「その手は桑名の焼き蛤」
2020-08-04
東海道中第42宿の三重の桑名の宿です。
昨日の熱田神宮の宮の宿から7里28キロの船旅をして
着いたところが桑名の宿です。
桑名の名物といったらハマグリです。
「その手は桑名の焼き蛤」ということわざが有名です。
うまい話を持ちかけられても騙されないということで
その手はくわないと桑名にかけています。
仏教的にいいますと
私たちが行う身口意の三業に十悪があります。
殺生、偸盗、邪淫は身で行う身業です。
三毒の煩悩の貪欲、瞋恚、愚痴は心で行う意業です。
それぞれ3つですが残りの4つ一番多いのが
口で行う口業なのです。
「口は災いの元」と言われるように
妄語(嘘をつく)
両舌(二者に異なることを言って仲違いさせる)
悪口(人を悪しざまに言う)
綺語(誠のない飾った言葉)の4つの口業です。
うまいことを言って相手をだます
「その手は桑名の焼き蛤」の類も口で行う悪業です。
そんな悪業が出るこの口から
今日も南無阿弥陀仏のお念仏が出てくださいました。
阿弥陀さまの大悲のお心おはたらきがこの身に届いて
この口から南無阿弥陀仏と出てくださる有難さです。
ナンマンダブツとお念仏申す身にさせていただき
阿弥陀さまがいつでもどこでもご一緒です。
お念仏申し南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただいて
今日一日もお念仏の日暮らしをさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.4)
照ノ富士復活優勝
2020-08-03
東海道中第41宿の宮(みや)の宿です。
宮とは熱田神宮のことです。
宮の宿から次の桑名の宿までは陸路ではなく海路です。
七里の渡しといって約30㎞の船旅です。
東海道中唯一の海路です。
熱田神宮は当時も名所で宿場が大変賑わったそうです。
昨日はサマースクールで猛暑の炎天下に
お手伝いいただき有難うございました。
コロナ対策で屋外でのバーべキューでしたが
暑かったですからかき氷が飛ぶように出て
子どもたちが大変喜んでいました。
やっぱり暑い時には冷たいものですね。
寒い時には温かいものが喜ばれます。
昨日は大相撲7月場所の千秋楽で
元大関の照ノ富士が5年ぶりに復活優勝しました。
横綱候補の一番手と言われ破竹の勢いでしたが
両ひざに大けがを負い病気にもなって
序二段という最下位の序ノ口の手前まで番付が落ち
去年の春場所に再出場して序二段から約一年で
三段目幕下十両と駆け上がり今場所再入幕して優勝です。
これまでの大相撲史にもない鮮やかな復活劇です。
元々力のある力士なのですが
力があってもケガや病気には勝てないこともあるのです。
何度も何度も師匠に引退したいと伝えにいきましたが
師匠は「まず体を治せ」と言って励ましたそうです。
大相撲の世界は昔ながらの階級社会です。
十両幕内に上がって関取となり初めて認められますが
幕下以下は関取衆の付き人をして雑用などの世話をし
小遣いをもらってちゃんこも作ったりします。
照ノ富士は実績がありましたから
部屋の親方や力士がどう接していたかわかりませんが
人生そのものを投げ出してしまいたいような逆境の中で
ケガに向き合い鍛錬を重ね優勝を勝ち取ったのです。
地獄を見たものが天国に駆け上がるような劇的なもので
私たちが体験できるようなものではありませんが
子どもたちが暑い中でかき氷をかきこんで喜んだように
皆さんの人生にもそのような体験がありませんでしたか。
苦難の中に夢をあきらめ投げ出したくなるような時に
声をかけてくれる人が支えてくれる方が
いらっしゃるということです。
皆さんのすぐ周りの隣の人です。
日頃は当たり前のように思って気づかないけれども
実はそういう方々が私を支えて
私のことを一番思ってくれているということなのです。
私たちは仏さまのご縁をいただき
ナンマンダブツとお念仏申す身にさせていただきました。
お念仏申すところ阿弥陀さまがご一緒です。
私のことをいつでもどこでも見てくれていて
南無阿弥陀仏「必ず救うまかせよ」とおはたらきです。
私を思ってくれてる人がいると知らされて
私たちはどんな苦難の中も生きていけるのです。
決して私は見捨てられることなく
阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされているのです。
あなたがいてくれて本当によかった
本当に生きててよかったと
お念仏申すなかに今日も生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.3)
お念仏に生かされて一日一日を大切にお浄土への人生を生きて往きましょう
2020-08-02
東海道中第40宿の鳴海(なるみ)の宿です。
愛知県名古屋市に入ります。
広重の浮世絵はどの宿場も3点ずつあって
宿場町のそうすがそれぞれ描かれていますが
鳴海の宿は3点すべてが有松絞の店のものです。
有松の地区は有松染絞りで有名で
町にはお店が並び繁盛していたということです。
