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お念仏を申す生活法話

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仏法に遇わせていただくいい歳になりました

2021-02-28
 今日で2月が終わります。
2月は28日しかありません。
 他の月に比べて2日3日短いのですが
何かそれ以上に短く感じて
あっという間に過ぎて行きます。

 歌手の田原俊彦さんの還暦前夜特別ステージを
昨日NHKの衛星放送で観ました。
 還暦ですから60歳です。
歌って踊っての華やかなステージで
とても60歳に見えません。

 私ももうすぐ70歳に手が届く
いい歳になりました。
 他人から見たらどう思うか分かりませんが
自分ながらに体もよく動くし
年齢よりまだまだ若いと思っています。
 皆さんを見ていても
私が若い頃見ていた60歳70歳の人とは明らかに違います。

 インタビューで田原さんは
自分でも還暦なんてとても信じられないと話して
実年齢でいったら8掛けの48歳ぐらいで
まだまだこれからと言っていました。

 今は人生100年時代といいます。
少し前まで人生80年といっていましたから
確かに今の年齢に8掛けぐらいの実年齢と思ったら
いいのでしょうね。

 年齢にこだわることではなく
まだ若いうちということです。

 同年輩の人と話しても
思い出話に浸る心境ではありません。
 昔がよかったと過去を懐かしむことではありません。
未来に希望をもって生きるということでもありません。
 今を生きるということ
いのちを大切に心豊かに今を生きたいと思います。

 縁あって仏法に遇わせていただいた私たちお互いです。
仏法に遇って仏さまの教えを聞かせていただくことの楽しみです。

 歳を重ねてくると
今までできていたことができなくなって
悲しい寂しいというマイナス思考になりがちですが
仏法に遇わせていただくと
歳を重ねるのが楽しみになってくるといわれます。

 仏法に遇って歳を重ねるなかに
今まで見えなかったものが見えてくる
今まで聞こえなかったことが聞こえてくることに
気づかされる楽しみです。

 仏さまの教えです。
仏さまのものの見方考え方を聞かせていただきます。
 老いたくない病気になりたくない長生きしたいという
私たちの思いはからいの視点を変えてくださいます。

 どんなに私が頑張って節制しても老いていきます
病んでいきますそして命終えていくのです。
 聞きたくありませんが本当のことです。
仏さまは本当のことを教えてくれて
そのまま救うとおはたらきです。

 浄土真宗は阿弥陀如来のお救い
南無阿弥陀仏一つで救われるご法義み教えです。
 ナモアミダブツとお念仏申して阿弥陀さまのお浄土に
生まれて来いよ必ず救うとおはたらきですから
お念仏申して阿弥陀さまとご一緒に老いていきましょう
病むときには病んでいきましょう
そしてこの命終わる時
お浄土に生まれて
さとりの仏さまに成らせていただきましょう。

 仏法に遇わせていただく
いい歳になりました。
 有縁の方にも声をかけられて
お念仏のご法義にご一緒に遇わせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.2.28)


「二兎を追う者は一兎をも得ず」

2021-02-27
 10都府県に出されていた緊急事態宣言を
東海関西圏そして福岡の6府県について
先行解除する発表がありました。

 一方残りの首都圏4都県については
来月7日を目途に解除を検討していくということです。

 大変難しい問題です。
誰が政府の中枢にいても
これがベストで正解ということではありません。
 専門家に諮問するといって
感染医療の専門家と経済の専門家の意見は意見として
総合的最終的な判断は政府の仕事です。

 今は感染収束に向けての取り組みが第一であり
様々な方策を考え実行してきたものの
一年以上が経過し出口が見えない中で
不安や不満の声が聞こえてきます。

 人が動けば感染が広がることはわかっています。
ただ私たちの社会生活は人が動かなければ
経済活動に支障をきたすこともわかっています。

 どちらか一方を取るという判断ではありませんが
感染状況を踏まえてバランスの取れた施策です。
 まさに試行錯誤の連続です。

 「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺があります。
欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると
結局はどちらも失敗するという譬えです。
 私たちのこれまでの人生昨日の生活を振り返っても
そんなことってありませんか。

 宗教について信心深い人と言われる方のお話です。
神さま仏さま〇〇さまとお宮やお寺にお参り処に
お参りされる方です。

 信心深いと言われますが
仏さまから見ると
四方八方に心が走って安心することなく
迷いの真っただ中にあるという見立てです。

 他人事ではなく私の話です。
一つより二つ三つ四つといくつも担保を取り付けることで
安心しているのではないでしょうか。

 「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という諺もあります。
一つがだめでもたくさんやってみれば
中にはまぐれ当たりもあるということですが
当たらないこともあり段々不安になってきます。

