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お念仏を申す生活法話

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「重病人にはお粥が一番」の譬えです

2020-08-22
 連日の猛暑ですが
朝夕が少しよくなりました。
 太陽が昇る時間が遅くなり
沈むのが早くなったということです。
 太陽のエネルギーって本当に凄いなあと改めて思います。
ただ地上に熱がたまっているんですね。
 夜も相当な熱帯夜で
熱中症対策に冷房は欠かせませんが
これがまた猛烈な暑さの大きな要因になって
何とももどかしい地球温暖化の深刻な事態です。
 
 南無阿弥陀仏の救いの法を
「重病人にはお粥が一番」との譬えで教えてくださいます。
 お朝事のご縁で毎日拝読するお正信偈さまのなかに
「極重悪人唯称仏(極重の悪人はただ仏を称すべし)」とあります。
 どんな愚かな凡夫もお念仏一つで救われるというのが
私たちの浄土真宗のご法義なのです。
 
 極重悪人を重病人にたとえて
高熱で食欲もない人には
いかに栄養があるからといって
ステーキや鰻丼はとても食べられません。
 年老いてくるとかたいものや味が濃く脂っこいものは
受け付けないようになります。
 でも食べます。
食べないと死んでしまいます。
 そんな重病人にとって最上の食べものが
お粥というのです。
 
 極悪最下の重病人には
お念仏の救いしかないのです。
 こんなにうまいものがあるのに何で食べないのか
うまいものが食べられないようなら
生きてる楽しみがないなどと言われても
私にとってはお念仏一つで十分なのです。
 
 学問修行を極めてさとりの仏に成る仏道ではありません。
学問修行されて仏道を究める方はその人人で尊いのです。
 私が学問して救われるのではないのです。
すべてのものを必ず救うと南無阿弥陀仏のおはたらきで
愚かな凡夫のこの私がそのまま救われるのです。
 
 私が救われる全てのお徳を南無阿弥陀仏に施されて
「重病人にはお粥が一番」と
私のところに届けてくださったのです。
「極重悪人唯称仏」といただいて
今日も一日お念仏申す生活をさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.22)

今日初めてのいのちを生かされて生きて往きます

2020-08-21
 将棋の藤井聡汰棋聖が挑戦した王位戦に勝って
二冠になったというニュースで
最年少記録を塗り替えたと話題沸騰しています。
 まだ18歳1か月です。
最年少で二冠そして八段に昇段したということです。
 
 アメリカでは11月の大統領選挙に向けて
民主党の副大統領候補に
黒人女性の方が指名されたということです。
 民主党候補が大統領になると
史上初めて黒人女性の副大統領が誕生することになります。
 
 何か初めてと聞くと新鮮ですよね。
史上初というとすごいことだなと心が動かされます。
 
 仏教のみ教えを聞かせていただきますと
いのち毎日新しくて今日のいのちも初めてなのです。
 昨日その前からずっとつながって
生きているということですが
今こここの私をいのちが生きているということについて
他人の話ではなくて私のこと初めてのことなのです。
 
 東井義雄先生の詩「目が覚めみたら」です。
  目が覚めてみたら 生きていた
  死なずに 生きていた
  生きるための 一切の努力をなげすてて
  眠りこけていた 私であったが
  目が覚めてみたら 生きていた
  劫初以来 一度もなかった
  まっさらな 朝のどまんなかに
  生きていた
  いや 生かされていた
 
 まっさらな初めての朝に
目が覚めてみたら生きていたのです。
 いのちの新たな誕生です。
これほどの感動喜びはないはずなのに
何か毎日を当たり前のように過ごしていませんか。
 
 詩は「生かされていた」と結ばれます。
南無阿弥陀仏の大きないのちのおはたらきです。
 私が私がと頑張って生きているように思っても
私を育む大きないのちのおはたらきがあるのです。
 
 初めての朝にお朝事の初事で
今日一日を始めさせていただきます。
 今日初めてのいのちを恵まれて
今ここ阿弥陀さまの前にこの身をはこんで
ナンマンダブツとご一緒にお念仏申しお礼ができて
今日初めての一日を始めさせていただくことです。
 
 今日も一日生かされて生きて往ける有難さ尊さを
お念仏のご縁に遇うなかに深く味わわせていただきます。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.21)

篤い思いをもってご法事のご縁に遇わせていただきましょう

2020-08-20
 電話でご法事の申し込みがあります。
何日がよろしいですかと日時を決めますが
「お経だけお願いします」「家族だけです」と
言われるところが最近多くなったように思います。
 
 今はコロナ禍で家族だけでお勤めをし
お斎も控えるということはよくわかります。
 ただお葬式を家族葬でといわれるようなことで
ご法事も家族だけでお経だけということには
少し考えさせられます。
 
 先日も家族だけというご法事にお参りしましたら
家族の代表一人だけのお参りで
普段のお参りのような様子でした。
 
 僧侶の私は普段の布袍(ふほう)輪袈裟(わげさ)から
ご法事の時の黒衣(こくえ)五条袈裟(ごじょうげさ)
僧衣を着替え正してお勤めをします。
 
 ご法事をお勤めさせていただく気持ちが
伝わってきません。
 何かお坊さんにお経をあげてもらえば
それで事足れりといった感じです。
 
 ご法事はお家の施主が思い立ってお勤めする
大事な仏さまのご縁なのです。
 ご法事を迎えるにあたって案内等の準備から
お仏壇をきれいにお荘厳して
お参りされる親族ご縁の方への対応など
施主の役割は大変重要です。
 
