サマースクールから一夜明けて
8月になりました。
昨日一昨日と一泊二日でサマースクールを行いました。
今年は61人という近年にない大人数の子どもが集まってどうなるか心配もありましたが
中高校大学生のスタッフ、お寺の仏教婦人会壮年会、そして保護者の皆さんのサポートで無事に終えることができました。
ありがとうございました。
今年で39回になります。
ちょっと振り返ってみると私がこのお寺に帰って来てしばらくして第1回が28歳の頃です。
まだ結婚もしていません。新院も生まれておりません。
そういうなかで子どもたちにサマースクールということでお寺のご縁に遇ってほしいと
ご門徒有縁の皆さんに呼びかけ始めて39年を迎えたということです。
今回参加したなかにお父さんお母さんがサマースクールに参加したことがある子どももいたと思います。
お父さんお母さんから勧められて参加してくれたのかなと思います。
お寺の本堂という異空間で子どもたちが共同生活するわけですから
自分の思い通りにならないこともあって子ども同士で言い合いになったり喧嘩になったりということもあるし
私も大きな声を出して叱ったこともあります。嫌なことです。
嫌なこともあったと思うけれども振り返ってみればあの時円光寺でサマースクールがあって
暑い中を参加してみんな一緒にお寺に泊まって食事をして遊んだという思い出が一つご縁となって
次の子どもにそして孫にとつながって行くのが私たちのお念仏のご法義おはたらきだと思います。
みんなつながってあるということです。
これまでもこれからもつながってあるというなかにまた来年も円光寺で会いましょうと閉会したことです。
人と人とのつながりです。お念仏のご縁つながりです。
私がどうこうすることではなく仏さまの大きな大きなつながりのなかに生かされて生きているということです。
それは大切な方が亡くなった後もずっとずっとこれからもつながっていくという無量のいのちのご縁です。
南無阿弥陀仏の大きなおはたらきのなかに私たちの大きな安心があると
サマースクールのご縁でまた教えていただきました。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.1)
京都も本当に暑かったです
昨日京都に会議で行きました。
朝6時にここを出て夜の10時に帰って来ました。京都にいたのは6時間半です。
何ともバタバタ慌ただしいということです。
京都も最高気温が35度超えの猛暑日で暑かったです。
ただ京都駅周辺の人は前に行った6月に比べてぐんと減っていました。
この暑さの中での観光はちょっと覚悟が要ります。
それぞれの夏の過ごし方です。
昨日の会議で面白いデータを聞きました。
以前はお寺の周辺にご門徒さんの家があり三世帯四世帯の家族が一緒に住んでいましたが
今は核家族化が進みお寺の周辺からご門徒さんのお家が他所に移り
お寺とご門徒さんのご縁が段々と薄くなってきています。
一つの統計ですが2時間以内の所だったらお盆のお参りやお葬儀法事のご縁は続くということです。
しかし2時間を超す関係だと、他所に出た人はお寺も直接知っていますが
その子どもや孫になると仏事のご縁は今住んでいる近くのお寺に頼むかもうそれっきりになってしまうというデータです。
私たちの生活営みが本当に変わったしこれからも急速に変わっていくなかに
お寺とご門徒さん人と人とのつながり関係をどのようにもっていったらいいのかと協議する会議でした。
30人ばかりの会議で2人の門徒さん以外はお坊さんだけの会議です。
それも主に60代70代の年輩のお坊さんばかりの会議でした。
これからというのは若い方の大きな課題です。
若いお坊さんがこれからのお寺をどのように考えどのようにしていきたいのか
先輩方はちゃんと受けとめ聞いてお互いに知恵を出し合っていくことこそ肝要です。
何分私たちお坊さんの社会はまだまだ遅れてます。
昨日も危機感がないという発言がありました。
今やっていけているのならそれでいいのではないかということですが
将来の展望が全くないなかでの次の世代への責任転嫁です。
お寺をめぐる社会の流れは想像以上にどんどん移り変わっているのです。
そういうなかにこのお朝事のご縁です。日々平素のご縁です。
こうしたご縁を一つ一つ大事にして私にできる精いっぱいのことをさせていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.30)
