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お念仏を申す生活法話

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大切な先人のお遺骨のこれからの行方は?

2021-08-02
アフリカンサファリ近くの<別府霊園>のようす(2021.8.1.12:00)
 昨日四十九日満中陰のご縁で納骨に行きました。
別府霊園という墓苑です。
 先日お参りした別府鶴見霊園より遠方の
高速道路で別府ICを過ぎた先で降りて
アフリカンサファリの近くでした。

 全く同じ規格のお墓がいっぱいです。
昭和60年頃建てられたもので
先にご主人がそしてこのたび奥さんが
納骨されたということです。

 日本経済がバブルの頃で
当時大自然に囲まれた広々とした墓苑が
全国的に売り出されたことです。

 ご夫婦のお歳でいったら高齢期を迎えて
第二の人生を考えるなかでの
お墓だったのではないでしょうか。

 緑の山々に囲まれ遠く海が見える丘で
欧米の墓地のような公園感覚の立地です。
 車社会にあって大自然の中にピクニックがてらに
お墓を訪れるといったようなことで
30年40年前の一つのものの考え方であったと思います。

 お墓の継承が難しくなってきています。
親と子そして孫で生活ぶりが違い
住居も変わってきています。

 故郷に帰ってお参りする従来のお墓のあり方が
変わってきておりこれからの変わって行きます。

 皆さんのお家のお墓はこの近くにあり
毎日お参りしようと思えばお参りできるところですが
遠方のお墓は車がなければお参りするが難しいです。
 高齢になって運転免許証を返上する話もよく聞きます。
自分が元気なうちは何とかお墓を守るといっても
思うようにいかない現実があります。

 お家のご先祖のお遺骨を納めているお墓は
ご先祖有縁の方々とのご縁つながりを思う場所です。
 私たちのご法義お念仏のご縁つながりです。
墓前で合掌し南無阿弥陀仏とお念仏申してお礼をします。

 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
先に往かれたご先祖も後に遺った私たちも
共々に生かされてあるというお念仏のみ教えです。
 有縁の方とお別れをする悲しいご縁ですが
そのまま仏さまのご縁と聞かせていただくのです。

 お念仏のみ教えを聞かせていただく有難さです。
教えがないままに大切なお方のお遺骨の行方は
これからどうなるのでしょうか。

 阿弥陀さまのお寺をあずかる住職として
どうかご縁ご縁にお寺参りしていただいて
お念仏申してご先祖をお念仏の先人と仰ぎ
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
共々に生かされて生きてあることを
聞いてほしいと思ったことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.8.2)


お念仏が身についてくださる有難さ

2021-08-01
 8月になりました。
8月盆月です。
 コロナ禍で今年も故郷への帰省は難しいですが
お盆には懐かしいお家に帰り
お仏壇やお墓に手を合わせて
先人を偲んで遺徳を訪ね
家族や友人と一緒に過ごす楽しみがありました。

 若い頃友人と大分の町で待ち合わせする時の話です。
予め待ち合わせの時間と場所を約束して
それぞれにそこに行くお互いに待ったものです。

 約束の時間に相手が来なかったりしたら
時間や場所を間違えたのかと不安になったり
長く待たされることになると
何でどうしてと腹が立ったりしたものですが
ひたすら待ち続けるしかありませんでした。

 今は携帯スマホがあります。
現代人の必需品といっていいほど
子どもから大人お年寄りまで殆どが持っています。
 携帯する電話で
いつでもどこにいてもお互いに連絡が取れる優れものです。

 携帯することに意味があるのですが
私はよく携帯することを忘れます。
スマホを家に置いて外出したのでは意味がありません。

 私は頻繁にスマホを使う方ではありませんから
日頃は不便を感じることが少なく
だから忘れるということにもなるのでしょうか。

 外出して待ち合わせなど連絡を取り合うのには
本当に便利なアイテムです。
 凡その約束をしてあとは現地で互いに連絡を取り合えば
その時どきで確実に対応できることで本当に便利です。

 ただ便利なものには不便が付きまといます。
携帯を持ち始めた頃よく電話がかかってきました。
 早急の連絡ではありません。
何をしているどこにいるかで始まって
どこに来いとか相手の都合に合わせることの不便です。

 携帯が身につかない私ですが
皆さんはどうですか。
 有れば便利ですが
無ければないでも仕方がないと不便を感じません。

 お寺参りの携帯品に念珠式章聖典があります。
お寺の行事にお参りする時は予めそれらの品が入った袋を
持っていくようにしていれば忘れることはありませんが
お寺参りに身につけようと思ったら忘れることもあります。

