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お念仏を申す生活法話

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納骨はいつするのですか?

2020-11-04
 昨日満中陰四十九日のご縁がありました。
お勤めの後でお家の方が
「今日納骨しないといけませんか」と言われました。
 
 お葬儀のご縁で火葬されたお遺骨の納骨は
昔からの地域の習わしで
火葬の後すぐとか初七日にされたりとか様々ですが
満中陰のご縁に納骨することが一般的です。
ただ決まりはありません。
 
 子どもさんに先立たれたお母さんでした。
ずっと住いのお家にお遺骨をご安置していたことで
もうしばらく一緒にいたいという切なる思い心情です。
 お気持ちはわかります。
「いいですよ。納骨しようと思い立ったときに
納骨しましょう」とこたえました。
 
 大切な家族とお別れする悲しみのご縁です。
こうしてこうしてこうと次から次に事は進みません。
 いろんな思いもあって
気持ちの整理が中々つかないのだと思います。
 
 お葬儀のご縁は悲しみのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただきましょうと
お取り次ぎさせていただきます。
 
 お葬式の後四十九日間の中陰の期間
お仏壇の横に中陰壇を設け法名ご遺影お遺骨を
ご安置して七日七日のお勤めをします。
 そして七七日の四十九日の大きな節目のご縁に
ご親族有縁の方々が集まり満中陰法要をお勤めし
その後で墓所にお遺骨を納めるというのが
葬儀の一連の流れです。
 
 納骨することでお家のお仏壇のようすが
普段の平生に戻ります。
 仏事としてはそれからも百か日初の盆一周忌と
仏さまのご縁がつながっていくのです。
 
 お念仏のご縁つながりと申しています。
死んだらおしまいではなくて
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
これからのいのちはつながっていくのです。
 
 納骨の時期の決まりはありませんが
納める所に納めることで
皆さんが安心できるのではないでしょうか。
 長くお家に置いていると段々と思いが募って
動かせなくなることにもなってしまいます。
「初盆の前までには納骨されるといいですよ」
と申し添えました。
 
 お遺骨にお経をあげるのではありません。
先に往かれたお方は仏さまです。
お遺骨はあくまでもその方を偲ぶ縁(よすが)です。
 
 先日祥月命日のご縁をいただいた
前住職の父の遺影を余間にご安置しています。
これも縁です。
 
 写真をみたりお墓に参ったりして
先に往かれた方のことを思う大きなご縁になります。
 その時はナンマンダブツとお念仏申しましょう。
お念仏を申すご縁なのです。
 
 先に往かれたお方は南無阿弥陀仏の
仏さまに成ってくださったのです。
 南無阿弥陀仏の仏さまと成っていつでもどこでも
私について離れずご一緒してくださっているのです。
 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
今日も生かされて生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.11.4)

心田を耕す

2020-11-03
 今日は文化の日で祝日です。
この時期秋の叙勲があります。
 春の叙勲と合わせて年2回ですが
今回大分県からはスーパーボランティアで有名になった
尾畠春夫さんが受けられるということです。
 尾畠さんは常々当たり前のことをやっているだけと
言われますが
私たちに同じようなことができるわけではありません。
 
 文化は英語でカルチャーといって
耕すという意味があります。
 お釈迦さまは「心田を耕せ」と言われます。
心の田を耕しなさいとのお説法です。
 
 田を耕し種をまいて食物を得ますが
田を耕さずに放っておくと地が固くなり作物ができず
耕すことで地が柔らかくなって作物の成長を促します。
 
 心田を耕せとは仏法を聞きなさいということです。
仏さまのみ教えを聞かせていただいて
私の頑なな心を柔らかく耕してくださるのが
仏さまのおはたらきだというのです。
 
 阿弥陀さまのご本願南無阿弥陀仏のおはたらきです。
お念仏を申すそのままが私の自己中心の硬い頑なな心を
柔らかく軟らかく耕してくれて
清らかなお念仏の花を咲かせてくださる
と聞かせていただきます。
 
