中村哲さんのこと
昨日の夕方のテレビのトップニュースそして今朝の新聞の第一面は全て「中村哲医師銃撃され死亡」報道でした。
随分前からペシャワール会中村医師のことは知っていましたし福岡の方で近くで講演もされていましたが
実際にお会いしお話を聞くことができませんでした。
その功績は本当にすごいものです。
お医者さんです。日本で医師の仕事をしていたらこんな目に遭うことはなかったのです。
医者としてのご苦労はあるとしても生活は十分保障されたものだったと思います。
パキスタンで医療活動に取り組むなかで1983年にペシャワール会を立ち上げ
ロシアが軍事侵攻して以来紛争が絶えず常にテロの脅威と隣り合わせの危険な状況下で
中村さんは医療だけではなく井戸掘りを続けたといいます。
現地は砂漠の地で大干ばつにあい雨が降らない水が無いということで
作物が育たない食べるものがないというなかで
「餓えや乾きは薬では治せない」と井戸を掘り水路をつくって農業を根付かせよ作物を育てようとしたのです。
日本の井戸掘りの技術を伝え自ら重機を運転して作業にあたったといいます。
今回の事件も作業現場に行く途中のことだったといいます。
「軍事より農業」という強い信念をもって現地の方々と信頼関係を築き活動されてきたのです。
貧しい生活のなかで若者がテロ集団に入り武器をもって闘う現実を見て
武器で平和にはならない貧困こそが戦争のもとという信念だったと思います。
世界の主要な国々日本もまた多くの軍事費を使っています。
そのお金がそのまま貧困対策に行き渡ったら餓えに苦しむ人々の大きな生活援助になるのでしょうが
世界のそれぞれの国々の思惑も絡んでそこは中々うまくいかない現実があります。
そこで中村さんをはじめ多くの有志の方々のまさに命がけの活動がなされてあるということです。
そこに困ってらっしゃる方がいたら助けを求めている方がいたら
何はさておき援助の手を差し伸べるといった活動はまさに仏菩薩の行です。
智慧と慈悲の仏さまのおはたらきです。
何が大切か本当に見てとり何をすべきか本当にわかって自ら実践するお方です。
人々と向き合いその人の苦しみ悩みを聞いて少しでもより良い方向にいくように
決してあなたを見捨てないという信念で自分にできることをさせていただくということです。
それは頭の中でいくら考えてもできることではありません。
私にできることは本当に難しい、小さな限られたことです。
ただ何もできないことではありません。
私にもできることがあると思うのです。
人と人とのつながり今日のご縁です。
仏さまのご縁にお互い遇うなかに南無阿弥陀仏の大きな大きなお心を聞かせていただき
日頃から私にできる精いっぱいのことをさせていただくことの大切さを
中村さんのこれまでの活動を通してまた思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.12.5)

「アミダさまは、あなたをほっとけない仏さま」
毎月ご本山から届く「仏教こども新聞」に今月のことばがあります。
12月のことばは「アミダさまは、あなたをほっとけない仏さま」です。
あなたとは私のことです。
ほっとけないとは見放すことができないいつも見ていてくださるということです。
どういう私なのでしょうか。
譬えで目の前を赤ちゃんが好奇心いっぱいに今まさに火に向かってハイハイして近づいていたら
皆さんだったらどうしますか?ずっと眺めていられますかと?
火のある危ない所に向かっていく赤ちゃんを見てとっさに駆けつけ抱き取って火から遠ざけるでしょというのです。
そのすがたがこのお立ち姿の阿弥陀さまというのです。
私たちは危なっかしい赤ちゃんのような存在です。
阿弥陀さまは座ってませんね寝転がったりもしてません。
いつもすーっと立ち詰めに立ってらっしゃいます。
いつも私たちのことをほっとけなくて共にあるご一緒してくださるお姿に
阿弥陀さまの南無阿弥陀仏のお救いの教えを聞かせていただきます。
ナンマンダブツとお念仏申すところ「私がいるよ大丈夫だよ。我にまかせよ必ず救う」と
南無阿弥陀仏のおはたらきとなって私を喚び続け
私のところに来てくださってこの口からナンマンダブツとお念仏が出てくださるのです。
そのこと一つ聞いてくれよお念仏申す身になってくれよというのです。
阿弥陀さまはこの私をほっとけない仏さまになってくださったのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.12.4)

