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お念仏を申す生活法話

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甲子園の土入りキーホルダーです

2020-06-09
高校野球夏の甲子園大会が中止になって
阪神タイガースの監督選手が発案し全国の高校球児に甲子園の土の入ったキーホルダーを贈ることになったそうです。
 甲子園を目ざした最後の試合をすることなく高校生活を終えていく高校3年生軟式部員を入れて5万人に
阪神の監督コーチ選手スタッフが直接グラウンドから土を集めてということです。
 
 高校時代同じように甲子園出場を目標に野球に打ち込み頑張ってきた者だからこそ
球児の心情を思いはかってのことです。
 「ただ単に物を贈るのではなくて、ぼくたちが土を集めることで
みんなが応援しているよという思いが球児に届いてほしい」と監督のコメントです。
 
 誕生日や人生の節目のプレゼントや年末年始の儀礼的なことは
お互いに負担になるので止めましょうという昨今の風潮のなかで
贈り物はその人の思いが届けられるということです。
 その時だけのことではなくてあなたのことを思っているよ忘れないよというしるしです。
 
 南無阿弥陀仏のお名号は阿弥陀さまのお心いっぱいの私への贈りものです。
「必ず救うまかせよ」という力強いおはたらきです。
 
 南無阿弥陀仏のおはたらきが今日もこうして私に届けられ
私の口から「おまかせしますありがとう」とお念仏が出てくださいます。
 
 親鸞さまからお正信偈御和讃が蓮如さまからは御文章さまのお手紙が毎朝届けられます。
「一人じゃないよ私がいるよ大丈夫だよ」のお喚び声に支えられて
いろんなことがあるけれども今日も一日お浄土への人生を歩ませていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.9)

大自然のいのちの営みのなかに生かされています

2020-06-08
コロナ感染の死亡者が欧米諸国に比べて日本が少ないことについて
麻生大臣が「それは国の民度が違うから」と発言されました。
 民度とは生活文化の程度でレベルが違うというのです。
日本は欧米諸国より民度が勝っていると誇らしく言いたかったのでしょう。
 
 欧米はロックダウンといってパリやロンドンニューヨークが都市封鎖され異常な光景でした。
一方で日本東京は外出自粛の要請というなかで緊急事態宣言が解除になりました。
 これは国民の頑張りということでいいわけですが
それぞれの国の生活習慣とか民族性とかいろんなことが言われています。
 
 単純に比較することはできませんが
西洋の生活文化と東洋の生活文化は根本的に違うということです。
 長い歴史の中で培ってきた生活文化の背景にある
キリスト教と仏教の思想文化の違いといってもいいでしょう。
 
 西洋の歴史はキリスト教とともにあった歴史であり
神中心人間中心の思想文化です。
 神が人間をつくり人間は他の動物とは違って
牛や豚は人間の食料として生まれてきたという言い方もされます。
 神が自然を支配し人間が自然を支配するといったものの見方にもなります。
 
 ところが東洋の思想仏教のものの見方は衆生や有情といって
生きとし生けるものを人間だけではなく牛や豚も野菜も草木に至るまで
すべてのいのちが等しく自然の中に生かされてあるというものの見方なのです。
 いのちの見方が大きく異なるのです。
 
 地球ができて46億年人類が誕生して700万年といわれます。
人間の有史でいったら4千年5千年の歴史です。
 そして私たちの一生は長くて100年です。
地球ができて多くのいのちが誕生してつい最近出てきた人間が
地球上の何もかも取り仕切っているような今の世界のあり様です。
 
 人間中心に何でも人間の思い通りにわが物顔に好き勝手にしてきた私たちの
最高に豊かで便利な生活にレッドカードを突き付けたのが今回のコロナ禍ではないでしょうか。
 幸福の追求という人間の欲望のままに開発という名の自然破壊を続けてきた
私たち人間への大きなしっぺ返しともいえます。
 
 大自然の大きないのちの営みの中に生かされてあるというものの見方こそ大事にして
私たちの生活のあり方を見直す時だと思います。
 それは私の日々の生活の小さなところからの取り組みです。
 
 お念仏のご法義をいただきます。
南無阿弥陀仏の大きないのちのおはたらきつながりのなかに私たちは共々に生かされてあると聞かせていただきます。
 それは私一人だけのことではなく隣の人もみんなそうだし
人間だけではなく生きとし生けるものすべてが南無阿弥陀仏のいのちの営みのなかにあって
今は人間として生まれて生きていますが
死んだらおしまいではなくて南無阿弥陀仏の自然の大きな営みに還っていくというすごい教えです。
 
 阿弥陀さまに成られて十劫です。
劫という時間の単位は46億年をはるかに超えることです。
 私が生まれる前から地球が生まれる前から阿弥陀さまはこの私一人のことを見てとって
必ず救うというご本願を建てられ南無阿弥陀仏と成就されて今ここにおはたらきです。
 
 大きな自然の営み南無阿弥陀仏のおはたらきのなかに生かされて
今日も一日私にできることを精いっぱいさせていただきましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.8)

仏さまのお心がすっとこの身に入ります

2020-06-07
毎朝お正信偈さま御和讃御文章さまと、親鸞聖人蓮如上人のお手紙をいただきます。
御和讃は通常六首の繰り読みですが、七首の時もあり今日は最大の八首でした。
 高僧和讃の最後第七祖の源空聖人法然さまのご事績を讃えるご和讃で明日からは正像末和讃になります。
 
