本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

思いがけないことが起こる

2021-07-05
 日曜日は何件も法事が重なることが多いのですが
昨日は午前中に2件午後から1件のご法事でした。

 内2件はお寺の本堂でのご法事で
昨日は大変暑くて扇風機を回し
外から風を入れようと戸を広く開けていました。

 読経の後でお参りの皆さんの方に向き直って
ご法話お取り次ぎをしていた時のことです
突風が吹いて掲示板がバタバタ揺れて危ないと思った瞬間
黒板がスローモーションを見るようにゆっくり倒れてきて
ものすごい音を立て床に打ち付け
留め金が外れてしまいました。

 お話を中断し急いでお参りの皆さんとまず戸を全部閉め
倒れた黒板を元に戻してそのままお話を続けました。

 ご法話の最中にも思いがけないことが起きるのです。
私たちが確かなことと思っていることが
何一つないのがこの人生だよと仏さまの教えです。

 熱海の土石流です。
今はスマホで誰でもその瞬間を撮影できますから
その時のようすが何度もこの目に入ってきます。
 家という家を根こそぎ木っ端微塵に
押し流していく土石流を山津波というそうです。

 今も連絡がつかない行方不明の方が
たくさんいらっしゃるといいます。
 山津波に飲み込まれて
バラバラになった家屋の中に泥の中に
人の命のはかなさを思います。

 まさに思い通りにならない
思いがけないことが瞬時に起こる中を
私たちは生きているのです。

 こんなはずじゃなかった。
何でどうしてと思い返しても元には戻りません。
 思い通りにならない中に真実まことの
お念仏のご法義を聞かせていただきます。

 日々移り変わり行く無常の世にあって
変わることのない真実まことの生死の帰依処です。
生きる依り処帰っていける処です。
 お念仏のみ教えを聞いてお念仏申す身になっておくれと
南無阿弥陀仏のお喚び声です。

 思いがけないことがわが身に起こって
慌てふためく私であっても
どんな状況の中にあっても
「あなたを決して見捨てない。必ず救う」と
おはたらきの阿弥陀さまが
いつでもどこでもご一緒くださる有難さを
バタバタするなかにもお取り次ぎさせていただきました。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.5)


2回目のワクチン接種です

2021-07-04
 コロナワクチンの接種で2回目に副作用が出る人が多い
という話は身近な情報としても聞いていました。

 先月30日に2回目のワクチン接種をして
次の日のお朝事の前は平熱でしたが
午前中に1件お参りした後で何が体がだるい感じがして
体温を測ったら37度5分以上に上がっていました。

 少し横になって休んでいましたが
夕方には38度台になってしまいました。

 さあ大変!急に不安になりましたが
大騒ぎして病院にかかるまでもないとの自己診断で
とにかく安静にと心がけて何度か夜中に起きましたが
徐々に体温も下がってきて
次の日のお朝事はいつものようにお勤めができました。

 約半日がかりのことでした。
10人が10人副作用が出るということではありませんが
多少なりとも副作用の症状があるのがワクチンの接種です。
 
 ワクチンを接種することは
正常な体に異物を入れることですから
副作用が出るのが正常ということではないでしょうか。

 私たちはこの身をもって生きています。
それぞれみんな私は正常と思って生きています。
 ところが阿弥陀さまは私のことを
煩悩具足の凡夫の身と見抜かれたのです。

 自己中心に自分の思いいっぱいに生きて
何をしでかすか分からない身を生きているとの指摘です。
 そう言われても隣の人はそうかもしれませんが
私は正常大丈夫と思っているのがこの私です。

 その私にお念仏が入り込むのです。
私は正常と思っている私にとってお念仏は異物です。
 副作用が起こります。
お念仏の教えを拒絶する
阿弥陀さまのお心おはたらきを疑う心です。

 そういうなかにお念仏を申す身に
させていただけたということです。
 お念仏申す身にさせていただけて思うのは
あれもこれも
「まかせよ救う」の南無阿弥陀仏のおはたらき
阿弥陀さまの仕業に罠に引っかかったのです。

