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お念仏を申す生活法話

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阿弥陀仏にだっこされて

2021-12-02
 今日は『大乗』(2021年12月号)のご法話から
お話をいただきます。

 小学校一年生の男の子が書いた
「だっこのしゅくだい」という作文です。

 学校の先生から「家族のみんなに
だっこしてもらうことが今日の宿題」と
言われたそうです。

 早速その子は家に帰ると
「おかあさんだっこして。宿題だから」と言って
だっこしてもらいます。
 温かくて気持ちよかったそうです。

 次に小さいおばあちゃんにだっこしてもらうと
「おおきゅうなったのう」と言われ
大きいおばあちゃんにもだっこしてもらうと
「おもとうなったのう」と言われます。
 小さい大きいは
おばあちゃんとひいばあちゃんのことだと思います。

 そしてお父さんの帰りを待ち
お父さんにだっこしてもらってから胴上げしてもらい
ふぁっと体が宙に浮いて気持ちよかったそうです。

 とてもうれしくて最後に
「まただっこのしゅくだいがでたらいいな」と
書いてありました。

 この作文を読みながら
先日ご往生された瀬戸内寂聴さんの
生前の映像を思い浮かべました。
 お寺の御堂での法話会のようすです。
たくさんの方がお聴聞されているなかで
一人の女性が手を挙げて
寂聴さんに話しかけられるのです。

 思いつめたように涙声で
「実は主人が亡くなったのですが
そのことを受け入れることができなくて
生前のことをいろいろ思い出しては
今も日々悔やむことが多く
どうしたらいいのか…」と
絞り出すような声で話すのです。

 するとじっと聞いていた寂聴さんが
女性に手招きしながら歩み寄って行かれて
女性を抱かれたのです。
そして耳元で「悲しいね。泣いたらいいのよ。
涙が枯れるまで泣いたらいいのよ」と
何度も何度も言われました。

 仏さまのお慈悲のお救いです。
私たち人間の理屈を超えて
そのまま抱き取り慈しみ悲しんでくださる
仏さまのお徳おはたらきです。

 今日ご紹介したご法話の最後には
「私たちも阿弥陀仏にしっかりとだっこされているのです。
それを現わすのが南無阿弥陀仏です。
この人生の本当の居場所は職場でも家庭でもなく
南無阿弥陀仏、お念仏の中にあるのです。
たった一人になっても、病で床に伏していても
貧しさの最中にあっても
南無阿弥陀仏と私の口からお念仏が出る時
それは阿弥陀仏にだっこされているということであり
どこでもない、今、ここが私の居場所となるのです」
と結ばれていました。

 阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に
共々に生かされて生きている私たちなのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.2)


二ホンミツバチの蜂蜜をいただきました

2021-12-01
 今朝6時の梵鐘を撞いて
南東の空高く冴えて輝く三日月が観えました。
 大きな風が吹いて師走になりました。
12月1日です。
 本堂にこの冬初めてストーブが入りました。
防寒の準備も整えてお朝事のご縁をいただきます。

 門徒報恩講にお参りして
あるお家で蜂蜜をいただきました。
 自家製のものです。
少しお話を聞きました。

 この辺でも趣味で養蜂をしている方が
結構いらっしゃるということです。
 この辺の蜂蜜は二ホンミツバチのもので
一般に販売されてる蜂蜜の多くは
セイヨウミツバチのものだそうです。

 専門の養蜂業者が取り扱うもので
セイヨウミツバチが集まる花を求めて
全国各地に出かけていくといいます。

 この辺の二ホンミツバチは巣箱を置いておくと
集まってくるということで
ミツバチの来るのをひたすら待つのです。
 二ホンミツバチは百花といわれる
多種の色んな花の蜜を持ってくるそうです。

 お寺ということを重ねて思います。
お寺はまさに二ホンミツバチの形態に似ています。
 決まった巣箱を作ってハチが来るのを待つんですね。
阿弥陀さまの願いが詰まったお寺は
ご門徒有縁の皆さんの居場所です。
 阿弥陀さまがひたすら私たちを
待ってくださっているのです。

 百花それぞれの蜜をもったミツバチは
生活ぶりがそれぞれ違う私たちです。
 その私たちが分け隔てなく一堂に集まれる
お寺という私たちの居場所です。

 ここに座っておくれと願われて
御仏前でご一緒にお勤めをさせていただき
阿弥陀さまのお心を聞かせていただきます。
 「一人じゃないよ。私がいるよ大丈夫だよ」と
南無阿弥陀仏のお喚び声となって
阿弥陀さまがご一緒くださる心強さです。

 私一人じゃありません。
隣の人も隣の人もみんな同じお念仏のお同行が
御仏前に座らせていただく私たちの居場所です。

 これから寒くなります。
いよいよ厳しい冬の到来です。
 人生に四季に重ねて
思い通りにならないことが
次から次に起こってきますが
私たちには帰っていける居場所があります。

 南無阿弥陀仏に安心して
師走のお念仏のご縁を共々にいただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.1)


