本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

ライバル以上の友人(2018年アーカイブ)

2022-02-20
 オリンピックでメダルをとった選手の人生に
スポットライトが当たります。
 その人の人生いのちの物語です。
 
 スピードスケートの小平選手です。
千mで銀メダルそして五百mで金メダルをとりました。

 皆さんはどんな思いで
テレビを観ていましたか。
 日本の選手は頑張ってほしい
メダルを取ってほしいと応援します。
 一方他国のライバル選手には
転んでほしい失敗してほしいと観ている私がいます。
 いやですね。
 
 競技自体を何も知らない者が色々言って
日本のメダルはいくつだとか
結局はメダルを取ったか取らなかったかで
その選手の扱い方が全然違ってきます。
 本当に身勝手な私たちだと思います。
 
 では当事者はどうなのでしょうか。
ライバル同士でいつもいがみ合っているのでしょうか。

 500mの全選手の出走を終えて
金メダルが確定した小平選手が
韓国のイサンファ選手と健闘をたたえ合う場面が
とても感動的でした。
 
 お互いにベストを尽くした結果が
金メダルと銀メダルということです。
 確かに選手は高みをめざしますが
それは全ての選手に言えることで
お互いの実力も知りつつ競技しているのですね。
 
 イ選手は母国開催の期待を一身に背負って
この競技に集中してきたことを
小平選手はよく知っていたからこそ
五輪新記録で走ってメダルをほぼ手中に入れたと
歓喜に沸くスタンドに観客に静寂をよびかけ
次のレースのイ選手の走りに注目するように促したのです。
 
 競技を終えて泣き崩れるイ選手を
抱きかかえるようにして
小平選手がかけた言葉が
「あなたを今も尊敬してます」でした。

 その後の記者会見で
「ライバル以上の友人です」と言われました。
 本当に素晴らしいと思いました。
お互いに尊敬しあい
相手のことをよく知っているからこその言葉です。
 
 小平選手のいのちの物語です。
長野の大学を卒業しどうしても師事する先生のいる
長野で競技を続けたいと就職活動をするなかで、
病院の先生が声をかけてくれて今があるといいます。
 
 小平選手は自らを求道者といっていました。
固い信念を貫いて自分の人生を切り開くといいますが
決して自分一人の力ではない
そこに家族をはじめたくさんの方々の
サポートがあったからこそですと
感謝の言葉が何度もでてきました。
 
 このいのちの物語はオリンピック選手だけではなく
私たちも一人一人いのちの物語を紡ぐんでいるのですね。
 今もいのちの物語を生きているのです。
私一人じゃない、いろんな人にたくさんのいのちに
支えられてあるということです。
 本当にお互いに尊敬しあえる友人に会うということは
人生の大きな宝ものです。
 
 私たちは阿弥陀さまのお念仏のお仲間です。
阿弥陀さまのお慈悲の中に
南無阿弥陀仏の大きないのちの物語を
今日も一日お念仏を申して
お互いに敬い合い励まし合い支え合って
生かされて生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.2.20)

わがいのちの物語(2016年アーカイブ)

2022-02-19
 今日2月19日は私の伯父さん
藤並昭円さんの祥月命日です。

 昭和23年のご往生で
私は会ったことがありません。
 写真でみますと
丸眼鏡をかけてとても温厚な感じです。

 円光寺の長男に生まれ
17世を継職する立場にありましたが
28歳で亡くなりました。

 二男は有縁のお寺に入寺しており
三男の父が急遽円光寺の住職を継ぐことになったのです。

 だから今私がここに居るということは
この昭円さんのご縁なくしてはないというか
私たちのいのちの不思議を思いはかります。

 こうしてこうしてこうしたらこうなるという
私の思いを超えて<わがいのちの物語>です。

 この物語の主人公は私ですが
私がつくる物語のようで
私がどうこうできるものではなく
ただただご縁といただきます。

 ご縁といって
私たちは仏さまのご縁といただける有難さです。
 仏さまのご縁をいただいた
わがいのちの物語です。

 私たちは人間としてこの世に生まれ
老いて病んでそして死んでいきます。
 これが私の人生ですが
仏さまのご縁に遇わせていただくと
この世に生まれてくる前もあったし
死んだら終いでもない
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
生かされて生きていると聞かせていただきます。

