歳だったといいます。
米軍基地の辺野古移設について国と真っ向から対峙する言動で、知事をずっとしていたという感じですが
まだ一期目で11月に任期満了に伴う改選があることになっていました。
 4月に精密検査を受けて癌が見つかり抗がん剤治療で瞬く間に痩せ細っていかれましたが
それでも公衆の面前に立ち続け沖縄のこころを叫び続けておられたお姿が目に焼き付けられています。
 
 津川さんにしても翁長さんにしても一人の人間ですが
私たちがこの人間に生まれて来たという意味を考えさせられます。
 人それぞれに人間に生まれたお役目があると思うのです。
それは今回のように大きく報道される人だけのことではなく、一般庶民の私たち一人一人にもそのお役目があるんですね。
 そのお役目を終えたとき周囲からありがとうと感謝され
人間に生まれてよかったと私の人生を全うできるのではないでしょうか。
 
 それぞれの人生のお役目です。
津川さんそして翁長さん、翁長さんは若くして志半ばということですが
そのお役目を果たされて私たちはただただありがとうございますと感謝申し上げるばかりです。
 
 人生は出会いと別れの繰り返しといわれます。
私たちの日々の生活のなかで会ったものは必ず別れなければならないと
お釈迦さまは愛別離苦の思い通りにならない道理を厳しくお示しです。
その上でお念仏申すなかにまたこれからも遇っていける世界があることを教えてくださっています。
 
 人と人との別れはいつか必ずきますが、先に往かれた方は仏さまと成って
私たちを護り救う南無阿弥陀仏のおはたらきのなかにこれからもずっと私と共に生きてくださるとお聞かせいただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.9)

夏を楽しむ

2018-08-08
 暑い夏ですが、先人はいろんな工夫をして夏を楽しむことを伝えてくれています。
夏の花火であったり夏祭りであったり、涼を求め暑さを忘れて興じる世界です。
 
 今朝の新聞のコラムにかき氷の話がありました。
平安時代に削り氷というものがあったそうで、今のような製氷技術がなかった時代
冬にできた氷を氷室に入れて夏まで保存していたといいます。
 ただこれは庶民が食するものではありません。
平安時代でいいますと殿上人、貴族です。極々一部の人が楽しんだということです。
 かき氷は今は特別お店に行かなくてもいつでもどこでも誰でも楽しむことができます。
 
 「おとぎ話の王子でも昔はとても食べられないアイスクリーム」という歌詞の歌があります。
どんなに権力財力をもって自分の思いのままにできる王子でも
昔はアイスクリームを食べられなかったというかアイスクリーム自体がありませんでした。
 
 先人が私たちに伝えてくれた夏を楽しむ術はいっぱいあります。
ただこの暑さです。何かぐしゃ―となってしまいそうなこの酷暑ですが
何か一つ思いをもって生きることがいよいよ大事になってくるのではないかなと思います。
 
 これは歳を重ねていくなかでもそうだと思います。
暑いなあ歳をとったなあと愚痴ばかりこぼしていてもそのまま時間は過ぎていきます。
 何か一つでも思いをもってと、それがこのお朝事のご縁だと思います。
朝一番にお朝事の仏さまのご縁をいただくなかに今日一日を始めさせていただくことです。
 
 お念仏申すなかに暑さを楽しむ夏を楽しむ人生を楽しむ生活をさせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.8)

お盆の過ごし方

2018-08-07
 お盆参りが今日で三日目になります。もったいないことですが、体力の衰えか年々何だかしんどく感じます。
特に今年は異常な暑さで、クーラーが入っているお家にお参りしますと外に出たくないという気さえ起ります。
 
 そういうなかでほっとさせられるのが皆さんのお家のお仏壇のお飾りお荘厳です。
一年一度のお盆のご縁で、お家のご法事を迎えるように精いっぱいお飾りしましょうとお話していることですが
本当に見事にお荘厳ができていて有難く思います。
 
 ただお盆のお参りは一昨日の5日から始まりましたから
5日にお参りしたお家のお仏壇のお飾りがそのまま13日14日15日までもつかというと、難しいですね。
昨日も「こんなに暑いとお花までくたびれて早く枯れてしまいます」という話になりました。
 ただそこは工夫です。中休みを入れてお盆の本番に合わせたらいいと思います。
きれいにお荘厳されたお仏壇の前に家族親族が集まって一緒に食事をしたりお話するお盆ならではの光景が目に浮かびます。
 
 お盆のキーワードは「かえる」です。
お盆休みで懐かしい人が古里に帰ってきます。ご先祖有縁の仏さま方もいつも還って来てご一緒です。
みんないのちつながって一緒に童心に返ります。
 お仏壇のお荘厳に南無阿弥陀仏のお浄土のおはたらきをいただいて命終えて帰るいのちの古里をおもいます。
 
