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お念仏を申す生活法話

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色んなご縁つながりのなかにお念仏申させていただきます

 昨日親子連れの方が二人お遺骨をもってお参りされました。
数日前に電話があって、お父さんを亡くしたがお葬式をしていないのでお経をあげてほしいということでした。
 電話ではよくわからないこともありましたが、お寺でお勤めしますのでお遺骨をもたれてお参りしてくださいとお話し
昨日本堂でお勤めをしご法話して今後のことについてご相談というか色々とお話をさせていただきました。
 
 今現にお葬式をしないで直接火葬する直葬ということが大分でも増えているということです。
そしてお遺骨の行く先です。
どなたかに相談したら家に置いていてもいいと聞いて当分家に置いておきますということです。
 
 ただ納骨といいます。お遺骨を納めるということです。
然るべきところに納める。それは墓地であったり納骨堂であったりということですが
お墓がなくお墓を建てることも経済的に難しいということもあって
とりあえず家に置いておくということが多くなっているとのことです。
 
 お遺骨をもたれてお寺にお参りされたお気持ちが大事ですねというお話をしました。
とても大切なご縁のある方です。
 お話を聞きますと家庭的にもこれまでに色んなことがあったようです。
ただ今生に別れても死別してもご縁つながりはこれからもずっと続きます。
親子の縁です。夫婦の縁です。深い深いご縁つながりです。
 
 この人間界に生まれて生きて、この人の命は終わりますが死んだらお終いのいのちではありません。
この命は「必ず救うまかせよ」の南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
阿弥陀さまのお浄土に往生して仏さまのいのちにさせていただくとお聞かせいただきます。
 先に往かれた方もお浄土の仏さまならば後に遺った私たちも必ず仏さまのいのちにさせていただくのです。
 
 先に往かれた方を後に遺った人が仏さまと敬い
先に往かれた方はお浄土の仏さまとなって後に遺った有縁の人たちをずっとずっと護ってくださるのです。
 
 お経をあげて供養しないと先祖が浮かばれないと言われる方がいらっしゃいます。
大切なご先祖は仏さまに成ることなく今もずっと迷いの世界にうごめいているのでしょうか。
 お経は先祖供養のための手段道具ではありません。
私たち浄土真宗の所依の経典を浄土三部経といい親鸞さまは『大無量寿経』を真実の教と明かされます。
阿弥陀さまの本願念仏の救いの法南無阿弥陀仏が説かれたお経さまです。
 お念仏の法は先に往かれた方も後に遺った人も同じお浄土の仏さまに成らせていただくという教えです。
 
 先ほど拝読したご和讃の最後に
「安楽浄土にいたるひと 五濁悪世にかへりては 釈迦牟尼仏のごとくにて 利益衆生はきはもなし」とありました。
お浄土に往かれた者はお釈迦さまのようにこの世に還って来て人々を救うおはたらきをするというのです。
 南無阿弥陀仏のおはたらき、大きないのちのつながりのなかに私たちは共々に生かされて生きてあるということを
お家お家のご事情人人の人生それぞれ色々ありますが
同じお念仏の法南無阿弥陀仏のみ教えを聞かせていただきたいと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.5)

ご門徒皆さんのおかげでお盆前の大掃除ができました

 昨日はご門徒皆さんで盆前の大掃除をしていただきました。
暑い中に掃除を終えて皆さん車座になりキャンデーをほおばりながら隣の人とお話になりました。
 「円光寺はすごいな。こんなにたくさん人が集まってくれて」と言われます。
お寺をあずかる住職としてこれほど有難い心強いことはありません。
 このお寺は一人二人でできることは本当に限られています。
まさにご門徒さんが支えてくださるお寺なのです。
 
 昨日は50人ばかりの方がご加勢してくださいました。境内の駐車場に車がたくさんでした。
皆さんをお見送りする時にちょっと気をつけて見ていましたら、沖地区の方が車三台に分乗して来られていました。
10人以上の人だったと思います。
 
 今沖地区は本当に寂しい状況です。
環境整備で道は広くきれいになりましたが、家は少なくなり円光寺のご門徒はどんどん減ってきています。
そして住んでいる方も高齢者が殆どで一人暮らしの方も多くいらっしゃいます。
 
 三佐には4か寺のお寺がありその中でも檀家門徒の数でいうと円光寺が一番多いといわれます。
それは漁業を生業とする特に沖地区の方が近年三佐以外の方々から移り住み門徒になって分家して
門徒が増えてきたことに由来します。
 
 そうした多くのご門徒さんに円光寺は支えられてきたという歴史があるのです。
ただ現実は会社勤めの方が多くなり海を離れて三佐地区外に移り住みこれからも地区内のご門徒は増々減少していきます。
 