まさに鳴海の宿の名物です。
有松絞を求めて旅をする人が多かったのでしょう。
今日はサマースクールをします。
今年はコロナ禍でいつもの1泊2日ではなく一日の会です。
今年でサマースクールは40回目です。
40宿40回と同じ40です。
ただこの40回は一年に一回のことですから
第1回から40年が経ちました。
日数でいったら14500日です。
一日一日の積み重ねがあって一か月
一か月一か月の積み重ねがあって一年
一年一年を40回積み重ねて40年です。
私事でいうと40年歳を重ねてきました。
色んなことがありました。
あっという間に40年が経ったということですが
この身は確かに老いていき病むこともありました。
生きることは老いて病んで死んでいくことと
生老病死の四苦を逃れられないわが身を実感します。
本当のことです。
そこだけでこの人生を生きる意味を思うと
思い通りにならない身の事実に憂鬱になります。
仏さまのご縁に遇って
南無阿弥陀仏の救いの法を聞かせていただきます。
老いて病んで死んでいく人生そのままが
阿弥陀さまのお浄土への人生と聞かせていただけます。
南無阿弥陀仏の大きなお慈悲に抱かれて
お念仏申して老いていき病んでいき
命終わってそのままお浄土参りをさせていただけるのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.2)
お寺参りの楽しみです
2020-08-01
東海道中第39宿の池鯉鮒(ちりゅう)の宿です。
愛知県の知立市です。
知と立という字ですが昔は池に鯉に鮒に池鯉鮒と書いて
ちりゅうと読んだそうです。
池鯉鮒の宿は江戸日本橋から約330㎞のところにあって
当時は歩いて10日間で旅をしたと言われます。
知立神社に池があり鯉や鮒がいたということで
鯉や鮒の川魚の名物で知られていたといいます。
名物の美味しいものを訪ねていく旅の楽しみです。
長旅の道中疲れがでてきますが
池鯉鮒に行けば美味しい鯉や鮒が食べられるという
楽しみで元気が出るということです。
8月に入りました。
8月は盆月でお盆参りが始まります。
今朝一番に本堂を開けるのに本堂が蒸せ返るように
暑かったので戸を開け放しにしました。
何でこんな炎天下にお盆かということですが
仏さまの楽しみといただきましょう。
一年一度のお盆の時節です。
遠くから故郷に家族が子や孫が帰ってきます。
皆さん一堂に御仏前に身を置いて
ナンマンダブツとお念仏を申して
阿弥陀さまご先祖有縁の仏さまにお礼をさせていただきます。
仏さまの楽しみです。
明日はサマースクールで夏の行事が続きますと
一月があっという間に過ぎていきます。
一日一日を大事に大切に生きていきましょう。
お朝事のご縁にナンマンダブツとお念仏を申して
阿弥陀さまがご一緒の今日一日を始めさせていただきます。
お寺参りの楽しみです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.1)
梅雨が明けて本格的な猛暑の夏到来です
2020-07-31
東海道中第38宿の岡崎の宿です。
徳川家康が生まれた岡崎城があります。
広重の浮世絵には「矢矧(やはぎ)之橋」とあります。
町中を流れる矢矧川にかかる470mの街道一の長い橋です。
その橋を大名行列が渡っていくようすが描かれています。
昨日ようやく梅雨が明け朝から汗が吹きだす暑さです。
雨が降るのも困るけど暑いのも困るといって
何が一番いいのでしょうか。
大自然の恵みをいただいて生きている私たちですが
大自然の営みは人間が思うように制御できるものではなく
良くも悪くもうまく共存共生していかねばなりません。
コロナの感染者が95日ぶりに大分県にも出て
東京大阪名古屋の大都市圏を中心に
連日感染者数が記録更新し続けています。
ウイズコロナとコロナとの共存共生が言われますが
コロナとうまく付き合っていくといって
これもまた私たちの思い通りになるものではありません。
あらゆるいのちのつながりのなかに
私たちは共に生かされて生きていると
仏教の縁起の法を聞かせていただきます。
大自然の営みのなかにコロナも私も生きているのです。
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
生かされて生きていると
阿弥陀さまのお心おはたらきを聞かせていただき
お念仏申す生活をさせていただきます。
「困ったときはお念仏に相談しなされや」と
この人生は私一人で生きて思い通りになるものではなく
お念仏のつながりのなかに阿弥陀さまに相談して
今私にできることをさせていただく大切さをお示しです。
阿弥陀さまがいつでもどこでも私とご一緒くださり
決して見捨てることなく必ず救うとおはたらきです。
お念仏申し阿弥陀さまがご一緒してくださってあると
生きる力をいただきます。
南無阿弥陀仏の大きな大きなお慈悲の中に
今日も一日生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.31)