 どこまでも自己中心に生きる私たちですが
仏法を聞かせていただくなかにお念仏を申しつつ
私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.11.3)

大阪都構想の住民投票から思うこと

2020-11-02
 昨日は大阪都構想の賛否を問う住民投票があって
夜遅くまで開票速報をみていました。
 5年前も同じ住民投票があり
その時も今回も僅差で反対という民意が示されました。
 
 都構想といってよくわからないことが多いのですが
賛成か反対かということははっきりしています。
 言い方は悪いですがよくわからない有権者のなかには
松井さんが吉村さんが良いと賛成票を入れた人もいれば
逆にあの人は駄目と反対票を入れた人もあったと思います。
 
 大きな改革といわれて何がどう具体的に変わるのか
私たちの生活にどんな変化が起こるのか
政治行政の最前線に立つ人の声は大きくても
もう一つ今の私の問題になっていない人が
殆どなのではないでしょうか。
 
 そして私たちは基本的に変わりたくないのです。
今まで通り前例踏襲に安心するところがあります。
 ただ今のコロナ禍はそうした安心を根こそぎ揺るがせ
これまで経験したことがない生活に余儀なく変えました。
 
 私たち個々の生活状況はそれぞれ違います。
変えたい変わりたいと思うこともありますが
そこは相当な決断を要し躊躇するところです。
 
 今回の都構想の推進派の問題提起が
行政の無駄ということでした。
 維新の会の初代代表の橋下さんは
大阪市長になって有言実行しました。
 行政サービスの無駄を省き職員カットを断行しました。
結果できたお金を他の用途に使い評価された面もあれば
切り捨てられた人の恨みをかうこともあって
この10年間大阪ではすごい変化が起きていたのです。
 
 5年前は橋本さんが敗北の責任を取って辞めました。
今回松井さんも任期満了の政界引退を表明しています。
 住民投票で示された民意を尊重するという
民主主義の政治家の覚悟です。
 
 さて私たちの生活です。
実は日々変わっているのです。
 私が変わろうとして変わるのではなく
私が生きていること自体が変わるということなのです。
 
 仏教の諸行無常の教えです。
この世のすべての事象は一つとして常なるものはない
すべてが変わって行くという真理です。
 
 諸行無常の世にあって私も変わって行かねばなりません。
今をどう生きるかが問われます。
 何を依りどころに生きるのかという課題です。
自分の気の向くままに思い通りに生きれたらよいのですが
これがままならない思い通りにいかないのです。
 
 お釈迦さまは真実変わらない仏教を明かし
阿弥陀さまのご本願を依りどころに生きよと
お念仏の救いの法をお示しくださいました。
 阿弥陀さまは迷いの世界に苦悩する私を見抜かれて
そのまま救うと南無阿弥陀仏とおはたらきなのです。
 
 南無阿弥陀仏を依りどころに生きて
迷うことがあればお念仏申して仏さまに相談しなさいと
先人が伝えてくださっています。
 お念仏でこの世の課題が解決することではありません。
お念仏にまかせて相談するあなたに阿弥陀さまは
「どんなことがあっても決してあなたを見捨てない
いつも私が一緒だから安心して生きて往こう」
とおはたらきくださるのです。
 
 阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に共々に
生かされて生きる安心があると味わわせていただきます。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.11.2)

今日も前住職と一緒にお朝事のお勤めをさせていただきます

2020-11-01
 11月に入りました。
今日11月1日は前住職の祥月命日です。
 
 21年前の平成11年11月1日の朝でした。
お朝事のお勤めを始めようと喚鐘をつこうとしていた時に
母が庫裡から飛ぶように走ってきて
父がお世話になっている病院からの電話で
父が亡くなったという連絡があったと言うのです。
 後のことはお朝事の皆さんにまかせて
すぐ母と病院に向かったことを思い出します。
 