 こうした現実にしっかり向き合い今後のお寺の護持運営を考えるとき
その基本は私たちのご法義お念仏の声かけだと思うのです。
 日頃から「いっしょにいこうえ~」とお念仏の声かけをしましょうと言っています。
もちろん私の方からお寺からも声かけをさせていただきますが、やはりご門徒皆さんの声かけです。
 皆さんのすぐ隣の人に「いっしょにいこうえ~」と声かけをしましょう。
ただ沖地区の場合、お年寄りです、歩いて来るってこんな暑い中ではとんでもないことでバスもありません。
それで車です。車に乗り合わせてお寺に行こうと声かけをしてご一緒してほしいと思います。
 
 他地区の方もそうだと思います。私一人の寺参りと言うけれどもやはり二人三人一緒に参る方が心強いし楽しいです。
南無阿弥陀仏のご縁つながりのなかに私たちのお寺があるのです。
 お念仏の声かけの元々の発信地は阿弥陀さまのお浄土南無阿弥陀仏のおはたらきですが
私たちのお念仏の先人ご先祖有縁の方々のお念仏の声かけがあって
皆さんも私も今こうして阿弥陀さまの御仏前に座らせていただいているということです。
 
 私たちの阿弥陀さまは背中を向けてる私にも常に声をかけてくださっています。
すーっとお立ちの阿弥陀さまのおすがたはいつでもどこでも私のことを思い取り
私が振り向くまで飽くことなく立ち詰めに立って喚び詰めに喚んでくださってあるのです。
 
 私の口からナンマンダブツとお念仏が出てくださいます。
南無阿弥陀仏の声となりいつでもどこでも私と共にいてくださる阿弥陀さまの心強いおはたらきです。
 お念仏のご縁をいただき今ここにお参りできている喜びをすぐ隣の人に伝えてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.4)

一人一人が尊いいのちを生きている

 先月の京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者35人のうち10人の身元が昨日公表されました。
この公表についてはプライバシーを守るという点から慎重にということですが
報道機関ではこうした事件報道については原則実名を報道するということです。
 
 35人お一人お一人の尊い命があった日々の生活があり人生があったということです。
その尊い命が奪われたという重い現実を社会全体で共有し
今後こういう事件が起こらないようにこの社会のあり方についてもお互いに考えていきましょうという趣旨です。
 
 近年多発する自然災害や事件事故でたくさんのお方がお亡くなりになっています。
そのなかの一人として私は実際にお会いしたこともないし人となりを知るわけでもありませんが
同じこの社会時代に生まれてそれぞれの生活ぶりですが夢をもち希望をもって生きていた
その一度っきりの人生が一瞬にして断ち切られるのです。
この私我が身に置き換えてみたらとんでもないことです。
 そのことに私たちお互いが思いを寄せていきましょうということです。
 
 私たちの阿弥陀さまのお救いです。
阿弥陀さまのお救いはいつでもどこでものお救いです。
過去現在未来を貫き十方衆生を漏れなく救うと南無阿弥陀仏とおはたらきです。
 私たち一人一人の命にいつでも寄り添いどんな人も分け隔てなく必ず救うとの本願念仏のお心を聞かせていただき
この私一人一人が南無阿弥陀仏の尊いいのちにつながって生かされて生きてあることを有難く思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.3)

バリアフリーの社会をめざして

 昨日は臨時国会が招集されてこの前の参議院選挙で当選された方が初登院されました。
今回れいわ新選組から当選された重度の障がいをもつ二人の議員さんも大きな車椅子で
介護の方が何人か付き添って登院されました。
 
 バリアフリーと日常よく聞くことですが、現実はバリアフリーの社会になっていません。
このお寺がそうです。階段がいくつもありバリアだらけの構造で車いすの方が一人でお参りすることがかないません。
 国会もこのたび二人の方が登院できるように急きょバリアフリー化されたということですが
まだまだできていないところもたくさんあり、これを機会に改善がはかられ
障がいをもつ方がよりよく生活できる社会になるような議論が国会で活発になることが期待されます。
 
 障がい者に対して健常者という言い方があります。普通の人ととも言ったりします。
普通の人ってどんな人のことを言うんでしょうか。
 障がいをもたれた方は普通の人ではないのでしょうか。
 
 私たちのものの見方はどこまでも自分を中心にしたものです。
健常者が普通の人ならば障がい者は普通の人ではないという見方です。
 ただ障がい者から見ると障がいをもって生活することが普通なのです。
 
 今は多様性の社会と言われます。
色々なものの見方考え方の人がいて様々な生活ぶりの方がそれぞれ自分にとって普通に生きています。
障がいをもつ方も皆と一緒に会って話をしたり勉強したり食事をしたり遊んだりと普通に暮らせる社会が望まれます。
 
