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お念仏を申す生活法話

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東京オリンピックの開幕です

2021-07-23
 今日いよいよ東京オリンピックが開幕します。
コロナ禍のオリンピックで無観客での開会式です。

 開幕直前の昨日も開会式の演出者が解任されました。
オリンピックは開会式は果たしてどうなるのかと
次々に起こる重要なスタッフの辞任解任劇から
海外のメディアからは「呪われた大会」という
表現まで使われる異常な事態です。

 橋本聖子五輪組織委員会会長の
度重なる謝罪会見を見るのも辛いですね。
 私だったらもう泣きだしたくなる
放り出したくなるような心境ですが
メディアは責任を追及し詰め寄ります。

「責任は痛感しています。
パラリンピックが終わるまでとにかくやり通します」
と淡々と言われる姿が何とも痛ましいです。

 20年以上前の雑誌の記事やコントの言葉です。
過去のことといえば過去のことですが
今もいじめや差別する文章が残っており
現代のネット社会にあってたちまち拡散するのです。
 忌まわしい過去の事実ですが今も現存し続けるのです。

 私たちも過去今まで生きてきた中で
嫌悪感に襲われるような思い出したくないことや
自分では覚えていなくても人を傷つけてきたことが
たくさんあるのではないでしょうか。

 当時のことをいかに弁明しようとも
時間が経っても決して許してもらえないこともあります。
 こうした国際的な大きな大会に関わっている方
だからこそということもあると思います。

 今回の東京2020大会の理念は「多様性と調和」です。
多様性とは国や民族言語性別といった違い
私たちの生活ぶりがみんなそれぞれ違うということです。
 親子であっても夫婦兄弟親しい友人もそれぞれに
誰からも侵されない護られるべき人権があり
一つの社会を共に生きているということです。

 お互いの違いを認め合っていく中に調和です。
みんながバラバラで自分勝手に生きていたら
この社会は成り立ちません。
 共に生きる私たちお互いが敬い合い支え合って
調え和していく世界をめざすことが求められます。

 そしてこの社会にはいろんな人がいて
色んな見方考え方が違ってあるということです。

 身に覚えがあることでも今の自分の思いを離れて
大きく集まったらこうした事態にもなるということです。
 その人人の人柄生活ぶりこれまでの人生を
みんなが具に知ってるわけではありません。

 阿弥陀さまのお救いを思います。
阿弥陀さまは私たちのことを具に見られて
私たちがこの世に生まれる前からのことも
すべてご存知の上で
この私をこそ必ず救うという本願をたて
救いの手立てを南無阿弥陀仏一つに成就されて
すべてのいのちが本当に調和された世界を
お浄土とつくってくださったのです。

 私たちが生きるこの世間にはいろんな方がいて
それこそ私にとって都合の良い人悪い人
好きな人もいれば嫌いな人そして関係ない人が殆どです。

 いろんな国いろんな人がいてオリンピックを通して
多様性と調和をめざすということではないでしょうか。

 都合の悪いものを排除していく中に
自分たちだけの世界をつくっていったら
最終的には小さな小さな私だけの世界になってしまいます。
とても調和という理念からはかけ離れた世界です。

 いろんな人が生きている社会にあって
私たちが共に生きる世界があると
大きな世界に生まれて来いよと喚ばれるのが
南無阿弥陀仏のお念仏の世界と聞かせていただきます。

 どんな開会式になるのでしょうか。
昭和39年の東京五輪の開会式を
テレビで観て覚えています。
 あれから57年が過ぎて
五輪の開会式は大々的なショー感覚の演出になりました。
 コロナ禍だからこそのシンプルな開会式を期待します。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.23)


「海の日」です

2021-07-22
 今日は変則的な国民の祝日で「海の日」です。
海の日があって山の日があってと
夏休みになって日頃は中々行けない
海に山に行って大自然に親しもうということでしょうか。

 母なる大地といいますが
母なる海という言い方もあります。
 母の心無償の愛です。
子どもたちを大きな母の心で育んでくださいます。

 親鸞さまは「海」という言葉をお聖教のなかに
たくさん使っておられます。
 毎朝ご一緒に読誦するお正信偈さまには
5回「海」の文字がでてまいります。

「凡聖逆謗斉回入(ぼんじょうぎゃくほうさいえにゅう)
 如衆水入海一味(にょしゅしいにゅうかいいちみ)
(凡聖・逆謗斉しく回入すれば
 衆水海に入りて一味なるがごとし)
と平等一味の阿弥陀さまのお救いを
海のはたらきに喩えられています。