 見事に南無阿弥陀仏のおはたらきに引っかかって
お念仏申す身にさせてもらった以上は
もう「おまかせします阿弥陀さま」と降参です。

 阿弥陀さまの御仏前に座らせてもらい手が合わさって
南無阿弥陀仏とお念仏を申す身にさせていただきます。

 その時だけのことではなく
阿弥陀さまの大きなお慈悲の中にこれからもずっとです。

 ご縁ご縁にお念仏申しましょうと言われて
お念仏申すのではありません。
 お念仏を申す身にさせていただいたからには
ご縁ご縁にこの口からお念仏が出てくださるのです。

 お念仏の異物が煩悩具足のこの身に入って
そのまんまお念仏申す身にさせていただいて
そのままお浄土に生まれさせていただくと身になる
阿弥陀さまの南無阿弥陀仏のおはたらきの仕業です。

 見事にお念仏のわなに引っかかって
お念仏申す身にさせていただけたのです。

「かぜをひけばせきが出る 才市がご法義のかぜひいた
お念仏のせきが出る出る」と
妙好人浅原才市さんのうたです。

 お念仏のせきを止めるわけにはいきません。
阿弥陀さまのおはたらきにまかせたらいいんですね。

 南無阿弥陀仏におまかせして
今日一日もお念仏申す日暮しをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.4)


「御和讃」繰り読みの再出発です

2021-07-03
 今日から拝読の御和讃が「弥陀成仏のこのかたは」と
最初に戻って53日間の繰り読みが再出発いたします。

 8月25日に再び最初に戻ってきますが
その頃はまだまだ暑いでしょうね。
 コロナの感染状況はどうなっているでしょうか
オリンピックはできたのでしょうか
いろんな思いをはせます。

 こうして毎朝のお朝事のお勤めですが
ご本山京都西本願寺では毎朝6時からのお勤めです。
 御導師はご門主さまです。
御影堂(本願寺の本堂)でのお勤めは
『正信偈和讃』で「帰命無量寿如来」と発音され
お参りの皆さんが「南無不可思議光」と続きます。
 御和讃の一首目もご門主が
「弥陀成仏のこのかたは」と発音されます。 

 光真ご門主(現前門さま)は著書『いまを生かされて』で
朝のお勤めは何千回と繰り返しているが
いまだに慣れることがなく
いつも緊張しているといわれます。

 毎朝のお勤めのなかで
「光あふれる御影堂に身を置き
満堂の御門徒の皆さんの声が響く時
私は阿弥陀如来の光に照らされていることを
深く感じずにはいられません」
「そうした緊張に身を固くしているときでも
私の声に続いて堂内の皆さんが声を重ね
御影堂に満ちる大きな声として聞こえてくる和讃は
私に深く確かな感慨をもたらしてくれます」
と述べられています。

 阿弥陀さまの光のおはたらきでこの私が救われることを
皆さんと共々に喜ばせていただけるというのです。

 「弥陀成仏のこのかたは」の後に
「いまに十劫をへたまへり」と続きます。
 私がこの世に生まれるずっと遥か遠い十劫という昔に
法蔵菩薩が「十方衆生を救う」という誓願を成就されて
阿弥陀仏に成ったというのです。

 その誓願成就のお姿が
この前のお立ち姿の阿弥陀如来さまであり
南無阿弥陀仏のおはたらきと聞かせていただきます。

 「法身の光輪きはもなく 世の盲冥をてらすなり」
と更に続きます。
 阿弥陀さまは光の仏さまに成ってくださったのです。
阿弥陀さまの御身から無量の光が放たれています。
智慧と慈悲の光のおはたらきです。

 私たちの煩悩の闇を智慧の光で破り
慈悲の光でそのまま包み救うという
摂取不捨のおはたらきです。

 南無阿弥陀仏のお喚び声となって
私のところに届いてくださってあるのです。

 迷いの闇の中にある私です。
闇は音が閉じ込められた世界です。
 南無阿弥陀仏の声の仏さまが
私の闇を破ってくださるのです。
 南無阿弥陀仏のお喚び声を聞いてくれよと
阿弥陀さまは喚び通しに喚んでくださっているのです。

