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お念仏を申す生活法話

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AI人工知能とお念仏

 昨日門徒報恩講にお参りしたお家でAI人工知能のロボットの話になりました。
そのお家では実際にロボットを各部屋に4台置いて生活しているとのことです。
 遠く離れた所からでもスマホで「○×○×(とロボットの名前を呼んで)」とロボットに指令すると
「ラジオをつけて」といったらラジオが聞こえてくるし「今日の天気は」ときいたら情報がすぐ返ってくるという仕組みで カメラも設置していてペットの犬が留守中何か悪さをするとロボットを通して犬を叱ることもできるといいます。
自動運転の掃除機もスマホで動かせるといった具合です。
 
 仏間には置いていませんが、隣の部屋に行って実際に操作するところを見せていただきました。
ロボットに声かけしたら何も文句を言わずにその通りに応えてくれます。
「こりゃあいいですよ」と終始満足気にお話されます。
よく操作ができるものですねと尋ねたら「私はこういうことが好きなんです」と言われます。
経費も随分かかるだろうし私はまだスマホまでも行きませんから、こういう生活もあるんだなと感心したり
すぐ身近なところでの現実にちょっとカルチャーショックを受けました。
 
 そんなことが午前中にあって夕方ある門徒さんが相談事があってお寺にやってきました。
事前に電話で大体のお話は聞いており「お寺に来てください」と言ったら「電話では悪いんですか」と言われましたので
「仏さまのことですからお寺でいろいろとお話をお聞きましょう相談しましょう」ということで来ていただいたのです。
 人と人が直接会って話すことの大切さを思います。
電話で用件が済むことと相談事とは違います。事務的な対応でしたら電話で十分です。
 相談するとは自分の思いを一方的にぶつけることではありません。
ひとつの言葉を話すにもその人の表情があります。
言葉だけだはなくその表情話しぶりを見てその人の気持ちを受けとめていくことがお互い大事で
お互いのことを思い合うなかでより良い方向に相談していくということです。
 
 科学技術が進歩してどんなに生活が豊かで便利になっても私たち人間の苦悩がなくなるということではありません。
オギャーとこの世に生まれて私たちの生死の苦悩が始まるのです。
 人間に生まれ老いて病んで死んでいくといういのちの営みは昔も今も変わりません。
生活環境はそれぞれの時代で違っても生死の迷いのなかを私たちは生きてそして死んでいく
そのことを何度も何度も繰り返して私が今ここに生きていると仏さまは教えてくださいます。
 
 AI人工知能で生活環境はより改善されても人間の苦悩はより深く多岐に広がりその解決はAIでは到底できません。
この人間界を生きている私がいます。いろんなことが思い通りにならなくて苦しみ悩み迷う私がいます。
 そうした人と人が織りなす社会で思い悩み解決できないことがたくさんあります。
 
 南無阿弥陀仏のお念仏のみ教えを聞かせていただきましょう。
人と人とがお互いに聞かせていただくなかに「ああそうやね」と共に生きていく道が開かれていきます。
 
 自分一人だったらいいようなものですが、この社会の営みはそうはいきません。
二人三人になって思い悩むことがたくさん増えるということですが
そこに共に生きる喜びがあることを南無阿弥陀仏お念仏のみ教えに聞かせていただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.12.2)

一体何をしてきたやろうか?

 12月に入りました。師走です。何か慌ただしさを感じる時節ですが
昨日お参りして12月に入る感じがしないという話になりました。
 昨日は日中暖かったですね。小春日和というそうです。
暖かいのはいいことですが、こんなに暖かいと何か変に思うこともあります。
 
 私が小学生の頃12月1日は寒いなあという思いが強く残っています。
その頃は昔の家で隙間風が至る所から入ってきて、暖房器具も掘りごたつに火鉢ぐらいで充実していません。
 その寒い中を朝早く僧衣姿の父が編み笠をもって外に飛び出すように家を出ていった思い出です。
12月1日から7日まで鶴崎地区の歳末たすけあい運動の托鉢があったのです。
宗派を超えて鶴崎地区のお寺のお坊さんが各七地区を毎日順番に行列を組んで托鉢して回るのです。
 
 父が戸をあけて外に出ると外から風がビューっと吹き込んで12月は寒いという感じでしたが
この頃は朝はちょっと冷えるものの日中はまだまだ暖かいなかにあります。
 
 12月に入って今年もあと一か月で終わろうとしています。
この時期になるとこの一年を振り返ります。今年一体何をしてきたやろうかと思います。
 正月明けて年頭に今年こそはと思い立って、すぐ一年が経ぎ今年は何をしたやろうかと反省します。
 
 この一日もそうですね。朝は今日は何をしようと始まって夕方になって今日は何をしたやろうかということです。
特別なことがない限りいつもの繰り返しのように一日が過ぎて行きます。
 ただ生きているということは確かなことです。
人それぞれ生活ぶりは違いますがこのいのちを生きています。
一日、一週間、一月そして一年生きてきたということです。
 
 そして一年歳をとります。歳をとるのは大変です。
思い通りにならないことがこの身に増えてまいります。
 
 ナンマンダブツとお念仏を申して歳をとらせていただきましょう。
生死の迷いの私をそのまま救うと南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
阿弥陀さまのお浄土への道を歩ませていただきましょう。
 今日の一日もお念仏申すなかに生かされて生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.12.1)

