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お念仏を申す生活法話

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グリーフケア〜悲しみのご縁をそのまま仏さまのご縁といただきましょう

 6時の梵鐘をついて西の空低く満月が大きく輝いて見えました。
秋から冬へ移り行く夜明けのなか月の光がさえて私を照らしてくださいます。
 
 昨日一昨日とお通夜お葬式のご縁がありました。
大切な方とお別れをするという悲しみのご縁です。
 家族そして親族友人と人生を共に歩んできた人です。
人と人との出会いの中に私たちはいつかは必ず別れなければならないことは知りつつも
何か心の奥底に喪失感を覚えます。
 
 グリーフケアといわれます。グリーフは悲嘆、ケアは世話です。
大切な人との別れのなかで後に遺った方の悲しみ嘆きに寄り添い支えていく営みです。
 長い間一緒に暮らし病気になって看病してきた連れ合いの方がお亡くなりになり
精神的にも肉体的にも疲れが残ってこれからどうして生きていけばいいのか
大きな不安の中にある方々です。
 
 グリーフケアの会で皆さんが集まってお互いにいろんなお話をします。
そこに支える人がいます。カウンセラーであったりいろんな立場の方が寄り添い支えてくれます。
 
 お葬儀のご縁で仏さまのご縁をいただきます。
日頃これまでお寺にご縁のなかった方が御仏前に集い一緒にお勤めをし仏さまのお話を聞きます。
 お坊さんの出番役割です。
これまで何度も経験させていただいたご縁ですが
悲しみのご縁をそのまま仏さまのご縁といただけるグリーフケアです。
 
 先に往かれた方が私たちにつくってくださった仏さまのご縁です。
まさに御仏前の指定席に皆さんそしてお坊さんも私も座らせていただきます。
 
 仏さまのご縁です。大切に丁寧にお勤めさせていただきます。
臨終勤行から始まってお通夜お葬儀そして七日七日のご縁です。
 
 死んだらお終いではなかったのです。
ずっとずっとこれからもつながっていくのです。
先に往かれた方も後に遺った方々もそしてお坊さんの私もそれぞれにお役があるということです。
 
 一つ一つの仏事を私のこととして丁寧にできることを精いっぱいさせていただきましょう。
南無阿弥陀仏の大きないのちのおはたらきのなかに共々に生かされて
今こここの私を生き抜かせていただきたいと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.13)

ご自宅でお葬儀のご縁です

 昨日お通夜今日お葬式のご縁です。
今は葬儀社でのご縁が一般的になりましたが久しぶりにご自宅での通夜葬儀です。
家族だけでお家でしたいという喪主の意向です。
 
 よく家族葬といわれますが家族葬の定義があいまいで
お参りしたら親族縁者の方がいっぱいの葬儀もあります。
 昨日のお通夜は本当に家族身内だけでした。
家族だけの葬儀だからお家でできるのです。
 車社会の現在、駐車場の確保が問題なのです。
 
 私が小さい頃はどこもお家でお葬式をしていました。
近所の隣保班の方が仕事を休み総出でお手伝いしてみんなでお葬式を行っていました。
 今思えば大変なことです。
仕事を休むということです。
今は隣の家のお葬式に仕事を公然と休むことなどとても考えられません。
 そして近くのお家も借りて使わせていただきます。
お斎というお膳を出すお家があります。
別にお寺のお坊さんの控えのお家が要ります。着替えをしたりします。
 
 お葬式をお家でするということは隣近所の方にお世話になるということですが
お互いさまと助け合い支え合ってきたということです。
 いつの頃からか近所にお世話になるということが迷惑をかけるということになり
迷惑をかけたくないという理由で施設が整い職員もいる専門葬儀社に場所が移り
家族葬ということでお手伝いも要らないお参りも結構ですという所が多くなったのです。
 
 お家を離れて葬儀社です。
それが良いとか悪いとかいうのではありません。
これが今の時流なのです。
 
 ただお家でお葬式をさせていただく意味を思います。
昨日のお通夜でいいますと懐かしいお家です。平生の生活していたお家です。
この家でこの部屋で過ごした思い出を苦楽を共にした家族が
最後の夜を通してお話をするという一生に一度のご縁なのです。
 
