何を依りどころに安心安全な日暮らしでしょうか
2021-07-09
昨日菅首相の会見で
東京に4度目の非常事態宣言の発令が発表され
オリンピックのバッハ会長が来日して
5者協議で東京オリンピックの
無観客開催が決まったということです。
去年からコロナコロナで
私たちの生活が振り回される様相ですが
東京五輪開催についても
その迷走ぶりは開幕直前まで続きそうです。
3年前に東京五輪をテーマにした
大河ドラマ『いだてん』が放送されました。
昭和39年に開催された東京五輪をめぐり
昭和15年の幻の東京五輪を回顧していく内容です。
当時五輪誘致に尽力された講道館柔道の父嘉納治五郎と
日本初の五輪選手金栗四三の生涯を通して
第二次世界大戦で東京五輪が中止されるというドラマは
今回のコロナ禍での五輪開催にも大きく重なります。
コロナ禍の五輪は今後いろんな角度で検証され
関係者の思いや足跡が何十年後かに
ドラマになるかもしれません。
菅首相は57年前の東京五輪を振り返り
バレーボール東洋の魔女の回転レシーブの思い出を語り
五輪が多くの日本人に勇気と希望を与えたと
コロナ禍という世界中な困難な時だからこそ
このたびの五輪開催の意義を強調します。
競技をするアスリートそして関係者の
いろんな思いが様々に交錯して
どんな五輪になるのか未だに想像できないところも多く
不安な中に7月23日の開幕は刻一刻と近づいてきます。
コロナ禍での東京五輪がどんなかたちで開催されようとも
私たちは日々の生活を生きていかねばなりません。
今日の一日一度しかない人生を
振り回されるなんてとんでもないことです。
ただ振り回されるような人生を送っていないかと
問われることでもあります。
果たして私は何を依りどころに生きているのか
という根源的な問いです。
阿弥陀さまは「われにまかせよ必ず救う」と
南無阿弥陀仏の喚び声で私のところに来てくださり
私と共に生きてくださる仏さまになってくださいました。
私がどんな状況にあろうともいつでもどこでも
ご一緒してくださる仏さまに安心して
南無阿弥陀仏とお念仏を申す生活をさせていただきます。
安心安全な五輪という言葉が行き交っていますが
実のところは私の安心安全です。
南無阿弥陀仏のお心おはたらきを聞いて
お念仏申す身になっておくれという
阿弥陀さまの大きな大きな願いのなかに
私たちの生活が今日一日があることを心に入れて
お念仏申す日暮らしをさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.9)
お葬儀のご縁で仏さまのご縁が始まります
2021-07-08
お葬儀のご縁をいただきます。
年間で凡そ20件ぐらいのご門徒有縁の方の
お葬儀をお勤めします。
お葬儀のご縁で初めてお会いをする
ご遺族ご親族がいらっしゃいます。
お葬儀のご縁でお寺とのつながり
仏法聴聞が始まる方をこれまで何人もみてきました。
今はお葬式をしないお家が増えてきました。
仏さまのご縁が薄くなり無くなることになりかねません。
お葬儀のご縁で先に往かれた大切なお方が
仏さまとなって遺った方たちにつくってくださった
仏さまのご縁とそのままいただければよいのですが
私の思いはからいがそこに入ってきます。
私たちは毎日私の思いをもって生きています。
自分中心の思いで
私の思い通りにいけばいいのですが
中々思い通りにいかないのがこの世のことであると
歳を重ねるなかに思い知らされることが
たくさん増えてまいります。
仏さまはここに座れと
御仏前に私の指定席を用意して
仏さまのご縁をいただけよとお勧めなのです。
悲しいご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただきましょうと
お取り次ぎをさせていただきます。
仏さまのご縁をいただいて
南無阿弥陀仏とお念仏を申す身になってほしいと
仏さまはずっと前から願われているのです。
仏法を聞いてお念仏を申す身になること一つのために
この人間界に命恵まれて生まれてきたのですよと
仏さまのご縁を用意してくださっているのです。
死んだらおしまいでは決してない
仏さまの大きなご縁つながりのなかに生かされ
たくさんの命に支えられて
これからも心豊かにいのち豊かに生きることができると
お葬儀のご縁にまた改めて味わわせていただくことです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.8)
南無阿弥陀仏に安心して阿弥陀さまがご一緒の生活です
2021-07-07
今朝はいつもより一時間ほど早く起きました。
今日はお葬式があって過去帳や位牌を書くためです。
起きたら蒸し暑いんです。
戸を閉め切っていたからで
さっそく戸を開けて墨書に取りかかりました。
すぐいい風が入ってきました。
何か懐かしい風のようにも思いました。
この時間に早起きしないと
日頃は感じることができない体験です。
若い頃に夏キャンプに行って蒸し暑い夜中を過ごし
朝方すっと目が覚めてテントの外に出たら
スーッといい風が吹いて感じる自然の有難さです。
こんなさわやかな体験ができるのだったら
明日も明後日もいつも一時間早く起きたらと思いましたが
一方でいやいややっぱりゆっくり床の中に一分でも長く
寝ていたいという思いもありましてということです。
いつもより朝の準備も早めにできて
6時の梵鐘を撞く前に境内をずっと見て回りました。
今花壇がきれいです。
坊守さんが一人でしていることですが
有り難いですね
草花や木々に季節の折々の自然の営みを感じます。
梵鐘を撞く頃はもう太陽が東の空高く上がり
燦々と照り付けて今日も暑くなるだろうと思います。
日々の営みです。