 私が身につけようとするものだから
忘れるのです。
 お念仏は違います。
お念仏が身についてくださるのですから
いつでもどこでもお念仏申すことができるのです。

 お念仏が身についたら離れません。
お念仏申す身にさせていただくのです。
 お念仏が身についてくださる有難さです。
何を忘れたといって
この身そのままお念仏を申すことができるのです。

 この人生の終わり命終えていく時に
何を忘れた何を持っていきたいと思っても
私が持っていくものは何一つありませんが
この身についたお念仏がお浄土に
私を連れて行ってくださるのです。

 お念仏の先人は今も南無阿弥陀仏の声の仏さまとなって
私をお念仏申す身にさせてくださったと有難く喜び
先人を訪ねていく8月盆月にさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.8.1)


いつでもどこでも阿弥陀如来の摂取の光明の中です

2021-07-31
 今は学校は夏休みです。
長い夏休みで普段はできないことができるということで
祖父母の所に行って生活するなど
楽しみなことが沢山あります。

 夏休みは宿題があります。
早く済ませておけばいいのですが
ついついため込んで二学期間際になって大変です。

 宿題で絵日記がありました。
夏空の絵です。
 濃い青の空に真っ赤な太陽に入道雲です。
見るだけで本当に暑いという絵です。

 絵日記には必ず天気と気温を書いていました。
私が子どもの頃の気温は暑くても32度とか33度で
35度ということは滅多になかったと思います。

 今は35度以上が全国各地でよくあることで
北海道でも記録されます。

 暑中です。
暑中お見舞い申し上げます。

 30度以上を夏日といい35度以上猛暑日
そして40度以上になったら酷暑日というそうです。
 どこまで気温が上がるのでしょうね。
地球温暖化の問題が身近に深刻に思います。

 ただこの暑い夏も月日が過ぎれば涼しい秋になり
寒い冬がやってきます。

 暑中のただ中を私たちは今生きています。
コロナのただ中でありオリンピックのただ中でもありますが
オリンピックも10日後には閉幕し
コロナもいずれかは収束するでしょう。

 私たちを取りまく状況は日々刻々と変わって行きますが
私たちはその中を命ある限り生きていかねばなりません。

 思うような楽しいことばかりでなく
思うようにいかないこともたくさんあって
苦しみ悩むこともたくさんあります。
 お釈迦さまが「人生は苦なり」と言われたように
この人生は思い通りにいかないことです。

 阿弥陀如来は大悲の光明を放って
いつでもどこでも
私がどんな状況にあろうとも
摂取不捨のおはたらきでいつも私とご一緒です。

 南無阿弥陀仏の大きなおはたらきの中に
今日も暑い日が続きますが
私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.31)


お念仏の仲間とお浄土の旅を楽しむ

2021-07-30
 オリンピックの熱戦が続いていますが
女子の体操競技でこれまで金メダルをたくさん獲った
アメリカのトップ選手が競技の途中で
メンタルの不調を訴え競技を止めて
昨日の個人総合決勝戦には出場せず
スタンドからチームの仲間の応援をしていました。

 メンタルの不調ということでは
テニスの大坂なおみ選手もうつ病を告白し
四大大会の全仏大会を途中欠場しました。

 私たちには計り知れないトップ選手だからこその
重圧があるのでしょうね。

 こうしたスター選手に限らずこの社会で生きる私たち
それぞれにその人が置かれた立場やるべきことについて
メンタル精神面での影響が大きいといいます。

 私たちは感情をもった人間です。
その時々の心と体のコンディションに左右されます。
機械が動いて生きているわけではありません。

 どんなに実績のある競技者も
周囲から当然のように結果を求められ
心の葛藤のなかで苦しみ悩むことになります。

 私たちの人生にもそんなことを思います。
傍から見ると当然こうあるべきだと求められ
自分の人生だからと強がってみてもどこかで重圧を感じ
何も手に付かないといった感じで
何でこんなことがいつものことができないのかと
周囲から言われ思われ大きな重圧になって
その場から逃げ出したくなるような状況に
追い込まれるのです。

 金メダルをいくつ取ったとメダルメダルと
結果を求め評価して
何でどうしてと勝手な見方をしている私がいます。

 そうした自己中心の見方をする私こそ
そういう見方にとらわれがんじがらめになって
自分の殻に閉じこもり苦悩し動けなくなっているのです。

 阿弥陀さまは南無阿弥陀仏の声になった仏さまです。
いつでもどこでも私がどんな状況になっても
「私がいるよ。大丈夫だよ」と
この私を喚び通しに喚んでくださっているのです。

