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お念仏を申す生活法話

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お念仏申す身にさせていただきましょう

2022-01-01
 どなたも新年明けましておめでとうございます。
こうして皆さんご一緒にお正信偈さまのお勤めをし
除夜の鐘の中をお念仏を申して
新しい年を迎えさせていただくことの有難さを思います。

 いつもお勤めさせていただくお正信偈ですが
「正信偈和讃」といって御和讃を拝読します。
 親鸞聖人がおつくりになった仮名まじりの和語で
仏さまのお徳を讃嘆ほめたたえるものです。

 五百首余りの御和讃から三百数十首ほどを
毎朝お朝事のお勤めで53日間にわたって
繰り読みしていきます。

 今日のご和讃はお寺のご法座やお家のご法事のご縁で
いつもお勤めさせていただく
「弥陀成仏のこのかたは」で始まる六首です。

「弥陀成仏のこのかたは いまに十劫をへたまヘリ
法身の光輪きはもなく 世の盲冥をてらすなり」
<阿弥陀仏が仏と成ってから
 すでに十劫の時を経ておられる。
 さとりの身から放たれる光はどこまでも果てしなく
 迷いの闇にいるものを照らすのである>とのご和讃です。

 浄土真宗のご本尊の阿弥陀仏です。
お正信偈に「法蔵菩薩因位時」とあるように
阿弥陀さまが法蔵菩薩の時にご本願をおこされたのです。

 私の自己中心の願いではなく法蔵菩薩の願いです。
十方衆生すべてのものを救いたいとの大きな願いです。
 すべてのものと聞いて私のことです。
この私を救いたいと法蔵菩薩が願いを起こされたのです。

 法蔵菩薩は迷いの世界で苦悩の海に沈む私を見てとって
必ず救うと願いをたてられ自ら修行を積まれて
本願を成就されお立ち姿の阿弥陀仏に成って
南無阿弥陀仏のおはたらきをしてくださっているのです。

 迷いの凡夫の私を見た時に座っちゃおれんと立ち上がり
私のところに来てくださって摂め取って捨てないと
おはたらきです。

 南無阿弥陀仏のおはたらきです。
十方衆生すべてのものを分け隔てなく救うという
おはたらきです。

 私の口から南無阿弥陀仏とお念仏がでてくださいます。
阿弥陀さまの「必ず救うまかせよ」の力強いおはたらきが
今こここの私に届いているのです。

 南無阿弥陀仏のお心おはたらきを
法蔵菩薩が阿弥陀仏に成られたいわれを
聞いてくれよというのです。

 十劫という遥か遠い遠い昔に
法蔵菩薩が阿弥陀仏に成られ
智慧の光明を放って大きなお慈悲の中に
私たちを摂め取って捨てないとおはたらきです。

 十劫という遥か昔から私のことを
ずっと思い取ってくださってあるというのです。

 私は今年で70歳になりますが
私たちがこの人間界に生まれてからではなく
この人間界に生まれる前からずっと迷いの世界にあって
生れては死に生まれては死にを繰り返してきた
私のことをです。

 南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
必ず救うそのまま救うというのです。
 南無阿弥陀仏のお心を聞いて
阿弥陀さまの真実信心をいただき
お念仏を申す身にさせていただきましょう。

 今日もこの口から南無阿弥陀仏のお念仏が
出てくださいました。
 
 お念仏のご利益です。
いつまでも若くて健康で何不自由ない生活ができるとか
自分の都合にあったご利益ではありません。

 これ以上無いすごいご利益です。
迷いの凡夫の私が南無阿弥陀仏のおはたらきで
さとりの仏さまにさせていただくのです。

 南無阿弥陀仏のご利益をいただいた
私の口から出てくださるお念仏は
阿弥陀さまの御恩に報謝するお礼のお念仏ですが
南無阿弥陀仏のお念仏の声は私にも
私の周りの人にも届けられるのです。