今日も一日いろんなことがたくさんあります。
今日はお葬式です。
お葬儀は大切な方とお別れする悲しみのご縁ですが
お念仏のご法義を聞かせていただきますと
死んだらおしまいではなくて
そのまま仏さまのご縁といただいて
仏さまとなってくださった先人の方々と
南無阿弥陀仏のご縁つながりのなかに
いつでもどこでもご一緒できるということです。
今日7月7日は七夕です。
一年に一度織姫さんと彦星さんがデートをするといいます。
お互いに待ちこがれてこの日を迎えることでしょう。
阿弥陀さまはもうすでに「まかせよ救う」と
南無阿弥陀仏となって私のところに来てくださって
私の返事を待ってくれているのです。
私の命をそのまま引き受け支えてくださる仏さまです。
南無阿弥陀仏に安心して阿弥陀さまがご一緒の生活を
共に送らせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.7)
72時間の生活ドキュメンタリー
2021-07-06
静岡県熱海市の土石流発生から
72時間が過ぎようとしています。
連絡がつかない多くの方がいて
必死の救出活動が継続されていますが
この72時間が生死を分ける大きな境目といわれます。
NHKテレビで72時間の
ドキュメンタリー番組が放送されます。
町中の皆さんがよく集まる場所に72時間カメラを据えて
行き交う人々の生活ぶりを通して
さまざまな人生を垣間見る企画です。
京都の町中にある道添いのコーヒー店が舞台でした。
店頭でコーヒー豆を買ったりコーヒーを飲んで一服する
人びとの日常を紹介していました。
72時間という同じ時間ですが
そこに行き交う人々それぞれに様々な思いがあり
生活ぶりが違います。
このお寺もまた人々が行き来する所です。
ご縁のある方がお参りされます。
この72日間3日間でどんな方がどんな思いで
お参りされたのでしょうか。
今朝一番にお仏飯をお供えに納骨堂にお参りしますと
お扉が開いている納骨壇がありました。
昨日お参りされたのでしょう。
これまでもお参りされていますが
毎日ではありませんし
3日に一回ということでもありません。
ご縁ご縁にお参りされているということです。
お参りするところがある有難さを思います。
昨日一日を振り返ってみても
毎日のこのお朝事だけではなく
何人かの方がお寺にお参りされました。
仏さまのご縁です。
仏さまのご縁つながりのなかに
久しぶりにお寺にお参りされた方も
いらっしゃるでしょう。
いつものお同行もいらっしゃいます。
昨日夜遅く電話があって
ご門徒の方が亡くなったということで
この後臨終勤行にお参りします。
これまでお寺参りのご縁はありませんが
大切なお方とお別れする悲しいご縁を
そのまま仏さまのご縁といただいて
明日の夕刻お遺骨をお供して
お寺の阿弥陀さまの御尊前にお参りされます。
お念仏のご縁つながりをいただいて
ご先祖からご縁のお寺にお参りさせていただくのです。
仏さまからいただいたご縁で
皆さんとのご縁ができるという尊さです。
仏さまのみ教えを聞いてお念仏申す身になっておくれと
先に往かれた仏さまの尊いご縁をいただくなかに
72時間だけではなくこれからもずっと
阿弥陀さまの大きな大きなお慈悲の中に
共々に生かされて生きてまいりましょうと
今日のお通夜明日のお葬式のご縁で
お取り次ぎさせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.6)
思いがけないことが起こる
2021-07-05
日曜日は何件も法事が重なることが多いのですが
昨日は午前中に2件午後から1件のご法事でした。
内2件はお寺の本堂でのご法事で
昨日は大変暑くて扇風機を回し
外から風を入れようと戸を広く開けていました。
読経の後でお参りの皆さんの方に向き直って
ご法話お取り次ぎをしていた時のことです
突風が吹いて掲示板がバタバタ揺れて危ないと思った瞬間
黒板がスローモーションを見るようにゆっくり倒れてきて
ものすごい音を立て床に打ち付け
留め金が外れてしまいました。
お話を中断し急いでお参りの皆さんとまず戸を全部閉め
倒れた黒板を元に戻してそのままお話を続けました。
ご法話の最中にも思いがけないことが起きるのです。
私たちが確かなことと思っていることが
何一つないのがこの人生だよと仏さまの教えです。
熱海の土石流です。
今はスマホで誰でもその瞬間を撮影できますから
その時のようすが何度もこの目に入ってきます。
家という家を根こそぎ木っ端微塵に
押し流していく土石流を山津波というそうです。
今も連絡がつかない行方不明の方が
たくさんいらっしゃるといいます。
山津波に飲み込まれて
バラバラになった家屋の中に泥の中に
人の命のはかなさを思います。
まさに思い通りにならない
思いがけないことが瞬時に起こる中を
私たちは生きているのです。
こんなはずじゃなかった。
何でどうしてと思い返しても元には戻りません。
思い通りにならない中に真実まことの
お念仏のご法義を聞かせていただきます。
日々移り変わり行く無常の世にあって
変わることのない真実まことの生死の帰依処です。
生きる依り処帰っていける処です。
お念仏のみ教えを聞いてお念仏申す身になっておくれと
南無阿弥陀仏のお喚び声です。
思いがけないことがわが身に起こって
慌てふためく私であっても
どんな状況の中にあっても
「あなたを決して見捨てない。必ず救う」と
おはたらきの阿弥陀さまが
いつでもどこでもご一緒くださる有難さを
バタバタするなかにもお取り次ぎさせていただきました。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.5)