 南無阿弥陀仏とお念仏を申して
阿弥陀の大きな世界に生まれて来いよといわれます。

 阿弥陀さまといわれて
この目に見えるわけではなく
そんな仏さまのことは信じられないと
言われるかもしれませんが
南無阿弥陀仏のお念仏の声になって
この耳に聞こえるおはたらきで
私を喚んでくださっているのです。

 その声はお念仏申す私の隣の人の声であり
家族や友人の声でありご先祖有縁の仏さまの声です。
 十方世界ありとあらゆる世界の諸仏方の声と
聞かせていただきます。

 先日もお話しましたが
今回メダルを獲った選手のインタビューで
オリンピックを楽しむ競技をして楽しかったという言葉が
よく聞こえてきます。

 嫌々ながら競技ができるものではありません。
楽しんで自分の大好きな競技をするなかに
重圧を感じつつ結果としてメダルを獲れたから
楽しいということかもしれません。

 今日は水泳の萩野選手と瀬戸選手が出場する
200m個人メドレーの決勝があります。
 リオオリンピックでは期待通りのメダル取りの大活躍で
スポットライトを浴びましたが
今大会は瀬戸選手はこれまで決勝進出もできない不振で
萩野選手はこの一種目に絞ることでのレースです。

 決勝進出が決まったインタビューで二人とも
一緒にレースに出れることを本当に喜んでいました。
 仲間がいるということです。
個人競技ですがチームなのです。
 仲間だからこそ分かり合える
そして一緒に楽しむということでしょう。

 私がこの人生を生きるということも
私一人の人生ですがそこに仲間がいるということです。
 私が生きるといって自分一人で
生きているわけではありません。
 目に見える方ばかりでなく目に見えない方にも
支えられ生かされてあるのです。

 南無阿弥陀仏とお念仏を申して生きるのです。
私がお念仏申して往生浄土の人生を生きるのですが
私一人ではなく南無阿弥陀仏のおはたらきで
隣の人も家族も友人も会ったことがない人も
みんなお念仏申してお浄土参りを
ご一緒させていただけるのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.30)


お念仏のみ教えに遇うことの難しさです

2021-07-29
 昨日は土用の丑の日で鰻を食べた方が
多かったのではないでしょうか。

 コロナ禍で飲食店が売り上げが軒並み減って
困っているということですが
土用の丑の日は特別な日で鰻は
いつも以上に出ているそうです。

 今年はお店に食べに来るお客は少なくても
家に持ち帰る方が多いといいます。
 冷房の効いた家でオリンピックを観ながら
ゆっくり鰻をいただくというのです。
 何か最高の贅沢ですね。

 オリンピックに集中して
コロナ下にあることを忘れてしまいそうですが
現実は大変厳しい状況にあるということです。

 東京の感染者が昨日これまでで最高の三千人近くに
なったということで
全国では九千人を超えて
一万人の大台に乗るような状況です。

 ワクチン接種が進み治療薬もできて
これまで以上に対応ができており
重症者は減っているとの見方がありますが
緊急事態宣言したにも拘らず人流は変わらず
中軽症者の自宅療養が急増し
医療現場は逼迫しつつあるといいます。

 助かる命が助からない状況に
近づいてきているという専門家の指摘です。
 聞くとちょっと怖いですね。
急に体調が悪くなって病院に行っても
ベッドがいっぱいで対応できませんと言われても
どうすることもできません。

 医療現場の関係者専門家の見方と
私たちの見方にはすごい差があります。
 ただこの私が家族が親しい人が感染した時は
その見方が変わるのです。
 こんなことになるんだったら
何で早くから医療体制をちゃんとしておかなかったのかと
見事に変わるのです。

 その人その人その立場立場で見方が変わり
行ったり来たりと煩い迷い苦悩する私が生きる
無常の世にあって
変わることのない真実まことのものの見方を
仏教お念仏のみ教えに聞かせていただきます。

 治療を尽くして助かる命も
私たちはいつか必ず終えていかねばなりません。
 そのことはみんな知ってはいますが
私のことと聞きたくないといって
これは本当のことです。

 人間に生まれてこの命を今生きていますが
何のために人間に生まれてきたのか
お念仏のみ教えに聞かせていただきます。

 お念仏のみ教えに遇ってお念仏申す身になって
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
死んだらおしまいではなく
そのまま阿弥陀さまのお浄土の仏さまとなって
これからもずっと南無阿弥陀仏のいのちのつながりのなかに
私たちは共々に生かされて生きていくのです。

 人間に生まれて仏法に遇うことの有難さ尊さですが
日々の生活に明け暮れるなかに
仏法に遇うご縁をいただくことの難しさをまた思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.7.29)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
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