門徒報恩講が始まりました

 昨日から門徒報恩講が始まりまして薬師堂地区のお参りをさせていただきました。
お参りしてどのお家のお仏壇も五具足の仏具でお飾りされていて少しびっくりしました。
 先日お寺の報恩講で花瓶1対ろうそく立て1対と香炉の五具足のお話をしました。
お寺の本堂お内陣のお荘厳も普段は三具足で、報恩講のときは五具足にします。
お家のお仏壇も報恩講とかご法事とかには気をつけて五具足にしましょうというお話をしたことです。
 
 お仏飯を上げ打敷をかけて五具足の仏具にお花お灯り香をそしてお団子やお菓子果物をお供えしてありました。
お寺でのお話をよく聞いてくださっていたんだなと有難く思いました。
 お寺にお参りされなかったお家の方にも
「ご院家さんがこう言ってた」「こう聞いた」と話してくださったと思って嬉しくなりました。
 
 隣近所の連絡つながりがよくできていることを思います。
平生の人と人とのつながりですが、私たちのつながりはお念仏を中心としたつながりです。
ご門徒皆さん共々にお念仏申す生活をさせていただいているということです。
 
 今は隣の家の人の顔も知らない名前も知らなという時代になりました。
同じ地域に生きていても何かバラバラで生活しているような社会です。
 ただいざという時頼りになるのは遠くの親戚より近くの友だちなんですね。
そうした平素からのつながりが愈々本当に大事になってきたのではないでしょうか。
 
 仏さまのご縁つながりです。
私たちは南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに生かされて生きているお念仏の仲間です。
 
 この報恩講のご縁は親鸞さまのご恩に報いるということですが
ご本願を信じお念仏申す身となって共々に支え合い生きぬいてお浄土への旅を続けさせていただくことです。
 
 昨日はお昼から薬師堂地区の皆さん一堂に集まって地域法座のご縁をいただきました。
ご一緒にお勤め仏法聴聞し手作りのものをいただいて本当に和やかな雰囲気のなかに
楽しいひとときを過ごさせていただきました。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.30)

本願念仏の救いの法を聞かせていただきましょう

 こうして本堂お内陣のお荘厳が整い今日明日明後日と親鸞聖人の御正忌報恩講のご縁を迎えます。
私たち浄土真宗門徒にとって一番の法要ということで
円光寺では毎年この時期に親鸞さまのご法事のご縁をいただきます。
 
 ご法事といいまして、親鸞さまのみ跡を慕うということです。
親鸞さまはどういう方だったのかそのご事績をたずねることですが
一番肝心要は親鸞さまが私たちに阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を伝えてくださったということです。
 南無阿弥陀仏のみ教えを聞いてくれよというのです。
ご本願を聞いて信心いただけよお念仏申す身になってほしいというのが親鸞さまの大きな大きな願いなのです。
 報恩といって親鸞さまのご恩に報いるとはこの私がお念仏を申す身にさせていただくことなのです。
 
 見事にきれいに整ったお内陣のお荘厳を前にしていつもより何かお念仏しやすいように思います。
 ご門徒皆さんが心を寄せ体をはこんで調えてくださったお荘厳ですが
調ってみると私が云々ではなくて阿弥陀さま親鸞さまの大きなお心おはたらきをそのままいただいているということです。
 必ず救うまかせよの南無阿弥陀仏のおはたらきに突き動かされてこの口からナンマンダブツとお念仏が出てくださいます。
 
 いつでもどこでもという南無阿弥陀仏のおはたらきですが
今日明日明後日の三日間どうぞ皆さん心を寄せ体をはこんでいただき
隣の人にも声をかけて一人でも多くの方々共々に本願念仏の救いの法を聞かせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.26)

お浄土への旅を続けます

 御正忌報恩講のお勤めが円成なって本堂お内陣が平生のすがたに戻りました。
このお寺をあずかる住職にとってこの御正忌報恩講さまのお勤めは何にも増して大事なご勝縁です。
 
 私たちのお寺は阿弥陀如来さまをご本尊とするお寺です。
阿弥陀さまの本願念仏の救いの法南無阿弥陀仏のご法義のお寺をあずかるというのです。
 誰からおあずかりしているのかというと、親鸞聖人さまなのです。
親鸞さまからおあずかりしているお寺の一年で一番大きなご縁の御正忌報恩講さまを
ご門徒皆さんとご一緒にお勤めさせていただけたことがこれ以上ない住職の慶びであります。
 
 御正忌報恩講のご縁で歳をとります。今年も一つ歳をとりました。
そして今日です。平生に戻るといいますが、私たちのご宗旨は平生業成のご宗旨です。
特別何かをして特別どうこうということではなくて
常日頃の生活がそのまま阿弥陀如来さまのお浄土へ連なっていく人生であるといただきます。
 
 お浄土への旅です。お浄土への旅がこれからも続きます。
私にとっては67度目の御正忌報恩講さまのお勤め67歳に向けての旅であります。
一人ではありません。ご門徒皆さんと共々にお浄土への旅ができることを
また今日のこのお朝事のご縁で強く深く有難く頼もしく思ったことです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.29)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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