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お念仏を申す生活法話

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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』

2022-01-28
 今年のNHK大河ドラマは三谷幸喜さん脚本の
『鎌倉殿の13人』で面白く観ています。
 これまでも『新撰組!』や『真田丸』の作品があり
他にも映画やテレビで異彩を放っています。

 歴史上の事実に三谷流の脚色が随所に
織り込まれて作られています。
 平安時代の貴族政治から鎌倉時代の武家政治へと
日本の歴史の大きな転換期で
平家から源氏の時代になって鎌倉幕府の成立という
血なまぐい権力闘争の歴史の事実です。

 伊豆に流されていた源氏の御曹司源頼朝が
いよいよ平家打倒ののろしを上げるところです。
 前回興味深く観たのは夢告
夢のお告げです。
 当時は夢のお告げが大きな意味をもっていたと
ナレーションにありました。

 「平家にあらざれば人にあらず」と
栄華を極めていた平清盛と相通じていた後白河法皇が
仲違いして源頼朝の枕辺に夢に出てきて
「平家打倒をたのむ」と頼朝に促すのです。
 配役が西田敏行など癖の濃い人ばかりで
コミカルに歴史の大転換を描いて面白かったです。

 挙兵することは命がけのことで
中々決心できるものではありません。
 平家打倒といってわずかな手勢ですが
夢告という帝の後ろ盾を得て兵を挙げ
結果は弟義経の活躍もあって
壇ノ浦で平家を滅亡させるわけです。

 夢告と聞いたときに
親鸞聖人の夢告を思い出します。
 京都の六角堂で観音菩薩が夢枕に立って
お告げをいただき
20年間の比叡山での修行を捨てて
法然聖人の下に入門された
お念仏の人生の大きな転機です。

 親鸞聖人の時代と今度のドラマの時代が
ちょうど重なります。
 ドラマを観ながら親鸞聖人はこの頃どこで
どうしていたのかなどと
思いをはせるのも興味深く楽しみです。

 皆さんも夢を見るでしょう。
私もよく見ます。
 夢の内容はすぐ忘れますが
夢の中に思っていた決心がついて夢から覚めます。

 日頃から私たちは思いをもって生きています。
ただその思いをすぐ行動に移すことができなくて
何日もあれこれ行ったり来たり考え悩みます。

 そういう私が一大決心をするときに
夢告といった背中を押してくれるものが
あるということではないでしょうか。

 夢告に頼るということではなく
日頃から思い考え悩んでいることに
真摯に向き合うことの大事です。

 「困ったときにはお念仏に相談しなされや」と
お念仏の先人は言われます。
 南無阿弥陀仏とお念仏申して
阿弥陀さまの仰せに聞かせていただきましょう。

 これからのドラマの展開を楽しみにしつつ
皆さんにもお勧めしたいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.28)


土曜日曜のお朝事のお勤めをお休みします

2022-01-27
 コロナ感染者が昨日は全国で7万人を超え
一昨日の6万人超えの最多を再更新したといいます。

 感染力の強いオミクロン株の感染は止まることを知らず
短期間で急激に増えています。
 まん延防止等重点措置が
今日から大分県にも適用となり
来月2月の20日までということです。

 深刻なのは若年層子どもの感染拡大で
学校の学級閉鎖や保育園の休園が増えていることです。
 子どもが感染すると家族が濃厚接触者となり
自宅観察で外での仕事ができなくなって
社会活動が滞る事態になります。

 昨日あるお家に電話しましたら
おじいちゃんが感染して家族が濃厚接触者になって
ずっと家に居るということでした。

 コロナ感染がすぐそこまで来ていて
身近な問題になっていることの悩ましさです。

 いつまでこうした状況が続くのでしょうか。
いつになったらコロナの終息宣言が出るのでしょうか。

 海外からは次の新型の兆しがあるといった情報が
伝えられているそうです。

 こうした不安な社会生活の中にあって
お念仏のみ教えを聞かせていただきます。

 時間はかかってもいつかは必ず収束するということ
今は私にできることをさせていただくことに尽きます。

 私たちは思いをもってそれぞれ頑張って生きています。
大変尊いことですが
頑張って頑張っても思い通りにならないことが
次から次にこの身に起こって
頑張れない私がいることも
教えてくれたのが
コロナ下のこの2年間であり
これからコロナ後に向けての生活ではないかなと思います。

 コロナ下でお寺の活動も中止や変更が続いていますが
このお朝事はずっと毎日欠かさず
毎朝6時半からお同行の皆さんとご一緒に
お勤めをさせていただいてきました。

 お寺の住職として日々のおつとめの第一歩であり
先代から受け継いだお念仏のバトンを
次の世代に伝えつつ
ご門徒衆と共にお浄土への人生を歩むことでした。

 私にできることをさせていただくことですが
歳を重ねてどこかで少し頑張るところが多くなり
しんどく感じたり体調を崩すこともでてきました。

 そこで少し前から思っていたことですが
ご法事が重なる土曜日曜のお朝事を
しばらくの間お休みさせていただこうと思います。

 先代から44年間一日も休まないことを
一つの目標にしてやってきましたが
お参りされるお同行の皆さんの顔ぶれも変わり
コロナ禍ということだけではなく
この世のものは常に移り変わって行くという
諸行無常の教えに生きている私たちですから
ここは少し変えて行ってもいいのかなと思います。

