本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

見るがいい!われらが人間の愚かなすがたを!

2022-02-25

 今朝のどの新聞の一面も大きく
「ロシアがウクライナ侵攻」の見出しです。
 テレビのニュースも連日ウクライナ情勢に
関することばかりです。
 果たしてロシアのメディアは
今回の事態をどのように伝えているのでしょうか。

 ウクライナ国内の親ロシア派の人たちを
守る自衛のための戦争であり
責任は全てウクライナ欧米諸国にあると
「正義は我にあり」とばかりに
プーチン大統領は高らかに言い放ちました。

 戦争の口実は何とでも言えることで
これまでも名だたる世界の指導者から聞いた言葉です。

 ネット社会の今は世界中が瞬時につながる時代で
その人人の思惑はともかく
今の現実確かな事実はそのまま映像で入ってきます。

 明らかにおかしな理不尽なことが
今この地球上で起こっているという事実です。

 正義のための戦争とか平和のための戦争とか
どんなに言い繕っても
戦争は所詮地球環境を破壊するものであり
人々の日常生活を一方的に奪う暴挙でしかありません。

 軍事施設限定の攻撃で
一般市民に被害を及ぼすものではないといって
軍人であろうとなかろうと人殺しがほめたたえられ
人々は家を失い故郷を追われ
大切な人を亡くして路頭に迷うのです。

 戦争をして何か良いことがあるかといって
何も良いことはないと
これまでの歴史が何度も何度も繰り返し教えているのに
この地球上で戦争のない日は一日もないと言われるように
人間は戦争を繰り返してきました。

 仏さまが救いのめあてとする
十方衆生の一握りの人間がわがもの顔に
地球の絶対的な支配者であるかのように振る舞い
同じ地球に共に生きる無数のいのちを殺し傷つける様は
罪業深重の愚かな凡夫のすがたです。

 戦争は人間同士を敵味方に分断し
互いに正義を主張し合って殺し合うのです。
 戦争に正義はなく
勝ったものも負けたものもありません。

 これまでの歴史的な経緯や国と国との関係など
自分に都合の良い理屈を並べ主義主張を展開しても
戦争になったら
今回のように強大な軍事力をもった国が
堂々と他国を侵略することで
世界の人びとはただただ無力感を味わうばかりです。

 戦争は怨み憎しみを深く遺します。
戦争の歴史はそうした怨み憎悪の連鎖です。

 お釈迦さま
「怨みに報いるに怨みを以てしたならば
ついに怨みの息むことはない」と教えられます。
 戦争で解決するものは一つもありません。
戦争に勝って安心ではなく
愈々不安の中に苦悩していくのです。

 プーチンさんだけの話ではありません。
世界のリーダーといわれる大国の指導者たちです。
 強い口調で非難の大合唱ですが
どれだけ本気に自らの命をかけるほどに
外交交渉をしてきたのでしょうか。

 それぞれの自国中心の思惑が垣間見えてきます。
具に見るがいいですよ。

 戦争の当事者だけではありません。
罪業深重の凡夫こそこの私だと知らされます。
 自己中心の思いで生きては
周りの人を傷つけている様は
実に私のことです。

 強大な権力をもち武力をもつと
本当のことが分からなくなるのでしょうね。
 これほど怖いことはありません。
化けの皮をはがされた愚かな人間
私の本当のすがたです。

 見るがいいです。
愚かな人間のすがたを具に見ておきましょう。
 見るがいいです。
我が心根です。

 そしてこの私を見守ってくださって
そのまま丸ごと引き受けてくださる
仏さまがいらっしゃることを
仏法に聞かせていただきましょう。

 愚かな凡夫の私のすがたを見た時に
「悲しいね」って大悲の涙を流して立ち上がり
南無阿弥陀仏と私のところに来てくださって
そのまま抱きしめてくださる仏さまです。

 お念仏申して阿弥陀さまのお慈悲のお心おはたらきを
聞かせていただきましょう。
 南無阿弥陀仏のお心にかなう
私にできることをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.25)


継続は力なり

2022-02-24
 お寺からホームページを発信しています。
開設して5年8カ月になりますが
昨日でアクセス数が5万回を超えました。

 多いのか少ないのかわかりませんが
ありがたいことです。

 始めた頃は一日に4回か5回ぐらいのアクセスで
半年程経ってネットに詳しい方に
ホームページを立ち上げてこんな回数ではという思いを
愚痴をこぼすように言ったら
「すごいじゃないですか」と言われました。

