本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

コンプライアンス

 会社の不祥事があった時にコンプライアンスという言葉をよく聞きます。
法令順守、決めごとを守りましょうということです。
 人と人が織りなす社会、組織や会社では決めごとをしていないと
各々が自分勝手なことをしていては組織の体になりません。
 
 人と人とでは約束事です。
約束事を守らないと人間関係が成り立っていきません。
 特に大きな組織になればなるほど法令ということが大事になってきます。
そこでまず法令を決めましょうということから始まります。
そして決めた以上はお互いに守りましょうというコンプライアンスです。
 言われてみればその通りですが、これが中々守れない人がここにいます。
守れない人がいるから法令を決めるということにもなります。
 
 このたびの吉本興業のことは反社会的な組織人との交際の問題から吉本自体の会社の問題になっています。
昔からの組織の体質がそのままで芸人・会社両者の会見でフアミリーとか家族という言葉が出ていました。
 一方は家族だったら親はどんな出来の悪い子どもでも守り通すと言い
もう一方は親がどうしようもない子どもに勘当やと言って本当に勘当するのではない
そこに親の大きな愛情があると言ったことが言われていますが
昔ながらの家族の関係でなく今や6000人の芸人を抱える組織で基本的なコンプライアンス
労働条件や報酬を明らかにする書面の契約が無く全て口頭で行われていたというから驚きです。
 
 今の時代今の社会で到底通用するものではなく、それを公の記者会見で言うことには大きな認識のずれがあります。
人が生きる人権の問題です。
権力者が自分の良いように使うことを縛るのがコンプライアンス法令順守の精神です。
 
 さて私たちの仏法もまた法です。南無阿弥陀仏の法です。
お念仏の法は私を縛るものではありません。逆に縛りから解放するのがお念仏の法です。
私が私がとこうしないといけないこうすると世間からひどい目に遭うと不安に慄く私を
この阿弥陀さまはちゃんと見てとって「どんなことがあっても決して見捨てることはない」と
いつでもどんな状況にあっても私に寄り添ってくださる仏さまに成ってくださったというお救いの法です。
 
 決して阿弥陀さまのお心に甘えるということではありません。
阿弥陀さまのお心に聞かせていただくのです。
阿弥陀さまのお心に適うことかどうかお念仏を申して聞かせていただきます。
 
 いつでもどこでも阿弥陀さまがご一緒ですという安心をいただいて
自分のはからいに縛られていたことから解放され
周りを見る目も自分中心の見方から仏さまのお心に添う見方に解放されて
より良い判断ができることになるのではないでしょうか。
 
 お念仏申して今日の一日も生かされて生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.24)

サマースクールから一夜明けて

 8月になりました。
昨日一昨日と一泊二日でサマースクールを行いました。
今年は61人という近年にない大人数の子どもが集まってどうなるか心配もありましたが
中高校大学生のスタッフ、お寺の仏教婦人会壮年会、そして保護者の皆さんのサポートで無事に終えることができました。
ありがとうございました。
 
 今年で39回になります。
ちょっと振り返ってみると私がこのお寺に帰って来てしばらくして第1回が28歳の頃です。
まだ結婚もしていません。新院も生まれておりません。
 そういうなかで子どもたちにサマースクールということでお寺のご縁に遇ってほしいと
ご門徒有縁の皆さんに呼びかけ始めて39年を迎えたということです。
 
 今回参加したなかにお父さんお母さんがサマースクールに参加したことがある子どももいたと思います。
お父さんお母さんから勧められて参加してくれたのかなと思います。
 お寺の本堂という異空間で子どもたちが共同生活するわけですから
自分の思い通りにならないこともあって子ども同士で言い合いになったり喧嘩になったりということもあるし
私も大きな声を出して叱ったこともあります。嫌なことです。
 