 皆さんもそれぞれ思いをもって
このお朝事に毎日お参りされているということで
住職の一存でという言い方には
ちょっと抵抗もあるかもしれませんが
ここはしばらくということでお許しください。

 土曜日曜のお朝事のお勤めはお休みします。
梵鐘は撞きますが、本堂の灯りはつけません。
喚鐘ももちろん撞きません。

 そういうことで多分近所の方が
「お寺に何かあったのでは」「ご院家さんは大丈夫か」
などと心配されるかもしれません。

 そういう声が皆さんに届いたら
これこれこういうことでとお話をして
月曜から金曜まではいつものように
お朝事のお勤めをしていますので
どうぞお参りしてください
ご一緒にお参りしましょう
とお誘いしていただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.27)


仏さまに一番のお供えは何でしょう?

2022-01-26
 中陰の期間七日参りのご縁に
ご遺族ご親戚の方がたくさんお参りです。

 お仏壇がきれいにお荘厳されています。
お仏飯がお供えされお菓子や果物などもあがって
お灯りをつけお線香を焚いて
ご一緒にお勤めをさせていただきます。

 お仏壇のお飾りのお話をするなかで
「今日もこうしてきれいにお供えができていますが
一番のお供えは何だと思いますか」と質問しました。

 一番のお供えと尋ねられて
皆さんだったらどう答えられますか。

 「お経ですか」と
小さな声が返ってきました。
 私の答えとはちょっと違いましたが
お経と聞いてああそうやなあと思いました。

 お経をあげるということで
お経をお供えするという言い方もできますが
お経はお釈迦さまのみ教えで
私が聞かせていただくのですから
一番のお供えはこの私なのです。

 私をお供えするのです。
何か変なことを言っているようですが
御仏前に私のこの身を置くということです。

 お仏壇のお荘厳お飾りをするのは私です。
私がじっとしていてお飾りができたのではありません。
私がお飾りをしたのです。

 ただお飾りをしたこの私が
御仏前に居なかったら
何の意味もないもったいないことで
仏さまに背を向けることにもなってしまいます。

 仏さまのお手回しのおはたらきで
この私が御仏前に身を置くことができたのです。
 お仏壇をきれいにお飾りお供えしてくれよと
仏さまのご催促があって
この私が御仏前に身を置かせてもらうのです。

 仏さまのお手回し南無阿弥陀仏のおはたらきです。
仏法を聞いてお念仏を申す身になってくれよと
阿弥陀さまが御仏前にこの私を座らせるために
こしらえてくださった手立てです。

 お供えしないといけないお参りしないといけないと
私のところに力が入ると
私が私がと自己中心のいろんな思いが出てまいります。

 阿弥陀さまの御仏前に身を置かせていただくなかに
南無阿弥陀仏のおはたらきを
そのままいただければいいのです。

 南無阿弥陀仏のおはたらきをいただいて
今日もお勤めができました。
 手が合わさりました。
南無阿弥陀仏とこの口からお念仏がでてくださって
阿弥陀さまにお礼ができました。

 南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
煩悩具足の凡夫の身がそのまま
お念仏を申す身にお育ていただくのです。

 お念仏申してこの人生を生き抜き
命終わってそのまま阿弥陀さまのお浄土に生まれて
仏と成りこの迷いの世に還って来て
有縁の人を護り救うはたらきをさせていただくと
聞かせていただきます。

 南無阿弥陀仏の大きないのちの物語です。
今日もこうして御仏前に身を置かせていただいて
お念仏を申しお念仏のお心を聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.26)


阿弥陀さまのお仕事のお手伝いをさせていただきます

2022-01-25
 ここにきてコロナ感染者が全国的に急増し
大分県も「まん延防止等重点措置」を国に申請して
明後日27日から来月2月20日までの期間といいます。

 コロナも色々と株別れして生き延びるなかで
今はオミクロン株です。
 今までの株と違って重症化するリスクは低く
特に若年層は殆ど症状がないといわれますが
感染力が圧倒的に強いことが
これまでにない感染者数になっているとのことです。

 若年層の飛躍的な感染者増で
学校や保育園で休校休園が増えているといいます。
 深刻な話は
感染すると二週間10日間の入院やホテル自宅での療養で
社会生活が全くできなくなり
また濃厚接触者も自粛生活を求められるということで
このままのペースで感染者数が増えれば
濃厚接触者も増大し
社会活動が滞る事態に陥ることになるというのです。