念仏家族というご縁つながり
今は家族の形態が多様で変ってきています。
ある調査で、家族ということについて、親子の関係は家族というが祖父母との関係は親族ということを聞きました。
日頃一緒に生活をしている親子は家族なのです。
おじいちゃんおばあちゃんはたまに家に来たりとか
夏休みにおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったりとかいう関係つながりだといいます。
言われてみればそうかなと思ったりもします。
もう一つ葬儀の後の法事についての調査結果です。
今は葬儀をしない、葬儀をしても法事はしないところが増えてきて、法事を勤めても7回忌ぐらいまでで
それ以降の13回忌17回忌25回忌33回忌50回忌の法事は勤めないということです。
今は超高齢社会になって90歳代の親の葬儀の喪主を70歳代の子どもが勤めるということで
70歳代の子どもが元気で勤められる法事の年忌は7回忌までかんということのようです。
子どもが勤められなくても孫がいるではないかということですが先ほどの話です。
孫からいったら祖父母は家族ではない親族です。
ご法事の施主は直接の家族が勤めることで、親族になると法事の案内を待つ人になるわけです。
こうした現実のなかで私たちはお念仏のご法義をどのように伝えていくのか
今まで通りのようなことをしていても中々先が見えない難しい事態が実際に起こっています。
お念仏のご法義です。
私たちがこの人間界に生まれて来たのは仏さまのみ教えに遇うためなんだよと
お釈迦さまは私たちに教えてくださりお念仏の法を勧めてくださっています。
日々の生活ぶりは皆さんそれぞれ違いますが
こうして毎朝お朝事のご縁にお参りされて今日の一日をご一緒に始めさせていただける
私たちはお念仏のご法義につながった念仏家族だといただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.27)
ご法事のご縁で家族になれる
昨日ご法事がありましてお昼の2時からのお勤めでした。
二人の息子さんが遠方から家族連れで帰ってみえるということでした。
お勤めの後で「今日は久しぶりに家族全員が揃いました」と聞きました。
二人の息子さんご夫婦に子どもさん二人の二家族で8人、計10人のご縁になりました。
お孫さんからいったら七回忌のおじいちゃんのご縁です。
ご往生から6年が経ったということです。
四人のお孫さんのうち1歳の子どもさんはおじいちゃんに直接会っていませんが
三人のうち一人は6歳になる子です。生れたばかりでおじいちゃんとお別れしたということです。
一番年長の子が小学6年生ということですから、小学校に入学して卒業するという6年です。
昨日お話しましたが、今は核家族の形態が殆どで
家族といえば親子の関係を言いおじいちゃんおばあちゃんになると親族という見方があるそうです。
ご法事のご縁に親族のお孫さんが帰ってみえたということです。
そして皆さんご一緒に御仏前に座ってお勤めができました。
お孫さんは終始神妙な顔つきでした。
日頃そのお家で暮らしているわけではありません。
よその家です。ある意味そのお家のお客さんなのです。
ただ皆さんご一緒にお勤めができて昨日の夜は10人でゆっくり食事をして過ごされると聞きました。
ご法事のご縁で家族になれるということです。
家族になれるって、元々家族なのですが
それぞれ住む家が違いそれぞれの生活をしているお互いです。
そのそれぞれを一処に集めてくださって家族にしてくれるのです。
おじいちゃんは人の命を終えたけれどもおじいちゃんがおじいちゃんでなくなったわけではないよとお話しました。
人の命は終えましたが、仏さまのいのちとなっておじいちゃんの仏さまが
いつどもどこでもみんなのことを見守りご一緒してくださってあるのです。
ナンマンダブツとお念仏を申すところにみんながずっとずっとつながってあるということです。
今はご法事に子どもさんがお参りすることが本当に珍しくなりました。
直接の親子兄弟の関係が殆どでその他の親戚の方のお参りも見かけません。
お孫さんにとっておじいちゃんおばあちゃんは命の大恩人です。
子どもの頃からご法事のご縁に遇うことは本当に大事なことなのです。
今6年生の子が次の13回忌のご縁には高校3年生になります。
その年齢年齢で違う思いでご法事を迎えられることだと思います。