 今日のお話でいったら
昭円さんは私にとってかけがえのないご縁のある方で
今もこうしてつながっていると
仏さまとなって私たちを見守り
必ず救うと阿弥陀さまのお手伝いをしてくださってあると
聞かせていただきます。

 ご先祖有縁の仏さまの南無阿弥陀仏のご縁につながって
今こここの私を生きているのです。

 人のいのちの物語は命終わる時に完結しますが
同時に仏さまの無量寿のいのちとなって
永遠にわがいのちの物語は続くのです。

 南無阿弥陀仏のいのちの物語です。
人それぞれにその人生の歩みは異なりますが
みんな南無阿弥陀仏のいのちにつながって
生かされて生きているのです。

 どうかしますと私が私がと自己中心に生きて
この命は自分のものだから
自分勝手にしていいなどという私がいますが
しんどいですね。

 私一人の命じゃなかったと
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
安心して生きて往けたら
いいですね。

 実は今日の日のことはどこかに忘れていました。
ふと気がついて喚鐘を撞く前に
過去帳を調べてまいりました。

 昭和23年2月19日藤並昭円さんが28歳でご往生されて
今ここに私が居るということ
何とも不思議ないのちのご縁をいただいて
今日こうして皆さんとお朝事のお勤めができて
昭円さんのことを偲ばせていただき
南無阿弥陀仏とお念仏申させていただいたことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2016.2.19)


新聞のコラムを読む楽しみ

2022-02-18
 北京オリオンピックが終盤になり
日本選手の活躍もあって
テレビの前から離れられません。

 今朝の新聞のコラムに
カーリングのことが書かれていました。

 地元紙のコラムですが
私たちの日常的な生活感でもって
「ああそうやな」と共感できるところが多く
楽しみに読んでいます。

 カーリングを見始めると
3時間近くがあっという間に過ぎていると
私が思うようなことを書かれていて頷かされます。
 一投ごとに変化する試合展開に
目が離せない面白さがあります。

 4年前の平昌五輪も銅メダルを獲得する活躍ぶりで
日本中が大いに盛り上がりました。
 コミュニケーション力やチームワークが
特に求められる競技で
「そだねー」とか「もぐもぐタイム」という言葉が
当時の年間流行語大賞になりました。

 あの時実は掲示伝道のことばに「そだね-」を拝借して
「『まかせよ救う』のよび声に『そだねー』と念仏申す」と
書かせていただきました。

 阿弥陀さまの「まかせよ救う」南無阿弥陀仏のお喚び声に
「おまかせします阿弥陀さま」と応えることで
「そだねー」とお念仏申させていただくと
したためました。

 南無阿弥陀仏のお心おはたらきにまかせるということで
阿弥陀さまの本願念仏のお心を
聞かせていただくことが肝心要です。

 今こここの私をめあてに
「まかせよ救う」のお喚び声が聞こえてきて
「そだねー」とお念仏申させていただきます。

 いつでもどこでもどんな状況にあっても
「私がいつも一緒だから大丈夫安心して
あなたはあなたの命を精いっぱい輝かせて
生きて往きましょう」と
私のいのちをそのまま引き受けてくださり
お念仏申すなかにお浄土への人生を
共に生きてくださるのです。

 南無阿弥陀仏とお念仏を申す日々の日暮らしの中で
阿弥陀さまのお慈悲に生かされるよろこびに
安心してほっこりさせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.18)


「慈光はるかにかぶらしめ」

2022-02-17
 今日は朝から強い風が吹いて
寒さが身にこたえる中を
皆さんようこそお参りです。

 段々と6時の梵鐘を撞く頃は薄明るくなり
6時半の喚鐘を撞く頃は東の空がきれいです。
 間もなく日が昇るということで
空の下方が薄赤く色を帯び
上方は透き通ったライトブルーのさわやかな青空でした。