 この耳に聞こえるぐらいで結構ですから
南無阿弥陀仏と声に出してお念仏申しましょう。
 南無阿弥陀仏の「必ず救うまかせよ」の声が
そのまま聞こえてきます。

 今年の11月の御正忌報恩講のご縁で
住職を継職いたします。
 この一年が住職としてのラストイヤーになります。
何か特別こうしましょうということではありません。
 一つ一つていねいに一日一日を大切に
お念仏を申すなかにこの一年も皆さんと共々に
お浄土への人生を歩ませていただきたいとと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.1)


一年間ようこそのお参りでした

2021-12-31
 今日で2021年令和3年が終わります。
一年365日こうして毎朝お朝事のお勤めを
ご一緒にさせていただけました。

 円光寺は毎日朝からお念仏の声が聞こえるお寺です。
お同行の皆さんがお参りされて共々にということで
有難く御礼申し上げます。

 今日は大晦日で夜12時前から
本堂で除夜会続いて元旦会のお勤めをさせていただきます。
 同時に鐘楼で除夜の鐘撞きをさせていただきます。

 今日も朝から風が強くて寒いです暗いです。
コロナということもありますので
どうぞ気をつけてお参りください。

 なおいつものように
このお朝事は1月1日は元旦会で
1月2日は初法座で10時からのお勤めです。
 1月3日から通常の6時半からの
お朝事のお勤めをさせていただきます。

 一年間ようこそお参りなさいました。
ありがとうございます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.31)


諸仏諸菩薩の南無阿弥陀仏のおはたらきです

2021-12-30
 毎年のことですが
昨日29日にお鏡つきをして正月飾りを整え
今日12月30日は先々代16世照哲住職の祥月命日です。

 諸仏諸菩薩の南無阿弥陀仏のおはたらきを念います。
大本はご本尊の阿弥陀如来さまです。
 阿弥陀さまのお浄土に先に往かれた仏さまが
還相の菩薩となってこの迷いの世に還って来て
私たち衆生を救うてくださるおはたらきです。

 阿弥陀さまの南無阿弥陀仏のおはたらきの
お手伝いをしてくださるといいます。
 私たちの日々の生活の中に
菩薩さまのおすがたおはたらきとなって
この私を護り救うてくださるのです。

 今朝梵鐘を撞きに鐘楼に向かう時に
南東の空高く三日月がきれいに観えました。
この前は西の空にまん丸お月さまでした。
 日々の移ろい変化の中に生きてることを思います。
世の習い無常の理です。

 喚鐘を打つとき真正面に工場の煙突が目に入ります。
今日も煙が出ています。
 風のない時は空にまっすぐ緩やかですが
天候次第で海の方に山の方にとたなびいて見えます。
 工場は年末年始も休むことなく動いているのです。
そこで働く人もみんな生きているのです。

 昨日総代さんが幕を張り仏旗を掲げて
準備をしてくれましたが
今日は朝から風が強くて
山門の幕がバタバタと吹き上がっていました。

 すべてのものが動いています。
みんな生きているな
大きないのちのおはたらきのなかに
生かされているなと思います。

 この目で見耳で聞き体に触れて
五感いっぱいに感じて思うのです。
 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 私にとって都合の良いことも悪いこともすべて
南無阿弥陀仏のおはたらきとなって
この身に来てくださって
今日もこうして私の口からお念仏が出てくださるのです。
 南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 祖父が亡くなったのが昭和41年で
55年経ちました。
56回忌のご縁です。

 年月は経って遠くなりましたが
仏さまのおはたらきとなって来てくださって
いよいよ近くなりました。

 「間違いないぞ。お前の往生は
阿弥陀さまが決めてくださっていることだから。
間違いないぞ。お念仏を申して聞いてくれよ」と
今日もお朝事のご縁のなかに有難くいただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.30)