仏さまのご縁は平素日頃のご縁です。いつでも仏さまのご縁に遇うことができます。
ただ自分のことで精いっぱい生きることで精いっぱいの私たちが日頃のご縁に遇う頃は本当に難しいことです。
だからこそご法事のご縁を大切に受け止め有縁の方に広く呼びかけて
精いっぱいお勤めさせていただきたいとまた思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.28)
参議院選挙の後で
参議院選挙が終わって総括というかテレビ番組で各党の代表が討論しています。
今度の選挙は今までにない特徴があったと思います。
今回も投票率が50%を切って半分以上の人が選挙に行かず自らの権利を放棄する異常事態が続きます。
そのなかで「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」が
議席を獲得し政党としての要件を満たす得票を得たということです。
特にれいわ新選組は200万以上の票を獲得しました。
結党僅か3か月で社民党の倍以上の得票を伸ばし選挙資金も用立てたといいます。
れいわ新撰組について選挙後の報道で知ったことが多く東京を中心とした大きな動きだったということです。
SNSというネットを使った選挙手法だったといいます。
一方NHKから国民を守る党は新選組とはまた違った手法を使いました。
各選挙区に候補者を全部立てたということです。
各選挙区の得票数は少ないものの全国では100万近くを集めました。
国民の小さな声を丁寧に得票として集めたということです。
今のネット社会の選挙戦術と昔ながらの草の根の取り組みです。
これは選挙だけのことではなくこれからの社会の様々な取り組みに当てはまる大きなヒントになることだと思います。
このお寺の活動もそうです。
日頃です。日頃というのがここです。このお朝事のご縁もそうです。
仏さまのご縁を日頃から頂くということです。ここから始まる日頃です。
お互いの顔と顔を合わせ見て声が聞こえるということです。
もう一つはネットです。
円光寺も3年になりますかインターネットをしています。
ネットは発信する者がいて受信する者がいます。
ただ受信する物が必要だし受信をする者が受信をしないとボタンを押さないといけません。
これまでのお寺とご門徒皆さんとの通信つながりは今も紙媒体です。
皆さんに紙文書で法要行事のご案内を配っています。それを見るか見ないかは皆さんです。
ボタンを押すというはっきりした意思表示がなくても目に付けばそれを見る読むことができます。
この前還暦を祝う会のご案内を直接該当者に名前を書いて手紙で出しましたが
その人から「還暦を祝う会ってこれまでにあったんですか」と言われました。
10年以上前からありました。ご門徒皆さんへの通信にご案内もし報告もしています。
ただそれは紙で、それを見てるか見ていないかの違いです。
年間たくさんのご案内を丁寧に出してはいます。
ただ皆さんがそれを隅から隅まで読んでいるかといったら殆どの人は見てもいないのではないでしょうか」
気持ちのある人しか見ていません。
それでも気持ちのある人は見ていますからやはり丁寧に一つ一つご案内することからすべてが始まるのです。
ちゃんと宛名書きしたものは見るのでしょうが、全て宛名書きすることまでできません。
そしてこれからはよりネットになってきます。
ネットでボタン一つで方々に発信することができるのです。それも不特定多数です。
発信しないと受信することはできません。
そして受信する方がボタンを押すんです。そのつながりです。
たとえ顔と顔は見えてなくてもつながっているんです。
つながってここ、お寺のご縁です。互いに仏さまのご縁に遇って顔と顔が見えるんです。
そしてお念仏のみ教えがつながるのです。
人から人へ確かに確かにお念仏のみ教えが伝わってき私のところに届けられたのです。
顔と顔が見えるなかに子や孫に次の世代へと先人の思いがずっとつながって今日のこのご縁になって結ばれているのです。
そういうことでいったら今度の参議院選挙はいつものように自民党が一人勝ちで終わったという見方ではなく
今ある政党に期待していない者の動きが一つ始まったのかなと思ってお寺のことをまた重ねて思いました。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.23)