今年の流行語大賞「ワンチーム」です
昨日年末恒例の流行語大賞の発表があって「ワンチーム」になったそうです。
ラグビーのワールドカップの日本チームのスローガンです。
日本開催で日本チームの大活躍があって大いに楽しませていただき日本中が大変盛り上がりました。
日本チームは多国籍の選手で構成されたチームです。
選手の半分が国籍が違い見るからに体格も顔つきも肌の色も違う選手たちが
一つの日本というチームになって戦うことに深い感動を覚えました。
今は多様性の社会といわれます。
人人みんな違うなかに一つの社会です。
日本にも今多くの外国人が住んでいて一緒に生活をしています。
大分のこの近くにも外国の方をよく見かけます。
言葉も宗教も生活習慣も違うお互いがそれぞれの違いを認め合い共に生きることが今まさに求められているのです。
共生です。共に生きる私たちはワンチームなのです。
共に生きることなくしてこの社会は成り立っていきません。
今スペインでCOP25という国連の会議があっています。
地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の実施に向けての内容ですが
温室効果ガスの排出量世界第2位のアメリカがパリ協定からの離脱を宣言しました。
同じ地球に住む者同士、アメリカも中国もインドもそして日本もどの国も同じ地球の住民です。
すべての国がワンチームになって取り組まなければ地球環境は危機に瀕し
次代に大きな負の遺産をのこすことにもなります。
ワンチームになることがいかに難しいことなのか。
何が邪魔をしているのか。
地球規模のことでいえば自国第一主義ということですし
突き詰めて言えば私が私がとどこまでも自己中心に生きる私のあり方が問われます。
仏さまはそんな私のすべてを見てくださってそして教えてくださっているのです。
仏さまの教えを謙虚に聞かせていただきましょう。
仏さまの願いは真のワンチームです。
それぞれ生活ぶりの違う私たちがお互いの違いを認め合い敬い合ってこの命を輝かせて生き抜き
一つ処のお浄土にすべてのものを生まれさせようと南無阿弥陀仏のおはたらきです。
南無阿弥陀仏のワンチームの一員として私にできることを精いっぱいさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.12.3)

これも仏さまのご縁です
昨日は満中陰のご縁で納骨にあがりました。
別府の鉄輪近くのお家でお勤めをし高速道路にのって光吉で下り木の上墓苑のお墓に納骨しました。
お寺を出て帰るまでに3時間半のご縁でした。
円光寺のご門徒は元々は三佐地区内にあったのですが
今は三佐から転出されたお家も多く方々に点々としてお寺からいうと遠く離れていきます。
円光寺は大分市内ですから大分の町中にお参りするとしてそんなに移動時間はかかりません。
でも例えば玖珠日田のお寺さんだったら福岡にご門徒があるとか大分市内にお参りするとかで
お家にあがってお勤めする時間以上に前後の交通の移動時間がかかるということです。
これも大切な仏さまのご縁です。
今のつながりですが遠いご先祖からのご縁つながりです。
このつながりも将来的には段々難しくなってくると思います。
ただお寺とのつながりのなかにご先祖のルーツいのちの古里を思っていただけたらと思うのです。
この思いは歳を重ねるなかで懐かしく芽生えてくるものではないでしょうか。
若いときは自分のことで精いっぱい生きることで精いっぱいでお寺のことなど無関心だった人も
人生を振り返るなかで思うこともあるのではないでしょうか。
仏さまのご縁です。
ご法事のご縁をいただいて先に往かれた大切な方の年齢と近づいてまいります。
「あの時おやじはおふくろはどんなことを思っていたんだろう」などと思うのも
仏さまのご縁です。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.12.2)

お念仏の心でさせていただくありがとう
さっき喚鐘を打っていますと雲に朝日があたって朝焼けがとてもきれいでした。
昨日は夕焼けが山にあたってすてきな光景を見ることができました。
自然の移ろいです。
四季折々日々の日暮しのなかに周りのことに目がいくようになった歳でもあるのでしょう。
今日から12月です。早いですね。本当に早いです。
師走といいます。それこそバタバタ12月も過ぎ去って行くのでしょうね。
12月に入ると歳末たすけあい運動ということで
お坊さんが列をなして托鉢をしているところがあります。
今は歳末に限ることなく自然災害も多く助け合いの募金活動がどこかここかで行われています。
助け合いです。助け合って共に生きていきましょうということです。
困っている人の少しでも何か力になりたいという思いいっぱいです。
ただ何かがあって助け合いということが言われますが
私たちのこの社会は自分一人で生きているのではなく
相互扶助お互いに助け合い支え合って生きている社会であり
生きていかなければならないのです。
今は隣の人でも関係ない見て見ぬふりをするような寂しい社会であるような感じがします。
そういうなかにあって歳末たすけあいです。
仏教で布施行といわれます。
六波羅蜜(ろっぱらみつ)という菩薩がさとりを求めて修める六つの行の最初の行で
歳末たすけあいに重ねていえば広く財物を施し見返りを期待しないということです。
布施の心をそのままお念仏の心といただきます。
南無阿弥陀仏のお心おはたらきです。
すべてのものを分け隔てなく救うという阿弥陀さまのおはたらきです。
私たちはどこまでも自己中心にしか生きることができない凡夫ですが
お念仏の心を聞かせていただきお念仏の心で歳末たすけあい運動に参加させていただきたいものです。
布施行は利他の行でそのまま自利の行です。
他を救うことで自らが救われるという布施の行をさせていただく有難さです。
「お念仏の心でさせていただくありがとう」と私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.12.1)