 「この神さま仏さまにはご利益があるのか」と
疑い心が起こるのも迷いの中にいる私です。

 阿弥陀さまのお救いは迷う私を目あてに
「そのまま必ず救う」と南無阿弥陀仏のおはたらきです。
「こっちに来い」と私の命の往く先を
お浄土の一処と決めてくださり
阿弥陀さまの仰せを聞いて信じて
まかせておくれと喚び続けているのです。

 お念仏の先人は弥陀一仏と阿弥陀さまにまかせて
この人生を生きてお浄土に往かれました。
 南無阿弥陀仏のおはたらき一つにおまかせして
このコロナ禍の中をお念仏申して生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.2.27)


お念仏の灯が広がって私のところに届けられます

2021-02-26
 雨になりました。
天気予報では今日一日雨のようです。

 栃木群馬で山火事が起こり
すごい勢いで延焼が広がり続けています。
 21日に発生して今日が6日目です。
ヘリコプターから放水していますが
到底間に合いそうにありません。

 雨が降ればと雨を待っているといいます。
こちらの雨を持って行ってあげたいですが
うまくいきません。

 この山火事が起きた原因はというと
火種があるのです。
 どうも人間が起こした火種のようです。
そして空っ風です。

 群馬は「かかあ天下と空っ風」といいますし
栃木は国定忠治の赤城山からの風「赤城おろし」です。
 昔から言われている自然の営み自然の道理はたらきです。
乾燥した空気の中で風が吹いて火が燃え広がっていきます。

 今日もこうして皆さんご一緒に
お念仏申させていただきます。
 私が申すお念仏ですが
このお念仏にも火種があるのです。

 阿弥陀さまが起こしてくださったお念仏の火種です。
阿弥陀さまの本願成就の南無阿弥陀仏のお心おはたらきが
私に届けられて私の口からお念仏が出てくださるのです。

 お念仏の灯です。
阿弥陀さまが火種になりお念仏の風となって
自然におのずから人から人へと広がっていくのです。

 お念仏申してくれよとおはたらきです。
そのままお念仏申させていただきましょう。
 阿弥陀さまはじめご先祖有縁の仏さま方の
ご縁つながり大きなおはたらきがあってのことです。

 火事は目に見えます。
赤い炎が広がって大変だということです。
 お念仏は耳に聞こえます。
南無阿弥陀仏と耳に聞こえて私の口から出てくださって
また私の耳に周りの人の耳にも聞こえて広がります。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.2.26)


お念仏の恩送りをしましょう

2021-02-25
 総務省の接待問題で関与した総務省幹部11人に
昨日減給処分がありました。
 菅首相の長男が勤める利害関係者の会社から
食事などの接待を受けていたということです。

 会食接待の内容と減給処分の一覧表が
出されています。
 一番多い方で7回、総額で多い方で12万円です。
元職員は一人で一回7万円超の接待です。
 一般感覚からして大きな金額です。

 減給処分は3か月10分の2が一番多かったですね。
どのくらい給与をもらっているか分かりませんが
接待を受けた金額よりはるかに多いと思います。

 金額の問題ではありませんが
あの時割り勘にしておけばと思い返しても
後悔先に立たずです。

 私たちの小さな社会でも接待というより
食事を奢ったり奢られたりということがあります。
 会社や学校の先輩後輩の関係で
「ここは私が払うから」
「そうですか。ありがとうございます」ということです。

 私も先輩に奢ってもらったことがあり
総務省の接待に比べたらわずかな金額ですが
助かったし嬉しかったです。

 そうした先輩の姿を見て自分が先輩になったときに
後輩に奢ることもありました。
 先輩から後輩へ貸す借りを超えた順送りです。

 今回の接待問題は利害関係があるなかでのことで
食事を奢る行為には
見返りを期待するはからいが見え隠れします。
 歪んだ関係での恩返しです。
あの人には借りがあるから借りを返すといったものです。

 恩返しとは本来
あの人に恩があるから何かの時に恩返しをしようと
自発的に行う行為であって
恩返しを期待すること自体が不純です。

 そして恩返ししたくてもその人がいなくなれば
恩返しはできなくなります。
 そこで恩送りということです。
人からいただいた恩を別の人に返す
送っていくという行為です。