 1回でも2回でもアクセスがあることが
すごいというのです。
誰かと確かにつながっているということです。

 別に回数を誇ることではなくて
一人でも多くの方に見て読んでいただく思いから
始めたわけですからね。
 ただ欲が出るんですね。
欲が出て悩み苦しみ迷うのです。

 とにかくできるだけ日々発信しようと
自分なりに工夫し続けるうちに
アクセス数が徐々に増えてきて
今は40回とか50回、多い時には70回前後の日もあります。

「継続は力なり」という格言です。
小さい頃からよく聞かされました。
 私という人間は生来の怠けものですから
何事も続かないのです。
 だから先人は「継続は力なり」と
自分たちの失敗経験も踏まえて
続けていたら何かいいことがあるよって
教えてくれたんでしょうね。

 このお朝事もまた
継続は力なりと力をいただきます。
 この力は皆さんそれぞれ
色んな受け止め方があると思いますが
逆に私に力が入ると継続が難しいのです。

 私が私がという力です。
しないといけない続けないといけないと
頑張って頑張ってと
私に力が入ると継続すら難しくなるということです。

 継続は力なりといただく力は
お念仏のご法義を聞かせていただくと
阿弥陀さまの本願力なのです。

 私が私がと頑張っては悩み苦しみ迷う
私のことをいつも思うてくださり
「必ず救うまかせよ」とご一緒くださる
南無阿弥陀仏のおはたらきです。

 阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされて
お念仏相続させていただけるのです。

 仏さまのご縁をいただいて
こうして御仏前に座らせてもらって
お念仏申す身にお育ていただいたのです。

 今日も一日色んなことがあるけれども
お念仏申して阿弥陀さまの大悲の中に
私にできる精いっぱいのことをさせていただいて
私一人じゃなくて隣の人も隣の人もみんな一緒に
生かされて生きて往きましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.24)


そして「今日は何の日?」

2022-02-23
 昨日2月22日はニャンニャンニャンの<ねこの日>で
今日2月23日は語呂合わせで<富士山の日>だそうです。

 誰が考えるのでしょうか。
とにかく毎日が何かの日で賑やかです。

 今日は天皇誕生日の祝日で
いつもと違う朝の時間をゆっくり過ごしている方も
多いのではないでしょうか。

 令和の時代の天皇誕生日です。

 昨日私と同年輩の皆さんがたくさん集まる場所で
「昭和天皇の誕生日はよかったな」という声が
聞こえてきました。

 昭和天皇の誕生日は4月29日で
5月の連休に重なることで
ゴールデンウィークという
まとまった休みが続くということです。

 70歳代の方々です。
高度経済成長期の日本社会の最前線で
頑張って頑張って働いてきた世代です。
 若い時分は週に日曜日だけの休みで
家でゆっくり体を休めるということだったと思います。
 家族でどこかに行くとか
自分の趣味を見つけて広げるとかの
心の余裕もないなかに
まとまった休みは本当に有難かったと聞こえました。

 平成の天皇誕生日は12月23日で
学校が冬休みに入る前でした。
 このたびの令和の天皇誕生日は2月23日で
前後にそうした休みがありません。
 昭和平成そして令和と生きてきて
「昭和の天皇誕生日はよかったな」ということです。

 さて今年は昭和何年かご存知ですか。
年回のご法事をお勤めさせていただく上で
今は昭和何年と頭に入っていないと都合が悪いのです。

 今年は昭和97年です。
だから50回忌のご縁のお方は
昭和48年にご往生されたという計算です。

 平成でいったら平成34年です。
令和が始まる令和元年は5月1日から始まりました。
 その年の1月から4月までは平成31年で
令和の天皇誕生日は今年で3回目になります。
コロナ禍にずっとかかって
今年も天皇誕生の祝賀行事はほぼありません。

 そうしたなかにあって私たちの日常生活
日々の営みです。
 皆さんにとって今日は何の日と言われたら
家族の記念日を思うのではありませんか。

 それぞれの誕生日ということでしょうし
ご先祖有縁の大切なお方のお命日ではないでしょうか。

 お命日のご縁に阿弥陀さまの御仏前に座らせていただき
お念仏を申して御礼をさせていただける
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
共々に生かされて生きている仏さまのご縁と
有難くいただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.23)


今日はにゃんの日?