 嫌なこともあったと思うけれども振り返ってみればあの時円光寺でサマースクールがあって
暑い中を参加してみんな一緒にお寺に泊まって食事をして遊んだという思い出が一つご縁となって
次の子どもにそして孫にとつながって行くのが私たちのお念仏のご法義おはたらきだと思います。
 
 みんなつながってあるということです。
これまでもこれからもつながってあるというなかにまた来年も円光寺で会いましょうと閉会したことです。
 
 人と人とのつながりです。お念仏のご縁つながりです。
私がどうこうすることではなく仏さまの大きな大きなつながりのなかに生かされて生きているということです。
それは大切な方が亡くなった後もずっとずっとこれからもつながっていくという無量のいのちのご縁です。
 南無阿弥陀仏の大きなおはたらきのなかに私たちの大きな安心があると
サマースクールのご縁でまた教えていただきました。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.1)

京都も本当に暑かったです

 昨日京都に会議で行きました。
朝6時にここを出て夜の10時に帰って来ました。京都にいたのは6時間半です。
何ともバタバタ慌ただしいということです。
 
 京都も最高気温が35度超えの猛暑日で暑かったです。
ただ京都駅周辺の人は前に行った6月に比べてぐんと減っていました。
この暑さの中での観光はちょっと覚悟が要ります。
それぞれの夏の過ごし方です。
 
 昨日の会議で面白いデータを聞きました。
以前はお寺の周辺にご門徒さんの家があり三世帯四世帯の家族が一緒に住んでいましたが
今は核家族化が進みお寺の周辺からご門徒さんのお家が他所に移り
お寺とご門徒さんのご縁が段々と薄くなってきています。
 
 一つの統計ですが2時間以内の所だったらお盆のお参りやお葬儀法事のご縁は続くということです。
しかし2時間を超す関係だと、他所に出た人はお寺も直接知っていますが
その子どもや孫になると仏事のご縁は今住んでいる近くのお寺に頼むかもうそれっきりになってしまうというデータです。
 
 私たちの生活営みが本当に変わったしこれからも急速に変わっていくなかに
お寺とご門徒さん人と人とのつながり関係をどのようにもっていったらいいのかと協議する会議でした。
 30人ばかりの会議で2人の門徒さん以外はお坊さんだけの会議です。
それも主に60代70代の年輩のお坊さんばかりの会議でした。
 これからというのは若い方の大きな課題です。
若いお坊さんがこれからのお寺をどのように考えどのようにしていきたいのか
先輩方はちゃんと受けとめ聞いてお互いに知恵を出し合っていくことこそ肝要です。
 
 何分私たちお坊さんの社会はまだまだ遅れてます。
昨日も危機感がないという発言がありました。
 今やっていけているのならそれでいいのではないかということですが
将来の展望が全くないなかでの次の世代への責任転嫁です。
 お寺をめぐる社会の流れは想像以上にどんどん移り変わっているのです。
 
 そういうなかにこのお朝事のご縁です。日々平素のご縁です。
こうしたご縁を一つ一つ大事にして私にできる精いっぱいのことをさせていただきたいと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.30)

念仏家族というご縁つながり

 今は家族の形態が多様で変ってきています。
ある調査で、家族ということについて、親子の関係は家族というが祖父母との関係は親族ということを聞きました。
 
 日頃一緒に生活をしている親子は家族なのです。
おじいちゃんおばあちゃんはたまに家に来たりとか
夏休みにおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったりとかいう関係つながりだといいます。
言われてみればそうかなと思ったりもします。
 
 もう一つ葬儀の後の法事についての調査結果です。
今は葬儀をしない、葬儀をしても法事はしないところが増えてきて、法事を勤めても7回忌ぐらいまでで
それ以降の13回忌17回忌25回忌33回忌50回忌の法事は勤めないということです。
 
