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お念仏を申す生活法話

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青い空と白い入道雲にかき氷

2020-08-07
 東海道中第45宿の庄野(しょうの)の宿です。
三重県の鈴鹿市です。
 鈴鹿サーキットというオートレース場で有名ですが
山の中にあるところです。
 
 広重の絵は白雨と題したものです。
白雨とは夕立とかにわか雨のことです。
 山中の坂道を人が激しく往来しています。
突然の雨風でびしょ濡れになって籠を担ぐ二人がいて
他の一人は番傘をさして今にも吹き飛ばされそうに
急ぎ足でかけています。
 人々の生活感があふれる光景です。
 
 夏の絵を描くときの定番はというと
「男はつらいよ」フーテンの寅さんの最後の
夏の場面を思い出します。
 青い空に白い入道雲そして涼感をそそるかき氷です。
 
 最近入道雲がもくもくと出る光景を
あまり見ないような気がします。
入道雲が出ると夕立です。にわか雨です。
 通り雨でちょっとどこかに雨宿りしていたら
すぐ上がる雨です。
蒸し暑さをもっていって涼風をいざないます。
 
 今の雨は違います。
しとしと降る雨でもなく集中豪雨です。
何時間も何日も続いて集中して
大きな災害をもたらす厄介な雨です。
 
 今盆参りの最中ですが猛烈な暑さに閉口します。
大分市で昨日は34度でした。
 日本各地で35度超えの猛暑日も当たり前になりました。
37度38度超えで40度に届くこともあってもう病気です。
 
 毎朝体温を測っていますが要注意ゾーンが37.5度です。
コロナ感染対応で37.5度以上の方は
自宅待機で注意勧告です。
 
 日本国中がレッドゾーンの赤信号です。
異常気象というけれども異常が異常ではなくなり
当たり前になる怖さです。
 
 そういうなかに私たちの生活です。
お一人お一人生活ぶりは違いますが
同じ南無阿弥陀仏のお念仏のおはたらきのなかに
生かされ安心して生きる力をいただきます。
 
 ナンマンダブツとお念仏を申して
今日も一日お浄土への旅をご一緒させていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.7)

お念仏のみ教えが今ここに届けられたこの私のつとめです

2020-08-06
 東海道中第44宿の石薬師(いしやくし)の宿です。
通称石薬師寺というお寺があったそうです。
 西福寺というお寺ですが薬師仏をご安置していることで
親しみを込めて石薬師寺ということです。
 旅の道中の安全を祈願する人がお参りしたといいます。
 
 広重の浮世絵はただ単なる情景画ではなく
そこに生きる人々の生業が生き生きと描かれています。
 石薬師寺の絵には野良仕事をしている人がいます。
稲刈りが終わって藁を野積みにしている光景です。
 秋が深まり冬を迎える準備をする頃です。
人々の服装を見ると薄着で粗末なものです。
 今の私たちの生活からは想像できない
その当時の人たちの生活ぶりが垣間見えます。
 
 厳しい生活環境の中で
お念仏申す生活を思います。
 
 昨日からお盆参りが始まりました。
ご門徒皆さんのお家にお参りしますと
お家のお仏壇が平生より一層きれいにお飾りされています。
 お盆を迎える心意気を感じます。
お仏壇のお荘厳にお念仏申す思いが伝わって有難いです。
 
 ご先祖から綿々と伝えられてきたお念仏のみ教えです。
今を生きるこの私のところに届けられ日々の姿形になって
後に続く次の世代に送っていくお念仏の営みです。
 
 東海道中のお話は江戸時代ですが
江戸から数えて400年以上が経ちます。
 親鸞聖人からは850年蓮如上人からは600年です。
南無阿弥陀仏のお念仏のつながりのなかに
私たちはずっと生かされてきたのです。
 
 今を生きる私たちのつとめを思います。
お念仏を申し南無阿弥陀仏のお心を聞いて
今日一日の生活をまた精いっぱいさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.6)

遠い昔のお念仏の先人の本山参りを想いうかべます

2020-08-05
 東海道中第43宿の四日市の宿です。
昨日の桑名から伊勢の国に入っています。
 尾張の国は鳴海と宮の宿の二つだけで
宮の宿からは海路で桑名までが七里
今日の四日市までが十里で船で渡ります。
 
 大方の目的はお伊勢参りです。
お伊勢参りは当時も大変盛んだったようで
一生に一度でもお伊勢さんにお参りできればという
庶民の願いです。
 ただそれは夢のまた夢で難しいことでした。
それで村の集落のみんなでお金を寄せて
代表者にお伊勢参りに行ってもらうのです。
 
 代わりに参るということで代参です。
森の石松が清水の次郎長親分の代わりに
金毘羅社にお礼参りに行った代参が有名ですが
代わりにお参りしてもらって
ご利益をいただくということです。
 
 江戸時代京都のご本山本願寺にも
全国からご門徒衆がお参りされたことだと思います。
 ご門徒の代表者の代参があったのか
想像するしかありませんが
本山参りを楽しみに日々お念仏の生活をされていた
私たちの先人お同行がいらっしゃったということです。
 
