お聴聞の心得です
昨日は満中陰のご縁をいただきました。
49日の中陰期間中七日七日のご縁にお参りします。
ご往生の時からお通夜お葬式七日七日のご縁があって四十九日の満中陰です。
お家のお仏壇の御前でご一緒にお勤めをさせていただきます。
大切なお方とお別れをする悲しみのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただきましょうとご法話お取り次ぎさせていただきます。
初七日から満中陰まで7度のご縁です。
私も住職を継いで二十数年になり多くのご門徒衆のご往生にあってご法話をさせていただきますが
何度もご縁をいただくなかで同じ話になってきました。
お家によってはこの間に2回も3回もご縁があり
ご親族が参り合うところでは何度も何度も同じ話を聞かれるようなことです。
ただお話自体はいつもの同じ話ですが
お話をさせていただく私もそうですがお聴聞される皆さんもこのご縁は
今こここの私のために仏さまからいただたご縁だということです。
お聴聞の心得に
一、このたびのこのご縁は初事(はつごと)と思うべし
二、このたびのこのご縁は我一人(われひとり)のためと思うべし
三、このたびのこのご縁は今生最後(こんじょうさいご)と思うべし
とあります。
私たちの日々の生活は自分のことで精いっぱい生きることで精いっぱいで
仏さまのご縁に遇うことは本当に難しいことです。
そういう私が今ここ仏さまの御仏前に座らせていただいていることの有難さです。
南無阿弥陀仏の同じお話です。
阿弥陀さまがこの私一人を必ず救うとおはたらきの法を聞かせていただくのです。
どうか聞いてくれよと聞かせていただくなかに
この人生思い通りにならない色んなことがある人生だけれども
ナンマンダブツとお念仏を申すなかに生き抜かせていたき
命終わって死んだらおしまいではなくて浄土に生まれて仏さまとなり
この世に還って来て南無阿弥陀仏のおはたらきをさせていただくのです。
大きな大きな南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかに生かされてある今日一日ただ今という
心ひとつにご縁ご縁にお聴聞させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.20)
霧の朝になりました
昨日までの雨が上がり今朝は霧が出ています。
そんなに深い霧ではありませんが
毎朝いただくお正信偈さまのなかに「雲霧」という言葉が三度続けて出てまいります。
「貪愛瞋憎之雲霧(とんないしんぞうしうんむ)」と貪りや怒りの煩悩の心を雲や霧に譬えて
「常覆真実信心天(じょうふしんじつしんじんてん)」といつもまことの信心の空をおおっているといわれます。
それは「譬如日光覆雲霧(ひにょにっこうふうんむ)」とたとえば日光が雲や霧にさえぎられるようなことだが
「雲霧之下明無闇(うんむしげみょうむあん)」とその下は明るくて闇がないのと同じであると
その前の「摂取心光常照護(せっしゅしんこうじょうしょうご)己能雖破無明闇(いのうすいはむみょうあん)」に返って
阿弥陀仏の光明はいつも衆生を摂め取ってお護りくださっているとのお示しです。
高僧和讃第六祖源信大師讃の
「煩悩にまなこさへられて 摂取の光明みざれども 大悲ものうきことなくて つねにわが身をてらすなり」
をあわせていただきます。
煩悩に眼をさえぎられて
あらゆるものを摂め取るという阿弥陀仏の光明を見ることはできないが
その大いなる慈悲は見捨てることなく
常にわたしを照らしてくださっているとのことです。
雲や霧のような煩悩に覆われて阿弥陀さまの摂取の光明のおはたらきのなかにあることに気づかない私に
阿弥陀さまはあくことなく私を照らし護り気づいてくれよ聞いてくれよとおはたらきなのです。
摂取の光明に遇うことがないままにこの命終えていく人生はこれほど空しいことはないとの仰せです。
毎朝お正信偈さまのお勤めをさせていただきます。
親鸞さまが私に届けられたお手紙です。
南無阿弥陀仏のおはたらきのなかにご一緒に阿弥陀さまのお浄土への人生を
今日も一日生きていきましょうねと有難く読ませていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.19)
いよいよ学校が始まります
緊急事態宣言が一部解除になって各県で対応は違いますが
大分では今日から小中学校が分散登校で再開するということです。
来月からは通常に戻り夏休みは大幅に短縮されるとのことです。
新型コロナウイルス感染防止のための学校の休校は
安倍首相の休校要請に伴い3月初めから始まりました。
期限を切ってのことでしたが
その後コロナ感染が拡大するなかで
次々と学校再開が延期になって今日まで来たということです。
学校休校のインパクトは私たちの社会に大きなメッセージとなり
その後私たちの市民生活にも自粛の波が大きく及び
社会経済活動にも大きな影響が出ています。
緊急時事態宣言がいつまで続くのか
出口戦略ということが大きく言われ始めています
学校は私たちが暮らす地域社会にあって大きなシンボルです。
