ご先祖の仏さまはいつでもご一緒です
2020-08-14
東海道中第52宿の草津(くさつ)の宿です。
草津追分の言葉があります。
東海道と中山道の分岐点になります。
東海道53次中山道が69次で木曽街道といいます。
分岐点といいますと人が集まるところです。
宿場町には二つの役割があって
一つは広重の絵にたびたび出てきますが
旅人が宿泊したり茶屋で名物を食べたり休憩する所で
もう一つが物流の分岐点です。
「名物立場(たてば)」と題した広重の絵には
30人ぐらいの人が宿場町の茶屋を中心に描かれています。
早籠です。先を急ぐ旅人でしょう。
二人で担ぐ籠ではなく四人が前後二人ずつで
元気な者に交代していくんでしょうね。
そして物流です。
今のようなトラックや車がありませんから
大きな籠に物を積んで何人かで担いで運びます。
その当時の人々の動力のすごさを思います。
13日14日15日のお盆の三が日です。
昨日は納骨堂のお参りが大変多かったと聞きます。
納骨堂いっぱいに色んなお供え物があふれています。
微笑ましいです。
ペットボトルのお茶や缶コーヒービールがあります。
そしてお菓子やだんごなど
この人はこんなものが好きだったんだなと偲ばれます。
お供物は各お家で持ち帰ってもらいますので
盆明け16日には見事に元通りの納骨堂の風景に戻ります。
納骨堂といいお墓といい
ご先祖のお遺骨を納めているところです。
どういう思いで皆さんお参りされるのでしょうか。
会いに行くんですね。
会いに行っても懐かしいお姿を見ることは叶いませんが
お遺骨を通して会いに行くんですね。
会いに行かなくてもいつでも会っていると
仏さまの方がもうすでに私に会いに来てくださっていると
聞かせていただきます。
今日の御和讃に「多々のごとく捨てずして
阿摩のごとくに添いたもう」とありました。
先に往かれたお方は仏さまとなって
父母のようにいつでもどこでもご一緒くださっています。
私たちのこの目で見るとお墓や納骨堂のお遺骨です。
ご先祖を偲びナンマンダブツとお念仏申します。
お念仏申すところ南無阿弥陀仏のおはたらきで
ご一緒くださってあるのです。
会いに来てほしいと先に往かれた仏さまの願いです。
会いに来てくださっているこのお寺です。
お寺の納骨堂にご縁の方がたくさんお参りです。
仏さまの御前御仏前に座らせていただきます。
仏さまの願い南無阿弥陀仏のおはたらきです。
仏法を聞いてくれよ仏さまの教えを聞いて
お念仏を申す身になって
人の命終わるときそのまま私と同じお浄土に生まれて
仏となりこの迷いの世に還って人々を教化してくれよと
浄土真宗の教えです。
仏さまのご教化にあずかるお盆のご縁です。
ご教化に遇ってご先祖を仏さまと仰いでいける
お念仏申す生活です。
それはお盆の三が日だけではなくて
これまでもそうだったしこれからもずっとずっと
ご先祖の仏さまと共に南無阿弥陀仏とお念仏申す生活を
させていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.14)
初盆のご縁でご一緒にお勤めさせていただきます
2020-08-13
東海道中第51宿の石部(いしべ)の宿です。
滋賀県の湖南市です。琵琶湖の南になります。
明日は草津そして大津を経て終点の京都です。
いよいよ東海道中も終盤もうちょっとのところです。
逆に京都から江戸に向かうお伊勢参りのコースもあって
皆さん最初に頑張るんです。
京都を早立ちして石部に夕方着くということで
京都三条から石部まで8里半約34㎞の行程です。
何か頑張ったら行けそうですが
たっぷり一日かかります。
昨日の夜は本堂で盆法要門徒初盆会をお勤めしました。
コロナの影響でどれくらいお参りされるのか思ったら
たくさんのご門徒有縁の皆さんがお参りされて
冷房で締め切って三密どころではありませんでした。
家族でお参りの方がありました。
小さな子どもさんも一緒です。
涼しい本堂で皆さんご一緒に大きな声で
お正信偈のお勤めができました。
初盆のご縁で初めてお寺参りされた方も多くいて
皆さんが大きな声で一緒にお勤めする様子を見て
すごいなと感動した人もいるのではないでしょうか。
仏さまのご縁です。
仏さまがお念仏申す私たちにしてくださるといただきます。
今日明日と二日間で初盆のお家にお参りします。
今は三佐内より地区外のご門徒が半分以上になりました。
今日は最初が別府のご門徒さんです。
別府を早立ちして大分そして三佐に帰って夕方です。
京都を出発して石部にたどり着くということに重ねて
東海道中お念仏の旅も後三日お盆も15日まで後三日です。
仏さまのご縁に遇わせていただく気持ち一つに
精いっぱいお勤めをさせていただきたいと思います.
