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お念仏を申す生活法話

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「いのちあるもの みなきょうだい」※転載

2025-03-04
 今年は戦後80年の節目の年です。
日本は戦後の焼け野原から
先人の努力によって復興をとげ
現在の繁栄と平和を築きました。

 しかし世界に目を向けると
今なお戦争や紛争で多くの子どもや市民が
恐怖と命の危険にさらされています。

 釈尊は、世界のあらゆるものは
互いに支え合って存在していると説いています。

 私たちも世界のすべてと
密接に関係し合っていますが
現実生活では自己の利益を
最優先に考え行動しますから
他者との間に対立や衝突が生じます。

 「世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない」。
 作家の宮沢賢治の言葉です。

 世界と個人は不可分な関係にあり
利己的なあり方の延長線上に
真の幸福は実現しないというメッセージです。

 世界の恒久平和を実現するためには
自己(自国)と他者(他国)とが
不可分な関係にあるという真実をふまえ
お互いの違いを認め合い
共に歩みを進めることが必要です。

 あらためて「いのちあるものみなきょうだい」と
心に刻み、お互いが思いやり、支え合い
さまざまな困難を乗り越えていくよう
努めてまいりましょう。

 ※『本願寺インスタ倶楽部』
    (香川真二 本願寺派総合研究所研究員)より転載
      ー本願寺新報2025年2月20日号ー

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.1)

はだかの王様

2025-03-03
 アメリカトランプ大統領の勢いが止まりません。
自国中心の政策を常に前面に押し出し
都合のいい大統領令を乱発しては
世界中を大きな不安と混乱に陥れている様相です。

 アメリカ大統領という権威です。
本来民主主義の国ですから
立法機関の議会や司法機関の裁判所といった
相互に歯止めとなる行政の仕組みに
なっているはずですが
今のところそうしたものはお構いなしに
自分の是とするところを突き進む
独裁者のような様相です。

 先日は王冠をかぶり
得意満面の写真が報道されましたが
まさに王様のような気分なのでしょうか。
 強弁で先制口撃をかけては
相手の譲歩を勝ち取るといった
トランプ流経営者の有り様が垣間見えるようです。

 トランプさんを第三者的に見ていると
仏さまから見える私の真実ありのままのすがたを
見せつけられているようにも思います。

 どこまでも自己中心で
自分の思いはからいのままに生きて
自分の思い通りになれば
自分の手柄とばかりに有頂天になり
思い通りにならないと
自分の立場や権威を振りかざして
徹底的に他者を批判排除し思い通りにさせるといった
いのちまでも損得勘定で見て
いのちの尊厳を否定するような
身勝手な有り様です。

 トランプさんにこそ
仏さまのみ教えを聞いてほしいと思います。
 縁起の理法による私のいのちのあり方です。
私は自分独りで生きているのではなく
あらゆるいのちのご縁つながりのなかに
互いに生かされて生きているのであり
今の私があるということです。

 世界の中のアメリカのリーダーとして
これまでの国の歴史
人々が培ってきた文化生活の営みに
謙虚に耳を傾け
これから次代の人々の暮らしに思いを馳せて
今何をすべきか広い見地に立って
政治を推し進めてほしいと思います。

 私の中にもトランプさんが住んでいることです。
御仏前に座り
お念仏の仏法に聞かせていただきましょう。
 阿弥陀仏の「あらゆるいのちを
分け隔てなくそのまま救う」ご本願を信じ
お念仏申す身にお育ていただき
あなたも私も皆共に
阿弥陀さまのお慈悲の中に生かされて
往生浄土のお念仏の道行きを生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.3)

出会い直し

2025-03-02
 「やり直しのきかぬ人生であるが
見直すことはできる」と
お念仏の先人の言葉をいただきます。

 この歳になって思うことです。
これまでの人生を振り返るとき
「こうしておけば」と思い返しても
過去のことは何一つやり直すことはできません。

 人の世に生まれて生きて
多くの人との出会いと別れがあり
いろんなことがあっての今の私です。

 「見直すことができる」とは
どういうことでしょうか。

 私が見直すというように聞こえますが
私の見方で見直す私の人生は
自己中心の自分の都合に合わせたものの見方で
良かった悪かったと見ては
どこまでも後悔と迷いの堂々巡りで
最終的に悪い人生で終わります。