 円光寺ではお寺での葬儀をご門徒皆さんに呼びかけ勧めていますが中々難しい現況です。
お寺は敷居が高いと言われ日頃お寺にご縁がない人にはお寺でのお葬儀は何か気の毒い思いがあるようです。
 だからこその日頃からのご縁なのです。
日頃からお寺に親しんでほしいと思います。ご縁ご縁にお寺にお参りしましょう。
 
 このお寺はご門徒皆さんのお家です。
命終の縁にお家の阿弥陀さまそしてお寺の阿弥陀さまにお礼をしてお浄土参りをさせていただき
この目に見える姿はお遺骨となりますがこのお寺に帰ってみえて
お浄土から仏さまと還ってみえてこれからも遺った私たちを護り導くというおはたらきを
南無阿弥陀仏とさせていただけると聞かせていただきます。
 
 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに今日一日もお念仏の日暮しをさせていただきたいと思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.12)

報恩講に向けて円光寺がワンチームになります

 昨日は天皇陛下の即位をお祝いする「祝賀御列の儀」祝賀パレードがあってテレビで観ました。
今朝の新聞の見出しで11万9千人の方が沿道でお祝いしたということです。
 大変な思いをしてその場に行かなくてもテレビの方がよく見えるのですが
先のラグビーの試合観戦のように臨場感を楽しむ人が多いということです。
 
 沿道の人に「見えましたか」との質問に
「人の後ろ姿ばかりで少しも見れなかった」と笑顔で答えていました。
 
 テレビを観ていて沿道の人の殆どがスマホを高くかざしていた様子が大変印象的でした。
前回の平成天皇の祝賀パレードでは日の丸の小旗を振る人が多かったと思いますが
今は日の丸ではなくスマホです。
 
 時代の流れです。
めまぐるしく移り変わる時代の変遷のなかにあって一連の皇位継承の儀式を思います。
 日本は天照大御神以来の神の国と言われます。
今も日本には天皇はじめ皇族方がいらっしゃってそれぞれお役目をつとめていますが
時代の変遷とともにそのあり方は大きく変わってきました。
 
 戦後日本国憲法のもとで天皇は象徴天皇として公務をつとめています。
「大変だなあ」とテレビに出演の天皇陛下のお友だちがつい漏らしていました。
 大勢の周知の中で30分間沿道の人々に手を振り微笑みかけ続けるのです。
まさに行です。大変な難行苦行です。
 
 昭和の暗い戦争の歴史から平成天皇になって各地で地震台風などの大災害が続きましたが
被災地を何度もまわり被災された方々に寄り添う天皇皇后両陛下のお姿に
皇室への親しみ感が増しているように思います。
 
 昨日は天気に恵まれて日本各地でも多くの行事がありました。
三佐公民館では恒例の校区ふるさとまつりの行事もありました。
 
 お寺も11月は月末の親鸞聖人御正忌報恩講という一年で最も大事な法要行事に向けて準備に入り
先日8日にはお菓子(落雁)つくりをしました。
 14日は大掃除16日はお菓子色付け23日はお飾りつきおみがきと続きます。
大変な大行事ですがご門徒皆さんにご協力いただきできることです。
 円光寺がワンチームになります。
寺を預かる住職としてこれほど有難く嬉しいことはありません。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.11)

大きな安心のなかに生かされて生きる

 昨日二人の男性の方がお寺にお参りにみえました。
初めてお会いする方です。
二つのお骨をもってお参りされました。
 
 二人は兄弟で弟さんの子どもさんのお遺骨です。
長男の方が17年前に次男の方が昨年亡くなったということです。
 お二人の歳格好からいいますと70代半ばの方のようにお見受けします。
 
 お遺骨を持ってらっしゃったのはお家にずっとお遺骨を置いていたということです。
お墓は遠方にあるということですが納骨できないままに今日まできたといいます。
 
 これまでに浄土真宗のご縁があったということですが
何で円光寺でしたかと聞きますとネットで見ましたと言われます。
 円光寺のホームページを開設していることで円光寺のことを知ったということです。
 