 私たちの浄土真宗のご法義の要を
「信心正因称名報恩」といいます。
 阿弥陀さまのご本願のお心を聞かせて信心をいただき
お念仏申す身にさせていただくのです。
 阿弥陀さまの真実信心が私の救いの正因であり
私の口から出てくださるお念仏は
御恩報尽のお礼の念仏といわれます。

 阿弥陀さまの御恩に報謝するというのですが
私たちは阿弥陀さまから接待を受け続けているのです。
 この私にいつでも寄り添いそのまま無条件で救うという
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 こうしなさいこうしないと救わないという
条件付きの救いではありません。
 救うてあげるからお念仏をいっぱいしなさい
しなければいけないということでもありません。

 阿弥陀さまのお救いに遇うことができた御恩です。
その御恩に報いるとは
私がお念仏申す身にさせていただくことであり
有縁の人にあなたもお念仏のみ教えに遇ってほしいと
阿弥陀さまの御恩を送っていくことです。

 お念仏の恩送りです。
先輩から後輩へというように
先に往くものが後のものを導くということです。
 仏さまのご縁はお念仏の先人をたずねていくご縁であり
そのままお念仏が相続されていくのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.2.25)


御仏前に子、孫、曾孫の三代そろってご法事のお勤めです

2021-02-24
 昨日ご法事のご縁をいただきました。
お母さんお祖母ちゃん曾祖母ちゃんのご法事です。
 御仏前に子、孫、曾孫の三代6人がそろって
お勤めさせていただきました。

 コロナ禍でのご法事です。
親族有縁の方もたくさんいらっしゃいますが
内々でその家取りの直系の家族だけでということです。

 お一人の方のご法事のご縁ですが
子どもさんも何人もいらっしゃいます。
お孫さんももっといらっしゃいます。
そして曾孫さんももっともっといらっしゃいます。

 その人の命は終わりましたが
命のご縁はずっと広くつながっていることを
ご法事のご縁であらためて思います。

 昨日のご法事の曾孫さんは曾祖母のことを知りません。
会ったことがありません。
 鴨居にかけられた写真を指してお祖母ちゃんが
「この人が曾祖母ちゃんよ」と教えていましたが
曾孫さんは何のことやらきょとんとしていました。

 ただ会ったことがない知らない人でも
私の命の大恩人なのです。
 だってご先祖のこの一人がいなかったら
私は今ここにいないのですから。

 数えきれないほど多くのご先祖の命のつながりの中に
私が今ここに生きているのです。

 NHKの『ファミリーヒストリー』という番組は
有名な俳優やタレントさんがルーツを訪ねる内容です。
 お父さんお母さんをはじめご先祖を何代もさかのぼって
わかる範囲で取材したものです。

 お父さんお母さんで二人です。
祖父祖母は四人います。
曾祖父母は八人で高祖父母は十六人ですが
番組でたどっていくのは代々一人です。

 いろんな事業をされて周りの人からも慕われた
立派な方が多く紹介されます。
 ルーツを訪ねる出演者も知らないことが多くあって
ご先祖の苦労話に感極まる場面もあります。

 私たちにも同じようにご先祖代々の方がいますが
曾祖父母の八人のことをどれだけ知っているでしょうか。
 私でいったら会ったこともないし写真もないし
名前も知らない人もいます。
 どんな人でどんなことをして生きてきたのか
その人の生活ぶりや人生の歩みはわかりません。

 人から慕われるような人だったでしょうか
悪いことをして周囲に迷惑をかけた人かも
わかりません。
 善い人悪い人というのではなく
そうしたご先祖の命につながって
今の私があるということです。

 この私に灌がれた命の水の流れを迎え取ってくださる
阿弥陀さまの大きなご本願の海のおはたらきです。
 南無阿弥陀仏のいのちのご縁つながりのなかに
私たちそれぞれの命の営みがあるのです。

 ご先祖からつながったこの私の命です。
この人間界に生まれて生きて
人人とつながって日々の生活しています。

 ご法事のご縁で御仏前に座らせていただき
ご一緒にナモアミダブツとお念仏申して
仏さまにお礼ができました。
 仏さまからいただいた尊いお念仏のご縁です。
南無阿弥陀仏のいのちにつながった私たちなのです。

 お念仏申して今日の一日も
仏さまからいただいたいのちを精いっぱい
生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.2.24)


円光寺
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