 どの川の水も海に入ると一つの味になるように
凡夫も聖者も、五逆のものも謗法のものも
みな本願の海に入れば、等しく救われるというのです。

 川は上流から下流に高い所から低い所に
流れて行きますがその行く先は海です。
 この川が流れて来るはたらきも
海のはたらきといただきます。

 私たち一つ一つの川を
濁った水も清らかな水も汚染された臭い水も
みんな等しく受け入れてくださる
阿弥陀さまのご本願の海があると
阿弥陀さまの大悲のお心
南無阿弥陀仏のおはたらきをいただきます。

 私が救われるすべての手立てを成就してくださり
南無阿弥陀仏のお手回しのおはたらきで
今日もこうして阿弥陀さまのご尊前に座らせていただき
ナモアミダブツとお念仏を申す身にさせていただきました。

 私たちはそれぞれの思いをもって日々生活をしています。
自分の思い通りにいくときは有頂天の幸せを感じ
思い通りにいかないと不幸なわが身を嘆き悲しみ
周りを嫉み妬み怒りの心も起こります。

 仲良く寄り添う関係も
ある時には背中合わせになり
ある時にはぶつかり合いののしり合って
殴り合いもできる私たちです。

 自己中心の私の思いに振り回され
迷い苦しみ悩む私を見抜かれた阿弥陀さまは
どんな人も等しく受け入れて一つにしてくださる
南無阿弥陀仏のおはたらきになってくださいました。

 私たちそれぞれの川をそのまま受け入れて
一つにしてくださる阿弥陀さまのご本願の海です。

 南無阿弥陀仏とお念仏申すなかに
阿弥陀さまの海のような広大なお心を聞かせていただいて
皆さん共々に今日の一日を生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.22)


今日から夏休みです

2021-07-21
夏休みの朝の時間本堂の戸を開けています(2021.7.21.6:00)
 今日から小中高校の夏休みです。

 昨日MYさんから
「今年は朝の体操どうしますか?」と聞かれて
昨日が一学期の終業式で夏休みなんだと思ったことです。

 一昨年まで3年間夏休みの間
お朝事の前に子どもたちにも呼びかけてということで
梵鐘を撞いてラジオ体操をしていましたが
今年も去年に続いてお休みします。

 コロナ禍で普段の日常生活に戻らないままに
夏休みに入ってと中々気持ちが弾みません。

 23日のオリンピック開幕を前に
今日から競技が先行して始まるということです。
 テレビ欄は朝から夜までオリンピック中継があり
これから連日オリンピック観戦が続きます。
 
 オリンピックが開幕すれば
空気も随分変わると思いますが
今回の五輪は開幕直前までいろんなことが起こり
今もコロナ禍の五輪開催に反対中止の声が止みません。

 何のためのオリンピックか
その開催意義が問われる五輪になりました。

 近代オリンピックの父クーベルタンは
「オリンピックは参加することに意義がある」
との言葉をのこしました。

 スポーツを通じて世界中のいろんな国から
選手関係者が多く参加する大会です。
 国や民族、言語も生活ぶりも競技の実力も
全く異なる選手たちが一堂に集まることの意義です。

 日本で東京開催の57年ぶりのオリンピックです。
今やオリンピックはアスリートだけの大会ではなく
世界の市場経済の中の一大イベントになって
それぞれの国や関係者の思惑も様々ですが
コロナという不規則事態で思い描いたことが吹き飛んで
これまでにない変則的な大会になったということです。

 コロナ禍での開催意義を共有することなく
どんな形でも東京五輪を開催することを目的に
延期決定からの一年半迷走しながらやってきたことです。

 東京開催が決まった7年前からですから
多くの時間とヒトモノカネをかけて準備をしてきた関係者
そして競技をする選手の皆さんの気持ちを思えば
五輪開催に固執することは分からないでもありません。
 これまで中止だ反対だと言っていた人たちも
競技が始まればテレビ観戦して応援することでしょう。

 大事なことは何をするにしても
その意義意味は当然あるし問われることです。

 この命を生きるということも
何のために生きるのかという根本的な問いです。

 生きるということについて
私たちの生き方生活ぶりはみんなそれぞれ違います。

 自分一人が生きている社会ではなく
社会をみんなが共に生きているという事実に向き合って
何のためにいかに生きるかということです。

 この人生の根源的な問いに答えてくれるのが
宗教であり私たちにとってはお念仏のみ教えです。

 今年も朝のラジオ体操はしませんが
夏休みの期間梵鐘を撞く6時からお朝事の時間まで
本堂の戸を広く開けます。

 この時間だけではありませんが
ご縁の皆さんが本堂の阿弥陀さまに向いて手を合わせ
南無阿弥陀仏とお念仏申してくれたらと思います。

 何のために生きるのか。
お念仏を申して生きるという
南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただきます。