 本堂のご尊前でご一緒にお勤めをさせていただきました。
聖典をお配りし声を出してお勤めされていました。
 お勤めの後いつものようにご法話お取り次ぎをさせていただきました。
「三日前のお電話からのご縁ですが何か今ご一緒にお勤めをしていると
ずっとずっと以前からご縁をいただきつながっているような思いがします」とお話しました。
 仏さまのご縁、南無阿弥陀仏のつながりです。
 
 これからのことお遺骨をどうされるのかご法事をどうお勤めされるのかはわかりませんが
これも仏さまのご縁です、どうぞ何でもご相談してくださいと言ってお別れしました。
 
 今はお葬儀をしないところが増えていると聞きます。
決まったお寺さんにお葬儀を頼まない、お葬儀の時だけお坊さんにお勤めしてもらうところもあるそうです。
 ただお遺骨が残りどこに納骨するかご法事のお勤めをどうするかと
後になっていろんな不安を抱えることになり困ってらっしゃる方があると思います。
 
 皆さんよかったですね。
浄土真宗円光寺のご門徒であることの有難さです。
 今日もこうしてお寺の本堂阿弥陀さまのご尊前でご一緒にお勤めができているということです。
そばにはお念仏のお友だちがたくさんいらっしゃいます。
 
 皆さん南無阿弥陀仏のご縁につながって
私たちは今も安心先も安心これからもずっとずっと大きな安心のなかに生かされて
今日一日もお念仏を申すなかに過ごさせていただけるのです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.10)

ここはお念仏? それとも拍手?

 昨日は中津の扇城学園の創立120周年の記念式典に出席しました。
前の扇城高校今は東九州龍谷高校で女子バレーの強豪としで全国的に有名です。
大学も幼稚園もあって全体で扇城学園といいます。
 
 明治32年1899年の創立で大分県の私学で最も古い歴史をもつ伝統ある学校で
地域の方々にもずっと親しまれてきていることから
昨日は大分県知事から中津市長、国会議員県会議員市会議員大分県中津市内の学校関係者
そして地元の方と幅広い分野からたくさんの人が体育館に集まっての式典でした。
 
 浄土真宗本願寺派(お西)の宗門校といって親鸞聖人の開かれたみ教えを建学の精神にする学校です。
献灯献花に始まる仏式の式典でした。
 一般の出席者にも親しみやすい音楽礼拝のお勤めでした。
その後挨拶が続きましたがちょっと戸惑うことがありました。
 
 まず理事長の式辞そして京都の本願寺からご出向されたご門主さまからお言葉がありました。
お二人とも僧侶お坊さんです。
スーツにネクタイの上から布袍というお衣と輪袈裟を着けています。
 終わって会場は拍手はなく私や周囲の方々はお礼をしました。
 
 一般の会ではここは拍手だと思いますが
私たちのお寺の社会お寺で行われる会のご縁では
会が始まる前に「ご法話の後は拍手ではなくお念仏でお礼をしましょう」とアナウンスがあります。
 そのことが徹底されてというか挨拶の後もお念仏申すことが当たり前のようになっています。
ただそれはお寺のなかのことで皆さんご縁の方の会ということです。
 
 さて次に来賓挨拶になりました。
 まず大分県知事さんです。
終わって一斉に拍手があったかというと周りを見て促されるようなワンテンポ遅れの拍手になりました。
 次に袈裟衣を着けた来賓の方の挨拶です。
終わって拍手はありましたが疎らなものでした。
 
 宗門校とはいえ一般の方々が多くいらっしゃる中でのそれも挨拶です。
何か変な感じでした。
 これって本当に戸惑いますよね。
遠方から来られた来賓の方に何か失礼なような気もします。
 
 拍手をしようがしまいがありがとうございますというお礼の気持ちを伝えるということです。
何か皆さんがすっと受け入れられることができないものかと思ったりしました。
 
 このたびのご縁をいただいて宗教教育の大切さを思います。
公立学校ではできないことも私学だからこそできることがあるということです。
 お寺という場もまた仏さまのみ教えを聞かせていただく宗教教育の場です。
昨日も龍谷学園の若い生徒学生さんの口からお念仏の声が出てくださっていました。
 120年の歴史先人が伝えてくださった尊いお念仏のみ教えを
次の人たちに送っていくことの大切さをまた思いました。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.9)
円光寺
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大分県大分市三佐3丁目15番18号
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