 昨日遺影を余間に安置させていただきました。
変わりませんね。
 元気な父のそのまんまです。
父の声がいまにも聞こえてきそうです。
 
 74歳でした。
まだ若かったですね。
 そろそろ住職を継職する話もあったなかで
いよいよこれから何かしたいことも
あったのではないかと思います。
 
 今いつものように皆さんと
お朝事のお勤めをするなかで
前住職も一緒にお勤めをしてくれているように思います。
今日だけではなくこれまでもそうだったし
これからもそうです。
 
 お念仏のご法義は
死んだらおしまいのご法義ではありません。
 人の命は終えますが南無阿弥陀仏のおはたらきで
そのままお浄土の仏さまと成らせていただき
遠い遠い世界に行きっ放しではなくて
いつでもどこでも南無阿弥陀仏となって
私たちのところに還って来て
私たちを護り救うというおはたらきを
してくださっていると聞かせていただきます。
 
 今日も私たちを見守ってくださってあると思いつつ
お朝事のお勤めをご一緒にさせていただいたことです。
 
 今日は10時から祥月命日のお勤めをします。
どうぞお参りしてください。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.11.1)

東京からご法事のご縁にお寺にお参りされました

2020-10-31
 昨日本堂でご法事のお勤めをしました。
施主のお家は大分にあるのですが
東京にお住まいの方で何度か電話があって
法事をしたいのですがこういう事情ですから
というご相談でした。
 
 コロナ禍という事情です。
一か月ほど前に日時等を決めて
東京から帰ってみえてお寺でのご法事になりました。
 
 お勤めの後で少しお話をしました。
マスクを着けても何か遠慮がちに
今東京の人はどこでも敬遠されるのですが
大丈夫ですかときかれて
いやそんなことはありませんよとこたえました。
 
 確かに東京は感染者が依然として多く
連日100人200人と横ばい状態が続いています。
 ただ東京都の人口は他の道府県に比べて多く
人の動きもかなりあって
東京ならではの事情があるということです。
 
 日本各地でそれぞれの事情が異なるということで
要は私ができる感染対策を各自がしっかりすることで
ステイホームでずっと家で
じっとしていくわけにはいかないのです。
 コロナ禍の中も私たちは生きていますし
生活をしていかなければなりません。
 
 そうした困難な状況の中で
ようこそご法事をお勤めしましたと申しました。
 飛行機で帰ってこられたといいます。
飛行機も空港の様子も以前とは全く違うということで
東京の生活も随分変わりましたというお話でした。
 
 コロナ禍で新しい生活様式が言われ
コロナ収束後も生活はすっかり変わることでしょう。
 
 今日で10月も終わり明日から11月です。
この一年例年以上にあっという間でした。
 一体この一年何をしてきたのだろうかと振り返って
いつものことはできないことが多かったけれども
しっかり生きてきました。
 
 その日々の生活の中で仏事のご縁です。
今日のお朝事もそうですが
仏さまのご縁は仏さまからいただくものです。
 コロナ禍で法事は家族や近隣の親族だけのご縁になり
県外遠方の方のお参りは殆どありません。
 お葬式もそうです。
 
 ご法事やお葬儀のあり方が変わりました。
ではコロナ収束後に元に戻るかというと
これまでの仏事のあり方が変わると思います。
 
 ただ仏さまのご縁をいただくことに
変わりはありません。
 ここは仏事のあり方を工夫して変えるチャンスです。
 
 世の中のことは全てコロナだからではなく
常に変わって行くのです。
私も変わっていきます。
 大事なことは諸行無常のただ中にあって
真実変わらないお念仏のご縁につながった
私たちだということです。
 お念仏を申すなかに今日の生業があります。
私にできることを精いっぱいさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.31)
円光寺
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大分県大分市三佐3丁目15番18号
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