 今は超高齢社会になって90歳代の親の葬儀の喪主を70歳代の子どもが勤めるということで
70歳代の子どもが元気で勤められる法事の年忌は7回忌までかんということのようです。
 子どもが勤められなくても孫がいるではないかということですが先ほどの話です。
孫からいったら祖父母は家族ではない親族です。
ご法事の施主は直接の家族が勤めることで、親族になると法事の案内を待つ人になるわけです。
 
 こうした現実のなかで私たちはお念仏のご法義をどのように伝えていくのか
今まで通りのようなことをしていても中々先が見えない難しい事態が実際に起こっています。
 
 お念仏のご法義です。
私たちがこの人間界に生まれて来たのは仏さまのみ教えに遇うためなんだよと
お釈迦さまは私たちに教えてくださりお念仏の法を勧めてくださっています。
 
 日々の生活ぶりは皆さんそれぞれ違いますが
こうして毎朝お朝事のご縁にお参りされて今日の一日をご一緒に始めさせていただける
私たちはお念仏のご法義につながった念仏家族だといただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.27)

ご法事のご縁で家族になれる

 昨日ご法事がありましてお昼の2時からのお勤めでした。
二人の息子さんが遠方から家族連れで帰ってみえるということでした。
 
 お勤めの後で「今日は久しぶりに家族全員が揃いました」と聞きました。
二人の息子さんご夫婦に子どもさん二人の二家族で8人、計10人のご縁になりました。
 
 お孫さんからいったら七回忌のおじいちゃんのご縁です。
ご往生から6年が経ったということです。
 四人のお孫さんのうち1歳の子どもさんはおじいちゃんに直接会っていませんが
三人のうち一人は6歳になる子です。生れたばかりでおじいちゃんとお別れしたということです。
一番年長の子が小学6年生ということですから、小学校に入学して卒業するという6年です。
 
 昨日お話しましたが、今は核家族の形態が殆どで
家族といえば親子の関係を言いおじいちゃんおばあちゃんになると親族という見方があるそうです。
 ご法事のご縁に親族のお孫さんが帰ってみえたということです。
そして皆さんご一緒に御仏前に座ってお勤めができました。
 お孫さんは終始神妙な顔つきでした。
日頃そのお家で暮らしているわけではありません。
よその家です。ある意味そのお家のお客さんなのです。
 
 ただ皆さんご一緒にお勤めができて昨日の夜は10人でゆっくり食事をして過ごされると聞きました。
ご法事のご縁で家族になれるということです。
 家族になれるって、元々家族なのですが
それぞれ住む家が違いそれぞれの生活をしているお互いです。
 そのそれぞれを一処に集めてくださって家族にしてくれるのです。
 
 おじいちゃんは人の命を終えたけれどもおじいちゃんがおじいちゃんでなくなったわけではないよとお話しました。
人の命は終えましたが、仏さまのいのちとなっておじいちゃんの仏さまが
いつどもどこでもみんなのことを見守りご一緒してくださってあるのです。
 ナンマンダブツとお念仏を申すところにみんながずっとずっとつながってあるということです。
 
 今はご法事に子どもさんがお参りすることが本当に珍しくなりました。
直接の親子兄弟の関係が殆どでその他の親戚の方のお参りも見かけません。
 お孫さんにとっておじいちゃんおばあちゃんは命の大恩人です。
子どもの頃からご法事のご縁に遇うことは本当に大事なことなのです。
 
 今6年生の子が次の13回忌のご縁には高校3年生になります。
その年齢年齢で違う思いでご法事を迎えられることだと思います。
 
 仏さまのご縁は平素日頃のご縁です。いつでも仏さまのご縁に遇うことができます。
ただ自分のことで精いっぱい生きることで精いっぱいの私たちが日頃のご縁に遇う頃は本当に難しいことです。
だからこそご法事のご縁を大切に受け止め有縁の方に広く呼びかけて
精いっぱいお勤めさせていただきたいとまた思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.28)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
4
6
9
2
7
TOPへ戻る