 お念仏申す身に荘厳されて、お盆の暑い中ですが、お念仏を申して過ごさせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.7)

ご縁つながり

2018-08-06
 昨日夏の甲子園の高校野球が始まりました。
今回は百回目ということでテレビも特別番組で百回を振り返り球史に残る名勝負やレジェントを紹介しています。
 昨日の開幕第一試合に松井秀樹さんが始球式を行いました。
開会式直後の超満員の甲子園でそれも母校の星陵高校の初戦ということでした。
何かの巡り会わせということですが、対戦相手が大分代表の藤蔭高校だったことも何か思うところです。
 
 ニュースキャスターの方が「これも何かのご縁つながりですね」と言っていました。
百回大会ですから第一回目に出場した選手は皆さんもうすでに亡くなっています。
 長い歴史の甲子園大会ですが、高校野球を通じてその時どきの社会のあり様ということを振り返ることができます。
戦争がありました。4年間中断がありました。戦後最初の大会には選手がお米を持参して試合に臨んだといいます。
 
 幾多の困難もあったなかに百回目を迎えるということです。ご縁つながりです。
先人の志、夢が今ここにつながっているということです。
 
 甲子園の高校野球が日本の歳時記になったのはテレビが大きく影響しています。
昨日は甲子園で活躍したレジェントを紹介する番組がありましたが、殆どがテレビ開設後の昭和30年代以降の選手です。
それ以前にも熊本工業の川上哲治とか京都商業の沢村栄治とか蒼々たるメンバーがいて
今の高校野球の発展につながっているのです。
 
 テレビのすごさを改めて思います。
今はSNSの時代ですが、ちょっと前は家に一台あるテレビを前にして家族みんなで同じ番組を観ていたものでした。
テレビから発信されたものをそのまま同時に家族全員で受信していたことになります。
 
 私たちの浄土真宗でいいますと、毎朝お朝事でお勤めしているお正信偈さまです。
今日の蓮如上人の御文章さまにもありますが、北陸吉崎の地で始められたものが綿々と五百数十年伝わっているのです。
それこそ見たことも聞いたこともない私たちのご先祖が私たちに伝えてくださったものです。
 
 その大本は阿弥陀さまです。そして親鸞さま蓮如さまです。
毎朝親鸞さまの御文お正信偈さま、蓮如さまの御文御文章さまを拝読させていただき
阿弥陀さま親鸞さま蓮如さまにお礼をさせていただくことがそのまま私たちの次の世代に伝わっていくということです。
 
 野球は白球一つで、私たちはお念仏一つです。
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで私たちの救いは間違いないと仰せです。
お念仏申せよとお勧めです。お念仏の声が子や孫に世界につながっていく、伝えられていくのです。
 ご縁つながりの有難さを思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.6)

今日からお盆参りが始まります。

2018-08-05
 今日からお盆参りが始まります。ちょっと前のお盆参りはお盆の13日14日15日の三日間でした。
私がお盆参りを始めたのは小学2年生の頃でした。
13日はお寺から一番遠い遠見地区からお参りしますが、仲町の安達商店からバスに乗って行きました。
7時過ぎの朝一番のバスだったと思います。
未知の国に始めて行くような何か不安な新鮮な気持ちで、今日からお盆参りが始まるんだというワクワク感がありました。
 
 その当時は一日40軒50軒のお参りで夜遅くまでかかりました。
真夏の炎天下ですぐに汗びっしょりになり衣はぐちゃぐちゃで次から次とひたすらお参りしたものです。
 
 お寺に生まれてこの夏の盆参りはずっと欠かさずやってまいりました。
今はどこのお寺もそうですが、三日間でお参りするところは殆どありません。
8月を盆月として8月中にお参りすることが一般的になりました。
 
 円光寺は今日5日から始まって15日までの11日間、各地区を分けて新院と二人でお参りします。
一番暑い時期です。年々暑くなって今は酷暑といわれる暑さです。
 最後の方は夢遊病者のようにふらふらしがらお参りしていました。
ただお寺に戻るといつもと違って扱いがよかったことを思い出します。
「汗かいたやろ、早う衣を脱ぎよ」「これ食べよ、これ食べよ」と何とも扱いが良くて
お寺に生まれてある意味大変なこともあるけれども、ちょっと皆とは違うという思いもしました。
お参りをしていたら同級生にもたくさん会いますが、冷やかされることなどありません。
かえってお坊さんだからこそ何か特別な思いにもなったような気がします。
 
 お盆には古里に人が帰ってくるといいます。ご先祖の仏さまが還るといいます。
帰るところはそれぞれのお家であり、お寺です。
 お家の中心お寺の中心、御本尊の阿弥陀さまを中心に人と人との心が通い合うなかに
仏さまのご縁づくり、お盆参りをていねいにさせていただきたいと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.5)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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