 今のようにちょっと時間ができたからと思い立って
新幹線や飛行機に乗って日帰りで
本山参りできるということではありません。
 何日も何日も時間がかかります。
お金もかかります。そして命がけです。
 
 お念仏の先人が伝えてくださったお念仏の道です。
お浄土に往く道を今日も歩ませていただける有難さです。
 
 昨日は盆前の大掃除をして頂き有難うございました。
今日からいよいよお盆参りが始まります。
 コロナ禍で猛暑の中です。
何かと大変ですが15日までの11日間
ご門徒皆さんのお家にお参りして
お家の阿弥陀さまにお礼をさせていただく楽しみです。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.5)

「その手は桑名の焼き蛤」

2020-08-04
 東海道中第42宿の三重の桑名の宿です。
昨日の熱田神宮の宮の宿から7里28キロの船旅をして
着いたところが桑名の宿です。
 桑名の名物といったらハマグリです。
「その手は桑名の焼き蛤」ということわざが有名です。
うまい話を持ちかけられても騙されないということで
その手はくわないと桑名にかけています。
 
 仏教的にいいますと
私たちが行う身口意の三業に十悪があります。
 殺生、偸盗、邪淫は身で行う身業です。
三毒の煩悩の貪欲、瞋恚、愚痴は心で行う意業です。
 それぞれ3つですが残りの4つ一番多いのが
口で行う口業なのです。
 
 「口は災いの元」と言われるように
妄語(嘘をつく)
両舌(二者に異なることを言って仲違いさせる)
悪口(人を悪しざまに言う)
綺語(誠のない飾った言葉)の4つの口業です。
 
 うまいことを言って相手をだます
「その手は桑名の焼き蛤」の類も口で行う悪業です。
 
 そんな悪業が出るこの口から
今日も南無阿弥陀仏のお念仏が出てくださいました。
 阿弥陀さまの大悲のお心おはたらきがこの身に届いて
この口から南無阿弥陀仏と出てくださる有難さです。
 
 ナンマンダブツとお念仏申す身にさせていただき
阿弥陀さまがいつでもどこでもご一緒です。
 お念仏申し南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただいて
今日一日もお念仏の日暮らしをさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.4)

照ノ富士復活優勝

2020-08-03
 東海道中第41宿の宮(みや)の宿です。
宮とは熱田神宮のことです。
 宮の宿から次の桑名の宿までは陸路ではなく海路です。
七里の渡しといって約30㎞の船旅です。
東海道中唯一の海路です。
 熱田神宮は当時も名所で宿場が大変賑わったそうです。
 
 昨日はサマースクールで猛暑の炎天下に
お手伝いいただき有難うございました。
 コロナ対策で屋外でのバーべキューでしたが
暑かったですからかき氷が飛ぶように出て
子どもたちが大変喜んでいました。
 やっぱり暑い時には冷たいものですね。
寒い時には温かいものが喜ばれます。
 
 昨日は大相撲7月場所の千秋楽で
元大関の照ノ富士が5年ぶりに復活優勝しました。
 横綱候補の一番手と言われ破竹の勢いでしたが
両ひざに大けがを負い病気にもなって
序二段という最下位の序ノ口の手前まで番付が落ち
去年の春場所に再出場して序二段から約一年で
三段目幕下十両と駆け上がり今場所再入幕して優勝です。
 これまでの大相撲史にもない鮮やかな復活劇です。
 
 元々力のある力士なのですが
力があってもケガや病気には勝てないこともあるのです。
 何度も何度も師匠に引退したいと伝えにいきましたが
師匠は「まず体を治せ」と言って励ましたそうです。
 
 大相撲の世界は昔ながらの階級社会です。
十両幕内に上がって関取となり初めて認められますが
幕下以下は関取衆の付き人をして雑用などの世話をし
小遣いをもらってちゃんこも作ったりします。
 
 照ノ富士は実績がありましたから
部屋の親方や力士がどう接していたかわかりませんが
人生そのものを投げ出してしまいたいような逆境の中で
ケガに向き合い鍛錬を重ね優勝を勝ち取ったのです。
 
 地獄を見たものが天国に駆け上がるような劇的なもので
私たちが体験できるようなものではありませんが
子どもたちが暑い中でかき氷をかきこんで喜んだように
皆さんの人生にもそのような体験がありませんでしたか。
 
 苦難の中に夢をあきらめ投げ出したくなるような時に
声をかけてくれる人が支えてくれる方が
いらっしゃるということです。
 皆さんのすぐ周りの隣の人です。
日頃は当たり前のように思って気づかないけれども
実はそういう方々が私を支えて
私のことを一番思ってくれているということなのです。
 
 私たちは仏さまのご縁をいただき
ナンマンダブツとお念仏申す身にさせていただきました。
お念仏申すところ阿弥陀さまがご一緒です。
 私のことをいつでもどこでも見てくれていて
南無阿弥陀仏「必ず救うまかせよ」とおはたらきです。
 
 私を思ってくれてる人がいると知らされて
私たちはどんな苦難の中も生きていけるのです。
 決して私は見捨てられることなく
阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされているのです。
 
 あなたがいてくれて本当によかった
本当に生きててよかったと
お念仏申すなかに今日も生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.3)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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