きれいにお仏壇をお荘厳して門徒報恩講のご縁です

2021-11-30
 昨日から門徒報恩講のご縁で
ご門徒皆さんのお家にお参りをしています。

 報恩講は親鸞さまのご法事です。
皆さんのお家のご法事のように
お仏壇をきれいにお荘厳して
報恩講のお勤めをさせていただきましょうと
ご案内しています。

 きれいにお飾りされたお仏壇で
ご門徒皆さんとご一緒にお勤めさせていただきます。

 あるお家では
一年に2回お盆の前と報恩講の前に
お仏壇の仏具のおみがきをすると聞きました。

 お寺の仏具もそうですが
そのままにしておくと埃をかぶってしまいます。
 仏事の節目節目におみがきをさせていただくことで
お浄土のお荘厳をさせていただくのです。

 磨けば磨くほどピカピカに光り輝いてきれいですと
言っていました。

 阿弥陀さまのお浄土は無量光明土といって
光あふれる世界です。
 智慧と慈悲の阿弥陀さまの光明のおはたらきで
私たちを等しく摂め取って
お念仏申す身にさせていただくのです。

 日々の移ろい変わり行く生活の中で
仏さまのご縁をいただいて
いよいよお浄土への人生お念仏の道を
確かに確かに歩ませていただける尊さ有難さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.11.30)


漏れる私を漏らさず救う南無阿弥陀仏のご法義です

2021-11-29
 昨日は御正忌報恩講法要の御満座で
お内陣のお荘厳もいつものすがたにかえって
今日から平生のお朝事のお勤めになります。

 日々の移ろいの中に私たちは歳を重ねていきます。
このたびの三日間の御正忌報恩講法要は
私の従兄の急な往生で遠方にお参りし
通夜葬儀火葬そして初七日をお勤めすることで
初日は留守をさせていただき
何かバタバタしたご縁になりました。

 コロナ禍で御講師も私の方で手勤めさせていただき
次から次へとすることも多く重なって
昨日は皆さんにお手伝いいただき後片付けをして
何とかいつもの段取りを済ませて安心していましたが
電話があって配り物の「円光寺通信」に
ミスプリントがあったということでした。

 何度もチェックしたつもりでしたが
こんなことです。

 これで大丈夫と
私たちは完璧に物事を行うように努めますが
あれもこれもとバタバタするなかに
忘れたり漏らすものって結構あります。

 私たちを漏らさず等しく救うてくださる
南無阿弥陀仏のお念仏のご法義です。
 漏れるところがある私たちだからこそ
阿弥陀仏さまはこの私のことをいつも思い取って
南無阿弥陀仏と喚んでくださっているのです。

「どんなことがあっても私がいつも一緒だからね。
大丈夫だよ」って。
 日々お念仏を申す生活をさせていただきます。

 今日から門徒報恩講ということで
皆さんのお家の報恩講をお勤めさせていただきます。
 日々の移ろいの中に
共々にお念仏申させていただけることを
お朝事のご縁でまた有難く思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.11.29)


「いつも私が一緒だから大丈夫」

2021-11-28
 御正忌報恩講法要のお朝事のご縁です。

 昨日大逮夜の夜のご縁が済んで
テレビでプロ野球日本シリーズの中継を観ていたら
最後の延長12回までいって11時を過ぎていました。

 シリーズ7戦中の第6戦ですが
毎試合接戦の試合展開で目が離せません。
 昨日は1対1の同点からヤクルトが12回表に1点を取り
最後は抑え投手がきちっと抑えて勝って
優勝を決めました。

 この抑え投手は外国の選手ですが
このシリーズ2回抑えを失敗して
チームが負けているのです。
 でも高津監督はこの投手を抑えに使い続けました。
監督自身も同じ抑えの投手で
ほぼ完璧な内容で輝かしい戦績を残していますが
打たれて負けることもあって
抑えに失敗した投手の心情がよく分かるんでしょうね。

 初戦にサヨナラ本塁打を打たれて負けた時に
監督自らその選手に
「あなたにまかせている」と言ったそうです。
 すごい言葉です。

 就任二年目の高津監督は
去年最下位のチームを日本一にしたということで
高津マジックというそうです。

 スタンドのファンが「絶対大丈夫」の言葉を掲げて
応援する光景を見ます。
 どんなピンチにあってもどんなチャンスの時でも
「絶対大丈夫」ってプレーしようということです。

「絶対大丈夫」という思いをもってプレーに集中し
今持てる力ベストを尽くすということでしょう。
 もし結果が失敗しても
責任は監督のこの私がとるよって
まさにまかせるということです。

 阿弥陀さまのお救いです。
「われにまかせよ必ず救う」と
南無阿弥陀仏のおはたらきで
この私を喚び通しに喚んでくださっているのです。

 今日の御文章さまです。
「十人は十人ながら百人は百人ながら」と
一人も漏らすことがない阿弥陀さまのお救いです。

 私たちはみんなそれぞれ生活ぶり
その生き方人生は違います。
 私たちはその違いを善悪の判断で見ようとしますが
阿弥陀さまはその一人一人を思い取って
すべてのものを分け隔てなく救うと仰せなのです。

 南無阿弥陀仏のお心おはたらきを
「いつも私が一緒だから大丈夫」といただきます。
 南無阿弥陀仏
これほど力強い言葉はありません。
真実信心まことの言葉です。

 南無阿弥陀仏のおはたらきで
お念仏を申す身にお育ていただき
今日の一日も生かされて生きてまいりましょう。

 今日は10時から御満座のお勤めをさせていただきます。
お誘いあわせお参りください。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.11.28)


円光寺
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