 日々の生活です。
今日も一日いろんなことがありますが
お念仏を申して阿弥陀さまの大きなお慈悲のなかに
共々に生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.21)

「後世をしるを智者とすといえり」

2021-07-20
 今日の御文章さま『八万の法蔵章』に
「後世をしるを智者とすといえり」とありました。

 後世とは後生ともいい
この一生が終わった後の世のことで
後生に対してこの世は今生
そしてこの前の世を前生といいます。

 仏さまのみ教えは
今生この人間の世界は生死の迷いの世であって
過去世からずっと私たちは生まれては死にと
生死流転を繰り返してきているというのです。

 人間に生まれる前の世があったということは
この命終えてから後の世後生があるというのです。

 一方で「後世をしらざる人を愚者とす」
とあります。

 私たちはこの人間の世に生まれて
仏法に遇う尊いご縁をいただきながら
この生を終えて再び迷いの世界に生まれるか
浄土に往生して生死を超えるかという
何よりも大事な問題に全く心を寄せずに
空しく過ごすことでは
何のために人間に生まれてきたのかと
厳しく問われるところです。

 私たちは過去現在未来とずっと
迷いの世界を経巡っていくというのが仏さまの教えですが
生死の迷いを超える道を開いてくださるのも仏教なのです。

 生死の迷いを超えてさとりを開いて来いよと
仏さまの教えの通りに仏道を勧められるのです。

 ただ迷いを超えて来いと言われて
煩悩にまみれた自分の力では到底仏のさとりを開けない
私のことを見抜かれた阿弥陀さまは
凡夫の私が救われるすべての手立てを
南無阿弥陀仏に仕上げてくださったのです。

 今日明日と「南無阿弥陀仏をとなふれば」で始まる
現世利益和讃を拝読させていただきます。

「南無阿弥陀仏をとなふれば この世の利益きはもなし
   流転輪廻のつみきえて 定業中夭のぞこりぬ」
(南無阿弥陀仏を称える身になると
 この世で得る利益は果てしない
 迷いの世界を生まれ変り死に変りし続ける罪も消え
 寿命に限りがあることや
 その途中で死んでしまうという恐れも断ち切られる)
とご和讃です。

 お念仏のご利益は商売繁盛病気治癒といった以上の
ご利益であり生死の迷いを超えて命終のときに
阿弥陀さまのお浄土に生まれて
さとりの仏になるというのです。

 阿弥陀さまの本願念仏の救いの法に遇い
お念仏申す身にさせていただくことこそ
このたび人間の世界に生まれて来た意味だと
有難く聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.20)

ご法事の楽しみ

2021-07-19
 8月の盆月が近づいてお盆のお参りのご案内を
ご門徒皆さんにしました。
 この一年の間にご往生されたご門徒の方の初盆会は
毎年8月13日14日の二日間でお勤めし
お参りの順番と時間を決めてご案内します。

 あるお家から
「夕方のお参りになっていますが高齢者ばかりで
日中にしていただけませんか」と連絡がありました。

 円光寺では以前からずっと初盆のお家には
夕方から夜にかけてお参りする習わしがありました。
 親戚縁者の方が仏間に入りきれないようにお参りされ
食事を出すところもあってお酒も入って
大変賑やかな初盆会になります。

 今はコロナ禍ということもあり
とても考えられない光景ですが
これもまた仏さまのご縁の有難いところだと思います。

 皆さんご一堂に御仏前に座らせていただけるのです。
私たちが普段食事をする場所は居間ですが
少し前まではお客事があったり特別な日には
御仏前で食事をしていたのです。
 お法事のお斎(とき)を思い起こして
いただければよいと思います。

 昔の仏間は広くて大人数が入りました。
皆さんが多く集まれるスペースを作ってあったのです。
 今はお家の造りも変わって
仏間がないお家も多くなりお仏壇も段々小さくなりました。

 初盆会だけでなく時代時代で
ご法事の仏さまのご縁の形も変わって行きます。
 一方で形は変わってもご法事をお勤めするお心は
しっかりと受け止め伝えていかねばならないと思います。

 食事をしにご法事にお参りするのではありませんが
そういう楽しみもあっていいと思います。
 親戚とはいえ日頃のご縁が段々薄くなってまいりました。
「久しぶりやなあ」「どうしよんのかえ」と声をかけ合い
御仏前で懐かしい方々と会いお話をして
仏さまとご一緒に過ごすことができるる有難さです。

 何といってもお仏壇の仏さまを向いて
ご一同に南無阿弥陀仏とお念仏申しお礼ができる尊さ
それはそのまま先に往かれたご先祖有縁の方を
仏さまと仰いでいけるご縁とまた有難くいただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.19)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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