学校に通う子どもたちの姿に私たちは元気をもらい未来への希望を感じて
日々の生活を生き生きしたものにしてくれます。
西洋の町には学校と教会は欠かせないものでした。
町の誰もが親しめるところがあって健全な町づくりができたのです。
今の実態からは想像できないでしょうが
日本でいえばお寺です。
お寺は地域の教会であり学校でもあって
公民館や福祉施設でもありました。
病院の役割を担っていた時代もあったのです。
いよいよ学校が始まります。
お寺もこの三か月は全く法要行事ができませんでしたが
ぼちぼち動き出そうと思います。
新しい生活様式ということがいわれます。
コロナ前のように戻ることは難しいでしょうが
お寺のあり方を見直すチャンスにして
ご門徒有縁の皆さんにこれまで以上に親しんでもらえるお寺になっていきたいと思います。
私たちの日々の生活です。
コロナ前も今もコロナ後もお念仏申す生活です。
お寺にお参りされる皆さんのお念仏申す姿を見て
一人でも多くの方がご一緒に仏さまのご縁に遇ってほしいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.18)
お念仏のご利益お救いです
今日明日のご和讃は現世利益和讃です。
両日とも「南無阿弥陀仏をとなうれば」で始まります。
お念仏申すご利益です。
ご利益を言わない宗教はありませんが
私たちの浄土真宗のご利益はお念仏一つの救いです。
お念仏のおはたらき一つで救われるというのです。
ただご利益救いといって
病気治癒や商売繁盛家内安全交通安全という
私の思いを神や仏に祈願して成就することを求めるご利益救いではありません。
自分の思い通りに生きたくても生きられない
思い通りにいかない苦しみ悩み迷いのなかに生きる私を見て取られた阿弥陀さまが
そのまま救う必ず救うと南無阿弥陀仏のおはたらきで
私のところに来てくださってあるとお聞かせいただく阿弥陀さまの摂取不捨のご利益お救いなのです。
南無阿弥陀仏のお心一つ聞かせていただくことが肝要です。
「南無とは帰命なり発願回向の義なり。阿弥陀仏はその行なり」と
今日の御文章さまにいただきました。
帰命とは「帰せよの命」阿弥陀さまの仰せとのお示しです。
「われにまかせよ」との阿弥陀さまの願いおはたらきです。
阿弥陀さまは法蔵菩薩の因位のときに
十方衆生あらゆる世界の生きとし生けるすべてのものを
「必ず救う」とご本願をお建てになり南無阿弥陀仏のお名号に成就されました。
南無阿弥陀仏はこの私を救う願も行も成就された
「われにまかせよ必ず救う」の阿弥陀さまの仰せおはたらきなのです。
その仰せを「はい」とそのまま受け入れて「おまかせします阿弥陀さま」といただきます。
阿弥陀さまの大きなお慈悲に摂め取られて今日一日も
お念仏申して阿弥陀さまのお浄土への人生を共々に生かされて生きて往きましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.17)
仏教婦人会総連盟から『法話集』が届きました
昨日から大変大きな雨になっています。
本来でしたら今日は仏教婦人会の総会で明日が親鸞聖人のお誕生をお祝いする降誕会(ごうたんえ)法要ということで
天気が本当に気になるところでした。
円光寺では前住職の時から40年以上もの間降誕会でバザーをして
地域の皆さんにも大変喜ばれています。
毎年のことでお手伝いしていただくご門徒衆には大変お世話になります。
円光寺のバザーを楽しみに待ってくださっている方も多いのですが
今年はコロナ禍で中止させていただきます。
昨日仏教婦人会の総連盟という全国の組織から「法話集」の冊子が送られてきました。
コロナ感染拡大防止のために全国的にお寺のご法座が中止になっており
お聴聞の機会に恵まれないという声を聞かせていただくなかで
「法話集」をお届けすることになったということです。
大変有難いことです。
ご法座は仏法お聴聞の場で私たち浄土真宗門徒にとって
毎日の食事をいただくように欠かすことができないものです。
南無阿弥陀仏の阿弥陀さまのお心おはたらきを聞かせていただきます。
どのような状況にあってもお聴聞を大切にする心を忘れないで
今できることをさせていただきましょうと送付文にありました。
コロナ禍で何もかもが中止中止ということですが
私たちの日々の営みはそれぞれのところで続いています。
コロナの中を生きているのです。
この生きる依りどころをお念仏といただくのが
私たち念仏者浄土真宗門徒の日々の営みです。
こうしてお朝事をずっと毎日続けさせていただいています。
皆さんに開かれているお寺の仏さまのご縁です。
どうぞご縁ご縁に皆さんそれぞれの思いをもってお参りしていただきたいと
お朝事のご縁を開かせていただいています。
今はネット社会でネットでご法座のようすを皆さんに配信する試みもあるようですが
円光寺は毎朝お朝事のお勤めをするなかに皆さんと共々に日々の生活
お念仏を申す生活を始めさせていただけることを本当に有難く思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.16)