2022-02-22
 今日2月22日はニャンニャンニャンの<ねこの日>で
2022年と2が合わせて6つで
<スーパーねこの日>だそうです。

 1ではなくて2
二番目ということで№2という言い方をします。

 会社でいうと№1が社長で
№2は副社長でしょうか。
 №1は組織の代表
顔であり責任者です。

 ただ№1が一人で組織を取り仕切っているわけではなく
大きな組織の取り仕切り役は実は№2で
№1を直に支える№2の存在は欠かせないものです。

 あえて№1にならないで
№2の妙味に生きる人がいます。
 参謀とか黒幕とかいった
暗いイメージもありますが
スポーツチームでいうと
№1が監督で№2がヘッドコーチということでしょうか
№1と№2の関係がその組織の浮沈を決めます。

 22日は夫婦の日でもあります。
夫婦という連れ合いパートナーの関係です。
 2と2が並びます。
1と1ではありません。

 2と2だからいいのです。
2は1を立てます。
 お互いに認め合い支え合うという関係です。

 さて仏さまは私たちを
どう見てくださっているのでしょうか。
 仏さまの見方に№1も№2もなく
私たちをすべてオンリー1と見てくださっているのです。

 私たちは人それぞれ顔が違うように
性格も生活ぶりもみんなそれぞれ違います。
 みんなが№1にはなれませんが
「みんな違ってみんないい」と
みんなそれぞれがオンリー1で生きていけるのです。

 猫の世界もそれぞれです。
ニャンニャン2と2の関係で
オンリー1のいのちを共に生きてまいりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.22)


お念仏のお救いに万が一はありません

2022-02-21
 17日間の北京冬季オリンピックが閉幕しました。
カーリング女子の銀メダルの活躍で
最後の最後まで日本中を楽しませてくれました。

 そのなかで土曜日の新聞のテレビ欄に注目しました。

 NHKの夜の放送案内に
「カーリング女子準決勝の結果
万が一日本が3位決定戦に進む場合~中継予定」と
番組変更の表示がありました。

 ベスト4になって金曜日の夜の準決勝で
勝ったら日曜日の朝の決勝に進むわけですが
万が一負けた場合は
土曜日の夜の時間に3位決定戦があるわけです。

 準決勝の結果が判明しないなかでの新聞発行で
その意図はわからないわけではありませんが
案内の最後に
「日本が決勝に進んでいることを願っています」とあって
公共放送のNHKのあからさまな日本びいきの表現です。

 準決勝に勝って決勝に進んでほしいという
日本国民の思いいっぱいを代弁したかたちですが
勝負は時の運で勝つこともあれば負けることもあります。

 それを「万が一(負けた時は)」と表現したところが
対戦相手チームには失礼なことですが
何か微笑ましかったです。

 万が一ということで
私たちの阿弥陀さまのお念仏のお救いを思います。

 親鸞聖人は『高僧和讃』の源信讃に
「専修のひとをほむるには 千無一失とをしへたり
   雑修のひとをきらふには 万不一生とのべたまふ」
(源信和尚は、念仏をもっぱら修める人をほめ
 真実の浄土に往生できないものは
 千人に一人もいないと教え
 さまざまな行を修める人を嫌い
 真実の浄土に往生できるものは
 万人に一人もいないといわれた)
と述べられています。

 一万人の中に一人でも救いに漏れる人がいたら
阿弥陀さまの本意ではないのです。

 御文章さまに蓮如上人は
「十人は十人百人は百人ながら」と
阿弥陀さまのお救いを述べられています。

 百人いて99人が救われたらいいのではないのです。
残る一人こそが阿弥陀さまの救いのめあてなのです。

 その一人こそこの私と聞かせていただくのが
南無阿弥陀仏のお救いです。

 お念仏のお救いに万が一はありません。
「大丈夫安心なさい。われにまかせよ必ず救う」と
阿弥陀さまはいつも喚んでくださっているのです。

 阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に生かされて
今日一日も日暮らしさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.2.21)


円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
4
6
9
2
7
TOPへ戻る