 和讃は和語で書かれた讃歌という意味で日本独特の話し言葉で
親鸞聖人が阿弥陀さまのお徳を讃えられたものです。
 お正信偈、阿弥陀経、讃仏偈、重誓偈などご門徒皆さんも読まれるもので
お経は一般に漢文で書かれていますから読んでそのまま意味がすっと入ってくることではありませんが
こうして御和讃そして御文章を繰り返し巻き返し毎日拝読させていただくなかですっと言葉が入ってくることもあります。
 
 仏さまのご縁です。
仏さまご縁をいただくなかにいよいよお念仏を申す身にさせていただく有り難さを思います。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.7)

横田滋さん

2020-06-06
拉致被害者家族会の横田滋さんが昨日お亡くなりになりました。
娘のめぐみさんがいなくなって43年
北朝鮮による拉致が分かって他の拉致被害者と家族会を結成救出活動を始めて23年
北朝鮮が拉致を認め5人の被害者が帰国して18年
これまでずっと拉致被害者の救出を訴えて全国全県を巡る活動は皆さんの知るところとなり
中心的なシンボルとしてその温和な言動が全国民の大きな共感をよびました。
 
 娘に一目会いたい抱きしめたいとの親の情父の願いかなわずです。
拉致の事実が分かってすぐ近くの国のことなのに小さな消息すら教えてもらえない
横田さんの半生は人と人家族を引き裂く大きな政治の壁に翻弄され続けたものでした。
 家族会という立場で個人的な感情を極力抑えていつも穏やかに対処していた横田さんが
めぐみさんの死を通告されたときは人目もはばからず嗚咽されました。
どうしようにも何もできない父の無力さ歯がゆさだったと思います。
 そして北朝鮮から送られてきためぐみさんの遺骨が別人物のものだと判明したときの怒りは
強く深く心底からこみあげてくるものでした。
 
 ご心労はいかばかりだったかと思いますが
娘を助けたいという父親の思い一つでここまで生きてこられたと思います。
 横田さんの言動に接するにつけ慈父ということを重ねて思います。
お慈悲のお父さんです。
 どんなことがあってもあなたを決して見捨てない必ず救うとおはたらきの仏さまです。
 
 横田さん夫妻はひと時もめぐみさんのことを忘れることがなかったといいます。
その思いはお慈悲のおはたらきとなって遠く離れためぐみさんに届いていると思います。
 国とか政治とか私たち人間のはからいでもって妨げられるものではありません。
碍りない仏さまのおはたらきのなかに私たちは共々につながっていると
私の思いはからいを超えてみんなつながっているとお念仏のみ教えに聞かせていただきます。
 
 ただ悲しいです。凡夫の情です。
何でこんなことが起こるのか残念です。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.6)

南無阿弥陀仏の伝言掲示板です

2020-06-05
昨日テレビのニュースで駅の構内の伝言掲示板の話題がありました。
神奈川県の都市の駅で元々あった掲示板は取り払って使っていなかったといいます。
 今のような携帯電話のない時代に伝言掲示板は待ち合わせの連絡確認だったり
連絡不明の人を探す人と人とをつなぐまさに伝言板でした。
 今はスマホで即座に連絡がつく時代になって掲示板は無用なものになったということですが
このコロナ禍のなか入社3年目の若い女性駅員さんが伝言掲示板の復活を思いついたというのです。
 
 個人的な伝言ではなく名前も知らない会ったこともない人を思って
あなたの思いを言葉にして伝えてくださいということです。
 黒板にチョークで書きます。
一日終わったら時間を決めて全部消します。
 一日限りのことですが
その人人の思いを言葉に託して書くのです。
 
 コロナ感染防止の最前線にいる医療従事者の方へのお礼の言葉が書かれています。
看護師さんが書いた家に残した子どもや家族へのメッセージもあります。
 皆さんそれぞれにこれまで経験したことがない生活の中で
周りの人のことを気遣い思いやる言葉が並んでいるということです。
 
 一人の女性がずっとしばらく掲示板を見つめていてチョークを取られました。
その方へのインタビューが紹介されました。
 会社勤めで仕事はテレワークで会社に行かなくてもできたのですが
緊急事態宣言が解除になって久しぶりに会社に出社することになって初めての通勤日で
2か月間家に引きこもっていたというのです。
 ネットで顔が見れたり声が聞けるけれども
ずっと実際に人と会っていないなかで寂しさが募り不安になってきたというのです。
 掲示板でいろんな人人の生活や思いを知ってみんなとつながっていたと思ったそうです.
みんな人人がそれぞれの生活の場で頑張って生きていることを掲示板の言葉が教えてくれたというのです。
 特にその方が感謝の言葉を言われたのが医療従事者をはじめ
生活のインフラを支えてくださっているお仕事の方々でした。
 
 ステイホームで自粛生活をしていても
生きることは食べることで食料品店の方がいます。
食べることはごみを出すことでごみ収集のお仕事の方がいます。
公共の施設や交通機関で働く方も私たちの生活に欠くことができません。
 私たちの生きる基盤を支えてくださっている方々です。
名前も知らない会ったこともない多くの人たちに支えられて生きていることに気づかされ
本当にありがとうございますと感謝の思いで御礼を書きましたと涙ながらに言われていました。
 
 つながりです。つながっているのです。
私たちはすぐ近くに人がいてもつながりを感じることができない世の中になってしまっていたのではないでしょうか。
 伝言掲示板を通して人人がつながっていきます。
つながっていることの安心を思います。
 
 お寺の伝道掲示板今月のことばは「コロナ禍が教えること あたりまえが有難い」です。
当たり前のように思っていたことが決して当たり前ではない
有ることが難しいなかに私たちの生活があるのです。
 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに生かされて生きている私たちの生活です。
お念仏申して共々につながって生きている有難さに大きな安心をいただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.5)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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