「お寺にお参りしますから」と外出の許可をいただきました

2021-12-29
 納骨壇の正月飾りにお参りされた方が
玄関にたずねてこられました。

 老人ホームに入所されている方です。
娘さんと一緒に来られて
「やっと来ました。2年ぶりです」と言われます。

 コロナ禍で外出も家族との面会も
ままならないということです。
 感染者が次第に減少する中で
今はオミクロン株とよばれるものが流行の兆しです。

 「よく外出できましたね」と言いましたら
「お寺にお参りするといったら許可が出ました」との返事です。

 有難いことですが
何故お寺のお参りは許可されるのかと思いました。

 お寺に人が集まるという発想がないのかなと思ったり
お寺にお参りすることはとても大事なことだと
施設の方が配慮してくださったのかなと思います。

 コロナ禍で不要不急の外出はやめましょうと
何度もアナウンスされてきました。

 お寺の法要行事も中止になったりということですが
そもそもお寺参り自体を不要不急なことと思っている人が
多いのではありませんか。
 年を取ってから暇ができたらと
いつでもお参りできるぐらいに思っていませんか。

 ところがお寺参りは中々どころじゃない
一生お寺にご縁がないままに命終えて行く方が殆どです。

 お寺にお参りするからと外出の許可が下りたと
いいですね。
 これから外出したい時は
「お寺にお参りしますから」と言ったらどうですかと
ちょっと要らんことを言いました。

 浄土真宗のお寺は阿弥陀さまのいらっしゃる所です。
阿弥陀さまがいつも立たれて
私たちのお参りを楽しみに待ってらっしゃる所です。
 そうしたお寺のご縁をお正月を迎えるなかで
またいただけることの有難さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.29)

いろんなことがあってお念仏申す身にお育ていただいたことに感謝です

2021-12-28
 昨日坊守と話をしていて
門徒台所の整理をしていたら大きな業務用の鍋や
たくさんの耐熱コップやコーヒーカップが
出てきたということです。

 何に使っていたのかと聞かれて
私が大学の頃だったと思いますが
当時父がいろんな事業をするなかで
大分商業高校の40m産業道路をはさんだ斜め前に
「富士ボウル」という大きなボーリング場があって
そこのレストランを経営していて使っていたものです。

 当時は日本中どこもここも大変なボウリングブームで
朝から晩までたくさんの人で賑わっていました。
 ボウリングの順番待ちの方が多く
30分待ちはまだいい方で
混む時は一時間二時間待ちもあって
そういう人たちの行き場になって結構繁盛していました。

 カレーやサンドイッチ、コーヒーなどの軽食中心で
専門のコックさんはいましたが
お客さんの接待やその他の雑用は父が知り合いに頼み
私も妹も手伝いに駆り出されることもあり
特に母は全般的な責任者といったようなことで
今から思うと本当に大変だったと思います。

 とにかく父のひと声で
いろんなことが日々展開していくようなことで
そういうなかにこの円光寺の歴史もあるのです。

 その後この本堂を新築することになって
父もお寺の活動を率先してするようになります。

 歳を重ねる中でこの年の瀬に
いろんなことを思い出します。
 はっきり覚えているわけではありませんが
とにかく色んなことがあったこれまでの人生です。

 皆さんの人生もそれぞれそうではありませんか。
振り返ればいろんなことがあったなかで
今のこの私があるということです。

 自分にとって都合の良いことも悪いことも
思い通りに行ったことも行かなかったことも
成功したことも失敗したこともです。

 いろんなことがあって今のこの私です。

 世間の見方はそれぞれです。
思い出したくないことも悔やむことも色々ありますが
どうしようもありません。

 やり直すことはできませんが
見直すことができると仏法は教えてくださいます。

 誰にも真似できないいろんな経験をするなかで
今の私があるということです。
 今この御仏前に座らせていただく
私があるということです。

 これまでのいろんなことを
一切合切そのまま引き受けてくださって
そのまま救うとおはたらきの
阿弥陀さまの御尊前に
お念仏申してご一緒させていただくこの私です。

 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
お浄土への人生をこれからも生かされて
生きて往けると聞かせていただき
お念仏を申す身にお育ていただいたことに感謝します。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.12.28)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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