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.13)
今年のお盆の過ごし方
2020-08-12
東海道中第50宿の水口(みなくち)の宿です。
昨日の土山の宿に続いて滋賀県の甲賀市です。
ここは干瓢(かんぴょう)が名産で広重の浮世絵にも
何人かの女性が干瓢作りをしている姿が描かれてあります。
広重の絵には庶民の生活ぶりが
生き生きと描かれていて本当にいいですね。
今日8月12日は毎年いつもでしたら
朝早く薄暗いうちから仏教壮年会はじめ男性のご門徒衆に
盆踊り大会の舞台づくりをしていただくのですが
今年はコロナ禍で盆踊り大会が取り止めになり
静かな8月12日の円光寺の朝になりました。
夜は7時から本堂で恒例の盆法要と門徒初盆会を
あわせてお勤めさせていただきます。
どうぞお参りください。
いつもお盆のご縁でお話することです。
「静かなお盆になりました。寂しいお盆になりました」と
初盆のお家にお参りして挨拶しますが
初盆のご縁ほど賑やかなお盆のご縁はないというお話です。
遠くから家族が帰省します。
親族も集まります。そして有縁の皆さんがお参りです。
賑やかにお飾りされた御仏前に多くの方々が集まり
ご一緒にお勤めをさせていただきます。
先に往かれた仏さまが後に遺った私たちに
命がけでつくってくださった仏さまのご縁と戴きます。
今年はちょっと事情が違いますが
お盆の仏さまのご縁に変わりありません。
御仏前に皆さんご一緒してご先祖を偲び
コロナ禍の生活を振り返って新たな生活のあり方を
仏さまのみ教えに聞かせていただくのも
いいのではないでしょうか。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.12)
甲子園で高校野球の交流試合です
2020-08-11
東海道中第49宿の土山(つちやま)の宿です。
京都に向かう旅の人は鈴鹿峠を越えて
伊勢の国三重県から近江の国滋賀県に入ります。
滋賀県の甲賀市です。
広重の浮世絵の題は春之雨です。
かなり強い雨が降っている様子が描かれています。
雨の多い所だそうで
「坂は照る照る鈴鹿は曇るあいの土山雨が降る」と
坂の宿鈴鹿の宿土山の宿をうたっています。
昨日は甲子園で高校野球の交流試合が始まりました。
春の選抜夏の選手権と今年はコロナ禍で
甲子園の大会が中止になりましたが
選抜に出場が決まっていた32校を甲子園に招待して
各チーム一試合だけの交流試合する粋なはからいです。
小さい頃から甲子園を目ざして野球に取り組んできた
全国の高校球児を代表してあこがれの甲子園で
思いっきりはつらつとプレーしてほしいものです。
昨日の開幕試合に大分商業が出て
今日は明豊と大分県から二校が出場します。
無観客試合でブラスバンドや声援いっぱいの
色とりどりの応援風景はありませんが
野球音が聞こえて野球の醍醐味を味わえ楽しいものです。
金属バットの鋭い打撃音や投球の捕球音とかで
何といってもベンチから聞こえる選手たちの声です。
それゆけやれゆけガンバレと
大きな声がグランド中にこだまします。
選手には大観客の大声援が大きな力になりますが
甲子園で野球ができる喜びにあふれて
生き生きとプレーする選手たちの姿がよかったです。
選手宣誓でも試合後のインタービューでも
何度も選手から出てきた言葉が感謝です。
どんなすごい選手でも一人で野球はできません。
9人でチームになり相手をいれたら18人が必要です。
それだけではありません。
控えの選手そして監督スタッフの方がいてくれて
家族や応援してくれる人たちをいれると
本当に多くの方々に支えられてあるということなのです。
周囲の大きな力おかげさまに支えられていることを
選手一人一人が思い一番の人生の宝ものにして
これからも生きてほしいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.11)
コロナ禍のお盆のご縁
2020-08-10
東海道中第48宿の坂下(さかのした)の宿です。
三重県の亀山市です。
鈴鹿峠の難所にあって広重の浮世絵には
筆捨岳の山が描かれています。
筆を捨てると書きます。
著名な絵描きさんがこの山を描こうとして
美しさのあまりに筆を捨てて断念したという由来です。
絵の右端に茶屋があって旅の人が何人か休憩していて
一人が筆捨山の方をほれぼれと眺めている様子です。
今朝の新聞にお盆の帰省をどうするか
皆さん色々と悩まれているという記事がありました。
コロナ禍にあって初盆に東京から帰るのがはばかれ
このたびは帰省を取り止めた人がいます。
帰ると決めたけれども
帰ってどう行動していいのか心配だといいます。
コロナ禍でのお寺の対応も載っていました。
感染を考慮してお家へのお盆参りをやめたお寺もあります。
円光寺でも今お盆参りをしていますが
年に一度お盆にだけお参りするご門徒さんから
お盆参りのお断りの申し入れがありました。
お盆の法要をネット配信してるお寺もあるようです。
それぞれのお寺でのさまざまな取り組みです。
毎日10数件のお家にお参りします。
マスクを着けたり感染防止に心がけていますが
人と人が接するなかで感染することも起こりうることです。
目に見えないだけに絶対大丈夫とは言い切れませんが
それぞれの人人の対応にまかせるしかないと思います。
その人その人が思ってすることで
誰彼からこうしなさいこうしないといけない
と言われることではありません。
お寺のご縁は阿弥陀さままかせのお念仏のご縁です。
お盆の期間中もずっとお寺の門本堂の戸は開いています。
納骨堂もお参りされる方が多くなってきました。
お飾りもきれいにされて納骨堂がにぎやかです。
日常生活の中にお念仏申しお礼をさせていただく
ご本尊の阿弥陀さまをいただいている有難さです。
コロナ禍の不安ななかにも
安心できる私たちのいのちの帰依処です。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.10)