 見直すとは私の思いはからいを超えた
善悪に執着しない仏さまのものの見方で見直すことで
良くも悪くもすべては仏さまのご縁につながって
「仏法に遇えてよかった」と
人生を振り返ることができると聞かせていただきます。

 あなたと私の出会いがあり
そして別れがありました。
 この人生は
多くのあなたとの出会いと別れの繰り返しです。

 後戻りすることはできませんが
あなたと私のご縁つながりの日々の営みが
そのままこれからも互いに生かされて生きていく
この人生の道行きです。

 家族や職場地域で日常お会いしている方もいれば
学生時代以来ずっと会っていないあなたがいます。
 人それぞれの人生があり生活ぶりも違って
今何をしているかなと思いを馳せます。

 懐かしいご縁の方々です。
良い思い出ばかりではなく
喧嘩別れしたり
いつの間にか音信不通になった人もいます。

 <出会い直し>ということを思います。
遠いいつの日か一緒に学び遊んだ友です。
 皆さんそれぞれにいろんな人生の歩みの中で
今また会える楽しみです。

 これまでの人生の道行きはそれぞれ違っても
仏法に遇ってお念仏申す身にお育ていただき
これからの人生を共々に生きて往ける
往生浄土のお念仏の道往きを
ご一緒させていただきましょう。

   ★『ようこそ月報』2025年3月号より

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.2)


それぞれの卒業式

2025-03-01
 3月は卒業式のシーズンです。
卒業式の思い出はそれぞれにありますが
今日は高校の卒業式でした。

 確か私たちの頃も3月1日でしたが
いつもは学校がお休みの土曜日なのに
今年も3月1日にして
何か意味があるのでしょうか。

 大学受験前の高校の卒業式でした。
多感な高校時代を振り返り感慨にふけるというより
大学受験をすぐそこに控え不安もあって
気分は卒業式どころではありませんでした。

 中学の卒業式も高校入試直前のことでしたし
大学の卒業式は3月末のことで
就職などで引っ越しやら次の生活の準備で
欠席する人が多かったようです。
 私も後日卒業証書が
実家に郵送されてきました。

 そのなかで小学校の卒業式は
次にみんなが進学する中学校が決まっていて
大きな安らぎに包まれて
先生や周囲の方々に感謝して学び舎を巣立ちます。

 3月29・30日に「住職継職法要」をお勤めします。
二年4カ月前に住職退任の辞令を受け
既に私は前住職の身ですが
この間新住職が描くお寺のデザインを見守りつつ
お念仏のご法義相続という大安心の中に
ご門徒有縁の皆様に御礼を申し上げ住職の卒業式です。

 これからもお念仏の同行として
往生浄土のお念仏の道往きを
ご一緒させていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.3.1)

宗兄弟

2025-02-28
 今朝の地元新聞に「宗猛総監督退任へ」の
記事がありました。
 宗茂さんと双子のマラソンランナーとして大活躍し
現役引退後も共に旭化成陸上部で後進の指導につとめた
レジェンドです。

 宗兄弟と私は同じ年です。
全く面識はありませんが
同じ大分県出身の同学年でもあり
高校生で県内一周駅伝で活躍していた頃から
注目して見ていました。

 決して順風満帆な競技人生ではなかったと思います。
一番の思い出を
「モスクワ五輪代表決定のマラソン」といい
残念な思い出に
「日本がモスクワ五輪をボイコットし
出場がかなわなかったこと」をあげ
世界の政治の荒波に翻弄され
夢を断念せざるを得なかったことをいわれています。

 同い年にプーチンさんと小池百合子さんがいます。
今も政治の世界の第一線にあり続ける人たちですが
それぞれの国で異なる社会体制の中に生きて
モスクワ五輪当時どんなところにいて何を思い
そして今為政者として市民のために何をすることを
最優先に考え政治を司っているのでしょうか。

 この同じ一つの地球にあって
政治体制の異なる社会に生き
人それぞれの人生
人それぞれに生活ぶりが違うなかに
これからも悲喜こもごもの人生を生きていく
私たちです。

 これまで歩んできたこの人生を振り返って
自分にとって良いことも悪いことも
いろんなことがさまざまにあったけれども
お念仏のお救いの仏法に遇わせていただき
阿弥陀さまの大きなお慈悲のお心
南無阿弥陀仏のおはたらきに生かされて
往生浄土のお念仏の道往きを共々に生きていける
「お念仏に遇えて本当によかった」と有難く思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2025.2.28)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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