仏法聴聞のすすめ
2024-11-05
蓮如上人は「ただ仏法は聴聞にきわまる」と
私たちに仏法聴聞をおすすめです。
浄土真宗の仏法は
阿弥陀仏の本願念仏のお救いの名号法です。
本願成就の南無阿弥陀仏のお名号のおいわれを
聞かせて信心いただくことことが肝要です。
聴聞の「聴」も「聞」も「きく」と読みますが
「聴」は積極的にこちらから聴くということで
「聞」は聞こえてくるということです。
仏法を重ねて聴くなかに
ご本願のお心南無阿弥陀仏のおはたらきが
聞こえてくるというのです。
「まかせよ救う」の阿弥陀仏のお心おはたらきで
ご信心をいただきお念仏申す身に
お育ていただくのです。
お念仏のおはたらきがこの身に来てくださり
「法味愛敬(ほうみあいぎょう)」の生活を
させていただきます。
仏法を味わうといいます。
阿弥陀仏の大きなお慈悲のなかに生かされて
生きる身にさせていただくのです。
私がどうこうするのではなく
もうすでに阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に
あなたも私も皆共にあったと聞こえてきて
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
私たちは御同朋御同行と手を携えお念仏申して
往生浄土の道行きをご一緒させていただくのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.5)

「安心してジタバタできる」※転載
2024-11-04
「死ぬこと以外かすり傷」
この言葉は人生における挑戦を後押しする
自己啓発の言葉として世間で流行しました。
皆さまはどう感じられますか?
社会の荒波の中で、失敗を恐れるあまり
新たな挑戦をためらっている人にとって
この言葉は大きな活力となったかもしれません。
しかし、この言葉の裏を返せば
「人生で唯一の問題は〈死〉である」
ともいえるでしょう。
お釈迦さまは
かつてインドのシャカ族の王子としてお生まれになり
29歳の時に地位や財産を捨てて出家されました。
それは誰も逃れられない〈死〉の苦しみの
解決のためです。
そしてその答えとは
欲望を捨て去る(さとりを開き、仏となる)
ということでした。
しかし、欲望が絶えない私は
この苦しみから逃れることができません。
親鸞聖人はこのような私のために
お釈迦さまや浄土を願われた高僧方の導きを通して
阿弥陀さまのはたらきによってさとりの世界に生まれ
〈死〉の苦しみを超えていく道を
示してくださいました。
私は、この〈死〉の苦しみを超える道に
出遇えたからこそ
日々の暮らしの中で
「安心してジタバタできる」のです。
※『本願寺インスタ倶楽部』
(本願寺派総合研究所 林龍樹研究員)より転載
ー本願寺新報2024年11月1日号ー
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.4)

心田を耕す
2024-11-03
今日は文化の日の祝日です。
文化は英語でカルチャー
耕すという意味です。
私たちの生活の基本は
田畑を耕すことから始まります。
お米や野菜の種をまき収穫して
食することで私たちは生きています。
まさに大自然の恵みをいただいて
生かされて生きている
私たちの生活そのものが文化です。
この大自然はある時
私たちの生活に脅威災害をもたらします。
私たち人間の歴史は
大自然の営みと共生するなかで
科学技術が進歩し
私たちの生活は便利で豊かになりました。
ただより便利で豊かな物質主義を追い求める社会は
こころの荒廃を生み出しました。
「物で栄えて心で滅ぶ」といわれることです。
お釈迦さまは
「こころの田を耕しなさい」と示されます。
こころの田を耕すことで
心豊かに生きていきましょうと
仏法を説いてくださったのです。
こころは耕さずに放っておくと荒れて
頑なな心にとらわれるようになります。
仏法を聞いて心を耕し
柔軟な心で社会生活をおくりたいものです。
仏教文化生活です。
仏教文化がもたらす心豊かな生活実践です。
お念仏申す生活は
「すべてのものを分け隔てなくそのまま救う」
南無阿弥陀仏のお心おはたらきのなかに
あなたも私も皆共につながって
自他共に心豊かに生きることのできる
社会をめざします。
お念仏にすべてをゆだねまかせて
お念仏申されるように生きる文化生活です。
お念仏の仏教文化花咲く社会の実現のために
お念仏申して私にできるお手伝いを
させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.3)

「月参りの値打ち」※転載
2024-11-02
この夏から秋にかけて
何度も突然のゲリラ豪雨に見舞われ難儀しました。
大雨の中、月参りに出かけると
一軒のお宅で、こんなことを言われました。
「こんなによく降るときは、遠慮なくお休みください。
うちのお父ちゃんは、もうとっくに
ええとこにいってますから」
この言葉の前半は、言うまでもなく
雨のときに来てもらうのは申し訳ないということですが
面白いのは後半です。
お父ちゃんというのはご主人のことですが
亡くなられたのはもう二十年も前で
それ以来毎月のご命日に、お参りに来ているのです。
そんなに長い間、毎月お勤めをしているのだから
お父ちゃんは「ええとこ」にいっているだろうから
無理をしてまでお参りしてもらわなくてもいいですよと
きっとそんな意味だろうなと思います。
「ええとこ」というのは
阿弥陀さまの世界、極楽浄土のことでしょう。
でも、言うまでもなく
月参りは、亡き人を、「ええとこ」に導くために
しているのではありません。
お仏壇に、お仏飯やお花を供え
きちんと手を合わせ、お念仏を称えることは
毎日欠かしてはいけないことです。
でも、日常の中で
それがつい疎かになってしまうので
せめて月に一度、大切な人のご命日に
仏さまと向き合おうとするのが
月命日であり、月参りです。
月参りの本当の値打ちは
住職とご門徒が
そんなことをざっくばらんに語り合える
その距離の近さだと思います。
※菅純和氏著「仏事の小箱」
ー『御堂さん』2024年11月号より ―
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.2)

大谷さんロス
2024-11-01
大リーグワールドシリーズは
ロサンゼルスドジャースがニューヨークヤンキースを
4勝1敗で破ってワールドチャンピオンに輝き
大谷翔平選手の2024年シーズンが終わりました。
「最後まで野球ができて
最高の結果で終わってよかった」と大谷さんです。
これまでエンゼルス在籍中の6年間は
10月のポストシーズンに出ることができず
ドジャースに移籍して待ち望んだ10月決戦でした。
大谷さんのおかげで
今年は10月も大リーグ中継を楽しめました。
3月の開幕からほぼ毎朝
大谷さんの活躍で一日が始まったようなものです。
日本国内では政治とカネの問題や闇バイトの事件など
暗いニュースが続きますが
大谷さんのニュースは
日本国中みんなを笑顔にしてくれました。
日常生活の中で誰彼の別なく
これまで野球を知らなかった興味がなかった人までも
大谷さんの話題でみんながつながったような現象です。
お念仏のご縁つながりです。
生きとし生けるものすべてを分け隔てなく救う
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
あなたも私も皆共に生かされて生きていると
聞かせていただきます。
今日から大谷さんロスですが
お念仏申して今日一日も
生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.11.1)