 家族だけのお勤めといっても
僧侶への対応はどんなご法事でも同じです。
 ご法事によってお経が違うとかではなく
僧侶は同じようにお勤めをします。
 
 今は親族とのつながりが疎遠になっています。
だからこそご法事のご縁はその関係を結ぶものです。
 
 そしてご法事は何といっても仏さまのご縁です。
先に往かれた方が今はお浄土の仏さまとなって
ご法事のご縁をつくってくださったのです。
 私一人ではなく家族親族有縁の方に一人でも多く
仏さまのご縁に遇っていただきたいというのが
施主の思いであり仏さまの願いなのです。
 
 仏法に遇ってお念仏申す身になってくれよと
仏さまの大きな願いお慈悲のなかに生かされてあるという
浄土真宗のご法義が発揮されるのがご法事のご縁なのです。
 
 各々のお家でできることもできないこともありますが
私にできる精いっぱいのことをさせていただこうとする
施主の篤い思い心意気です。
 
 これは仏事だけのことではなく
世間のいろんなことにもつながることだと思います。
 お念仏のご縁に生かされていると聞かせていただき
今日の一日も共々に生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.20)

お念仏申してほっと一息つきます

2020-08-19
 8月は盆月でお盆参りがありました。
お葬儀のご縁が続きました。
 猛暑の中のことでした。
そして昨日一息ついたということです。
 
 ただ今お朝事のお勤めをしながら
本当にしみじみ有難く思うのは
朝一番に本堂の戸を開けるといい風が入ってきます。
 「清風宝樹をふくときは」と御和讃をいただきますが
お参りの皆さんとご一緒にお勤めができて
清らかな風が吹いてお浄土の宝の樹を揺らすように
さわやかに枝葉の音がするようです。
 
 何かほっとします。
大きな安心のなかに今日の一日を始めさせていただきます。
 皆さんそれぞれの生活ぶりは違います。
今日も一日色んなことがあるでしょう。
 楽しみに待っていたことも
心配なこともあるかもしれません。
 
 いろんな思いをもって
お念仏を申すなかに始めさせていただきます。
 楽しいことも苦しいことも喜びごとも悲しいご縁も
すべて阿弥陀さまがご一緒の日暮らしです。
 
 お念仏申す生活お浄土への人生を
共々に歩ませていただける有難さです。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.19)

山門を超えてお浄土参り

2020-08-18
 昨日はUHさんのお葬式にご参列お手伝いいただいて
有難うございました。
 大変大きなお葬式になりました。
お葬儀はわが身にとって一世一代一度きりの一大事です。
有縁の皆さんのお支えお手伝いがあってできることです。
 
 昨日のお葬式にお参りされたほとんどの方が
お寺のお葬儀にびっくりされたと思います。
 まずお寺の本堂ご本尊の阿弥陀さまのご尊前で
ご門徒の葬儀をすることは一般的ではありません。
 お寺の寺族の葬儀は本堂のご尊前で行う習いですが
ご門徒の葬儀のあり方は異なります。
 浄土真宗の門徒としてご本尊を中心としたお葬儀です。
人生最後の御礼のお勤めをさせていただくのです。
 
 昨日は僧侶がたくさんお参りでした。
UHさんの人生の歩みご縁つながりということで
私たちも知らないことがたくさんあります。
 雅楽の演奏の中でお葬式が進行し
最後は道楽で本堂から出棺山門まで送りました。
 何とも荘厳で初めて体験された方も多く
感動されたのではないでしょうか。
 
 山門から出棺します。
お寺の門はお浄土への門であり世間との通用門です。
山門からお寺に仏さまのお浄土の世界に入るのです。
 
 今日も皆さんお寺にお参りですが
山門からお寺に入るということは今は少ないと思います。
 門から入らないといけないということではありませんが
門から入って門から出るというその人人の人生の歩みです。
 
 その人人の人生の歩みがお葬儀のすがたに凝縮されます。
今は家族葬ということでお参りを断るところがありますが
有縁の方が自然な形でお参りされる
お葬儀でいいのではないでしょうか。
 
 人数が多い少ないというのではなく
いろんな人とのご縁つながりのなかにこんなことがあった
こういうこともあったと思いをはせて
お浄土に往く者もそして見送る者もお互いに
同じご本尊の阿弥陀さまにご一緒にナンマンダブツと
お念仏申しお礼ができるのが浄土真宗のいいところです。
 
 いつかはこの私もこの命を終えていかねばなりません。
その時に有縁の皆さんから見送られご一緒に阿弥陀さまに
御礼のお念仏が申せすぐさま南無阿弥陀仏のおはたらきで
この世に還って来てと
これからご一緒に唱和します
「浄土真宗の教義」そのままに
今日も一日お念仏申す生活をさせていただきます。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.8.18)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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