 十劫の遥か昔から私を喚んでくださっている
南無阿弥陀仏のお喚び声です。
 「必ず救うまかせよ」の声を聞いて
「おまかせします阿弥陀さま」と
お念仏申す身にさせていただきます。

 今日も皆さんとご一緒に大きな声で
お念仏申すことができました。
 皆さんの声がそのまま
南無阿弥陀仏の声となって聞こえてきます。

 南無阿弥陀仏のおはたらきに支えられて
今日の一日もいろんなことがあるでしょうが
阿弥陀さまの大きなお慈悲のお心に安心して
共々に生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.3)


仏智の不思議

2021-07-02
 昨日今日の御和讃に何度も
「仏智の不思議」とでてきました。

 仏智とは仏さまの智慧
真実まことのおさとりの内容です。
 不思議とはこの私の側からいうと
思いはかることができないのが
仏さまの智慧ということです。

 私たちは小さい頃からずっとものを知る
知識を積み重ねることで知恵をつけてきました。
 知識をもって自分で物事を理解し納得することで
信じ身につけてきたのです。

 ところが仏智仏さまの智慧は
私が理解するしないに関係なく元々真実まことであり
私が信じることを待たずに
仏さまが信じさせようとおはたらきなのです。

 仏さまのおはたらきを他力といいます。
「まかせよ救う」とおはたらきの阿弥陀さまのお心を聞いて
「おまかせします阿弥陀さま」とまかせるときに
もうすでに阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に包まれ
生かされてあるというのです。

 南無阿弥陀仏のお心おはたらき一つで
どんな人も等しく救われていく教えを聞いて
お念仏を申す身になってくれよというのです。

 仏さまのご縁に遇わせていただくことの有難さですが
難しさでもあります。

 仏さまのご縁に遇うことの難しさを
お寺との私の立ち位置ということで思います。
 仏法聴聞の念仏道場であるお寺との関係で
私はどこに立っているのかということです。

 皆さんは今もお寺の本堂の阿弥陀さまの御仏前にいて
阿弥陀さまの方を向いてらっしゃいます。
 お寺の境内にいて本堂に入ろうかどうしようか
山門のところでお寺に入ろうかどうしようか
迷ってらっしゃる方もいるでしょうし
お寺を外から風景のように
眺めてらっしゃる方もいると思います。

 今阿弥陀さまの御仏前にお参りされているのは
これまでに大きな仏さまのご縁があったということです。
 南無阿弥陀仏の大きなおはたらきに催されて
「おまかせします阿弥陀さま」とお念仏を申す身に
ならせていただいたのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.2)


7月です

2021-07-01
円成会7月誕生会のお花<アウスリウム>です
 7月に入りました。
一年の半分が過ぎてこれから折り返しです。
 何か置き去りにされるように
怖いぐらいに本当に早く時が過ぎ行きます、

 昨日2回目のコロナのワクチン接種をしました。
これまで先の見えない不安に振り回されてきたなかに
一つ確かな段階をクリアして
新たな気持ちで今日を迎えるということです。

 皆さんもそれぞれに新しい月を迎えて
今日の生活を始められることですが
毎月1日は『聖人一流章』の御文章さまを
拝読させていただきます。

「聖人一流の御勧化のおもむきは
信心をもって本とせられ候」
親鸞聖人の開かれた浄土真宗のみ教えは信心が根本です
と始まります。

 阿弥陀如来から賜わる他力の信心
南無阿弥陀仏のお心です。
 その南無阿弥陀仏のお心を聞かせてただくのが
浄土真宗の要なのです。

 南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただいて
お念仏申す身になってくれよとの
親鸞さま蓮如さまの仰せといただきます。

 今日一日もいろんなことがあろうと思います。
この一か月もまたこの半年もということですが
「聖人一流の御勧化のおもむきは
信心をもって本とせられ候」とのお心もちをいただいて
お念仏を申して今日の一日この一か月この半年
日々お念仏の日暮らしをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.1)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
4
6
7
0
2
TOPへ戻る