 仏さまは私たちをみんな凡夫と見られています。
凡夫とは普通の人です。
 親鸞聖人は煩悩具足の凡夫と阿弥陀さまが見抜かれたとご自身をいただかれています。
私が私がとどこまでも自分を中心に生きて苦しみ悩み迷っている私のことです。
 体に障がいをもつ方ももたない方も心にいくつものバリアを張って私たちはみんな生きています。
阿弥陀さまはこの私を凡夫と知らせてそのまま救うとおはたらきです。
 みんな凡夫普通の人と知らせてとは認めてということです。
大きな大きな南無阿弥陀仏のお心おはたらきでこの私をそのまま引き受け救うのです。
 
 私が私がといくつものバリアをつくって生きている私たちお互いです。
阿弥陀さまのお心とは随分かけ離れた私の心生活ぶりです。
 
 お念仏のみ教え南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただきましょう。
仏さまのようにできることはなくても仏さまのようなお心で
周りの方々に接しお互いに認め合う社会をつくることにもつながることです。
 お念仏申して私にできることをさせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.8.2)

地獄の話

 仏教浄土真宗では地獄のことをどのように説きますかという質問です。
浄土真宗はただ念仏一つのおはたらきで阿弥陀さまのお浄土に往生し救われて仏に成ると
お浄土のことは説きますが地獄のことはあまり詳しく説くことはありません。
 
 ただ以前はこのお盆の時期には地獄の釜が開くという話もありますので
地獄絵図を掲げて絵解きをし地獄のお話をしていたようです。
 仏教で地獄を説かないのではありません。
六道輪廻といって地獄餓鬼畜生修羅人間天上という六道六つの迷いの世界を経巡っているのが迷いの私たちだと説きます。
 
 他人の話ではなくこの私は今人間界に生まれて生きていますが
人間界に生まれる前があったその前もあったその前もその前もその前もあったという話です。
それが地獄だったか餓鬼の世界だったか畜生だったかは分かりませんが
六道世界を経巡りずっとずっと迷い続けて今この人間を生きているのがこの私というのです。
ということはこれからもこの人間の命を終えた後もずっと迷い続けていくということです。
 
 今人間に生まれて生きているということは一つは今までずっと罪を重ねてきたから人間に生まれたということであり
もう一つは人間に生まれていよいよ仏さまの教えに遇うご縁をいただいたということなのです。
 
 ご縁をいただいていますね皆さん、仏さまのお話を聞かせていただいています。
この私一人をこそ必ず救うとおはたらきの阿弥陀さまという仏さまのお話です。
この阿弥陀さまはどんな人もすべて等しく救うというのです。
 
 もう一つ質問がありました。
阿弥陀さまのお救いはどんな人も救うといいますが、本当にどんな人も救われるのですかということです。
近年の極悪事件の犯人も、どんな悪いことをした人でも阿弥陀さまは救うのかということです。
 
 阿弥陀さまのお救いに今生の救いと来世の救いがあります。
御文章さまにもありますがお経さまに「浄土には往き易くして人無し」というお言葉があります。
 阿弥陀さまが建立されたお浄土は十方衆生を救うと誓願成就された世界で
どんな人も等しく救われて往くというどんな人も往き易いのです。
 でも続いて人無しと説かれます。
阿弥陀さまがどんな人も救うとお浄土を用意されていてもお浄土に往生する人がいないというのです。
 
 阿弥陀さまのお浄土を疑う者がいるということです。
その疑う者こそ、この私なのだと聞かせていただきます。
 阿弥陀さまの大きなお心お手回しに背中を向ける私です。
 
 ただこの阿弥陀さまは決してあきらめません。
ありとあらゆる手立てを講じて南無阿弥陀仏とおはたらきなのです。
 この世で救われなくてもまた来世に私がどのような迷いの世界に生まれるかわからないけれども
どこまでも追っかけてくるというのです。
追っかけて追っかけて追っかけて最後の最後救い取るのです。
 これがどんな人も救われる、必ず救い取られるということなのです。
 
 では今救われているのかというと、それは私が判断することではありません。
ただ私が今お念仏申す身にさせていただいていることは
この私が人間界に生まれて来たというご縁をいただいたということです。
そしていよいよ阿弥陀さまのお浄土に生まれ六道輪廻の苦を離れてさとりの仏さまに成らせていただけるのです。
 
 そのこと一つ南無阿弥陀仏のおはたらきです。
隣の人のことではありません。私一人のことです。
その思いでどうぞこれからもご縁ご縁に遇わせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.7.20)
円光寺
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大分県大分市三佐3丁目15番18号
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