 まだまだ寒いですが
日の出が早くなり日の入りが遅くなって
春が一歩一歩近づいていることを感じます。

 今日は満月といい
この時期はスノームーンというそうです。
 四季折々の自然の営みの中に
日暮らしさせていただく有難さです。

 梅の花の便りが届き
今朝のテレビは河津桜のことを放送していました。

 今日は今年一番の冷え込みになるそうで
県内でも雪の降るところが多いそうです。

 春のお彼岸に向けて
昼の時間が夜の時間に追いついてきて
これから益々明るく暖かくなってまいります。

 仏さまのさまのおはたらきを
慈光と申します。
「慈光はるかにかぶらしめ ひかりのいたるところには
 法喜をうとぞのべたまふ 大安慰を帰命せよ」
<阿弥陀仏の慈しみの光はひろくあらゆるものを照らし
 その光の至り届くところでは
 すべてのものが喜びの心を得るといわれている。
 大いなる安らぎと慰めを与える大安慰に帰命するがよい>
と『浄土和讃』をいただきます。

 仏さまのお慈悲の光の中に包まれて
寒い日が続きますが
今日一日もお念仏申して生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.17)


思い通りにならない人生も見直すことができる

2022-02-16
 北京オリンピックの話題で連日持ちきりですが
メダルを獲った選手悔しい思いをした選手それぞれです。

 4年に一度開催されるオリンピックで
前回は韓国で行われました。
 前回メダルに届かず悔しい思いをした
ジャンプの小林選手は今回見事に結果を出しました。

 昨日はスピードスケート女子団体決勝があり
前回金メダルの日本チームは連覇を狙いましたが
惜しくも悔し涙にくれました。
 頂点に立って追われる立場もしんどいですね。
4年間なお一層厳しい練習を積み重ねても
残念な結果に終わることもあります。

 3連覇を目指して今回4位に終わった
フィギアの羽生選手が競技後の会見で
「報われない努力だったかもしれないけど」と
話していました。

 過去の実績だけで結果を残せるわけでもないし
トップ選手でも日々のたゆまぬ努力があって
結果が付いてくるということです。

 やるべきことをやって結果は後からついてくるとか
メダルはこれまでの努力のご褒美とも言われます。

 私たちの人生に重ねて思います。
こうしてこうしてこうしたらこうなると
自分の思い通りの人生だったらいいのでしょうが
お釈迦さまは「人生は苦なり」と
人生は思い通りにならないものだと教えます。

 仏教は迷いの私がさとりの仏に成る
成仏道を説く教えで
誰にでも開かれた教えです。

 こうしてこうしてこうしたらこうなると
お釈迦さまの説かれた教えを信じ修行してさとりを目ざす
自力聖道門の仏道がありますが
誰にでも修めることができる道ではなく
難行道といわれます。

 一方お念仏の仏道は
私がこうしてこうしてこうしたらこうなると
私が自らの力をたのみ励む仏道ではありません。

 自らの力で仏道成就することが難しいばかりか
全く仏法を聞く気もない仏さまに背中を向けた
私のことを思いはかって
阿弥陀さまの方で
すべてのものが救われる道を開いてくださった仏道が
他力浄土門のお念仏の仏道です。

 他力とは阿弥陀如来の「必ず救うまかせよ」の
本願成就の南無阿弥陀仏のおはたらきです。
「自力の心をすてて他力に帰す」そのこと一つで
どんな人も救われる道と説かれます。

 どこまでも自分の思いはからいをもって生きる
私たちには易しいようで難しい道ですが
私が私がと小さな自分の世界に閉じこもって
悩み苦しみ迷う私だからこそ
救わずにはおかないと
阿弥陀さまは南無阿弥陀仏のおはたらきで
大きな仏の世界お浄土に生まれて来いよと
喚び続けてくださっているのです。

 男女、老少、善悪、賢愚を選ぶことなく
どんな人も分け隔てなく必ず救うと
南無阿弥陀仏のおはたらきで
お念仏申すにお育ていただき
お浄土に生まれて仏にさせていただきます。

 今こここの私を目あての
本願念仏のお救いです。
 お念仏申して今を生きるということです。

 自分の思い通りにならない人生も
やり直すことはできませんが
お念仏の視点で見直すことができます。

 仏法を聞かせていただくと
ふっと「ああそうやな」と
人知を超えて知らされ気づかされる世界があります。
 仏さまのものの見方をいただくのです。

 その大本の仏さまは阿弥陀さまですが
私たちのご先祖有縁の仏さまです。
 迷いの世界にあって苦悩して生きる私を
仏さまのご縁に遇わせて
お念仏申す身にお育てくださる仏さまです。

 お念仏を申すなかに仏さまと共に
今日一日も生かされて生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.16)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
4
6
9
2
7
TOPへ戻る