 医療従事者が感染者濃厚接触者になって
医療業務ができなくなり
ゴミ収集などの場合は
社会生活にすぐ大きな影響がでることも予想されます。

 社会的に非常に困難な事態なのですが
無症状で重症化するリスクが低いのなら
普通の風邪とどう違うのかといった疑問が起こります。

 風邪だったら自己判断で症状が重い時は病院に行っても
自宅で療養し体調がよくなったら仕事に戻るといった
社会生活ができるのではないかということです。
 ただ風邪薬のような町の薬局で処方できるものがなく
ワクチン接種に頼らざるをえないということです。

 緊急事態宣言やまん延防止措置など行政がすることと
日々生活している私たちの感覚とのギャップです。
 だからこそいつまでも悩ましいのです。
晴れがましく「これでコロナ収束です」と
「これから普段の日常生活に戻ります」と
どこで誰が宣言するのでしょうか。

 これまでの疫病感染症の歴史データからいうと
新型コロナウイルス感染症が発生して2年になりますが
収束まで3年とも4年とも5年ともいわれるそうです。

 このコロナ禍で私たちの仏さまのご縁です。
コロナ生活の中にも阿弥陀さまは私たちを見守って
南無阿弥陀仏「必ず救うまかせよ」とおはたらきです。

 阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされて
お念仏申して私にできることをさせていただく肝要です。

 お念仏申して頑張るのではありません。
頑張れば頑張るほど仏さまのお心から遠く
自己中心のものの見方が強くなって
一人しんどい思いに苦しみ悩むことになります。

 お念仏申して阿弥陀さまのご本願のお心
南無阿弥陀仏のおはたらきを聞かせていただきましょう。
 お念仏の声が私に聞こえそのまま隣の人にも聞こえます。
お念仏の声が
大きな南無阿弥陀仏のいのちのつながりとなって
私たちは共々に生かされて生きていけるのです。

 コロナは感染防止ですが
お念仏は感染していくといいなと思います。
 これは阿弥陀さまのお仕事ですから
今日も一日南無阿弥陀仏とお念仏を申すなかに
阿弥陀さまのお仕事のお手伝いを
させていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.25)


お念仏の人生に勝ち負けはありません

2022-01-24
 昨日は大相撲の初場所千秋楽で
関脇御嶽海が優勝して
来場所大関に昇進するとのことです。

 大相撲のテレビ中継を
ここ毎場所楽しみに観ています。
 若い頃からこれまで
大相撲には余り興味がありませんでした。

 優勝する力士がほぼ決まっていて
波乱が起きない展開が多く
年輩の方が夢中になって観ているのを見て
何で面白いのだろうと思っていたぐらいです。

 何故面白くなったのかと思うに
私も相撲を楽しむいい歳になったのでしょうね
 勝負が短くてわかりやすく
力士それぞれの人間味にも興味をひかれます。

 野球やサッカーなどどのスポーツも
ロボットの機械がするのではなく
生身の人間がする競技です。

 絶対的な横綱が引退したことで
どの力士にも優勝のチャンスが広がりました。
 いつも強い力士が勝つのではなく
番付下位の力士が勝つことも
小兵の力士が大きな力士に勝つこともあって
面白いです。

 生身の人間が体と体をぶつけあって
勝負するのですが
そこに精神的ものが作用して
番狂わせもおきますし
力士それぞれが歩んできた土俵人生などを知ると
一層興味がわいてきます。

 御嶽海は三役をずっと務めてきた実力者と
誰もが認めるところですが
もう一歩で大関というところでコロッと負けます。
 大相撲の解説者も戸惑わせるような
えっという負け方ふがいなさも
何度も見せてくれました。

 大関の正代に重なります。
周囲の期待が大きいだけに
ふがいない自分に情けないと思うことも
多々あったと思いますが
難しいことです。

 私のことでもあります。
生身を生きる私です。
 周りからはああやこうやと
「あなたのためを思って言っているのよ」などと
ありがた迷惑なアドバイスもいただいて
結果が出ないと
「あれほど言ってあげたのにしてあげたのに」と
恩着せがましく批判されて
この身をどこにもっていけばいいのか苦悩し迷います。

 この身を生きているのはこの私です。
どんな私でもこの身から逃れることができません。

 阿弥陀さまのご本願は
煩悩の生身を生きる私をめあてに発されたのです。
 南無阿弥陀仏のお名号を成就されて
「まかせよ救うそのまま救う」と私におはたらきです。

 相撲に勝負はつきものですが
その人人の人生に勝ち負けはありません。

 南無阿弥陀仏のお心おはたらきです。
「あなたはあなたのままでいいんだよ」と
大きなお慈悲につつまれて
「いつでも私が一緒だから
あなたはあなたのいのちを精いっぱい輝かせて
一緒に生きて往きましょう」と聞かせていただきます。

 阿弥陀さまのご本願のお救いです。
お念仏を申して共々に生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.1.24)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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